バラの育て方の基本になる、木立ち樹形のバラを大苗から地植えで育てる方法を紹介します。それぞれの月に必要な手入れを写真やイラストつきで説明しているので、初心者さんにもかなり分かりやすいと思います。この育て方をひととおり覚えれば、他の樹形のバラを育てたり、鉢で育てたりも気軽に取り組めるようになりますよ!

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CONENTS

木立ち樹形(ブッシュ樹形)のバラを大苗から地植えで育てる方法

▲地植えで立派に育った木立ち樹形のバラ「ブルー・バユー」【F】

ラの育て方の基本を、初心者にも分かりやすいよう、樹形別にていねいに紹介します。今回は木立ち樹形のバラを、大苗(おおなえ)から地植えで育てる方法です。ここでは基本の育て方を紹介していますので、さらに細かく知りたい方は、それぞれについて詳しく書いているページを参照してください。

 

 

花を四季咲きさせる木立ち樹形のバラは、日本での育て方がよく研究され確立されています。剪定のしかたや病虫害防除のしかた、施肥のタイミングなど覚えなければいけない作業は多いのですが、ひととおりこれを覚えると、バラの基本的な育て方がよく分かります。バラをきちんと理解したいという方に、ぜひ取り組んでいただきたいのが、木立ち樹形のバラの育て方です。これを覚えれば、他のバラを育てるときに応用しやすくなりますよ!

 

 

大苗は、秋から冬に(10月~2月いっぱい)流通する、時間をかけてしっかり育てられた大人の苗です。今回はとくに初心者におすすめの冬(12月~2月いっぱい)から育てる方法を紹介していきます。

 

▼大苗が分からない方や、苗の種類について詳しくは、こちらをご覧ください

 

木立ち樹形(ブッシュ樹形)のバラとは、こんなバラ

▲木立ち樹形のバラ【HT】が群れ咲くバラ園

ラはさまざまな原種をもとに交配を繰り返して作られています。数万種類もあるといわれるバラの品種は、その樹形から「木立ち樹形(またはブッシュ樹形)」「半つる樹形(またはシュラブ樹形)」「つる樹形(クライミング樹形とランブラー樹形)」の4タイプに分けられます。

 

 

それぞれに管理のしかたが違うので、自分の育てるバラがどんなバラなのか、その特徴を知ることから始めましょう。

 

▼バラの樹形について詳しくは、こちらをご覧ください。

 

木立ち樹形は、四季咲きバラの樹形

立ち樹形は、ブッシュ樹形とも呼ばれる樹形です。枝が硬く、上に上にと伸びていく性質があり、自立することができるタイプです。どれくらい横に広がるかにより、さらに細かく「直立タイプ」「半横張りタイプ(または半直立タイプ)」「横張りタイプ」に分けている場合もあります。

 

 

木立ち樹形のバラは、今年伸びた新しい枝に花を咲かせます。木立ち樹形のバラは、1年に何度も花を咲かせる四季咲き性のバラです。

 

 

系統でいえば、ハイブリッド・ティー系統【HT】、グランディフロラ系統【Gr】、フロリバンダ系統【F】が木立ち樹形のバラです。(グランディフロラ系統は独立した系統と認められず、性質が近いハイブリッド・ティー系統と表記されることが多いバラです)。ほとんどのミニバラ【Min】や一部のポリアンサ系統【Pol】も木立ち樹形ですが、育て方がやや特殊なので、別のページをもうけて説明します。

 

 

と、いうことで。今回は、ハイブリッド・ティー系統(含グランディフロラ系統)またはフロリバンダ系統のバラを、地植えで育てる方法を紹介していきます。

 

庭で育てる木立ち樹形の、初心者向けバラ品種を選ぼう!

▲耐病性が強く育てやすい「ノックアウト」フロリバンダ系統(2000年作出)

立ち樹形のバラは、主にハイブリッド・ティー系統とフロリバンダ系統のバラです。ハイブリッド・ティー系統のバラは、花数は少ないものの花径10cmを超える大輪で色鮮やかなインパクトの強い花を咲かせるバラ品種が豊富です。大型の株に育つものが多く、長く育て続ければ迫力ある木になります。

 

 

フロリバンダ系統のバラは、花径7~8cmの中輪の花を房咲きにする特徴があります。ハイブリッド・ティー系統のバラよりも1株あたりの花数が多く、庭が華やかな印象になります。

 

 

