たった1株から何十輪、多いものなら何百輪とたくさんの花を咲かせてくれるクライミング樹形のつるバラを、長尺苗から地植えで育てる方法を紹介します。それぞれの月に必要な手入れを、写真やイラストつきでていねいに説明しているので、初心者さんにもかなり分かりやすいと思います。憧れのつるバラのある生活はじめてみませんか?

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CONENTS

クライミング樹形のつるバラを、「長尺苗」から地植えで育てる方法

▲クライミング樹形を代表する人気のつるバラ「ピエール・ドゥ・ロンサール」

ラの育て方の基本を、初心者にも分かりやすく、樹形別にていねいに紹介します。今回は、クライミング樹形のつるバラを、長尺苗(ちょうじゃくなえ)から地植えで育てる方法です。ここでは基本の育て方を紹介していますので、さらに細かく知りたい方は、それぞれについて詳しく書いているページを参照してください。

 

 

アーチや壁面をたくさんの花で彩ってくれる「つるバラ」は、たった1株あるだけで庭に優雅な景色をつくってくれます。しかも木立ち樹形のバラよりも手入れがシンプルで分かりやすい、強健で育てやすい品種が多いという嬉しいメリットがたくさんあります。「あまり細かい手入れはできない」「壁面をおしゃれにしたい」という方におすすめなのが、「つるバラ」栽培です。

 

 

今回は、つるバラのなかでも大輪の花を咲かせる品種が多く、花色もバラエティに富み、背の高い壁面を飾るのに向いている「クライミング樹形」のつるバラの育て方を紹介します。

 

 

肥料やりや剪定など、木立ち樹形のバラではつぎつぎやるべき作業があるのに対して、つるバラはとてもシンプル。木立ち樹形のバラから始めると「バラ栽培って難しい!」とマイナスイメージから入りがちですが、つるバラから育て始めると「バラって庭を演出する素晴らしい花材!」とプラスイメージから入ることができます。初めてバラを育てるなら、つるバラからの方が楽しく始められると思います。

 

初心者がつるバラを育てるなら「長尺苗」からが絶対おすすめ!

▲枝先を長く伸ばした「長尺苗」

るバラの苗には「新苗」「大苗」「長尺苗」の3種類があります。

 

 

「新苗」のつるバラは、苗が流通する春に植えつけてから1年後に花が咲きます。

 

 

枝を短く切りつめた状態の「大苗」のつるバラは、苗が流通する冬に植えつけてから1年半後に花が咲きます。品種によっては(*枝替わりでつるバラになったタイプは)、つるバラにならず木立ち樹形のバラになってしまう場合があります。

 

 

枝先を長いまま育てた「長尺苗」のつるバラは、植えつけた次の春に花が咲きます。12月に植えつければ、半年で花が楽しめます。木立ち樹形になってしまう心配もありません。

 

 

花が咲くまで1年も1年半もかかるのでは、手入れに不慣れな初心者は、花を見ることなくダメにしてしまいそうで不安ですよね。つるバラを育てたかったのに、木立ち樹形にもどってしまうのも困ります。だから、初心者は「長尺苗」から育てるのが一番おすすめなのです。

 

 

「長尺苗」は、お店では5月~6月に花やつぼみがついた状態で入荷しますが、通販なら1年じゅう取り扱いがあります。メリットが多い「長尺苗」ですが、育てるのに時間がかかるのでほかの苗より値段が高く、大きな荷物になるので送料も高くなってしまうのがデメリットです。

 

あいびーあいびー

*「つる〇〇」という品種名のものに、つる性が安定していない品種があります。「つるデンティ・ベス」「つるブルームーン」「つるブルー・バユー」「つる聖火」「つるパパ・メイアン」「つるブラック・ティー」などは、とくにつる性が安定していない品種です。これらは枝が長い新苗か長尺苗からでないと、木立ち樹形になりやすいので注意してください!

「長尺苗」はいつ地植えにしてもいいけれど、育てやすいのは冬から!

