株元に撒くだけで、害虫駆除と病気予防ができる「ベニカXガード」。とても便利な農薬ですが、使い方を間違えると効果を活かしきれません。
この記事では、効果や使い方だけでなく、デメリットや年間使用回数、ローテーションの考え方まで分かりやすく解説します。初心者でも失敗しない使い方を、実体験をもとに紹介します。
ベニカXガードはどんな人におすすめ?向いている人・向かない人
▲初心者さんの強い味方「ベニカXガード」
2020年春に発売された「ベニカXガード」。手軽にバラを育てたい初心者さんに、オススメの農薬です。
ただし、とても便利な反面、使い方には少しコツもあります。
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「ベニカXガード」は、こんな方にオススメ ・鉢栽培でバラの病気や害虫のことがよく分からない初心者さん ・できれば害虫の顔を見たくない方 ・いろいろな農薬を用意したくない方 ・スプレー散布が苦手な方 ・バラの近くで野菜やハーブを育てている方 ・バラの鉢数が少ない方 |
「ベニカXガード」は、使い勝手が良くて効果も高いので、バラ育てのベース農薬として頼りになります。
害虫駆除にも病気予防にも使えるので、害虫が見たくない、病気もなるべく出てほしくないという方には、ぴったりな薬剤です。
土に撒くタイプの農薬なので、近くに野菜やハーブの鉢があってもスプレー剤のように飛び散る心配がなく、そういう意味でも安心です。
逆に、こんな人には不向きです。
・地植え栽培(ミミズや水質汚染などの懸念あり)
・たくさんのバラを育てている方
・1.2m以上に伸びるつるバラを育てている方
・単体の農薬を自分で調整して使いたい中級者、上級者の方
ベニカXガードの特徴を詳しくご紹介
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ベニカXガード粒剤 550g KINCHO園芸 殺虫剤 ベニカ 殺虫剤 顆粒 殺虫剤 殺菌剤 ベニカ 殺菌剤 顆粒 殺菌剤 病害虫 対策 病害虫 予防 殺虫殺菌剤
今やすっかり家庭園芸の定番薬剤となっている「ベニカXガード」。わたしは発売当初から使っていて、変わらぬ信頼を寄せている商品のひとつです。
発売当時は「園芸革命」とまで言い切っていたほどメーカーが力を入れていた「ベニカXガード」。
この商品がどんな薬剤なのか、どうスゴイのか、そしてどう使えばいいのか、さらに実際に使ってみたその効果まで、詳しく紹介します。
「ベニカXガード」は、株元に撒くだけでOK(浸透移行性)
▲「ベニカXガード」は、株元に散布するタイプの粒剤
ベニカXガードは、土に撒くだけで病虫害が予防できる商品です。その仕組みはこうです。
土に「ベニカXガード」を撒いて水やりすると、その成分をバラが根から吸い上げ、株全体に行き渡ります。そしてその株の薬剤入りの葉を食べた害虫が駆除されるという仕組みです。
効果の持続期間は約1カ月。ベランダ栽培の我が家の環境ではもう少し長くもちます。
実際にバラに使った場合のメリット
殺虫+病気予防が同時にできて、初心者でも失敗しにくい
▲病気も害虫被害もないピカピカの葉っぱを維持したバラ
初心者さんにしてみれば、害虫の顔を見るのもイヤだと思いますが、「ベニカXガード」を株元に撒いて水やりしておけば、卵から孵った害虫が、まだ人の目につくより小さい内に勝手に駆除されます。
病気もかなり抑えられます。じつは病気予防は絶対ではありませんが、もともと病気に強いバラなら、ほとんど出ないことも多いです。
つまり、害虫駆除と病気予防が同時にできて、初心者さんでもバラ育てを失敗しにくい薬剤なのです。
鉄壁の防御をしなくて済む
ロザリアンを悩ませるのが、薬剤散布のわずらわしさです。多くの農薬には、小さい文字でこう注意書きが書かれています。
使用時は、保護メガネ、農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。作業後は、直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、洗眼・うがいをして、衣服を換えてください。作業時の衣服などは他と分けて洗濯してください。
理由は分かるんです。要するにこれ免責事項ですよね。もしなにかあっても、メーカーとしてはちゃんと説明してますよ、と。実際にどうするかは、自己責任でお願いしますね、と。
でも、いちいちこんな鉄壁の防御できません。じゃぁどうするか? 自己責任で簡単装備で済ます方がほとんどだと思います。
スプレー剤だと、風向きで自分にかかったりする危険がありますが、その点、土に散布する粒剤ならそこまで神経質にならなくて済みます。
わたしは素手でスプーンを使って散布して、後は石鹸で手を洗うくらいで済ましています。もちろん、このやり方を推奨はできませんが、スプレー剤より安全性は高いと思います。
バラ鉢の近くで野菜やハーブを育てていても安心
▲バラの近くで育てている三つ葉
わたしはベランダでバラのほかにハーブを育てています。スプレー剤だとハーブにもかかってしまうので気を使います。でも、土に撒く粒剤なら、ハーブにかかる心配がないので安心して使えます。
含まれる害虫駆除の有効成分と適用害虫は?