バラは品種により耐病性の強いものや弱いもの、樹勢の強いものや弱いものがあります。初心者は、耐病性が強く、樹勢の強い品種のなかから好みの花を選びましょう。ネットで品種を検索すると、そのバラの特徴がよく分かります。世界的なバラのコンテストADR賞、AARS賞、またはバラの殿堂入りをはたしている品種で、比較的新しい品種なら間違いなく育てやすいバラです。写真の「ノックアウト」はADR賞、AARS賞、殿堂入りと、各賞総なめのとても育てやすいバラです。

 

▼「ADR賞」「AARS賞」「殿堂入り」のバラはそれぞれこちらからご覧ください

 

バラのプロがおすすめする品種から選ぶのも賢い方法です^^

 

▼バラのプロがすすめる品種はこちらからご覧ください。

 

良い大苗の選び方

▲熟枝(左)と、未熟枝(右)

ラの苗をお店で購入する場合は、バラの苗を多く扱っている店で、良い苗を選ぶことがだいじです。悪い苗を購入してしまうと、きちんと管理しても上手く育たなかったり枯れこんだりすることがあるので注意しましょう。

 

 

大苗は葉がついていないので、枝の状態をよく観察して良い苗を選びます。充実した太い枝が2~3本あるのが理想的な大苗です。充実した枝とは、木質部が厚く発達して堅くしまった枝で、「熟枝」とも呼ばれます。逆に木質部が未発達な枝は「未熟枝」と呼ばれます。

 

 

「熟枝」は、全体的に乾いた感じで、枝に縦の線が入るのが特徴です。枝の切り口を見ると、中心に小さな髄があります。一方、「未熟枝」は全体的にみずみずしく、切り口を見ると、木質部が未発達で髄が大きいのが特徴です。

 

 

太い「未熟枝」がある大苗よりも、やや細くても「熟枝」がある大苗の方が良い苗です。

 

 

ネットで購入する場合は、苗選びはお店まかせになってしまいますので、専門知識のあるバラの専門店で購入するのが安全です。

 

あいびーあいびー

万一、状態の良くない苗が送られてきた場合には、購入したお店に相談してください。お店によりさまざまですが、2日以内、1週間以内などの期限を設けて返品・交換に応じてもらえます。苗の状態をスマートフォンやデジタルカメラで撮影してメールで送付すれば、相談しやすいですよ!

バラを育てる場所を決めよう

▲房咲きするフロリバンダ系統のバラ【F】は、華やかな景色をつくる

ラを育てる場所は、日向で、風通しが良く、さらに水はけが良く保肥力が高い土が適しています。

 

 

日向とは、午後3時までに4時間以上、日があたる場所です。1日に2~3時間、日が当たる場所は半日陰といいます。半日陰ではバラを育てる日照条件としてはやや物足りないのですが、1日3時間ていど日が当たる場所ならバラは育てられます。

 

 

「パパ・メイアン」や「ブラック・バカラ」などの黒バラは日焼けで花が汚くなってしまいやすいので、あまりにも日当たりの良い場所よりも1日の日照が3時間ていどの半日陰の方が美しい花になります。「ブルー・ムーン」や「ブルー・バユー」などの青バラも、半日陰の方が色が美しく出るといわれます。ただし、半日陰では花数が減ったり、節間が長くなりひょろりと軟弱に育ちやすくなります。

 

 

バラを風通しの悪い場所で育てると、ウドンコ病を発症したり、節間が長く軟弱に育ったりしがちです。風通しがあまり良くない場所では、バラのまわりに植物を密植しないとか、背の高い植物を近くに植えないなどの工夫が必要です。

 

 

バラを植える土は、水はけが良く、保肥力のある土が適しています。しかし、多くの有機質肥料を混ぜ込んで土壌改良をしてから植えるので、あまりに水はけが悪く雨の後に水たまりができるような土地でない限り、バラを育てることができます。

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12月~2月の作業/大苗を庭に植えつける方法

てる品種を選び大苗を入手し、植える場所が決まったら、さっそく庭に植えつけしましょう。大苗を地植えにする適期は12月~2月いっぱい(関東以西基準)です。大苗を購入したら、または届いたら、なるべく早く植えつけましょう!

