バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は京成バラ園芸の「薫乃」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「薫乃」は、こんなバラ

▲柔らかな花色と香りが人気 出展/京成バラ園

心がクリームピンクになるソフトベージュの花を咲かせる「薫乃」(かおるの)は、2008年京成バラ園芸作出の人気品種です。

 

中心が色のりがよく、外側にいくほど白っぽくなる花色なので透明感があり、オレンジ色とも杏色とも違うなんともいえない女性らしさがある花です。

 

特筆すべきはその香りで、2005年JRC(Japan Rose Concours)香り部門で金賞を受賞しているほどの実力。京成バラ園芸のサイトでは「ダマスク系とティー系の混合した上品で素晴らしい香り」と表現されています。

 

香りの強さはもちろん強香。

 


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このバラをイメージしたオードトワレやハンドクリームがつくられているほどで、いかに香しい品種かが分かります。

 

花径6cmのカップ咲きの花を房咲きするフロリバンダ系統のバラ。樹高は1mていど。直立性の樹形。

 

「バラの家」のスコアは「樹勢/普通」「ウドンコ病耐性/弱い」「黒星病耐性/普通」「耐陰性/弱い」「耐寒性/普通」「耐暑性/普通」。

 

「苗木部」のスコアは「育てやすさ/★★☆☆☆」「初心者には少し注意」と書かれています。その理由として、「耐陰性/やや弱い」「耐寒性/普通」「耐暑性/普通」「耐病性/やや弱い」「害虫/やや弱い」とあります。

 

日照条件の良い場所で育て、定期的な薬剤散布が必要なようです。ウドンコ病が出やすいので軒下ではなく、雨の当たる場所が良さそう。淡い花色の強香品種なので、スリップスにも好かれそうです。

 

今回育てる「薫乃」の環境DATA

関東南部の家の東側にある庭に地植え(周りに遮るものがなく、日照は日の出から夕方まで十分)

今年の2月下旬に届いた大苗

今年の目標/今年こそ健康で大きな笑顔が観たい!

育てる人/ありんぼ

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

4月7日の「薫乃」/発蕾

▲庭植えで、樹高は53cm 写真提供/ありんぼ

乃はバラ友が先にもっていて、「ちょ~いい香りだよ!」と教えてもらって知った品種です。華やかな花色ではないけれど、静かな中間色に品があると感じてお迎えしました。日本人好みな感じの花ですよね。

 

京成バラ園のオリジナル商品に、香水などが作られているくらい良い香りなんです。自然な植物の芳香という感じの香りで──この練り香水、持ってます。(どうやら練り香水はつくらなくなったみたいです──残念)

 

じつは「薫乃」をお迎えしたのは今回が3度目。最初は裸苗で、次は新苗で育てましたが、どちらも育児失敗しまして・・・。今度こそ健康で大きな笑顔が観たいです!

 

▲赤い若葉の中に1番花の蕾 写真提供/ありんぼ

 

植えてあるのは家の東側の庭で、朝から夕方までしっかり日の当たる環境です。3度目だし今年こそ失敗したくないので、一等地に植えました。

 

今の樹高は53cm、しっかりした蕾が4つ育っています。

 

4月~梅雨入りまでの間、さまざまなハンドスプレー農薬を週1か10日ごとにかけて病気と害虫の防除をしています。

 

京成バラ園のローズセミナーの先生が実際に試した結果「ベニカXネクストスプレー」(住友化学園芸)が、うたい文句通り頂点だ! と、ほめてらっしゃいましたが、この頂点スプレーは高価なので、通常は「ガーデンアシストスプレー」などのコメリオリジナル商品を中心に使っています。

 

4月18日の「薫乃」/蕾ふくらむ

▲フロリバンダらしい房咲きに! 写真提供/ありんぼ

たね梅雨が終わって、昼の時間が毎日暖かいし、バラたちがぐんぐん伸びるし、葉がわさわさ茂ってきました。

 

