バラにはさまざまな分類方法がありますが、「原種」「オールド・ローズ」「モダン・ローズ」という分け方をすることがとても多いですね。なんとなく知っていそうで、区別するための定義をきちんと把握していないという人も多いのではないでしょうか? ここでは、それぞれについて詳しく紹介しています。
原種バラは、野生のまま、人の手が加えられていないバラ
▲ヨーロッパ原産の原種バラ「ロサ・カニナ」
自然に自生しているバラが原種のバラです。その中には自然交雑で生まれたものや、人が原種を種から栽培したものから特別に変わった特徴をもつ個体を選別して品種と定めたものまで、意外とさまざまなルーツをもつ原種があります。
原種をオールド・ローズに含める場合もありますが、当サイトでは原種とオールド・ローズは別のものとしています。
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オールド・ローズは、ヨーロッパで古くから栽培されてきた園芸品種
▲モス系統の「コモン・モス」(ロサ・ケンティフォリア・ムスコーサ)
ヨーロッパでは、バラは薬用として、さらに香料用として、紀元前から栽培されていたといわれています。ヨーロッパに自生する原種バラを交配することで、さまざまな品種が生まれました。
親とするバラにより、いくつもの系統立ったバラが作り出されましたが、1867年にフランスの育種家ギヨーにより作出された「ラ・フランス」というバラの登場で、バラの世界は大きく変わります。
「ラ・フランス」は、中国の原種バラとヨーロッパのバラを交配させて作出された、完全四季咲き性をもつバラです。それまでのバラはほとんど春のみの一季咲きか、夏や秋にもぼつぼつ返り咲くていどのバラしかありませんでしたから、「ラ・フランス」の登場は、衝撃的ともいえる出来事だったのです。
「ラ・フランス」が発表された1867年を境に、それまでに作られた系統のバラを「オールド・ローズ」、それ以降に作られた系統のバラを「モダン・ローズ」(現代バラ)と呼び分けています。
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モダン・ローズは、1867年以降に作られた系統のバラ
▲モダン・ローズ第一号の「ラ・フランス」
フランスのギヨーにより1867年に発表された「ラ・フランス」は、完全四季咲き性をもつ大輪のバラでした。
年に何度も花を咲かせるこの性質は、当時のヨーロッパのバラの世界を一変させてしまいました。「ラ・フランス」以降、四季咲きバラを作り出すことに皆、熱中していきます。
この記念すべき「ラ・フランス」が登場した1867年以降に作りだされた系統のバラを「モダン・ローズ」(現代バラ)と呼び、それまでの系統のバラを「オールド・ローズ」と呼び、区別しています。
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まとめ
バラには、すでに失われてしまった品種も含めると、なんと4万品種ものバラがあるといわれています。これらを大きく分ける方法として「原種」「オールド・ローズ」「モダン・ローズ」という分け方はとても便利でよく使われている分類方法です。
それぞれきちんと把握してくださいね!