尺苗は鉢苗なので、じつは真夏以外ならいつ庭に地植えしても構いません。今回は、とくに初心者におすすめの冬、12月~1月初旬から育て始める方法を紹介していきます。これ以外の季節から育て始める場合は、植え替えするときに、根をあまり触らずに、土もあまり落とさずにそっと植え替えてください。

 

 

春以外にお店で「長尺苗」を見かけることはほとんどありませんから、植える時期に合わせて通販で購入してください。

 

▼苗の種類について詳しくは、こちらをご覧ください

 

「クライミング樹形」のつるバラとは、こんなバラ

▲壁面を大輪の花で飾るクライミング樹形のつるバラ

万種類もあるバラの品種は、その樹形から「木立ち樹形(またはブッシュ樹形)」「半つる樹形(またはシュラブ樹形)」「つる樹形(クライミング樹形とランブラー樹形)」の4タイプに分けることができます。

 

 

それぞれに育て方も仕立て方も違ってくるので、自分の育てるバラがどんなバラなのか、その特徴を知ることから始めましょう。

 

▼バラの樹形について詳しくは、こちらをご覧ください。

クライミング樹形のつるバラは、豪華な花がたわわに咲く!

先を長く伸ばすつるバラには「クライミング樹形」と「ランブラー樹形」があります。「クライミング樹形」のつるバラは、堅くしっかりした枝が株元から立ち上がり、長く伸びた先にいくほど枝は細くなり垂れ下がります。株元からしっかり立ち上がるので、高さのある壁面を飾るのに向いているつるバラです。

 

 

クライミング樹形のつるバラは大輪の花を咲かせる品種が多く、花色も豊富で、ロマンティックな景色をつくってくれます。多くは一季咲きですが、よく返り咲きする品種もあります。

 

 

系統でいえば、花の大きなつるバラ──ラージ・フラワード・クライマー系統【LCl】がクライミング樹形です。木立ち樹形のバラ(ハイブリッド・ティー系統やフロリバンダ系統)がそれぞれ枝替わりでつる性になった品種、クライミング・ハイブリッド・ティー系統【ClHT】(たとえば「つるブルー・ムーン」)やクライミング・フロリバンダ系統【ClF】(たとえば「つるアイスバーグ」)もクライミング樹形です。

 

 

本来は木立ち樹形のフロリバンダ系統【F】だけれど、日本で大型に育つ「アンジェラ」や「レオナルド・ダ・ヴィンチ」も、クライミング樹形と同じように管理します。

 

 

また、「グラハム・トーマス」「カクテル」などの枝先が長く大型になるタイプのシュラブ系統【S】のバラも、ほぼクライミング樹形と同じように管理します。

 

庭で育てるクライミング樹形の、初心者向けつるバラ品種を選ぼう!

▲殿堂入りのクライミング樹形のつるバラ「ニュー・ドーン」

心者がまず考えたいのは、「耐病性」の高い(強い)品種です。さらに樹勢も強ければ、かなり育てやすい品種といえます。とはいえ、じつはつるバラは病気にかかりにくく樹勢の強いものが多いので、よほどマニアックな品種でないかぎり、育てにくい品種は少ないです。

 

 

つるバラを選ぶには、バラの専門店からカタログを取り寄せたり、ネット検索で、育てやすい品種から好みのバラを選びましょう。世界的なバラのコンテスト「ADR賞」「AARS賞」または「バラの殿堂入り」をはたしている品種のなかから、比較的新しい品種を選べば間違いなく育てやすいバラです。

 

▼「ADR賞」「AARS賞」「殿堂入り」のバラはそれぞれこちらからご覧ください

 

よく流通している、クライミング樹形の代表的な育てやすいつるバラ品種をいくつか紹介するので、参考にしてください。アンダーラインのあるものは、個別の品種紹介ページにリンクしています。

 

パレード【LCl】、スパニッシュ・ビューティー【LCl】、ピエール・ドゥ・ロンサール【LCl】、ニュー・ドーン【LCl】、フォース・オブ・ジュライ【LCl】、ドン・ファン【LCl】、つるアイスバーグ【ClF】、アンジェラ【F】、レオナルド・ダ・ヴィンチ【F】、グラハム・トーマス【S】、カクテル【S】

 

良い長尺苗の選び方

尺苗がお店に出回るのは春の花の時期です。この時期なら病気がないか、葉が黄色くなっていないかなどを自分で確認することができます。でも冬に植えつけようと思えば、通販で購入することになります。苗選びはお店まかせになってしまうので、バラ苗を多く扱っている、信頼できるバラの専門店で購入しましょう!