 

準備するもの

バラの苗(接ぎ木のテープは取っておく)

スコップ

完熟たい肥(牛ふん、馬ふん、バークなど、どんな素材でもOK) 12リットル

固形の発酵油かす 500グラム

水やり用のバケツ

 

植え付け方1、50cm×50cmの植え穴を掘る

スコップで、直径50cm、深さ50cmていどの穴を掘ります。何本か植える場合、株と株の間はハイブリッド・ティー系統のバラなら80cm、フロリバンダ系統のバラなら50cm開けましょう。

 

植えつけ方2、穴の底に固形の油かすを入れる

穴の底に、固形の発酵油かす500gをすべて入れます。

 

植えつけ方3、たい肥を穴の底に1/3、掘り上げた土に2/3混ぜる

たい肥1/3(4リットル)を穴の底に入れ、残りの2/3(8リットル)を掘り上げた土に、それぞれスコップで混ぜ込みます。

 

植えつけ方4、高さを調整し、根を広げるようにしてバラの苗を置く

掘り上げた土を少し穴の底にもどして山型に整え、そこに根を広げるようにしてバラの苗をかぶせて置きます。バラの苗のテープが巻いてあったところ(接ぎ口)が、土に埋まるか少し顔を出すかくらいの高さに調整します。(接ぎ口を埋めるかどうかについては、接ぎ口を埋める派の専門家と埋めない派の専門家がいるので、どちらでも構いません)

 

植えつけ方5、掘り上げた土を戻して、水鉢をつくる

掘り上げた土(たい肥と混ぜてあるもの)を穴にしっかりと埋めもどし、穴の周りにまるく土手をつくります。この土手の中に水をためて、効率的にバラの苗に水をやる仕掛けです。これを「水鉢」といいます。

 

植えつけ方6、バケツで水やりする

上で作った水鉢の内側に、バケツ1杯分の水をゆっくりと流し入れます。水が引くと土が目減りしているので、減った分の土を周りから寄せて植えつけは完了です。水やりのときに、発根を促すために活力剤(マイローズバラの活力剤、メネデール、HB-101、リキダス、土母など)を入れてもいいですね。

 

水やりは、植えつけ直後の、この1回だけで大丈夫です。あとは、無事に芽吹くのをゆっくり待ちましょう。

 

3月~4月の手入れ/新芽が出てから、開花までの手入れのしかた「病虫害対策」「芽かき」「つぼみがつかない枝の処理」

▲無事、芽吹きの季節を迎えたバラ

3月下旬になると、ほとんどのバラが新芽を伸ばし始めます。冬に植えつけたときには枝しかなかった大苗が、無事に芽吹いてほっと一息といったところですね。この時期に行う手入れは、「病虫害対策」と「芽かき」、そして「つぼみがつかない枝(出開きとブラインド)の処理」です。順番に説明していきます。

 

3月~4月の手入れ1、新芽が芽吹いてきたら「病虫害対策」の開始!

▲バラの株元に「オルトランDX」を散布して害虫を防除

の休眠期を終え、春の気配を感じて目を覚ましたバラですが、春に目を覚ますのはバラだけではありません。バラにつく病気や害虫も目を覚まします。新芽が出てきたら、病虫害の防除を始めましょう。木立ち樹形のバラの病虫害対策には、基本的に3本の農薬を使います。

 

害虫予防の基本は「オルトランDX」

萌え出たばかりの柔らかい新芽は、ウドンコ病にかかったり、アブラムシがついたりしやすいので、3月下旬に予防のために「オルトランDX」を株元にばら撒きます。「オルトランDX」は約1ヵ月間、効果が長く持続します。「オルトランDX」は、年間の使用回数が5回以内と決められているので、年間計画を立てて散布するようにしてください。


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病気予防の基本は「マイローズ殺菌スプレー」

病気予防の基本になるのは「マイローズ殺菌スプレー」です。バラにかかる代表的な病気に「ウドンコ病」と「黒点病」(=黒星病)があります。「マイローズ殺菌スプレー」は、「ウドンコ病」と「黒点病」予防に、さらに、発症してしまってからの治療にも効果的な農薬です。

 

 

「マイローズ殺菌スプレー」は使用回数制限の表記がなく、気軽に使えるところが魅力です。

 


【クーポン配布中】住友化学園芸 殺菌剤 マイローズ殺菌スプレー 950ml

 

発生してしまった害虫や病気の駆除に「ベニカXファインスプレー」

それでも害虫や病気をみつけたら、スプレータイプの殺虫殺菌剤「ベニカXファインスプレー」で駆除しましょう。「ベニカXファインスプレー」は、病気にも害虫駆除にも効果を発揮する農薬です。「オルトランDX」「マイローズ殺菌スプレー」「ベニカXファインスプレー」は、木立ち樹形のバラの病虫害対策の基本になる農薬です。最低でも、この3種類はそろえておきましょう。