ベニカXガードに含まれている害虫駆除の有効成分は「クロチアニジン」です。広範囲の害虫に効果があります。
「バラ用ハンドスプレー農薬と土に撒く農薬のデータベース」に詳細があるので、細かくチェックしたい方はそちらを確認してください。
初心者向け農薬の詳しい情報はこちらから
バラと小さなガーデンづくり
バラ初心者におすすめのハンドスプレー&土に撒く農薬一覧|病気・害虫対策を比較
ベニカXガードが病気予防に効果がある仕組み(BT菌)
▲ウドンコ病で真っ白になったバラの蕾
じつは「ベニカXガード」は、害虫駆除能力だけではなく病気予防もできるところが優れています。
これまでバラの病気予防は、殺菌剤を噴霧器で散布する方法で対処するものでした。それが、株元に粒剤を散布することで予防できるようになったのです。
※現在では、病気予防効果のある「BT菌」だけを粒剤にした商品(マイローズ・ベニカ・BT殺菌粒剤)もあり、選択の幅が広がっています。
「マイローズ・ベニカ・BT殺菌粒剤」について詳しくは、こちらをどうぞ
バラと小さなガーデンづくり
ベニカBT殺菌粒剤とは?|天然由来で病気を予防する使い方と効果
BT菌とは何か?
「ベニカXガード」に含まれるバラの病気を予防する有効成分は「バチルス・チューリンゲンシス菌」(Bacillus thuringiensis)、通称「BT菌」です。
BT菌は自然界に普通に存在する菌ですが、鱗翅目(チョウやガ)、双翅目(カやハエ、アブなど)、甲虫類(カブトムシ、ホタル、テントウムシなど)を駆除する効果があります。
その効果を利用して、BT菌を使った農薬(殺虫剤)が、人体に安全な生物農薬(殺虫剤)として、世界中で広く利用されています。
日本では「ゼンターリ」という商品があります。「ゼンターリ」は、アオムシ、ケムシ、ヨトウムシ、ハマキムシなどの駆除に効果があり、オーガニック栽培に使える、水に溶かして葉面散布するタイプの農薬です。
なぜ病気予防になるのか?
これまでBT菌は、葉面散布して害虫を駆除する目的で使われてきましたが、これを根から吸わせると、病気の予防効果があることが2000年代になり日本で新発見されました。
その発見をもとにつくられたのが、「ベニカXガード」なのです。
ベニカXガードの使い方|撒き方と基本手順
基本の使い方
▲規定量を株元に散布して水やりすればOK
ベニカXガードの使い方は簡単です。植えつけ時に土に混ぜ込むか、植えつけ後に土の上にばら撒きます。
水やりの水で溶けて有効成分が土に染み込み、根から吸収されて効果を発揮します。
ベニカXガードの使用回数は年4回まで|注意点を解説
BT菌の使用回数に制限はありませんが、一緒に入っている殺虫成分クロチアニジンのバラでの年間使用回数は4回です。
このため「ベニカXガード」の年間使用回数も4回までとなっています。
殺虫効果はアブラムシで約1ヵ月間持続します。
ベニカXガードのおすすめ使用時期|年間スケジュール例
▲「ベニカXガード」は手軽に使える病気予防剤
次に、バラ栽培で「ベニカXガード」を使うタイミングを考えてみます。「ベニカXガード」は年間4回までしか使えないので、バラ栽培で効率よく効かせるよう、タイミングを厳選したいものです。
1、3月中旬/春のスタート
ウドンコ病が発生する3月中旬に1回目の散布をします。ちょうどアブラムシの発生時期にあたる3月中旬~4月を、「ベニカXガード」でしっかり予防できます。
2、5月初旬/春花を病害虫ストレスなく楽しむために
春の開花前後の病害虫被害をなくすために、5月に入ったら2回目の散布を。
3、6月中旬/梅雨の病害虫対策
梅雨時期は、黒星病やさまざまな害虫が増える時期です。しっかり対策しましょう。
4、8月中旬または9月初旬/コガネムシの幼虫駆除
6月~10月にコガネムシの成虫が発生し産卵するので、夏を中心に幼虫駆除したいところです。8月中旬または、夏剪定時の9月初旬に散布すればコガネムシの幼虫対策になります。
※必ずしも4回使う必要はありませんが、参考になさってください。
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※amazonがセール中のため、今はかなり安く買えるみたい。チェックしてみて。タイミングによって価格は変わります。ご注意ください。
ベニカXガードのメリットまとめ│初心者でも使いやすい理由
