黒星病の葉表

バラの葉に黒い斑点が現れ、気づけば葉がパラパラ落ちている。それが黒星病(黒点病)です。発生するとあっという間に広がるため、「このまま枯れてしまうのでは?」と不安になる方も多いでしょう。でも、黒星病だけでバラが枯れることはほとんどありません。

この記事では、黒星病の対処法・予防法・立て直し方から、ベト病との見分け方まで分かりやすく解説します。


CONTENTS

葉が黄色くなってどんどん落ちる?大丈夫、慌てないで!

黒星病で黄色くなった葉

▲黒星病にかかったバラの葉

ラの1番花が終わったころから少しずつ発症し、梅雨~夏にかけ爆発的に猛威を振るう病気があります。それが黒星病(黒点病)です。

 

黒星病は葉に黒い染みができ、じょじょに葉色が黄色くなり、やがて落ちてしまう病気です。しかも1枚2枚ではなく、気づけばほとんど葉がなくなるまで止まらないほど蔓延しがち。

 

そんな様子を見た初心者さんは、さぞかし心配になりますよね。「このままだとバラが枯れてしまう!」と、焦ってしまうと思います。

 

でも大丈夫。まず知ってほしいのは、黒星病だけでバラが枯れることはほとんどないということ。

 

それじゃ、どうすればいいのか?この記事では黒星病の原因を知り、初心者にもできる対処方法を紹介します。焦らず、落ち着いて対策していきましょう。

1、黒星病(黒点病)とはどんな病気?

ず黒星病がどんな病気か、その特徴を理解しましょう。

葉に黒斑が出て黄色くなって落葉する

黒星病の葉表

▲黒星病は葉に黒くてまるい染みができる

黒星病は、ウドンコ病とともにバラの2大疾病と呼ばれるほど、とてもメジャーな病気です。

 

葉に黒くてまるい染みができ、それがどんどん増えるとともに葉が黄色くなり、最後にはパラパラ落ちます。株元から発生し、どんどん上の方の葉に広がっていきます。

発生しやすい時期

黒星病の発生時期イラスト

▲黒星病が発生しやすい時期

5月下旬~7月中旬の梅雨時期、9月下旬~11月上旬の秋の長雨時期に多く発生します。

 

気温が20~25度くらいで、湿度の高い環境が好きなので、雨の多い時期に発生しやすく、暑すぎて雨の少ない盛夏や、気温の低い冬には発生しません。

広がるスピードは想像以上に早い

黒星病の怖いところは、葉に黒い斑点が現れたと思ったら、またたくまに株全体に広がり、丸坊主になるまで止まらないことです。

 

雨が降ってから、つまり病原菌が葉に侵入してから1週間~10日ほどで、ほとんどの葉が落ちてしまいます。

2、黒星病で枯れる?まず知っておきたいこと

黒星病だけでバラが枯れることは、ほとんどない

上でも書いたように、黒星病の広がり方はとても早いです。あまりの速さに、気づいたときにはもう手の施しようがないということが良く起こります。

 

初心者さんが「どうしよう、このままじゃ枯れてしまう!」と焦る気持ちはよく分かります。でも、経験値の高いロザリアンほど落ち着いているものです。わたしの知人も「あー黒星ね、ハイハイ」という反応です。

 

なぜなら、黒星病が枯らすのは「葉」だけだからです。バラ自体を枯らす病気ではありません。極端なことを言えば、葉がなくなってしまえば、病気は止まるのです。

 

だから、焦らなくて大丈夫。

葉がなくなるデメリット

とはいえ、もちろん葉がなくなるデメリットはあります。

 

1、光合成ができないので、生長がストップする

2、株の体力が奪われるので、良い秋花にならない可能性がある

3、適切な立て直しができない場合、夏の高温や根腐れなど複合的な要因で枯れるおそれがある

 

だから、黒星病が出ないように予防するに越したことはありません。とはいえ、それがなかなか難しい場合は、適切な立て直し方をマスターすることの方が、はるかに現実的で大切です。

3、黒星病が出たら、まずどうする?