 

 

「ベニカXファインスプレー」は、とても効果の高い農薬ですが、より確実に病気を治療し害虫を駆除するためには、見つけたらすぐに使うことが大事です。蔓延した病気を治すにはたくさんの農薬が必要になりますし、育ちすぎた害虫には効果が薄くなってしまいます。

 

 

「ベニカXファインスプレー」の年間の総使用回数は4回以内と決められています。よく効くからといって、むやみに使わないよう注意してください。

 


住友化学園芸 ベニカXファインスプレー 950ml

 

▼バラに使う基本的な農薬と使い方はこちらをご覧ください。

 

あいびーあいびー

農薬を使うのは、初心者にはちょっと抵抗があると思いますが、適切な使用でバラをじょうぶに育てましょう!

3月~4月の手入れ2、「芽かき」で、太くてじょうぶな枝を育てよう!

▲同じ場所から2本の細い芽が出ている

え出た芽をよく観察すると、同じ場所から2本以上の芽が出ていることがあります。このまま育てるとエネルギーが分散して、どちらも花を咲かせることができない貧弱な枝になってしまいます。1つの芽だけを残して他の芽を指で根元から折り取ってしまいましょう。この作業を「芽かき」といいます。

 

▲外芽を残して他をかき取る

このとき、バラの株の外側についている芽(外芽)を残すのが基本です。こうすると枝が育ったときに、株全体の形が上に向かって広がる形になり、バランスが良くなります。内芽(株の内側に向かって伸びている芽)を残すと内側に枝が混みあって、見た目のバランスが悪いだけでなく、風通しや日当たりが悪くなり病虫害が発生しやすくなります。

 

3月~4月の手入れ3、つぼみがつかない枝(「出開き」と「ブラインド」)の処理をしよう!

▲順調に育てば、こうして枝の先端につぼみがつくはずだけど・・・

先に萌え出た芽が順調に育っていれば、4月中旬以降に枝先につぼみが見えてくるはずですが、いつまでたってもつぼみが出ない枝が現れることがあります。こうした枝は、その枝の形状により「出開き」または「ブラインド」と呼ばれます。

▲出開き(左)とブラインド(右)

出開きは、数枚の葉が枝に張り付くように開いて、そのまま生長が止まってしまった芽です(図の左側の状態)。ブラインドは、あるていどの長さまで育っている枝の先端が細くなって生長が止まってしまった花枝です(図の右側の状態)。ブラインドの先端(赤い矢印の部分)には、本来ならあるはずの芽がなく、空っぽです。

 

 

どちらも、このまま放置すればぜったいに花は咲きません。

 

 

原因は、花枝が伸びるときに冷害にあったり、日照不足だったり、根に問題があったりと、なにかトラブルを抱えていると、出開きやブラインドになりやすいようです。要するに株に体力がないので、この枝を伸ばして花を咲かせられないとバラ自身が判断して開花調整しているのです。

 

 

出開きを咲かせることはできないので、そのまま放置してもいいし、あまり葉が混みあっているようならつけ根から切り落としても構いません。ブラインドは、5枚葉のところまで切り戻しておけば、上手くいけば次に伸びた花枝の先につぼみがつくかもしれません。何度やってもブラインドになるようならムリさせず、バラの判断にまかせてそのまま見守りましょう。

 

5月の手入れ/つぼみが膨らんでから、春の花後までの手入れのしかた「摘蕾(てきらい)」「花がら切り」「ベーサルシュート処理その1」「病虫害対策」

▲1番花が咲いた木立樹形のバラ【HT】

5月の中旬ごろになると、待望の春の花が咲きます。一番最初に咲くこの花を「1番花」と呼びます。1番花は、みずみずしく大輪に咲くのが特徴です。花数も一年で一番多くなります。冬からの手入れの成果が出る、ロザリアンにとって一番嬉しい季節ですね!