「薫乃」は、前回のレポートから10日で5cm以上身長が伸び、蕾がふくらんできました。

 

前回の写真では大きめのつぼみが1コで、その下の左右ににふくらみがありました。今回は、ふくらみが蕾のカタチを見せてきて、フロリバンダの花束咲きがはっきりわかります。

 

4月28日の「薫乃」/蕾のガク割れ

▲「薫乃」の主蕾がガク割れ開始 写真提供/ありんぼ

乃は蕾がかなりふくれていて、ガクの割れめから白っぽい花びらが見え始めました。上の写真で比較に写しているのは、わたしの左手のお父さん指です。(わたしの指、細いのです)。

 

「薫乃」の花枝は4本、それぞれ複数の蕾がついているので全部で11輪の蕾があります。

 

▲花枝が2本、蕾は7つくらい 写真提供/ありんぼ

 

「薫乃」の身長は64cmぐらい。撮影時は、明るい午後で東側の植物に日光が充分にあたる3時前後だったと思いますが、夕方うす暗い時間にも見たところでは、蕾の割れめが、もうちょっと色が出てきたような気がしました。

 

この場所は、日当たりがよいと同時に天然の風当たりも強いです。せっかく伸びた枝やつぼみが折れることもあるし、ブラブラとゆすられて被害が起こらないように、ところどころ園芸用のワイヤーやヒモなどでまとめています。

 

今日は枯れ枝取りをしました。2カ月ぐらい前、春の始めにも庭全部のバラをめぐって茶色くなった枝をだいたい取ったのですが、そのあとも少し日がたつと、どんどん枯れ枝が現れるんです。春から成長が旺盛だからでしょうね。成長した新しい枝や芽がみつかり、バランスを取るように、他に茶色に変色した死んだ枝もどんどんみつかりました。

 

5月3日~6日の「薫乃」/最初の1輪が開花

▲開花が楽しみになる美しい色合い 写真提供/ありんぼ

ず5月3日の様子から。この蕾は花びらの付け根が黄色くて先がピンクのグラデーション。美花が期待できる美しい色あいで、開花を楽しみに見守っていました。ところがそれから2日後──

 

▲花びらに茶色の枯れ色が! 写真提供/ありんぼ

 

ガクが下り、外側の花びらがめくれてきた喜ばしい時期なのに、この色合いです。

 

以前うちにいた「薫乃」も同じ感じだったのですが、花びらに茶色の枯れ色の部分が出てしまいます。花びらがとっても薄いタイプの「ラ・フランス」、それと「ダフネ」も薄いのか? いつもこんな風に、どの蕾にも変色が出ます。薄い花びらには、雨や風も厳しいのかな。

 

4年目あたりの今年は、「ダフネ」は枯れ色が出ない1番花を見られました。ということは、幼い木ゆえの現象なのかな? それとも雨の影響?

 

▲淡いピンクに開き始めた「薫乃」 写真提供/ありんぼ

 

5月6日には「薫乃」が開き始めました。今日のサイズは花径7.5cmです。明日はもっと開いて大きくなるでしょうね。

 

今日のキビシイ強風! これのせいか、匂いは感じられませでした。

 

▲強風に備えて支柱を 写真提供/ありんぼ

 

1番背の高い主幹の真ん中の蕾が開いてきました。強風に備えて支柱を立てています。

 

5月10日の「薫乃」/花がら摘み

▲最初の1輪を花がら摘み 写真提供/ありんぼ

回レポートした、蕾の花びらが茶色くなる症状を調べてみたところ「ボトリチス」(灰色カビ病)が近いカモ? と、思いました。ほかにも、病気ではなく湿気からのカビの類という意見もあり、とりあえず敵は湿気かな。

 

「薫乃」は、咲いてくれた花を観たら、真ん中から開きあがってきた美しい色が目立ち、外側にあった変色の印象がうすらいでしまい、一見して視界からもほぼ消えてくれました。「薫乃ちゃん、したたか!」と、思いました。

