世界バラ会議2025福山大会会場

「殿堂入りのバラ」とは、世界バラ会議で“世界中で長く愛されてきた名花”として認定されたバラのことです。美しさだけでなく、育てやすさや普及性など、厳しい基準をクリアした品種だけが選ばれます。この記事では、その意味や選定基準、歴代の受賞品種一覧(1976年〜2025年)をわかりやすく解説します。


殿堂入りのバラとは?

3年に1度開催される「世界バラ会議」で選ばれるのが「殿堂入り」のバラです。

 

2025年までに20回開催された世界バラ会議で、選ばれた殿堂入りのモダンローズは19品種。世界基準で選りすぐられた、至高のバラたちです。

 

殿堂入りのバラとは?

世界バラ会議で“世界中で長く愛されてきた名花”として認定されたバラのことです

世界バラ連合(WFRS)とは?殿堂入りを決める国際組織

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界バラ連合(World Federation of Rose Societies 略してWFRS)は、1968年、イギリスのロンドンで設立されました。WFRSは、バラ研究のための国際的な情報共有機関として世界じゅうでバラのイベントを開催すること、そして世界じゅうのバラ愛好家の交流を深めることを設立の目的としています。

 

WFRSが主催するイベントは、3年に一度開催される「世界バラ会議」と「国際ヘリテージローズ会議」があります。さらにWFRSでは、年に数回「WORLD ROSE NEWS」を発行しています。

 

当初は8カ国から始まったWFRSですが、現在では世界約40カ国が加盟しています。1971年、ニュージーランドで最初の世界バラ会議が開催され、これを機に日本もWFRSに参加しています。

世界バラ会議とは?3年に1度開催される国際イベント

1976年に開催されたオックスフォード大会で最初の「殿堂入り」のバラとして選ばれた「ピース」

▲最初の「殿堂入り」のバラとして選ばれた「ピース」

界バラ会議(World Rose Conferences)は、WFRS主催により3年に一度開催されます。1971年の第1回から2025年までで計20回の世界バラ会議が開催されました。

 

日本では2006年、大阪で第14回世界バラ会議が、2025年に福山で第20回世界バラ会議が開催されました。

 

世界バラ会議では、バラの世界に貢献した人、品種、バラ園、研究書籍に対して賞を授与しています。

 

この中で、バラの品種に対して贈られる賞が「殿堂入り」です。1976年に開催されたオックスフォード大会で最初の「殿堂入り」のバラが選ばれました。それが、20世紀を代表するバラとして有名な「ピース」です。

 

殿堂入りのバラは1976年にモダンローズから始まり、1988年からは歴史的価値の高いオールドローズも対象に加えられました。

殿堂入りのバラとは?選ばれる基準と条件

界バラ会議では、殿堂入りするにふさわしいバラ(ROSE HALL OF FAME)を1~2種類、投票により選出しています。審査基準は、

 

・世界中のどの環境でも育てやすいこと

・国や性別を超えて誰が見ても美しいと感じること

・そして、たくさんの国で長く愛されていること

 

などです。さらに、発売から一定期間(15年以上)を過ぎていることも条件のひとつとなっています。

 

つまり「殿堂入り=世界基準で“間違いないバラ”」を証明するものなのです。

優秀庭園賞を世界各国のバラの庭園から選定して授与。日本には10園

界各国のバラ会から推薦されたバラの庭園の中から、優秀庭園賞(Award of Garden Excellence)が授与されます。

 

審査基準は

 

・庭園としての美しさ

・メンテナンスの質が良いこと

・保有する品種の学術的価値

 

などから総合評価されます。

 

日本では2025年の世界バラ会議福山大会で2園が加わり、合計10園が受賞しています。

 

受賞年 庭園名 所在地
2003年 ぎふワールド・ローズガーデン(旧:花フェスタ記念公園) 岐阜県可児市
2006年 ばら公園 広島県福山市
2006年 靱(うつぼ)公園バラ園 大阪府大阪市
2009年 神代植物公園バラ園 東京都調布市
2015年 ACAO FOREST(旧:アカオハーブ&ローズガーデン) 静岡県熱海市
2015年 佐倉草ぶえの丘バラ園 千葉県佐倉市
2015年 京成バラ園 千葉県八千代市
2018年 横浜イングリッシュガーデン 神奈川県横浜市
2025年 国営越後丘陵公園 ながおか香りのばら園 新潟県長岡市
2025年 ローザンベリー多和田 滋賀県米原市