黒星病のバラの葉

▲なるべく軽いうちに対処しよう

星病に気づいたら、なるべく早く対処しましょう。株元の葉にポツポツ出ているていどで対処すれば、広がるのをくい止めることができます。

 

基本的な黒星病の対処のしかたをステージ順に紹介します。

 

黒星病のステージ別対処のしかた

・下葉に数枚だけ:病葉を取って殺菌剤。花や蕾を取る

・全体に蔓延してきた:基本の対処は同じ。落ち着いて

・葉がなくなった:枝にしっかり殺菌剤散布。養生しながら回復を待つ

・11月以降:落ち葉掃除だけでOK

1、なるべく早く気付こう!

まだ黄色くなるまで進行した病葉がほんの少しで、緑色の葉にポツポツ病斑が出ているていどの軽い症状で気づくことができれば。対処がなるべく早ければ早いほど、病気の進行をおさえられる可能性が高くなります。

 

黒星病は、株元にある古い葉から始まります。1番花が終わるころから、株元をチェックするようにしましょう。

2、触れて落ちる葉を取り除く

黒星病イラスト1

▲触れただけで落ちる葉を取り除く

黒星病にかかり黄色くなった葉は、ポロリと簡単に落ちます。触れただけで落ちる葉を、まず取り除きましょう。

 

もし花や蕾がついていたら、それらは摘んでおきます。

 

落ちた葉を株元に置きっぱなしにしてはいけません。そこからまた感染が広がります。必ず、ゴミとして処分しましょう。

 

あいびーあいびー

黒星病の落ち葉を土に置きっぱなしにしない。これ、鉢でも庭でも、日常管理の大事なポイントです!

3、殺菌剤を散布する

黒星病に散布するハンドスプレー農薬

▲系統の違う農薬2~3種類を交互に散布

黒星病に効果のあるハンドスプレー農薬を3日間隔で3~4回散布します。

 

これでしばらく様子を見て、黒星病が広がるのが止まれば通常管理にもどします。

 

それでも黒星病がひどくなるようなら、1回目とは違う系統のハンドスプレー農薬を、また3日間隔で3~4回散布します。

 

たとえば「マイローズ殺菌スプレー」の殺菌成分はDMI(EBI)系統です。「ベニカXファインスプレー」の殺菌成分はアニリノピリミジン系統です。

 

同じ系統の薬剤ばかり使っていると、その薬剤が効かない抵抗菌が発生するので、かならずローテーション使いしましょう。

 

ハンドスプレー農薬の系統は、一覧記事で確認してください。

市販のハンドスプレー農薬の系統一覧

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バラ初心者におすすめのハンドスプレー&土に撒く農薬一覧|病気・害虫対策を比較

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希釈タイプ農薬を使う場合は、治療薬ならサプロール、サルバトーレ、ラリー、トップジンMなど。

 

予防薬は、オーソサイド、エムダイファー、サンヨールなどです。

 

こちらもしっかり、ローテーション散布しましょう。

希釈タイプ農薬の系統一覧

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4、症状が広がった場合の対処

黒星病イラスト2

▲それでも黒星病が止まらなかったら

さらに病状がひどくなったら。全体に黒斑が広がり、かろうじて緑の葉はあるけれど、ほとんど黄色い葉ばかりになってしまった、または、ほとんどの葉がなくなってしまったら。

 

大丈夫。それでもしっかり立て直せます。

 

やり方は先ほどと同じです。

 

すぐに取れる葉を取り除き、花や蕾があれば、それらも取り除いておきます。

 

残った葉や、枝に3日間隔で3~4回しっかり殺菌剤を散布してしばらく様子を見ます。

5、葉が極端に減ったら回復を待つ

葉の落ちた鉢植えバラ

▲丸坊主になっても、ちゃんと復活する

バラの葉が極端に減り、丸坊主になってしまっても大丈夫です。時間はかかりますが、かならず新芽が吹きバラは復活します。

 