 

クライミング樹形のつるバラを育てる場所を決めよう

▲クライミング樹形のつるバラは、高さのある壁面に誘引するのに最適

ライミング樹形のつるバラは自立することができないので、なにか誘引する構造物があるところに植えます。株元から太く堅い枝が立ち上がってから枝先にかけて細くなるという樹形の性質から、高さのある広い面積をカバーする使い方がもっとも適しています。

 

 

家の壁や、上の写真のように高さのある壁面、ポール仕立てにも向きます。ポールのかわりに庭木に誘引することもできます。花枝の長さにより見た目の良し悪しはありますが、一般家庭のアーチでも使えます。ただし株元の枝が堅く曲げにくいので、高さ1mほどの低いフェンスには向きません。

 

 

バラは、日向で、風通しが良く、さらに水はけが良く保肥力が高い土を好みます。一般に午後3時までの時間で4時間以上日が当たる場所が良いといわれます。

 

▲株元には日がささないけれど、枝先にしっかり日が当たる環境なら、つるバラは育てられる

 

しかし、つるバラなら株すべてがまんべんなく日向になる必要はなく、株元は日当たりが悪いけれど枝の高いところは日当たりが良いという条件なら十分育てられます。たとえば上の図のように、塀の内側に植えつけ、枝先を塀の上に出せば育てることができます。

 

 

しっかり土壌改良をしてから植えるので、よほど水はけが悪い土でない限り、たとえ砂の多い土でもつるバラを育てることができます。

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12月~1月上旬の作業/長尺苗を庭に植えつける方法

▲1月下旬。つるバラの芽は、もうぷっくり膨らんでいる

てるつるバラの品種を選び、長尺苗を入手し、植える場所が決まったら、さっそく庭に植えつけしましょう。長尺苗を地植えにする適期は12月~1月上旬(関東以西基準)です。

 

 

ブッシュ樹形のバラよりつるバラは芽吹きが早く、上の写真のように1月下旬には芽が膨らんできます。せっかくの新芽を落としてしまう危険を避けるために、植えつけは1月上旬までに、遅くとも1月中旬までには済ませましょう。

 

 

枝を誘引できるところがない壁面は、植えつけ前にあらかじめトレリスを立てたりワイヤーを張ったりして、誘引できるようにしておきましょう。

 

準備するもの

 

バラの長尺苗(接ぎ木のテープを取っておく)

スコップ

完熟たい肥(牛ふん、馬ふん、バークなど、どんな素材でもOK) 12リットル

固形の発酵油かす 500グラム

水やり用のバケツ

ビニールタイ(ビニタイ)や麻紐など誘引用の道具

 


花ごころ 特選有機 濃い バラの肥料 2.5kg バラ デルバール フレンチローズ ガーデニング 肥料 関東当日便

 

たい肥や油カスのかわりに、バラ専用の有機質肥料を使うこともできます。「やはり専用の商品は違う!」と、実感する方も多いようですよ! 使う量は、それぞれの商品の説明に従ってください。

 

植え付け方1、50cm×50cmの植え穴を掘る

スコップで、直径50cm×深さ50cmていどの穴を掘ります。塀や家壁の側で大きな穴が掘れないときは、直径50cmなくても良いので、なるべく大きい植え穴を掘ります。

 

植えつけ方2、穴の底に固形の油かすを入れる

穴の底に、固形の発酵油かす500gをすべて入れます。

 

植えつけ方3、たい肥を穴の底に1/3、掘り上げた土に2/3混ぜる

たい肥1/3(4リットル)を穴の底に入れ、残りの2/3(8リットル)を掘り上げた土に、それぞれスコップで混ぜ込みます。

 

植えつけ方4、苗の根鉢を3割ほど崩して植えつける

長尺苗をポットから外したら、バラの根が土を抱き込んで鉢と同じ形になっていると思います。これを根鉢(ねばち)といいます。多少、細い根が切れても構わないので、シャベルなどで根鉢の土を3割ほど崩してから、植え穴の底に置きます。

 

 

