雨に濡れると透明になる不思議で美しい花をご存知ですか?冷涼な高地に咲く「サンカヨウ」という花です。サンカヨウとはどんな花なのか、どこに行けば見られるのか、花の時期花言葉、さらに育て方までいろいろ調べました。いつか自分の目で見てみたい!

雨に濡れると透明になる花「サンカヨウ」ってどんな花?

▲雨に濡れた透明の花びらは、まるで氷細工のように繊細で美しい!

の中には不思議な花があるもので──。まるで氷でできたかのような美しい透明な花びらをもつ花が実在します!

 

その花の名前は「サンカヨウ」。漢字では「山荷葉」と書きます。「荷葉」とは「蓮の葉」をさすそうで、「山に咲く蓮のような葉をもつ花」といった意味合いをもつ名前です。蓮というよりは蕗の葉のようですが、とにかく大きな葉をもつ山の花です。

 

数年前にテレビで流れた化粧品のCMにこの花が使われたのですが、覚えている方もいるでしょう。初めて見た透明な花の美しさに、まさか本物の花とは思えなかったものです。わたしは、ぜったいにCGで作られた映像だと思いました!

 

▲雨に濡れる前のサンカヨウ 出展/wiki

 

サンカヨウの学名はDiphylleia grayi。メギ科サンカヨウ属の多年草です。切れ込みのある大きな葉と小さな葉の大小2サイズの葉を広げ、花は小さなサイズの葉に乗るように咲きます。花径は約2cm。6枚の花弁をもつ小さな白い花を数輪固まって咲かせます。白い花びらと黄色い雄しべとの対比が美しいですね。

 

この白い花は雨や露で濡れると最初の写真のように透明になり、ガラス細工のような美しい姿になります。そして乾くとまた白い花に戻ります。

 

花は開花から1週間ほどしかもたず、少しの衝撃でも散りやすい。しかもちょっと水に濡れたくらいでは透明にならず、弱い雨に長く濡れたときやじっとり露を含んだときにしかきれいな透明にならないので、良い状態で透明の花を見るのはなかなか難しい。霧吹きシュッシュッとやったくらいではきちんと透明にならないそうですよ!

 

花の後に1.5~2cmほどの濃い青紫色の、ブルーベリーをやや細長くしたような実がなります。好みはありますが、食べられます

 

草丈は50~70cm。花の咲く時期は5~7月です。本州中部以北から北海道、サハリンに分布する山野草です。

 

花言葉は「親愛の情」「幸せ」「清楚な人」

▲白いサンカヨウは目立たない清楚な花

ンカヨウの花言葉には「親愛の情」「幸せ」「清楚な人」などがあります。自生地ではそう珍しい花ではないのでしょうか。雨に濡れると透明になるという奇跡的な特徴を捉えた花言葉が見当たらなくて、逆に不思議なかんじがします。

 

サンカヨウが見られる場所は?

生地の分布は、本州中部以北から北海道。サハリン高地のやや湿った場所、灌木の間などに生えます。ここではサンカヨウが見られる場所と、おおよその時期をいくつか紹介します。(ここで挙げた以外にも、見られる場所はたくさんありますよ!)

 

サンカヨウの花は見られる時期が限られているので、お出かけの際には現地に開花状況を問い合わせてからが確実です。

 

六甲高山植物園(兵庫県)4月中旬

 

栂池自然園(長野県)7月中旬

 

 

白馬五竜高山植物園(長野県)7月中旬

 

尾瀬(群馬県または福島県)6月下旬

 

砥石山(北海道)

 

支笏湖周辺(北海道)

 

大雪山国立公園(北海道)7月中旬

 

サンカヨウの育て方

ンカヨウは高地に自生する山野草です。信州や北海道など、夏も冷涼な場所なら育てやすいと思われます。じっさい北海道などの適地で育てるなら、特別なことをしなくても元気に育って毎年花を咲かせていると書いてあるサイトを見かけました。

 

栽培に適した冷涼な気候ではないところで育てるなら、やはり山野草栽培に慣れた方でないと難しいと思われます。関東平野のマンションのベランダという栽培環境のわたしには、ぜったいムリでしょう!

 

栽培適地で育てる場合、地植えならよほど好天が続いたとき以外は水やりする必要もありません。鉢植えなら鉢の土が乾いたらたっぷりと。植物の基本的な育て方ですね。

 

山野草を扱っているお店で苗の販売があるので、興味のある方は育ててみては! 少し値ははりますが、珍しい斑入り葉の品種もあるようです。サンカヨウは移植を嫌う性質があるので、植えつけるときには根鉢を崩さず優しく植えてください。いずれ花が咲いたら実から種を採り、それを撒いて育てることもできます。

 

自宅の庭に咲いたサンカヨウなら、一番良い時期に透明な花が楽しめます。素敵ですね!

 


山野草:サンカヨウ (山苛葉) 10.5cmポット苗 ※今季開花終了

 


サンカヨウ 斑入り B

 

まとめ

雨に濡れると透明になる花、サンカヨウを紹介しました。信州以北ならこれから花の季節を迎えます。サンカヨウを見に山に出かけるのも楽しいですね!

 

自分で育てることもできますが、我が家のように関東の平地では少し難しそうです。いつか、山で自然に咲いている姿をみてみたいものです!

 

ちなみに、この花の名前は「サンカヨウ」です。ツイッターで画像検索したときに分かったのですが、かなりの方が「サンヨウカ」と覚え間違いしているようです。「きっと漢字で”〇〇花”って書くんだろうな~」という思い込みがあるのでしょうね。正しくは「サンカヨウ(山荷葉)」ですよー! 正しく覚えてくださいね^^

 

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