真っ赤な一重咲きで、中心がくっきりとした黄色。「カクテル」は、色の対比が美しいつるバラです。花1輪は小さいのですが、すばらしい多花性で、壁面を華やかに彩ってくれます。日本人にはおなじみだけれど、その良さを再認識したいバラ「カクテル」を紹介します。

スポンサーリンク




カクテル(コクテール)

Cocktail

DATA

バラの系統 シュラブ【S】
開花のしかた 返り咲き 10~15輪の房咲き
花径

6cm

花形 一重咲き
香り 微香
樹形

大型のシュラブ樹形

枝の長さ2.5~3m

作出情報 1957年 フランス/メイアン
備考

第17回 世界バラ会議 フランス リヨン大会で殿堂入り

ヨーロッパではシュラブ樹形ですが、温暖な日本ではより大型化し、クライミング樹形のように枝先が長くなる。

耐陰性にすぐれる。

黒点病にやや弱いので注意

 

日本ではポピュラーな品種ながら、2015年に殿堂入りした名花!

▲中心が黄色の赤い花びら。花色の対比が美しい「カクテル」。

心が黄色に染まる、鮮やかな赤色の一重咲きの花を咲かせる「カクテル」。日本では2000年ごろにとてもよく売れた品種だそうです。そのため日本人にはとても馴染みのあるバラで、特別バラに興味がなさそうなお宅の庭でも、「カクテル」が咲いていたりします。

 

 

品種名は「カクテル」、または「コクテール」と表示されることもあります。

 

 

日本人にはとてもポピュラーなつるバラ「カクテル」ですが、なんと2015年、フランスのリヨンで開催された世界バラ会議で殿堂入りを果たし、一躍名花の仲間入りをしました!

 

 

あまりにポピュラーすぎて「カクテル」を植えていなかったバラ園も多かったらしく、殿堂入りの知らせを聞いてあわてて植えた、まだまだ小さな「カクテル」がいじましく花を咲かせているのをあちこちで見かけました。

 

早咲きで、枝を覆うほどの多花性が魅力!

▲たくさんの花でスクリーンを色鮮やかに染めるカクテル

つはカクテルは、作出されたヨーロッパでは普通のシュラブ樹形をしています。ところがヨーロッパよりも温暖な日本では大型化し、枝先が2.5~3mまでも伸びます。このため、日本ではつるバラとして扱われています。

 

 

カクテルの魅力は、色鮮やかな花を枝いっぱいに咲かせる多花性です。とくに春は壁やフェンスを覆うくらいたくさん咲いてみごとです早咲きで、関東以西では4月下旬に春花が開花します。

 

花は退色しながら長く楽しめる

▲咲き始めは黄色だった中心部分は、咲き進むと白く退色する

き始めの「カクテル」は中心がはっきりした黄色で、おしべの黄色も美しいのですが、咲き進むにつれ中心は白くなり、花びらの赤色もやや白っぽくなっていきます。さらに咲き進むとおしべは黒くなります。こうして退色しながらも、ながく花が楽しめます。

 

 

「カクテル」は、春の一番花の後もよく返り咲きします夏や秋は花数は減りますが、パラパラ咲いてくれます。最初に載せた中心が黄色いカクテルの写真は8月初旬に撮影した夏花です。たくさんのつぼみを上げて、少ないながらもしっかり咲いていました。

スポンサーリンク



カクテルの仕立て方

クテルの枝は細く、初心者にも誘引しやすいつるバラです。ただし花枝(イラストの赤いラインの部分)が長いので、個人宅にあるような小ぶりなアーチに仕立てると、アーチのはるか上のほうに花が咲いてしまいがちです。誘引するなら大型のアーチか高さのあるフェンスや壁の方が向きます。

 

▲大型アーチなら、花枝の長さも気になりません

 

なるべく地面と水平になるよう誘引すると、たくさんの花が咲きますが、あまりに枝先を下げると花つきが悪くなるので注意します。

 

 

カクテルは、冬に短くカットしても翌春きちんと咲くバラです。広い場所が確保できないときやベランダで鉢栽培するときには、冬のバラの休眠時期に思い切って切り詰め、シュラブ樹形に管理して楽しむといいですね!

 

 

耐陰性にも優れる品種なので、あまり日照条件の良くない場所でも、花数は少なくなるものの咲かせることができます。

 

枝替わり品種にピンク・カクテルもあります

【バラ苗】 ピンクコクテール 大苗 つるバラ トゲが少ない 四季咲き ピンク バラ 苗 つるばら np 【予約販売】【2018年12~翌1月以降お届け予定】

価格:1,814円
(2018/10/2 01:58時点)

クテルの枝変わりに、花色がピンク色の「ピンク・カクテル」があります。真っ赤なカクテルよりも、「ピンク・カクテル」の方が優しい印象で、さまざまな庭で使いやすいかもしれませんね。

 

 

「ピンク・カクテル」は花色がピンク色で、葉が円く、枝にほとんどトゲがないという特徴があります。それ以外の性質は、黒点病にやや弱いというところも含めて、もともとのカクテルと同じです。多花性で、よく返り咲き、悪条件に耐える強健さがあります。

 

口コミと値段のめやす

バラ苗ショップのコメント

一重の赤つるばらを代表する品種で、緋色に中心黄色の華やかな色彩を持ち、返り咲きも多く現在も多くの人に愛されています。花付き素晴らしく壁面仕立てがやはり見事です。枝質・葉質が若干弱く、寒冷地では寒さへの保護、ベト病への注意が必要です。枝の誘引も、水平以下にはしないなど工夫が入ります。(姫野ばら園)

ロザリアンからの口コミ

枝の太さも太すぎず、トゲを注意すれば、誘引は簡単だと思います。大型化を防止する為に、鉢植えでコンパクトに栽培するのも良いと思います。黒点病にかかりますので消毒は必要です。

早咲きの品種なので、他のバラよりもつぼみが目立ちますのでバラゾウ虫が良くつきます。他のバラよりも早めに、小まめにパトロールが必要です。結論としては、結構丈夫で育て易く、バラの入門用としては向くと思います。

 

値段の目安


バラ苗 カクテル 国産大苗6号スリット鉢 つるバラ(CL) 四季咲き中輪 複色系/殿堂入りのバラ

まとめ

2015年、フランスのリヨンで開催された世界バラ会議で「バラの栄誉殿堂入り」を果たした「カクテル」を紹介しました。日本では2000年ごろにとてもよく売れたつるバラで、あちこちの家庭で普通に見かけるおなじみのバラなので、殿堂入りしたと聞いたときには、ちょっと驚きました。

 

 

でも、なぜ日本でそんなによく売れたか考えてみれば、殿堂入りもうなずけますね。はっきりとした明るい赤がよく目立つ花で、素晴らしい多花性、さらに黒点病には注意が必要ですが病気にも比較的強く育てやすい。夏にも秋にもよく返り咲く性質。また、短く切り詰めても枝先を長く伸ばしてつるバラとしても仕立てられる、しかも耐陰性が高いので日照時間の短い場所にも咲かせられるという使い勝手の良さもあります。

 

 

おなじみすぎて、日本ではあまり注目を集めなくなってしまっていた「カクテル」。その良さに、改めて気づいてくださいね!

 

▼殿堂入りのバラについてはこちらをご覧ください。

 

cropped-rose1.png
スポンサーリンク