つるバラの苗のテープが巻いてあったところ(接ぎ口)が、土に埋まるか少し顔を出すかくらいの高さに調整します。(接ぎ口を埋めるかどうかについては、接ぎ口を埋める派の専門家と埋めない派の専門家がいるので、どちらでも構いません)

 

植えつけ方5、掘り上げた土を戻して、水鉢をつくる

掘り上げた土(たい肥と混ぜてあるもの)を植え穴にしっかりと埋めもどし、穴の周りにまるく土手をつくります。この土手の中に水をためて、効率よくバラの苗に水をやる仕掛けです。これを「水鉢(みずばち)」といいます。

 

植えつけ方6、バケツで水やりする

水鉢の内側に、バケツ1杯分の水をゆっくりと流し入れます。水が引くと土が目減りしているので、減った分の土を水鉢の土手ごと周りから寄せておきましょう。基本的に水やりは、植えつけ直後のこの1回だけで大丈夫です。

 

植えつけ方7、枝先を誘引して作業は完了

葉が残っていれば、すべて摘み取ります。つぎに枝先を、なるべく地面と水平になるように寝かせて、ビニタイや麻紐でしばり誘引します。やがて葉が茂っても、どの葉にもしっかり日が当たるよう、枝と枝の間は最低でも握りこぶし1個分を開けて誘引しましょう。

 

2月~4月の手入れ/新芽が出てから、開花までの手入れのしかた「病虫害対策」「つぼみがつかない枝の処理」

▲2月になると、もうかなりの芽が葉を広げ始めている

1月に膨らみ始めた新芽は、2月になると葉を広げます。これから花咲く5月まで、つるバラをよく観察して、適切な管理を行いましょう。つるバラは強健な品種が多いので、初心者であまり手入れに自信がなくても、きっときれいに花を咲かせてくれますよ!

 

 

2月~4月の手入れは「病虫害対策」「つぼみがつかない枝の処理」です。

 

2月~4月の手入れ1、暖かくなる3月下旬から「病虫害対策」開始!

▲バラのつぼみにつくアブラムシ

3月下旬になると、つるバラの葉はもうかなり茂ってきています。本格的な春を迎えるこの頃から、「病虫害対策」を始めましょう。「病虫害(病気や虫の害)対策」とわたしは書きますが、「病害虫(病気と害虫)対策」でも、意味は同じです。

 

 

バラの新芽やつぼみはウドンコ病にかかったりアブラムシがついたりしやすいので、まず発生する前に予防をします。もし発生してしまったら、なるべく早いうちに農薬散布しましょう。とにかく予防と早期治療が大切です! ヒトの病気対策と同じですね。

 

 

つるバラの病虫害対策には、2本のスプレータイプの農薬を用意します。

 


【クーポン配布中】住友化学園芸 殺菌剤 マイローズ殺菌スプレー 950ml

 

バラにかかる代表的な病気に「うどんこ病」と「黒点病」(=黒星病)があります。「マイローズ殺菌スプレー」は、「うどんこ病」と「黒点病」予防に、さらに、発症してしまってからの治療にも効果的な農薬です。

 

使用回数の表記がなく、つるバラ用農薬の主軸として使いたい商品です。

 


住友化学園芸 ベニカXファインスプレー 950ml

 

もうひとつ用意したいのが、「ベニカXファインスプレー」です。「ベニカXファインスプレー」は、ウドンコ病、黒点病(黒星病)、灰色かび病などのバラの病気の防除に、さらにアブラムシ類、アザミウマ類、クロケシツブチョッキリ、コガネムシ類成虫、コナジラミ類、チュウレンジハバチ、ハダニ類、ハモグリバエ類、ハスモンヨトウと、広範囲のバラにつく害虫の防除に役立つ農薬です。

 

 

「ベニカXファインスプレー」には、上の写真のようにパッケージにバラの写真がついている商品と、バラの写真のついていない全体に赤いボトルの商品とがありますが、中身は同じです。

 

▼バラに使う基本的な農薬と使い方はこちらをご覧ください。

 

あいびーあいびー

スプレータイプの農薬は手軽に使える商品ですが、間違った使い方をすると人体や環境に悪影響を与えかねません。農薬を使うときには、使用方法をきちんと守ってくださいね!

農薬はローテーション使いが大事!

