バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回はミニバラの「スイートチャリオット」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!
「スイートチャリオット」は、こんなバラ
▲スイートチャリオット 出展/バラの家
香りのミニバラ「スイートチャリオット」は、1984年、アメリカの育種家ラルフ・ムーア(Ralph S. Moore)作出の品種です。ラルフ・ムーアの代表作「グリーンアイス」とともに「スイートチャリオット」もとても人気の高いミニバラです。
人気の理由はミニバラなのに香りがあること。ほとんどのミニバラに香りはありませんが、「スイートチャリオット」にはスパイシーなティ香があります。香りの強さは中香です。
花は花径3cmのロゼット咲きで、やや紫味の濃いピンク色。枝先に数輪かたまって房咲きします。
「グリーンアイス」同様に、1代前の交配親にロサ・ウクライアナ(テリハノイバラ)などのつるバラが使われているので、通常のミニバラよりもやや大型で、枝がやわらかく枝垂れる性質をもちます。
花径3cm。樹高0.3~0.6mの横張りなシュラブ樹形。四季咲き。花つき、花もちが良い。香りはスパイシーなティの中香。バラの家のスコアは「樹勢/普通」「ウドンコ病耐性/普通」「黒星病耐性/普通」「耐陰性/普通」「耐寒性/普通」「耐暑性/強い」。
バラの家のスコアからすると、「グリーンアイス」は耐病性も樹勢も「強い」だったので、比較すると「スイートチャリオット」の方が少し落ちるようですが、定期的な薬剤散布ができれば問題なく育てられそうです。
今回育てる「スイートチャリオット」の環境DATA
関東の農園/朝~夕方までよく日の当たる環境で、盆栽用の花台に載せて管理
昨年5月に届いた接ぎ木苗
今年の目標/1年間うまく育てること
育てる人/天女の舞子
*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!
1月17日の「スイートチャリオット」/土替え・鉢増し
▲3号→6号鉢に植え替え 写真提供/天女の舞子
以前、挿し木のミニバラで失敗した経験があり、ミニバラには苦手意識があったんですが、昨年5月に「スイートチャリオット」の接ぎ木苗をみつけて、接ぎ木苗なら挿し木苗より難易度が下がるんじゃないかと思いお迎えしました。
ミニバラは芳香品種がほとんどありませんが、「スイートチャリオット」は香りがあることも選んだ決めてです。「スイチャリ」という愛称で、多くの方に好まれている品種だというのは知っていたので、いつか育ててみたいと思っていたバラです。
とりあえず昨年5月~現在まではなんとか育てられているので、これからの1年も失敗なく育てるのを目標にします。
▲3号鉢から根を抜いたところ 写真提供/天女の舞子
あらかじめ樹高12cmに冬剪定してある「スイートチャリオット」を、3号鉢→6号鉢にサイズアップして植え替えします。
3号鉢から抜いてみると、思ったほど根が張っていませんでした。鉢のサイズアップにはまだ早いかな? という気もしますが、予定通り、6号鉢に植え替えします。
▲土替えと鉢増し完了 写真提供/天女の舞子
鉢底石として硬質赤玉土を多いめに入れ、バラ用培養土「わくわくローズソイル」(苗木部)+根腐れ防止剤のミリオン(ソフト・シリカ)+元肥にマグァンプk(ハイポネックス・ジャパン)大粒を6号鉢基準の半量5gを混ぜて植え付けました。
「スイートチャリオット」の根が思ったほど育っていなかったので、大きな鉢では根腐れするおそれがあると思い、鉢底石を増やしたりミリオンを入れたりして調整しています。
「わくわくローズソイル」には緩効性化成肥料が少し入っているのと、いずれ芽出し肥を与えたいので、元肥は規定量の半分にしました。
さらに苗の接ぎ木テープを外し、リキダス(ハイポネックス・ジャパン)の1000倍液の水を掛けました。最後に植物用水分計「サスティ」(キャビノチェ)を挿して、土替えと鉢増し作業は完了です。
そういえば、品種名の「スイート」は香りがあるからだと思うんですが、どうして「チャリオット」(古代の戦車)なのか、その由来が分かりません。ご存知の方いらしたら教えてください!