 

ひとつめに咲いた花がヨレヨレになっていたので、今日、花を摘みました。花がら摘みとか切り戻しと言いますが、うちでは育てている花みんなに「散髪やで~」と言い聞かせて、花がら摘みや切り戻しをしています。

 

房咲きの、周りの蕾が開いてきていますが──

 

▲花首が茶色に変色してダラリと・・・ 写真提供/ありんぼ

 

最初に咲いた大きな花を取ったら・・・真下に隠れてしまっていた蕾が、上の写真のように花首が腐って垂れていました。気づかなくて、かわいそうな目に遭わせてしまいました。

 

ほかの蕾はもうじき咲きそうにふくらんでいますが、長女姉ちゃん花のような変色はなさそうです。この垂れちゃった蕾も、今のところ変色がないのに・・・。一番近くにあったこの蕾に、長女姉ちゃん花のボトリチス菌のカビが移ってしまったのかな。

 

またこの蕾の菌がほかの蕾に移りそうなので、かわいそうだけど、ちゃっちゃと散髪しました。

 

▲樹高は70cmに 写真提供/ありんぼ

 

今日の「薫乃」は、かなり背が伸びて70㎝です。

 

月初めの手入れ

毎月初めに追肥をしています。

 

肥料は粒状の「花ごころバラの肥料」を使っています。この肥料の追肥の量は「7号鉢で半握り20g、10号鉢で一握り40g、地植えで100g」と書かれています。これに近いように、適当量を施肥しました。

 

5月15日・18日・19日の「薫乃」/後続が開花

▲風雨でボロボロになった「薫乃」 写真提供/ありんぼ

ず5月15日の様子です。後続の花が咲いてきましたが、色はかなり白めで、そのうえ  昨夜の突然の大雨。今日も急に降りまして、茶色のボロボロがかわいそうな状態です。

 

今年の「薫乃」の最初の花は、色が本当にキレイでした。2番目3番目は、真ん中のあの明かりを灯した様子の美しい色が出ていません。普段ネットで見る「薫乃」の花は 商品タグと同じ黄色系が多く、それと似た様子です。

 

▲旅行から帰ると、かなりしおれていた 写真提供/ありんぼ

 

上の写真は5月18日の様子です。じつは2泊3日で家を留守にしました。

 

2日振りのパトロールをしたところ、夕方近くまで日差しに恵まれる「薫乃」とその周囲のバラは、花びらがしおれてしまったり、色がおかしいように見える花が複数ありました。

 

「薫乃」の身長は73cmでした。

 

▲咲いたままの姿でしおしおに 写真提供/ありんぼ

 

「薫乃」は、かなり花びらがうすいと見え、写真のように咲いたままの姿でしおしおになっています。

 

▲咲いたままの姿で枯れた花も 写真提供/ありんぼ

 

1つは完全に枯れ葉色です。

 

▲花径7cmのうっとりさせられる強香 写真提供/ありんぼ

 

これは翌日の19日に開花した「薫乃」です。 2番3番の花が白っぽくて本来の美貌が出ませんでしたが、これは最初の花に似た 鮮やかさで、最初の花ほど ピンクに傾いていない、商品タグに近い色に見えます。

 

花径7㎝で香りがありました。まわりでも香ってくれるので、うっとりさせられる香りに 出元はだれだ?と、いつもひとつひとつ匂ってさがします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

育てた人紹介/ありんぼ

住むとこ=関東南部 田舎の農村 その中にある住宅地

人  種=日本人 女 犬とバラとカメと人間を家族に持つ

バラ母歴=10年近いかな 今は 鉢植え地植えの計73本・67種ぐらいかも バラに無知なまま最初に「シュネープリンセス」と出会ったのは20年以上前 同級生のバラ友が1人

特 徴=マイペースな理系

 

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