気の防除にも幅広い害虫の防除にも使える「ベニカXファインスプレー」はとても優秀な農薬なのですが、1年の総使用回数が4回までと決められています。これは、病気や害虫はとても適応能力が高く、同じ農薬ばかり続けて使うと耐性をつけて、やがてその農薬が効かなくなってしまう恐れがあるからです。

 

 

「マイローズ殺菌スプレー」を基本にし、ローテーションで年4回「ベニカXファインスプレー」を使うといいと思います。

 

あいびーあいびー

農薬に使われている薬剤には、それぞれ系統があります。同じ系統の薬剤を含んだ商品をローテーションしても意味がありません。薬剤知識のない初心者は、農薬メーカーがすすめるローテーション商品を使うのが確実な方法です。「マイローズ殺菌スプレー」も「ベニカXファインスプレー」も、どちらも住友化学園芸の商品で、同社のサイトでローテーション使いをおすすめしています。

2月~4月の手入れ2、「つぼみがつかない枝の処理」

▲4月中旬のつるバラ。小さなつぼみがあちこちに!

4月中旬になれば、枝のあちこちからつぼみが上がってくるはずです。あと1ヵ月もすれば、満開のつるバラに出会えます。ワクワクしますね!

 

ところが、一向につぼみがつく気配のない枝がときどき現れます。「出開き」または「ブラインド」と呼ばれる枝です。

▲出開き(左)とブラインド(右)

出開きは、数枚の葉が枝に張り付くように開いて、そのまま生長が止まってしまった芽です(図の左側の状態)。ブラインドは、あるていどの長さまで育っている枝の先端が細くなって生長が止まってしまった花枝です(図の右側の状態)。ブラインドの先端(赤い矢印の部分)には、本来ならあるはずの芽がなく、空っぽです。

 

 

どちらも、このまま放置すればぜったいに花は咲きません。

 

 

原因は、花枝が伸びるときに冷害にあったり、日照不足だったり、根に問題があったりと、なにかトラブルを抱えていると、出開きやブラインドになりやすいようです。要するに株に体力がないので、この枝を伸ばして花を咲かせられないとバラ自身が判断して開花調整しているのです。

 

 

出開きを咲かせることはできないので、そのまま放置してもいいし、あまり葉が混みあっているようならつけ根から切り落としても構いません。ブラインドは、5枚葉のところまで切り戻しておけば、上手くいけば次に伸びた花枝の先につぼみがつくかもしれません。何度やってもブラインドになるようならムリさせず、バラの判断にまかせてそのまま見守りましょう。

 

5月の手入れ/つぼみが膨らんでから、最初の花が終わるまでの手入れのしかた「花がら切り」「ベーサルシュートの管理その1、芽かき」「病虫害対策」

▲満開のつるバラ「ブラン・ピエール・ドゥ・ロンサール」

5月。待ちに待った花の季節です。ほとんどのつるバラは一季咲きで、春の開花のみなのですが、そのぶんたくさんの花を咲かせて、あたりの景色を変えてしまうほどです。このゴージャスさは、他の花では真似できません!

 

 

5月の手入れには、「花がら切り」「シュート処理」があります。「病虫害対策」も引き続き必要です。5月の手入れについて紹介します。

 

5月の手入れ1、基本の「花がら切り」のしかたを覚えよう!

▲花がら切りの基本は、花枝の半分の位置にある5枚葉の上で切る

るバラは、古い枝から今年のびた花枝の先に花が咲きます。花がら切りの基本的なやり方は、今年のびた花枝の半分の位置で切ります。目安として、「今年のびた花枝を10cm残して切り取る」と覚えておいても構いません。

 

 

返り咲きする品種なら、切ったところから新しくのびた花枝の先にまた花が咲きます。

 

5月の手入れ2、「ベーサルシュートの管理その1、芽かき」のしかた

▲株元から出るベーサルシュートは良い芽を残す

の花が終わると、株元からみずみずしい枝が伸びてきます。これは、来年の主幹に育つ「シュート」(ベーサルシュート)と呼ばれる大切な枝の芽です。

 

 

ひとつの枝からいくつものシュートの芽が出ていたら、良い芽をひとつ残してかき取りましょう。なるべく株の外側についた芽(外芽)で、大きく育っているものを残します。上の写真でいえば、左側についているのが外芽です。この場合、右側の芽の方が大きいのですが、左側の芽を残します。

 

5月の手入れ3、「病虫害対策」もしっかりと!

