柔らかなパール・ピンクの花を咲かせるつるバラ「ナエマ」は、フルーツ系の強香! 香りの良いバラが人気の近年の傾向からしても、とても人気の高い品種です。でも、じつは少し頭を悩ませてしまう部分もあります。「ナエマ」を詳しく紹介します。

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ナエマ

Nahema

DATA

バラの系統 ラージ・フラワード・クライマー【LCl】
開花のしかた 四季咲き、3~4輪の小さな房咲き
花径 8~12cm
花形 カップ咲き
香り 強香(フルーツ系)
樹形 クライミング樹形(高さ2.5~3m)
作出情報 1998年/フランス・デルバール
 備考

耐病性にすぐれ、強健で育てやすい。

花枝が長く、仕立て方にはコツがいる

パール・ピンクの花にフルーツ系の強香。ナエマは女性の圧倒的な支持を集めるバラ

らかなパール・ピンクのカップ咲きの花がなんとも優し気なバラ、「ナエマ」は、女性からの人気が高いバラです。このバラが人気なのには理由がいくつかあります。それぞれ箇条書きで紹介します。

 

好かれる理由その1、誰にも好まれる優しい花

淡いピンク色で丸弁を繊細に重ね合わせたカップ咲き。花の中心がいくつもに分かれて渦を巻くクォーターロゼット咲きになることもあります。まず花の色と形がきれい!

 

好かれる理由その2、素晴らしい強香

バラの香りにレモンの爽やかさと濃厚なフルーツの香りをミックスした、素晴らしい強香をもちます。なにしろ品種名の「ナエマ」は、ゲランの香水「ナエマ」に由来しているくらい、香り豊かな品種なのです。

 

好かれる理由その3、無農薬でも大丈夫なほどの育てやすさ

ヨーロッパでのバラ栽培は、無農薬栽培が主流となってきています。そのため、耐病性の高い育てやすい品種が次々と登場しています。「ナエマ」もとても耐病性が高く、強健で育てやすいバラです。

 

うどん粉病や黒点病にはかかりませんが、害虫はやってきます。害虫対策は必要です。

 

やや遅咲きで、雨で花びらが痛みやすい

▲秋花のナエマ

エマの春花はやや遅い開花で、他の品種に比べて5日~1週間ほど遅れて開花します。

 

花びらがとても薄いので雨により痛みやすいところがあります。

 

夏に葉が丸まりますが、病気ではなくそういう性質です。

 

「ナエマ」の仕立て方は、やや難しい

れた点の多い「ナエマ」ですが、仕立て方はやや難しいところがあります。

 

アーチ仕立てには向かない

ライミング樹形で、枝先を誘引すれば2~3mに伸びるので、アーチに仕立てたいところですが、残念ながらアーチ仕立てには向きません。

赤いラインで示したところを「花枝」または「ステム」と呼びますが、ナエマは花枝がとても長い品種なのです。80cm~1mにもなります。高さ2.5mのアーチに誘引すると、花が3m以上のはるかな高い位置に咲いてしまいます。大きな房になって咲けば、花の重みで下を向いてくる品種も多いのですが、ナエマの場合は上を向いたままです。

 

これでは、せっかく咲いても花を見ることができません。ナエマはアーチ仕立てには向かない品種なのです。この性質のため、ロザリアンのなかにはナエマを「ろくろ首ナエマ」なんて呼ぶ人もいるそうです!

 

おすすめは扇型誘引かブッシュ仕立て

すすめの仕立て方は、扇型誘引かブッシュ仕立てです。

 

扇形誘引は上の図のように、枝を左右に広げて誘引する方法です。ナエマは枝が硬くて直立性なので、あまり横に寝かせにくい品種です。休眠期に入ったらすぐ、12月初旬から中旬ごろまでに誘引すれば少しはやりやすいと思います。誘引する時期が遅くなるほど枝は硬く扱いにくくなります。

 

ナエマは短く切り詰めてもよく花枝をのばして咲きます。この性質を利用して、ブッシュ仕立てにするのがもっとも簡単な仕立て方です。下がブッシュ仕立てにしたナエマの写真です。

 

 

この写真からも花枝がとても長いのがよく分かります。

 

ブッシュ仕立てでは、冬のバラの休眠期に高さ30~40cmにバッサリ切りつめます。これなら、たとえ花枝が1m伸びても人の目線くらいに花が咲いてくれます。

 

花後の切り戻しも少し深いめに半分よりも下まで切り戻しておけば、あまり背が高くなりすぎず、コンパクトに管理できます。

 

誘引すると四季咲き性は薄まる

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うやらナエマはブッシュ仕立てなら四季咲きするのですが、誘引して枝先を長く伸ばすと四季咲き性はほぼ失われてしまい、春だけの一季咲きになるようです。

 

エネルギーを枝をのばす方に使うから花を咲かせられないのでしょうね。それも最初の2~3年で、おそらく株が充実してくればまた少し返り咲きするのではないかな~と思います。

 

口コミと値段の目安

バラ苗ショップからのコメント

明るくエレガントに咲くソフトピンクのディープカップ咲きです。香り、育てやすさ、大きすぎず小さすぎない樹勢、花色、花形、四季咲き、バラの良いとこ取りの品種です。欠点を探すのが難しいくらい完成度の高いバラです。

しなやかな細く長い枝先からシルキーなピンクのディープカップの花がすばらしい香りを漂わせながら咲きます。木はまっすぐに2~3m伸びますので、つるバラとしてもシュラブとしても使えます。

2006年ぎふ国際ローズコンテストで銀賞とベストフレグランス賞を受賞。(花ひろば)

ロザリアンの口コミ

ナエマはやさしい。コロンとしたカップ姿も可愛いですね♪ つぼみとの優しいコントラストもいい。気品があってやさしいナエマ、大好きです。

枝を寝かせばブーケのように咲くのです。でもステムが長く、上の方ばかりで咲いて下の方がかなり空間ができてしまいます。その上、ステムが長すぎるのは景観に影響します。つまり景観が悪い。

 

花や香りが素敵だからどうにかしたい。ですから皆さん、試行錯誤してるのだと思います。わたしもそうだから。

バラ苗の値段の目安

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まとめ

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花の色も形も香りも良くて、しかも病気知らずの強健な品種。ナエマはとても素晴らしいバラです。多くのロザリアンのハートを射止めるのも無理がないところ。

 

でも、ナエマには大きな欠点があります。花枝(ステム)がとても長く上を向いて咲くのです。そのため、クライミング樹形なのにアーチに仕立てても美しくなりません。枝が剛直で倒しにくいので誘引も一苦労です。誘引を少しがんばって扇形に仕立てるか、もう短く剪定してブッシュ仕立てにするのがナエマを生かす仕立て方のようです。

 

フレンチローズの旗手としてすっかり日本でもおなじみになったデルバール社の人気品種「ナエマ」。仕立てにはやや悩まされますが、それでも皆さん虜になってしまうほどの、素敵なバラです。

 

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