 

 

5月の手入れには、「摘蕾(てきらい)」「花がら切り」「シュート処理」があります。「病虫害対策」も引き続き必要です。5月の手入れについて順番に説明しましょう。

 

5月の手入れ1、大輪に咲かせたいバラは「摘蕾(てきらい)」で、つぼみを減らす

▲状態の良い大きなつぼみ以外を摘み取る「摘蕾」

輪の花を咲かせられる品種では、すべてのつぼみを咲かせてしまうと、開花のエネルギーが分散してあまり大きな花になりません。花数は少なくなってもいいから大輪の花を咲かせたいというときには、1本の花枝の先に1~2個のつぼみだけを残し、脇のつぼみは摘んでしまいます。この手入れを「摘蕾(てきらい)」といいます。

 

 

それほど花の大きさにはこだわらず、そこそこの大きさの花がたくさん咲く方がいいという場合は、「摘蕾」しません。「摘蕾」は、大輪の花を咲かせる品種が多いハイブリッド・ティー系統のバラで、主に行われる手入れです。花数が多いのが持ち味のフロリバンダ系統のバラでは行いません。

 

あいびーあいびー

近年、ハイブリッド・ティー系統とフロリバンダ系統のバラの境界があいまいになってきています。大輪の花を数輪ずつ咲かせるフロリバンダも見られるようになりました。こういうバラは、フロリバンダでも摘蕾して構いません。そこは好みで対応してくださいね!

5月の手入れ2、基本の「花がら切り」のしかたを覚えよう!

 

▲花がら切りの基本は、花枝の半分の位置にある5枚葉の上で切る

っかく咲いたバラの花。長く楽しみたいところですが、咲き終わった花(花がら)をいつまでも枝先につけておくよりも、早いめに花がらを切った方が、次に咲く花(2番花)が早く咲いてくれます。花が満開を過ぎたら、さっそく花がら切りをしましょう。(人によっては8分咲きで切るという方もいます!)。

 

 

基本的な花がら切りのやり方は、その花が咲いている枝(花枝)の半分の位置にある5枚葉の上で切ります。切ったところからやがて芽が伸びてきて、約40日後には次の花(2番花)が咲きます。これよりも浅く(もっと花に近いところで)切れば早く2番花が咲きますが小さな花になり、これよりも深く(もっと株元に近いところで)切れば2番花が咲くまで時間がかかります。

 

あいびーあいびー

切り取った花は、花瓶にいけて室内で楽しみましょう!

5月の手入れ3、「ベーサルシュートの処理」を開始!

 

▲木立ち樹形のバラのベーサルシュートは、枝先をピンチで摘み取る

ーサルシュートとは、株元から伸びてくる太い枝のことで、1番花が終わると出てくることが多いものです。放っておけばすぐに花を咲かせようとしますが、春は咲かせず、枝先をピンチ(指で折り取ること)して、エネルギーを枝を太らせる方に回します。

 

 

ベーサルシュートの高さが、ハイブリッド・ティー系統のバラなら30cmほどになったら、フロリバンダ系統のバラなら20cmほどになったら最初のピンチをします。

 

 

木立ち樹形のバラのベーサルシュートは春~夏の間はピンチをくり返して花を咲かせず、秋から花を咲かせます。

 

▲ピンチのしかた1、枝先の柔らかいところを指先でつまんで折る

 

▲ピンチのしかた2、ポキリと簡単に折り取れる

 

あいびーあいびー

枝先をピンチで折り取るのは、ハサミで切るよりも枝に負担がかからない方法です。バラの栽培ではよく使われるテクニックなので、覚えておきましょう!

5月の手入れ4、5月の「病虫害対策」の注意!

▲ウドンコ病で真っ白になったつぼみ

温が上がるにつれ、病虫害も増えてきます。病気ではウドンコ病や黒点病、害虫ではアブラムシやバラゾウムシなどが発生しやすくなってきます。3月~4月の手入れのところで紹介した「オルトランDX」「マイローズ殺菌スプレー」「ベニカXファインスプレー」だけで防げなくなってきたら、それぞれの病気や害虫に合わせた薬剤散布を行いましょう。

 

6月の手入れ/1番花の後、梅雨時期の手入れのしかた「お礼肥え」「黒点病の防除」「ベーサルシュートの処理その2」「2番花の花がら切り」

▲1番花の花がら切りから約40日で、2番花が咲く

6月初旬から7月にかけて、北海道以外の地域は梅雨に入ります。この時期は、どんどんバラが生長し2番花が咲く楽しみもありますが、とにかく病虫害がひどくなりやすい時期です。とくに「黒点病」には注意が必要です。病虫害からバラを守り、美しい葉をたくさん残すよう努めましょう!