ここで大切なのは、気をもんでアレコレやりすぎないことです。焦らず、バラが自分で復活するのを待ちましょう。

 

たとえばこんなことはNGです。

 

初心者さんがついやりがちなNG手入れ

・大きな鉢に植え替えする 水の吸収が落ちているので、根腐れから枯れるおそれあり

・頻繁に水やりする あまり水を吸わないので、難しければ*水分計を使う

・固形肥料をやる 芽吹くまで肥料はナシ

・強い直射日光にさらす 西日は強すぎるので、避けた方が無難

・花を咲かせてしまう 体力を消耗するので、蕾は取り除く

*土の乾き具合を見える化してくれる商品「サスティー」がオススメ

6、芽吹いた後も予防を続ける

やがて芽吹いてきたら、定期的な予防用殺菌剤の散布で黒星病を防ぎながら管理します。

 

新芽や若葉はあまり黒星病にかかりません。それは特別な膜に覆われているため黒星病の菌が侵入できないためです。

 

しかし発症しないだけで、病原菌が付着している可能性はあります。殺菌剤の散布を怠れば、膜がなくなるまで育った葉から順に罹患してしまいます。

 

こういう事態を防ぐためにも、必ず殺菌剤の散布を忘れずに。

4、 黒星病だと思ったらベト病かも?

ベト病のバラの葉

▲ベト病にかかったバラの葉

ある年の11月、これは何だろう? と応援レポーターさんから写真で問い合わせがありました。枝にびっしり赤紫色の斑点ができていて、黒星病ではないだろうし、凍害には早いし・・・と、悩んだ覚えがあります。

 

当時は勉強不足で分かりませんでしたが、時期といい、環境といい、症状といい、きっとあれはベト病だったのでしょう。応援レポーターさんの環境は山が迫っていて、山側の道路が年じゅう乾かないほど湿度が高いし霧もよく発生する地域でした。

ベト病とはどんな病気?

ベト病は、黒星病とよく似た見た目の病気ですが、病原菌がちがいます。

 

分かりやすい見分け方が、黒星病が黒っぽい斑点なのに対して、ベト病は赤紫色のことが多いです。発生場所も違います。黒星病は古い葉から発生するのに対して、ベト病は若葉から発生します。さらに枝にも発生します。

 

そして、葉がまだ緑色のうちに、ばさっと勢いよく落ちます。被害が大きいと新梢が枯れ込み、株が大きく弱ることもあります。

 

湿度が高く、冷涼な気候で出やすく、もっともよく出るのが晩秋11月ごろです。寒暖差の大きい時期に出やすいので、3月や梅雨時期にも発生します。

 

関東では出にくい環境ですが、それ以外の地域では、どこでも発生します。とくに山が近くて霧や夜露が頻繁に発生するような環境で発生しやすく、別名「露菌病」(ろきんびょう)とも呼ばれます。

 

黒星病との違いを表にまとめました。

黒星病とベト病の違い

  黒星病 ベト病
発生しやすい場所 株元に近い古い葉 枝先の柔らかい若い葉
病斑の特徴 黒くてまるい斑点 紫がかった不規則な染み
葉裏の特徴 葉裏に症状がないことが多い 葉裏に薄っすら白いカビ
進行のしかた 葉が黄変して落葉 進行が早く緑色の葉がバサッと落ちる
発生条件 梅雨など雨の多い時期 湿度が高く寒暖差もある春先・梅雨・晩秋
発生地域 全国 関東では発生しにくい

 

おもしろいのが、ベト病は関東で発生しにくいということです。関東は、とくに晩秋~冬の寒い時期の乾いた季節風のため、ベト病が出にくいといわれています。

 