殿堂入りのバラ一覧(1976年〜2025年)歴代受賞品種まとめ

​1976年に最初の殿堂入りのバラ「ピース」が選ばれてから2025年の「ガートルードジェキル」まで、計19品種を一覧表にまとめました。下にいくほど古い受賞品種になっています。

 

※気になる品種があれば、個別ページで詳しく解説しています。

受賞年/バラ会議開催地

(開催国)

品種名

 

系統

 

 

2025年/福山大会(日本)

ガートルードジェキル

S

殿堂入りのバラ「ガートルードジェキル」

2022年/アデレード大会(オーストラリア)

フラワーカーペットローズ・ピンク

修景バラ

フラワーカーペットローズ

出展/ハクサン

2018年/コペンハーゲン大会

(デンマーク)

ノックアウト

Knock Out

F

2015年 /リヨン大会

(フランス)

カクテル

Cocktail

S

Cocktail

2012年 /ヨハネスブルグ大会

(南アフリカ)

サリー・ホームズ

Sally Holmes

HMsk

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2009年 /バンクーバー大会

(カナダ)

グラハム・トーマス 

Graham Thomas

S

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2006年 /大阪大会

(日本)

エリナ

Elina

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2006年 /大阪大会

(日本)

ピエール・ドゥ・ロンサール

Pierre de Ronsard

LCl

2003年 /グラスゴー大会

(イギリス)

ボニカ’82

Bonica’82

S

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1997年 /ヒューストン大会

(アメリカ)

イングリッド・バーグマン

Ingrid Bergman

HT

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1997年 /ベネルクス大会

(ベルギー、オランダ、

ルクセンブルク)

ニュー・ドーン

New Dawn

LCl

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1994年 /クライストチャーチ大会

(ニュージーランド)

ジャスト・ジョーイ

Just Joey

HT

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1991年/ ベルファスト大会

(イギリス)

パスカリ

Pascali

HT
 
 

1988年 /シドニー大会

(オーストラリア)

パパ・メイアン

Papa Meilland

HT

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1985年 /トロント大会

(カナダ)

ダブル・デライト

Double Delight

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1983年 /バーデンバーデン大会

(ドイツ)

アイスバーグ

Iceberg

F

アイス・バーグ

1981年 /エルサレム大会

(イスラエル)

ドゥフトボルケ

Duftwolke

(Fragrant Cloud)

HT

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1979年/ プレトリア大会

(南アフリカ)

クイーン・エリザベス

Queen Elizabeth

Gr

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1976年 /オックスフォード大会

(イギリス)

ピース Peace

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ピース

殿堂入りに選ばれるバラの特徴とは?世界基準で“間違いないバラ”

ラは毎年、世界中の育種家の手により新品種が生み出される植物です。各国で、さまざまな新品種コンクールが開催され、たくさんの品種が賞を獲得するのですが、そんな優秀なバラ品種でも、15年間愛され続けるのはとても難しい。

 

さらに花が美しいだけでなく、世界じゅうに普及し、世界じゅうで育てられ、愛され続けて初めてその栄誉を授かるのが殿堂入りのバラです。

 

分かりやすく言い換えれば「殿堂入り=世界基準で“間違いないバラ”」ということです。

 

▼世界バラ会連合の公式サイトはこちらからご覧ください。

世界のバラ賞との違い|ADR・AARSとの比較

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まとめ│世界基準で選りすぐられたバラ。それが「殿堂入り」のバラ

国際的なバラのコンテストはいくつもありますが、世界でもっとも権威があるのが世界バラ会議が選定する「殿堂入りのバラ」です。

 

審査基準は、世界じゅうのどの環境でも育てやすいこと、国や性別を超えて誰が見ても美しいと感じること、そして、たくさんの国で長く愛されていること。世界じゅうのバラのプロたちの厳しい目で選出されたバラは、どれも美しく育てやすい品種ばかりです。

 

もちろん、選出当時の基準なので、古い品種は今から考えれば耐病性があまり高くなかったりするのですが──。

 

バラは毎年、新しい品種が発表され、人気のなくなった品種は忘れ去られていきます。「殿堂入りのバラ」たちは、忘れ去られることなく、必ず後世に伝えていってほしいという願いが込められたバラなのかもしれませんね。

 

世界バラ会連合の公式サイトはこちらからどうぞ
オールドローズの殿堂入り品種はこちらからご覧ください

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オールドローズの殿堂入り一覧|世界バラ会議で選ばれた歴史的名花

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2025年福山大会のもようはこちらからどうぞ

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ガートルード・ジェキルが殿堂入り|2025年世界バラ会議で選ばれた理由とは

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ドイツ/アメリカのコンテストはこちらからご覧ください

 

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