 

 

6月のバラの手入れでは、「お礼肥え」「黒点病対策」「ベーサルシュートの処理その2」「2番花の花がら切り」のしかたを紹介します。

 

6月の手入れ1、春の1番花が終わったら「お礼肥え」を施す

▲株から20cmあけて浅く掘ったところに即効性の化成肥料を50g撒く

季咲き性のバラは、年間を通じて良い花を咲かせるために、3回の肥料やりが必要です。肥料やりのタイミングは、冬の「寒肥え(かんごえ)」、1番花が終わった後の「お礼肥え(おれいごえ)」、秋花のために夏に施す「追肥(ついひ)」の3回です。

 

 

「お礼肥え」の方法は、株から20cmあけた土をぐるりと浅く掘り、そこに即効性化成肥料を50gほど撒きます。化成肥料の分量はメーカーによりさまざまですが、肥料が多すぎて花が開きにくくなったり株が軟弱に育ったりすることがあるので、やや控えめの50gでいいと思います。(上のイラストでは、盗用防止のウオーターマークと文字が重なって一部、見えにくくなっています。ごめんなさい)

 

 

春にたくさんのきれいな花を咲かせてくれたお礼に施す「お礼肥え」は、1番花を咲かせるために使ってしまったエネルギーを補給し、2番花もまたきれいに咲かせるための肥料です。

 


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最近のバラ用肥料は、即効で効く化成肥料とゆっくり効く有機質肥料をブレンドしている商品が主流です。このタイプは「植えつけ」にも「寒肥え」にも、また「お礼肥え」や「追肥」のときにも1年じゅう使えます。

 

6月の手入れ2、梅雨時期の病虫害対策は、多湿で発生しやすい「黒点病の防除」につとめて!

▲黒点病は雨にあたると、一気に広がるので梅雨時はとくに注意!

点病(「黒星病」ともいいます)は、ウドンコ病と並ぶバラの2大疾病です。葉に黒い斑点が出てきたと思ったら、あっというまに広がり、葉が黄色くなって落ちてしまいます。葉がなくなるので光合成できなくなったバラは、生長することができません。最悪の場合は枯れてしまうこともあるやっかいな病気です。

 

 

黒点病は、とくに6~9月の雨の多い時期に発生しやすいので、梅雨どきは要注意です。土の中にいる病原菌が、雨や水やりの跳ね返りで葉につくことから発生しやすいので、株元にマルチング材をまいておくと黒点病予防になります。予防薬(サンヨール、オーソサイドなど)の散布も効果的です。


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それでも発生してしまったら、適切な方法で株の回復をはかります。梅雨時期の薬剤散布は雨で流れてしまうから効果がないとあきらめず、少しの晴れ間でも農薬散布してまん延を食い止めましょう。

 

6月の手入れ3、「ベーサルシュートの処理その2」つぼみが見えるか見えないかでピンチ

 

▲HTのベーサルシュートの太さが1cm以上あれば、2本の枝を伸ばしてもよい

5月に枝先をピンチしたシュートから新しい枝が伸びています。枝先をよく観察して、小さなつぼみのようなものが見えてきたら2回目のピンチをします。

 

 

ハイブリッド・ティー系統のバラの場合、地面から出ているベーサルシュートの太さが1cm以上あるなら、新しい枝を2本残してもいいのですが、1cmない細いベーサルシュートの場合は枝を1本だけにして、他の枝は切り取ります。細いベーサルシュートに2本の枝を伸ばしても、どちらもよい花を咲かせることができない貧弱な枝に育ってしまいます。

 

 

フロリバンダ系統のバラの場合は、地面から出ているベーサルシュートの太さが1cm以上あるなら、新しい枝を3本残してもだいじょうぶです。7mm以上で2本残してもよく、それ以下なら1本だけにしましょう。

 

6月の手入れ4、「2番花の花がら切り」のしかた

▲2番花の花がら切りは、1番花と同じ要領で

2番花が咲き終わったら、花がら切りをします。要領は1番花の花がら切りと同じです。その花が咲いている枝(花枝)の半分のところにある5枚葉の上で切ります。

 

7月~8月の手入れ/暑い夏の手入れ「夏の水やり」「ベーサルシュートの処理その3」「3番花と4番花の処理のしかた」

▲真夏のバラ園。夏は花よりも葉の充実につとめたい

雨明けとともに暑い夏の到来です。この時期、バラは旺盛に生育しています。この夏の時期に夏バテさせずに、なるべくたくさんの葉を茂らせて、しっかり光合成を促すことが、バラをじょうぶに育てるコツです。

 

 

7月~8月の手入れでは、「夏の水やり」「ベーサルシュートの処理その3」「3番花と4番花の処理のしかた」について説明します。

 