ベト病の対処法は、風通しをよくして過湿にしない、肥料過多にしないなど、黒星病対策とよく似た部分もありますが、使用薬剤が違います。

ベト病の対処法と使用薬剤

予防:ダコニール、ジマンイセン水和剤、エムダイファーなど

治療:アミスター10フロアブル、ライメイフロアブルなど

 

ベト病はとにかく進行の早い病気です。いち早く気づいて対処することが大切です。

 

ベト病に弱いバラは、毎年、発症しがちです。対応が大変なら、耐病性の高い品種に切り替えると管理が楽になります。

あいびーあいびー

黒星病とベト病は初期症状がよく似ています。ベト病が出やすい環境の方は、慎重に見分けて適切な薬剤を使ってください。

5、黒星病が発生する仕組み

▲しとしと雨降る梅雨は黒星病が出やすい環境

黒星病の原因はカビ菌

バラの黒星病の原因菌Diplocarpon rosae(ディプロカルポン・ロサエ)は、カビの一種(糸状菌)です。病原菌は、感染した落ち葉や枝、周囲の株などに残り、雨や風によって広がります。

 

この菌がバラの葉の表面についただけでは感染しません。バラの葉の内部に入り込んではじめて感染し増殖を始めます。

 

つまりウドンコ病の菌が葉の表面で増殖するのに対して、黒星病は葉の内側で増殖するのです。なので、黒星病は葉をこすっても取れません。

葉が長時間濡れると感染する

カビ菌が葉の中に入り込むためには、葉が長時間濡れている必要があります。一般に数時間以上、葉が濡れ続けると感染しやすくなると考えられています。

 

葉が長く濡れていると、葉についた病原菌は発芽し、菌糸を伸ばして葉の内部に侵入します。

 

葉に侵入した菌は自分を中心にまるく広がっていくので、ここで初めて黒斑が見えるようになります。

多くは葉の表から入り込む

黒星病の葉裏

▲葉裏には、黒い染みが出ないことが多い

この写真は、黒星病にかかった葉を裏返したところです。黒星病では、病斑が葉の表に目立ち、葉裏にはっきり出ないことも多くあります。

 

一方、よく似た病斑が出るベト病では葉裏にも黒褐色~灰白色の病斑やカビが見えることが多く、見分けのポイントになります。

古い葉から発生しやすい

▲古い葉から発症する 写真提供/ORCA

黒星病は若葉に出にくく、古い葉から順に罹患していきます。

 

上の写真でも、春先に最初に芽吹いたときの古い葉が罹患しています。古い葉の方が菌が入り込みやすいようです。

落ち葉は病原菌の温床

落ちた黒星病の葉

▲落ち葉は病原菌だらけ

黒星病にかかったバラの葉は、やがて黄色くなって落ちます。この落ち葉は、黒星病菌の巣です。

 

このまま置いておけば、そこから雨の跳ね返りなどで二次感染を引き起こします。

雨の跳ね返りだけが原因ではない

ひと昔前までは、黒星病の病原菌はおもに土にいて、雨や水やりの跳ね返りからバラに罹患すると考えられていました。そのため、株元をなにかで覆うマルチングをすれば黒星病が防げると言われていましたが、現在では、複合的な要因で発生すると考えられています。

 

現在では、黒星病は「雨の跳ね返りだけ」で説明できる病気ではなく、落ち葉などの感染源、葉が長時間濡れる環境、品種の耐病性、風通しや湿度など、複数の条件が重なって発生する病気と考えられています。

 

雨の跳ね返りも、その要因のひとつです。

6、黒星病の予防と環境整備

星病は、一度葉の中に菌が入り込むと止めるのが難しい病気です。

 

だから重要なのは、発症してから慌てるのではなく、発症しにくい状態を先回りで作っておくこと。つまり予防です。

 

予防には農薬でのアプローチと環境整備があります。

農薬での予防方法

黒星病予防で、もっとも再現性が高いのは、やはり殺菌剤です。

 

