バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は河本バラ園の「コンフィチュール」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「コンフィチュール」は、こんなバラ

▲「コンフィチュール」 出展/バラの家

ンフィチュールは、河本バラ園の河本麻記子さん2020年作出のアプリコットピンクのバラです。趣味の園芸2022年5月の番組内で取り上げられて以来、大人気品種となりました。

 

内側が細かく分かれてロゼットになる花びらの多いコロンとしたカップ咲きで、よく見ると花びらの縁にピンク色が乗ります。そのため、アプリコットとピンクが混在したような不思議な花色に。さらに咲き始めは、河本麻記子さん好みのボタンアイぎみに中心の花びらが折りたたまれるという──。

 

花の作りが本当に繊細ですね。花径は6~8cm。

 

ティにフルーツの甘い強香が素晴らしく、「Confiture」(フランス語でジャムの意味)と名付けられました。

 

四季咲き性が強く繰り返しよく咲き、若葉の赤い葉色とのコントラストも美しい。枝先に房咲きするフロリバンダ系統。樹高は0.9~1mと、さほど大きくならないので鉢栽培にも向きます。

 

河本麻記子さん作出のバラは「ローズ・ドゥ・メルスリー/rose de mercerie」(和訳すると「手芸屋さんのバラ」)シリーズとして発売されています。パリの手芸屋さんにあるようなアンティークレースや綺麗な色のリボンなどをイメージした繊細な花色と花形、大きすぎない花のサイズから、どれも女性らしいかわいらしさに溢れた品種です。

 

「バラの家」のスコアは「樹勢/普通」「ウドンコ病耐性/普通」「黒星病耐性/普通」「耐陰性/弱い」「耐寒性/弱い」「耐暑性/強い」。

 

「苗木部」では「育てやすさ/★★★☆☆」「育てやすい」と書かれています。スコアは「耐陰性/弱い」「耐寒性/弱い」、それ以外は「耐暑性/強い」「耐病性/普通」「害虫/普通」です。

 

今回育てる「コンフィチュール」の環境DATA

関東南部の家の東側の壁際で鉢植え栽培(日照は日の出から正午ごろまで)

昨年12月初旬に届いた大苗

今年の目標/美貌の新人!なので、花びらぎゅうぎゅうのラベル通りの花がみたい!

育てる人/ありんぼ

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

4月7日の「コンフィチュール」/もうすぐ発蕾

▲樹高35cm。健康そう 写真提供/ありんぼ

年の秋、ネット通販のバラ苗ページをみていて「一点集中!ちょー美形!!」と、うっとり見入ってしまったのが「コンフィチュール」との出会いです。

 

昨年夏の酷暑から短い秋を挟んで極寒の冬という急激な気候変化のため、我が家の10本ものバラを失ってしまった非常事態だったので、秋に7品種購入したうちのひとつです。ちょっと分不相応に高額でしたが──。

 

実際に届いたのは12月初旬。すぐに8号プラ鉢に植え替えました。使用培養土は「か~るい培養土」(Breezy Green/コメリのプライベートブランド)です。

 

わたしは京成バラ園のローズセミナーに通っているんですが、そこで「バラ専用でもどの土でもいい!」と教えてもらったので、普通の培養土を使っています。本来なら京成バラ園の高価な専用土をすすめるところですが、セミナーの先生は「いつもいつも高価なものを使わなくても、園芸用の土なら何でも大丈夫!」と言ってくれます。こういうところ、信頼できます^^

 

▲置き場所は家の東側の壁際 写真提供/ありんぼ

 

置き場所は家の東側の壁際。日の出~正午ごろまで日が当たりますが、周りにつるバラが茂っていて、やや鬱蒼としています。つるバラは、「コンフィチュール」の右が「サマースノウ」、さらに右が「ロココ」です。「コンフィチュール」の左側、ハサミが下がっている株が「ブラン ピエール ドゥ ロンサール」。屋根に軒はありませんが、周りのつるバラが少し軒がわりになるかも?

 

この場所に高さ40cmほどの農業用コンテナを置き、その上に鉢を置いています。こうしておけば、雑草が伸びてもバラ鉢が草に埋もれないし、風通しも良くなるので重宝しています。

 

しばらくここで管理しますが、もし「コンフィチュール」の生育が悪くなってきたら、もっと日当たりの良い場所に移動するつもりです。

 

▲真っ赤な若葉がキレイ 写真提供/ありんぼ

 

今のサイズは樹高35cm。タテ・ヨコに葉を広げた健康な姿に育っていると思います。「コンフィチュール」の若葉は、とても赤いのが特徴です。

 

蕾はまだ幼く、蕾の芽らしき小さな細いものが8個確認できます。

 

4月~梅雨入りまでの間、さまざまなハンドスプレー農薬を週1か10日ごとにかけて病気と害虫の防除をしています。

 

京成バラ園のローズセミナーの先生が実際に試した結果「ベニカXネクストスプレー」(住友化学園芸)が、うたい文句通り頂点だ! と、ほめてらっしゃいましたが、この頂点スプレーは高価なので、通常は「ガーデンアシストスプレー」などのコメリオリジナル商品を中心に使っています。

 

4月18日の「コンフィチュール」/発蕾

▲小さな蕾。先は長そう 写真提供/ありんぼ

回のレポートで「いずれ蕾に成長するんだろな」と撮影した花の芽が「花の蕾」の顔になりました。

 