7月~8月の手入れその1、「夏の水やり」のしかた

植えのバラは基本的に水やりはいりませんが、あまりに晴天続きで枝先がぐったり下を向いてしまうようなら水やりしましょう。暑い時期の水やりは、朝夕のなるべく涼しい時間に行います。あまり広範囲に水やりすると湿度が上がって蒸れてしまうので、ピンポイントに株元に水やりするのがコツです。

 

7月~8月の手入れその2、「ベーサルシュートの処理その3」

▲花を咲かせないようピンチを繰り返す

ーサルシュートは引き続き、枝先につぼみが見えるかどうかのタイミングでピンチします。こうして、花を咲かせるエネルギーを枝を充実させる方に回すのです。

 

7月~8月の手入れその3、「3番花と4番花の処理」のしかた

▲3番花の花がらは、花のすぐ下で切る

2番花の花がら切りをした後、約30日たった7月下旬ごろに3番花が咲きます。3番花を咲かせた後の花がら切りは、なるべく葉をたくさん残すために花首だけを切ります。

 

 

さらに30日後の8月下旬には4番花のつぼみが上がりますが、これは秋の開花にそなえて咲かせず、つぼみをピンチしましょう。

 

あいびーあいびー

梅雨と夏をどう乗り越えたくさんの良い葉を残せるかが、バラをじょうぶに育てるカギです。ていねいな観察と適切な手入れで乗り切りましょう!

9月の手入れ/日本独自の手入れ「追肥」「夏剪定」は9月10日までに行う。「台風対策」も万全に!

だ残暑厳しい9月初旬は、秋に良い花を咲かせるために行いたい手入れがあります。すべての枝にハサミを入れる「夏剪定」です。そして「夏剪定」の後にスムーズに芽吹くようにあらかじめ施しておくのが「追肥」です。

 

 

9月の手入れは「追肥」「夏剪定」「台風対策」について紹介します。

 

9月の手入れその1、「夏剪定」の1週間前に行いたい「追肥」のしかた

い花が見込めるほど気温が下がる10月中旬に、一斉に秋花を咲かせるために行うのが「夏剪定」です。そして、夏剪定を行ってからの芽吹きがスムーズになるようにあらかじめ施しておくのが「追肥」です。

 

 

「追肥」を行うのは「夏剪定」の1週間前。やり方は1番花の後に施す「お礼肥え」と同じ要領です。株元から20cm離れたところをぐるりと浅く掘り、そこに1株あたり50gの即効性化成肥料を撒きます。化成肥料が多すぎると、花が良い状態に咲かなかったり、なかなか冬の休眠に入れなかったりするので、多くしすぎないように注意します。

 

9月の手入れその2、秋に良い花を咲かせるための開花調整「夏剪定」は9月10日までに行う(シュート処理も含みます)

▲「夏剪定」では2番花の花枝すべてにハサミを入れる

ラは暑さが苦手で、夏に良い花を咲かせることができませんが、涼しくなる秋にはまた良い花を咲かせることができるようになります。このため、ちょうど良い花を咲かせやすい10月中旬に開花させるよう開花調整する目的で行うのが「夏剪定」です。

 

 

「夏剪定」の方法は、2番花を咲かせた花枝の半分よりやや上の方で枝を切ります。ポイントは、ベーサルシュートも含めすべての枝にハサミを入れることです。やがて新しい芽が伸び、10月中旬にそろって花が咲きます。

 

 

9月1日~10日の間に剪定すれば、ちょうど10月中旬に開花させることができます。この作業は、四季がはっきりしている日本独自の作業です。

 

9月の手入れその3、台風対策

▲支柱とロープで台風に備える

風が近づいてきたら、一時的に支柱とロープでバラの枝が折れたりしないよう株を守りましょう。ずっと支柱をつけたままにしておくと背が高くなり、軟弱な株に育ちやすいので、台風が去ったら支柱は外します。

 

10月~11月の手入れ/秋バラが開花してから

▲秋バラの開花。黒バラは秋花の方が黒みがかった美しい花色になる

うやく秋バラが開花しました。気温もぐっと涼しくなり、病虫害の被害も少なくなる季節です。3月の芽吹きからちょっと忙しい毎日でしたが、10月~11月はホッと一息つけますね。

 

 

咲いた秋花は枝先に咲かせたままにしておいてもいいし、花がらを1番上の5枚葉の上で切っておけば、冬までにもう一度花を咲かせてくれるかもしれません。

 

あいびーあいびー

この頃には、また大苗が出回ります。次はどんなバラを育てようか、バラの専門店からカタログを取り寄せたり、ネット検索で好みのバラを選んだり、楽しく過ごしてください!