まず便利に使いたいのが、ベニカBT殺菌粒剤です。この天然由来菌を利用した農薬は、根から吸わせることで、バラの病気への抵抗力を高める働きをもちます。

 

農薬の定期散布もとても有効です。ハンディスプレー農薬でも希釈タイプ農薬でも、どちらを使っても構いません。

 

上の項でも述べたように、同じ系統の殺菌剤ではなく、異なった系統の殺菌剤を順に使うローテーション散布で、耐性菌を出さずに予防するのが効果的なやり方です。

 

ただし、毎週完璧に散布するのは、正直かなり大変。だから、

 

・梅雨前だけ重点予防する ・雨続きの時期だけ使う ・粒剤を併用する

 

など、続けられる形にすることの方が大切です。

 

予防は、「理想論」より「続けられる現実解」が強いです。

 

ベニカBT殺菌粒剤と農薬の定期散布を組み合わせることで、さらに予防効果を上げられます。

ベニカBT殺菌粒剤についてくわしくは、こちらで確認してください

バラと小さなガーデンづくり

ベニカBT殺菌粒剤とは?|天然由来で病気を予防する使い方と効果

ベニカBT殺菌粒剤とは?|天然由来で病気を予防する使い方と効果

環境整備での予防

黒星病がでにくい環境にすることで、農薬に頼らず黒星病リスクを下げることができます。ここで紹介する方法は、どれも比較的簡単な方法ばかりです。取り入れやすい方法から試してください。

①雨の当たらない場所に置く(鉢)

これは鉢栽培限定ですが。黒星病は雨の当たる環境で発症する病気です。たとえば我が家はベランダ栽培ですが、我が家で黒星病はほぼ発生しません。

 

黒星病の発生しやすい梅雨時期だけは、軒下などに場所移動しておけば、そもそも黒星病の発生を大幅に減らせます。

②風通しを良くする

雨の当たらない場所に移動できればいいけれど、地植えではそうも行きません。そんなときに考えたいのが風通しです。密になった小枝や葉を透かし、風通しのよい株にすることで、葉が乾きやすく、湿気の抜けやすい環境にすることができます。

 

また、これは鉢栽培のケースになりますが、花台やガーデンテーブルに置くことで少しでも地面からの湿気を遮り、風通しの良い環境にすることで、黒星病の発生を軽くすることができます。

③落ち葉を掃除する

黒星病の葉は、黄色くなって落葉します。この落ち葉は、ただの枯葉ではありません。黒星病菌の拠点です。

 

ここから胞子が作られ、次の感染源(二次感染)になることがあります。なので、黒星病が出た株の周囲では、

 

「落ち葉をためない」

 

これが非常に重要です。

 

庭では完璧に拾い切るのは難しいですが、気づいたときにこまめに掃除しましょう。

マルチングは黒星病予防に有効?

かつては、「黒星病は土からの雨の跳ね返りで感染する」と言われていました。

 

このため、バークチップ・ヤシガラ・ワラなどで株元を覆ってマルチングするのが定番の予防法でした。

 

しかしここ最近では「マルチングは黒星病予防にならない」という意見も多くあります。はたして、どちらが正解なのでしょう?

 

この問いの答は、黒星病菌の性質を考えれば自然と導き出されます。

 

黒星病の菌は「生きたバラの組織(または新鮮なバラの落ち葉)」からしか栄養を取れない、専属の菌(絶対寄生体)です。つまり土に存在している菌ではないのです。

 

じつはこの問題の本質は、マルチングを する/しない ではなく、黒星病で落ちた葉をそのまま放置しないことが重要なのです。

 

黒星病の落ち葉は、菌の温床です。そのまま放置しておけば、雨の跳ね返りで再感染(二次感染)するおそれがあります。警戒すべきは土ではなく、土に落ちた病葉だったのです。

 