▲せっかくのつぼみが、こんな無残なことにならないように!

かくなるにつれ、病気や害虫の活動も活発になります。引き続き「マイローズ殺菌スプレー」と「ベニカXファインスプレー」をローテーション使用して病気や害虫の防除に努めましょう!

 

6月~11月の手入れ/梅雨~晩秋までの手入れ「夏の水やり」「ベーサルシュートの管理その2、台風対策」「病虫害対策」

▲真夏のつるバラは、葉の美しさを自慢できるくらいにしたい!

季咲きのつるバラは、春の花が終わったら、後はもう冬まで「夏の水やり」「ベーサルシュートの管理」「病虫害対策」だけになります。返り咲き品種なら、そこに花がら切りが追加されるだけです。木立ち樹形のバラを育てた経験がある方にとっては、きっと拍子抜けしてしまうくらい、やるべき作業は少ないのです。

 

6月~11月の手入れその1、「夏の水やり」のしかた

植えのバラは基本的に水やりはいりませんが、つるバラは葉が多く蒸散も活発です。あまりに晴天続きで枝先がぐったり下を向いてしまうようなら水やりしましょう。朝夕の涼しい時間帯を選んで株元に水やりします。

 

6月~11月の手入れその2、「ベーサルシュートの管理その2、台風対策」のしかた

▲長く伸びたベーサルシュートは、折らないよう支柱を立てて真っ直ぐ管理

になると、ベーサルシュートはもうかなりの長さに育っているはずです。クライミング樹形のつるバラのベーサルシュートは、真っ直ぐ立てて管理します。来年の主幹になる大切な枝なので、風で折れてしまわないよう、支柱を立ててしばっておくといいですね。とくに台風シーズンには要注意です!

 

あいびーあいびー

木立ち樹形のバラを育てたことがある方は、ベーサルシュートの先端をピンチしたくなるかもしれませんが、つるバラではピンチしたり切ったりしないでくださいね! 枝を曲げるのもダメです!

6月~11月の手入れその3、「病虫害対策」美しい葉をたくさん残そう!

▲葉を食い荒らすクシヒゲハバチの幼虫

雨時期は害虫被害が多いのですが、これを乗り越え真夏になると、害虫はひと段落してぐっと数が減ります。木立ち樹形のバラなら梅雨時期は黒点病の防除に務めなければいけませんが、つる樹形のバラでは黒点病はほぼ発生しません。気温が上がるにつれウドンコ病も収まってきます。

 

 

秋になるとまた少し害虫被害に注意が必要ですが、春に比べればとても少ないです。

 

 

つるバラは、花後の生育期にどれだけ美しい葉を残してしっかり光合成できるかがじょうぶな株づくりのカギになります。美しい葉をたくさん残せるよう「病虫害対策」を続けてください。

 

12月~1月初旬の手入れ/バラの休眠期の手入れ「寒肥え」「冬の整枝」「誘引」

▲クリスマス、年末、お正月と忙しいシーズンですが・・・

12月になると、つるバラは生長をやめ休眠期に入ります。1月下旬にはつるバラの芽が膨らんできますから、つるバラの休眠期は、12月~1月中旬。とても短いですね。ちょうどクリスマス、年末、お正月と、ヒトも忙しいシーズンですが、つるバラにはこの時期に行う1年で一番大切な作業があります。

 

 

それが「寒肥え」「冬の剪定」「誘引」です。

 

12月~1月初旬の手入れその1、「寒肥え」のやりかた

ラの休眠期に施す肥料を「寒肥え(かんごえ)」または「寒肥(かんぴ)」といいます。春の芽出しをスムーズにし、美しい春花を咲かせるために施す肥料です。効果がゆっくり長く効く肥料が適しているので、有機質肥料を使います。

 

 

準備するもの

スコップ

完熟たい肥(牛ふん、馬ふん、バークなど、どんな素材でもOK) 5リットル

固形の発酵油かす 500グラム

 

 

たい肥や油カスのかわりに、バラ専用の有機質肥料を使うこともできます。使う量は、それぞれの商品の説明に従ってください。

 