12月~2月の手入れ/バラの休眠期の手入れ「寒肥え」「冬の剪定」

▲12月~2月。バラはほとんど活動をやめ休眠する

12月に入ると、バラは生長を止めて休眠に入ります。この時期はたしょうバラに無理をさせてもだいじょうぶなので、植えつけや移植を行う適期です。初心者が植えつけを行うにはもっとも失敗のない時期なので、今回の記事では大苗を冬に植えつける方法を紹介してきたのです。

 

 

植えつけから1年たった株には、翌春にまた美しい花を咲かせてくれるよう、「寒肥え」と「冬の剪定」を行いましょう。

 

12月~2月の手入れその1、休眠期に施す「寒肥え」は、1年で一番大事な肥料

▲株から30cm離したところに直径20~30cmの穴を3カ所掘って肥料を埋める

ラの休眠期に施す肥料を「寒肥え(かんごえ)」または「寒肥(かんぴ)」といいます。春の芽出しをスムーズにし、美しい春花を咲かせるために施す肥料です。効果がゆっくり長く効く肥料が適しているので、有機質肥料を使います。

 

 

「寒肥え」の適期は、12月中旬~2月上旬です。

 

 

準備するもの

スコップ

完熟たい肥(牛ふん、馬ふん、バークなど、どんな素材でもOK) 5リットル

固形の発酵油かす 500グラム

 

 

バラの株から30cm離したところに、直径20~30cmの穴を3カ所掘ります。それぞれに発酵油かす150~200g、完熟たい肥1~1.5リットル(両手でひとつかみ半)を入れます。スコップで発酵油かす、完熟たい肥、土をよく混ぜたら穴を埋めもどします。

 

あいびーあいびー

寒肥えは肥料やりだけでなく、硬くなってしまった土をやわらかくする意味でも大切です。がっちり固まってしまっている土は、なるべく大きな穴を掘ってください!

12月~2月の手入れその2、「冬の剪定」は、2月が適期

▲【HT】は春から伸びた枝の1/3の高さで切る(B)。【F】は春から伸びた枝の半分の高さで切る(C)

ラの株の姿を整え、こんもり茂りながらも内部までよく陽ざしが届くように人工的に形を整えるのが「冬の剪定」です。新しいベーサルシュートをいかし、古い枝を整理して、枝の世代交代をする役目もあります。

 

 

1年かけてせっかく伸びた枝を短く切り詰めてしまうのは、最初は不安に思うかもしれません。でも、バラが休眠している冬だからこそ、これだけ思い切った剪定をしても、枯れることはないので安心してください。バラの手入れのしめくくりに、「冬の剪定」の基本を覚えましょう!

 

「冬の剪定」の基本

まず、枯れ枝(茶色に塗ってある枝)や細い枝はつけ根から切り落とします。(Aの赤いライン)

 

 

次に、ハイブリッド・ティー系統のバラは、春から伸びた枝の1/3の高さで切ります。(Bの青いライン)。かならず、1番花が咲いた花枝で切ります。剪定した後は、春から伸びた枝が10~15cm残っている状態になります。

 

 

フロリバンダ系統のバラはもっと高い位置で、春から伸びた枝の1/2の高さで切ります。(Cの紫のライン)。もっと長く枝を残し、2/3の高さで切っても構いません。なるべく1番花が咲いた花枝で切ります。

 

 

ベーサルシュート(緑色に塗ってある枝)も考え方は同じです。ハイブリッド・ティー系統のベーサルシュートは地面から枝先までの1/3の高さの1番花が咲いた枝で切ります。(Bの青いライン)。フロリバンダ系統のベーサルシュートは地面から枝先までの1/2の高さで切ります。(Cの紫のライン)。

 

あいびーあいびー

枝を切る場所は、株の外側についている芽(外芽)の上5ミリの場所です。枝に対してナナメではなく真っ直ぐ切ってくださいね!

まとめ

バラの育て方のページをなんとか分かりやすくできないかと、ずっと考えていました。その結果、樹形別に、一連の流れが分かるように書くのがいいと思い今回このようにまとめました。かなり長いページになってしまいましたが、写真やイラストを多く使って分かりやすくしたつもりです。

 

 

基本だけでもこれだけ長くなってしまったので、もっと細かいこと、たとえば肥料や病虫害、農薬などについては、別のページをつくりたいと思っています。

 

 

参考にしていただけたら嬉しいです。

 

 

間違っているところや、分かりにくいところがありましたら、ぜひご指摘くださいね!

 

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