マルチングすることで落ち葉の細かい切れ端がバークチップなどの間に入り、雨の跳ね返りで二次感染するのをシャットアウトしてくれるメリットはあります。と同時に、マルチングが邪魔をしてクマデなどで落ち葉掃除しにくくなるので、ない方がいいとも言えます。

 

要は重要なのはマルチングではなく落ち葉掃除の方だということです。

④肥料のやりすぎ注意

肥料(とくにチッソ肥料)を多く与えてしまうと、株が軟弱に大きく育ってしまいます。軟弱に育ったバラは、葉が薄く、黒星病だけでなく、ウドンコ病も含めたほとんどの病気にかかりやすくなります。さらに害虫にも狙われやすいです。

 

早く大きくしたいからと、肥料をやり過ぎてもあまりいいことはありません。適量を守って使いましょう。

⑤最新の耐病性品種を選ぶ

近年のバラの育種の世界では、耐病性を上げる育種が盛んにおこなわれています。

 

とくにヨーロッパでは環境に配慮して、家庭園芸で農薬が規制される地域が増えてきました。その影響もあり、耐病性の高い品種の育種が急がれています。

 

海外ナーセリーだけでなく日本でも耐病性を上げるための育種がトレンドです。とくに力を入れているのがバラの家の木村卓功さんです。彼のブランド「ロサ・オリエンティス」のなかでも「プログレッシオ」のサブブランド名をつけている品種群は、とくに耐病性が高く、ほぼ殺菌剤なしで病気が発生しないバラが発表されています。

 

また、バラの家では取り扱い品種の耐病性を検索機能で調べることができます。耐病性の高い品種を選ぶ際にとても助かります。耐病性1、耐病性0、さらにそれを上回る耐病性Sに分類された品種を選べば、あまり病気に煩わされずにバラ育てが楽しめます。

バラの家公式サイトはこちらからどうぞ

7、晩秋の黒星病は、ほぼ放置でOK!

▲寒くなってからの黒星病は怖くない!

黒星病は、梅雨時期に多く発生しますが、じつは秋にも発生します。秋の長雨があると、やはり黒星病が猛威を振るいます。

 

しかし、そろそろ今年のバラシーズンも終わりな11月になってかかった黒星病は、放置で構いません。

 

この先、バラはゆるやかに休眠に向かいます。黒星病にかかっている葉もかかっていない葉も、自然に落ちます。自然に落ちない葉は、人間の手で取り除いてしまうほどです。

 

ただし、病原菌は何年も枯れ葉の中で生き続けます。地面に落ちた葉はそのままにせず、少なくとも冬の間に取り除いておきましょう。

 

さらに、来春の芽吹きまでにしっかり殺菌剤の散布を。寒い内に枝についた菌を洗い流してから新しい芽吹きを迎えましょう。

まとめ│黒星病は葉を落とす病気。たとえ丸坊主になってもバラは復活するよ!

今回は、黒星病について総合的に紹介しました。

 

黒星病は、発生から深刻な状況になるまでの期間が早く、発生してから止めるのが難しい病気です。

 

そのため、初心者さんにはとても怖い病気と思われますが、バラはその上を行く生命力をもっています。きちんとした手順を踏めば、立て直すことはそう難しくありません。

 

日本は長い梅雨があるので、この時期に爆発的に黒星病が蔓延します。可能なら雨の当たらない場所に取り込むのが感染を防ぐ一番の予防になりますが、それ以外にも方法はあります。

 

雨の乾きやすい株にする、落ち葉をキチンと掃除する、そして最新の耐病性の高い品種に植え替える。

 

どうしてもこの品種でなければ!という強いこだわりがなければ、耐病性の高い品種に植え替えるのがもっとも手軽で確実な方法です。

 

黒星病に悩んでいるみなさま、どうぞ参考になさってください。

 

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バラと小さなガーデンづくり

ベニカBT殺菌粒剤とは?|天然由来で病気を予防する使い方と効果

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