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ベニカXガードのメリット ・土に撒くだけなので、とにかく扱いが楽 ・害虫予防に病気予防もできる ・初心者にも扱いやすい |
ベニカXガードのデメリット|使う前に知っておきたい注意点
使いやすくて効果も高いベニカXガードですが、便利だからといって、どんな使い方をしてもいいわけではありません。
ここではベニカXガードのデメリットと、使う際の注意点を紹介します。
年間使用回数が4回まで
ベニカXガードに含まれる殺虫成分は「クロチアニジン」です。「クロチアニジン」は年間の使用回数が4回までと法令で定められています。
理由は、同じ薬剤を使い続けると、その薬剤が効かない菌や害虫が発生してしまうから。また、土壌、水質などの環境への配慮などからです。
参考資料/農林水産省
クロチアニジンとは?他の農薬が使えなくなる理由
上では、分かりやすくするために「同じ薬剤を使い続けると」と書きましたが、「ベニカXガード」以外にも「クロチアニジン」を含んだ薬剤はたくさんあります。
たとえば「ベニカXネクストスプレー」「ベニカXファインスプレー」「オルトランDX」などなど。多くの殺虫効果のあるハンドスプレー農薬や土にばら撒く農薬に「クロチアニジン」は含まれています。
これらは、すべて年間使用量に合算されます。
たとえば「ベニカXガード」を年間2回使い、「ベニカXネクストスプレー」を2回使ったら、それ以上「クロチアニジン」を含んだ農薬を使うことができないのです。
ローテーション散布という考え方
そこで「クロチアニジン」以外の系統の農薬を間に挟んでローテーション散布するという方法が、農薬を扱う際の重要な考え方になってきます。
ローテーション散布について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
バラと小さなガーデンづくり
バラのローテーション散布とは?|農薬耐性を防ぐ正しい考え方と初心者向け実践法
効果は高さ1.2m程度まで
これはベニカXガードに限らず、根から吸収させるタイプの薬剤すべてに言えることですが、バラが薬剤を吸い上げることができるのは樹高1mちょいまで。だいたい1.2mまでと言われています。
このため、1mちょっとまでに管理している木立ちバラなら樹全体に効果が発揮されますが、もっと樹高の高いつるバラでは上の方は効果を期待できません。
ほかの薬剤を併用する必要があります。
ミミズや水生生物など環境への影響から鉢栽培のみで使いたい
クロチアニジンは、土中に長く残る性質があります。そのため土の守り神の異名をもつミミズを含む土壌生物への影響や、土にしみ込んだ成分が水に流れ込むおそれなど環境への影響が懸念されている薬剤です。クロチアニジンは水棲生物に影響を与えます。
そのため、基本的に鉢栽培のみで使いたい農薬です。
庭植え栽培では、コガネムシ幼虫の駆除などの、どうしても必要な場合以外は使わないようにしたいものです。とくに井戸水を飲料にしている地域では注意が必要です。
庭植えで土に撒くタイプの農薬を使いたいなら、GFオルトラン粒剤の方が安全です。
ベニカXガードのローテーション方法|併用する農薬の選び方
中級者以上の方なら、単体の農薬を使って上手くローテーションが組めるかも知れませんが、初心者の方は、既存の使いやすい農薬から選ぶことになります。
いろいろ調べた結果、現在のところ、次の組み合わせがもっとも使いやすいと思います。
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初心者向け|おすすめの農薬ローテーション例 ・「ベニカXガード粒剤」をメイン使用 ・「GFオルトラン粒剤」をローテーション使用 ・緊急時のみ「ベニカXネクストスプレー」 ※効果は高いですが、メイン農薬と同じ成分系統のため使いすぎには注意 |
メイン農薬とローテーション農薬の薬剤の系統を分けることで、年間使用回数を超えることなく、ムリなく使えるようになります。
この組み合わせなら、初心者でも迷わず使えます。
ローテーションについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
バラと小さなガーデンづくり
バラのローテーション散布とは?|農薬耐性を防ぐ正しい考え方と初心者向け実践法
ベニカXガードを実際に使ってみたレビュー|効果はあった?