「コンフィチュール」は、かなり花びらの数が多そうなので、まーだまだ丸くふくらむのではないでしょうか。今日のこの細い姿からは 先は長いかな・・・と推測しています。

 

なたね梅雨が終わって、昼の時間が毎日暖かいし、バラたちがぐんぐん伸びるし、葉がわさわさ茂ってきました。前回のレポートから10日で、5cm以上背が伸びています。

 

4月28日の「コンフィチュール」/蕾ふくらむ

▲樹高58cm。花枝がまたぐんと伸びてきた 写真提供/ありんぼ

ンフィチュールの枝が広がりながら伸びてきました。身長は58cmあります。ちょっとバラけた感じに広がっていたので、白い矢印で示したワイヤーでまとめています。

 

「コンフィチュール」の花枝は7本上がり、蕾は9輪、まだハッキリしない蕾の芽のようなものが2つあります。フロリバンダらしく房咲きになっている花枝が3本、それ以外は1輪咲きです。

 

▲蕾がしっかりふくらんで! 写真提供/ありんぼ

 

前回のレポートから10日たち、ずいぶん蕾が成長しました。でも、まだすぐに咲きそうには見えません。

 

今日は枯れ枝取りをしました。2カ月ぐらい前、春の始めにも全部のバラをめぐって茶色くなった枝をだいたい取ったのですが、そのあとも少し日がたつと、どんどん枯れ枝が現れるんです。春から成長が旺盛だからでしょうね。成長した新しい枝や芽がみつかり、バランスを取るように、他に茶色に変色した死んだ枝もどんどんみつかりました。

 

5月10日の「コンフィチュール」/開花直前!

▲もうすぐ咲きそうな「コンフィチュール」の蕾 写真提供/ありんぼ

ンフィチュールは開花直前の姿です。蕾がパンパンにふくらんできました。

 

後ろにもぼんやりほかの蕾が写るように、工夫して撮影しました。

 

▲樹高はぐっと伸びて73cmに 写真提供/ありんぼ

 

「コンフィチュール」の側に、白い花が2つありますが、これは右にあるつるバラ「サマースノー」の花です。まだバラの知識がほとんどなかったころに出合った古参です。

 

先日の強風のせいで、「サマースノー」の開花枝が「コンフィチュール」に覆いかぶさり、トゲをもつバラ同士が絡まってしまいました。幸い「サマースノー」はトゲが少ない品種だったので、ほどきやすい方でした。

 

それでも大事な「コンフィチュール」の蕾を掻き取らないように、慎重にそ~っとほどきました。「サマースノー」には内緒ですが、わたしの中では、「コンフィチュール」の美貌の花を観たい期待の方が上回っていたので、「よく蕾が取れなかったよぉ~~!」と、すごくホッとしました。

 

慎重といえば・・・「コンフィチュール」は、今年一緒にそだレポしている「薫乃」をぬかし、慎重73cmでした。

 

月初めの手入れ

毎月初めに中耕・追肥をしています。

 

鉢植えは土が固くなりやすいと思うのでできるだけやっています。100均で買った・・・たぶん小さな草を取る道具や、買い物で総菜と一緒にもらった木箸や竹箸を再利用し、土をズンズンズンズンと刺して耕します。

 

中耕は、趣味の園芸だったか、テレビ番組を垣間見た際に、園芸の先生が教えていました。生徒役のタレントが「土をグサグサ刺すと根を傷めませんか」と質問していましたが「細い根が少しばかり傷ついても、土に空気を入れて耕してもらえるメリットの方が大きいんですよ」と答えていました。

 

肥料は粒状の「花ごころバラの肥料」を使っています。この肥料の追肥の量は「7号鉢で半握り20g、10号鉢で一握り40g、地植えで100g」と書かれています。これに近いように、適当量を施肥しました。

 

5月18日・19日の「コンフィチュール」/春の1番花が開花

▲春の1番花が開花 写真提供/ありんぼ

ンフィチュールの身長は90㎝になりました。シュートがどんどん伸びてくれて、全体の身長を高くしました。赤っぽい葉のやわらかそうな枝が数本、伸びていますね。

 

▲ピンクの咲きはじめ 写真提供/ありんぼ

 

じつは2泊3日で旅行に出ていました。旅行中、真夏のような暑さだったので、花びらがしおれているバラも多かったのですが、あの季節外れの暑さでも、東向きの壁ぎわに置かれた「コンフィチュール」には苦しみが半減したようです。

 

ご覧のように  しおしおにもならず元気な咲き始め状態でした。

 

▲中心がほぐれたところにアプリコット色が覗く 写真提供/ありんぼ

 

帰宅する前の予想では「よい状態を見られないだろう」と期待していなかったので、うれしくてすぐに撮影しました。

 

どれも、花径5㎝弱です。

 

▲アプリコットピンクの鮮やかな蕾 写真提供/ありんぼ

 

翌日の19日には急な暑さが去り、前日の小さなつぼみが少しほどけて、気温のせいなのかな?本来の鮮やか色になっていて、またおどろきました。これは花径5㎝。

 

 

 

 

 

 

 

 

育てた人紹介/ありんぼ

住むとこ=関東南部 田舎の農村 その中にある住宅地

人  種=日本人 女 犬とバラとカメと人間を家族に持つ

バラ母歴=10年近いかな 今は 鉢植え地植えの計73本・67種ぐらいかも バラに無知なまま最初に「シュネープリンセス」と出会ったのは20年以上前 同級生のバラ友が1人

特 徴=マイペースな理系

 

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