▲株から30cm離したところに直径20~30cmの穴を3カ所掘って肥料を埋める

 

バラの株から30cm離したところに、直径20~30cmの穴を3カ所掘ります。それぞれに発酵油かす150~200g、完熟たい肥1~1.5リットル(両手でひとつかみ半)を入れます。スコップで発酵油かす、完熟たい肥、土をよく混ぜたら穴を埋めもどします。

 

 

「寒肥え」の適期は、12月中旬~2月上旬です。

 

 

つるバラに施す肥料は、この「寒肥え」だけです。これからの1年間しっかり育つよう、必ずやりましょう。

 

あいびーあいびー

年数がたつにつれ、つるバラはあまり肥料を必要としなくなります。あまり大きく育たせたくないときにも、肥料は控えめにします。寒肥えの量は、自分のつるバラに合わせて判断してくださいね!

12月~1月初旬の手入れその2、「冬の整枝」(剪定)のやりかた

るバラの冬の剪定は、とても軽く行います。枝を切り戻す「剪定」というよりも、枝を整理するために軽くハサミを入れる「整枝」(せいし)の方がしっくりくる言い方です。

 

冬の整枝1、枯れ枝や細い枝を、根元から切り取る

枯れてしまった枝や、株元から出ている細い枝は、根元から切り取ります。これは、良いシュートになれなかった枝ですね。

 

冬の整枝2、鉛筆より太い枝は残し、細い枝は10cm残して切る

幹の途中から出ている勢いの良い枝は、太いものは幹として残し、細いものは切り取ります。目安として、鉛筆より太いものは残し、細いものは切ります。細い枝を残しても、良い花は咲きません。

 

よほど細い枝はつけ根から切り取りますが、勢いの良い細い枝は、芽を1~2個残してカットします。芽がわからなかったら、10cmくらい残してカットしておけばOKです。

 

作業後の枝はこのようになります。

 

冬の整枝3、枝先を少し切り、葉をすべて取る

枝先を軽く切り戻します。こうしておけば、枝先に花が咲く確率が高くなります。

 

 

枝にまだ葉がついているときは、すべて取ります。ちょっと触れるとポロリと簡単に落ちる葉もありますが、まだしっかりくっついている葉は、ハサミで切り取ります。葉をなくしてしまうことで、つるバラは、しっかり休眠する体制になります。

 

12月~1月初旬の手入れその3、「誘引」のやりかた

枝が終わったら、なるべく地面と水平になるよう枝を寝かせて誘引します。枝数が増えてきましたが、枝と枝との間は最低でも握りこぶし1個分開けて誘引しましょう。

 

 

古い誘引はすべてほどいて、新しくイチからやり直した方がきれいに誘引できます。

 

 

脚立を使うほど高いところの誘引は、じゅうぶん注意して作業しましょう!

 

あいびーあいびー

ここでは整枝と誘引を分けて説明していますが、慣れてくれば1本ずつ枝を誘引しながら同時に整枝できるようになりますよ!

まとめ

クライミング樹形のつるバラを、長尺苗から地植えで育てる方法を紹介しました。つるバラのなかでもクライミング樹形のつるバラは枝先が2~2.5mまでの、あまり大型に育たない品種がたくさんあります。一般家庭で使いやすいサイズなので、庭にじょうずに取り入れてください。

 

 

ここに紹介したように、クライミング樹形のつるバラは育て方がシンプルです。肥料は冬の1回きり、剪定も冬にちょっと整理するくらい。あとは病虫害対策とシュート管理のみ

 

 

育て方が簡単なぶん、誘引をがんばってください。誘引のしかたひとつで素敵にもなれば、乱雑にもなります。毎年大きく育っていくつるバラを、今年はどう生かそうかと考えるのがつるバラの楽しみです。とても創造的な植物だと思います。

 

 

基本の育て方だけでこれだけ長くなってしまったので、もっと細かいこと、たとえば仕立て方や誘引のしかた、病虫害、農薬などについては、別のページをつくりたいと思っています。

 

 

参考にしていただけたら嬉しいです。

 

 

間違っているところや、分かりにくいところがありましたら、ぜひご指摘くださいね!

 

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