▲ウドンコ病予防効果はそれなりありそう
我が家はベランダ栽培なので、毎年ウドンコ病に悩まされます。紫バラの「ノヴァーリス」も、病気耐性が高い品種のはずなのに、いつも株じゅう真っ白になるほどウドンコ病が発生します。
そこで、今年の春は2月下旬に「ベニカXガード」を散布してみました。
上の写真は4月中旬の「ノヴァーリス」の葉です。しっかりウドンコ病が発生しています。が、昨年に比べれば、各段に少ないです。
その後、ウドンコ病治療に驚くほど効果的な*「重曹オイルスプレー」をまわりのバラに散布したため、「ノヴァーリス」のウドンコ病もなくなりました。「ノヴァーリス」に「重曹オイルスプレー」を散布していませんが、環境が改善されたために「ノヴァーリス」自身の力でウドンコ病を克服できたようです。
「重曹オイルスプレー」についてはこちらの記事を参考にしてください
バラと小さなガーデンづくり
キッチンにあるものだけでウドンコ病を消す!「重曹オイルスプレー」これスゴイ!
▲6月8日の「ノヴァーリス」の様子
2月下旬に「ベニカXガード」を散布して以降、5月ごろ1度だけハンドスプレーの殺虫剤を散布しました。「ニームオイル」も1度だけ散布した覚えがありますが、それだけで、ほぼまったく害虫被害がありません。
たまたまかもしれませんが、こんなに害虫被害のない年は初めてです。
理由は、やはり環境改善ではないかと思います。ウドンコ病がなくなったため、バラの葉が健康に丈夫に育てるようになったので、害虫被害も減ったのだろうと思います。
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※amazonがセール中のため、今はかなり安く買えるみたい。チェックしてみて。タイミングによって価格は変わります。ご注意ください。
まとめ|ベニカXガードは正しく使えば強い味方
今回は「ベニカXガード」について紹介しました。株元に撒くだけで害虫駆除と病気予防ができる便利な薬剤です。
実際に使ってみた結果もじょうじょうです。
年間使用回数や併用する薬剤など、上手に使うにはコツがいりますが、使い方を理解すれば、バラ栽培のメイン農薬として力強い味方になってくれます。
サイトでは、現状での初心者向けの使い方や、中級者向けの使い方など、いろいろ考えて紹介していきます。
農薬ローテーションについて詳しくは、こちらをどうぞ
バラと小さなガーデンづくり
バラのローテーション散布とは?|農薬耐性を防ぐ正しい考え方と初心者向け実践法
BT菌だけを分離した商品「BT粒剤」について詳しくは、こちらをどうぞ
バラと小さなガーデンづくり
ベニカBT殺菌粒剤とは?|天然由来で病気を予防する使い方と効果
ハンドスプレー農薬の詳細な比較記事はこちらから
バラと小さなガーデンづくり
バラ初心者におすすめのハンドスプレー&土に撒く農薬一覧|病気・害虫対策を比較
病気と害虫対策の総合案内ページは、こちらです
バラと小さなガーデンづくり
病気と害虫対策の総合案内ページ














オルトランはGFでもDXでもアセフェートが主だと思いますので含有成分は同じですよー
DXの方がクロチアニジンが入っている分強いと思いますが。
しまさん、コメントありがとうございます。
GFオルトランはアセフェート。
オルトランDXはアセフェート+クロチアニジンですね。
そのため、駆除できる害虫の幅が違います。
別商品であり、明らかに含有成分は違うと思いますが・・・。
この記事はベニカXガードの紹介なので、
クロチアニジンを含むベニカXガードと併用するには、
オルトランDXだと両方含めて年間4回以内。
GFオルトランなら別系統の薬剤なので、ベニカXガード年間4回
GFオルトラン年間5回まで使えますという紹介内容になります。
ただし、ベニカXガードのメーカーの適応害虫表示が少し前に変更になっています。
国への届け出が受理されたとか、なんかそういう関係かな?
それに関して、この記事は少し修正する必要があります。
近々行う予定でいます。
あいびー