2月24日の「スイートチャリオット」/芽吹き
▲「スイートチャリオット」の芽吹き 写真提供/天女の舞子
2月も下旬になり、枝のあちこちから新芽が吹いてきました。
3月14日の「スイートチャリオット」/芽出し肥・芽かき・芽薬(ダコサプ)散布
▲旺盛に若葉を広げる「スイートチャリオット」 写真提供/天女の舞子
2月下旬に芽吹いた新芽が開き、7枚葉の若葉が茂ってきました。今日は少し遅くなりましたが芽出し肥を与え、芽かきをして、最後に芽薬の薬剤散布までやります。
冬の植え替えで使った培養土「わくわくローズソイル」には緩効性化成肥料が少し入っているのと、元肥を規定量の半分入れているので、芽出し肥も少なめにします。
「バイオゴールドセレクション薔薇」(タクト)の追肥用肥料を、6号基準15粒のところ半分の8粒入れました。
▲指と比較してこの小ささ! 写真提供/天女の舞子
株の中心がかなり込み合っているので芽かきをしたいのですが、とにかく隙間も狭いし芽も小さいので、指が入るか心配なくらいです。
▲芽かき完了 写真提供/天女の舞子
交差しそうな芽に悩んだり、引っ張った枝が折れ曲がってしまい切り取ったり、悪戦苦闘しながら芽かきを終えました。
▲ほかのバラたちと一緒にダコサプ散布 写真提供/天女の舞子
最後に芽薬として「ダコサプ」(ダコニール+サプロール)にリキダスを加えた1000倍液を散布しました。今年から希釈するタイプの薬剤散布で、病虫害をしっかり防除していきます。
3月25日の「スイートチャリオット」/若葉広がる
▲しっかり若葉が広がって 写真提供/天女の舞子
芽かき後、7枚葉の若葉がどんどん広がってきました。一緒にそだレポしている「イエライシャン」はもう発蕾していますが、こちらはまだです。
4月10日の「スイートチャリオット」/発蕾・・・かな?
▲樹高20cmに 写真提供/天女の舞子
新芽の先がぐっと立ち上がり、樹高は20cmくらいになりました。樹高12cmに冬剪定しているので、それから8cm伸びました。
横広がりに育つようで、幅は25cmくらいあります。
▲枝先に発蕾・・・かな? 写真提供/天女の舞子
立ち上がった枝先に、そろそろ蕾になりそうな膨らみがあります。まだまだ小さいし、勘違いだったらゴメンナサイ(^^;
今年から希釈タイプの農薬散布を始めたので、練習もかねて10日に1度ペースで散布しています。まつお園芸の「ローテーション薬剤セット」を使っていて、A(オルトラン液剤+トップジンMゾル)、B(ベニカR+サルバトーレME)、C(モスピラン液剤+サプロール乳剤)の混合薬液を順番に散布しています。
4月23日の「スイートチャリオット」/蕾ふくらむ
▲花枝の先にたくさんの蕾 写真提供/天女の舞子
前回のレポートで「蕾かな?」と思っていた枝先の膨らみは、やはり蕾でした。小さな蕾がたくさん上がってきました。
▲大きな房咲きになりそう 写真提供/天女の舞子
小花が房咲きにたっぷり咲きそうです。
4月30日の「スイートチャリオット」/蕾のガク割れ
▲ガクの間から赤い花びらが 写真提供/天女の舞子
スイートチャリオットの蕾がガク割れしてきました。中から赤い花びらが覗いています。小花だし、あと数日で咲くかもしれませんね。
5月3日・4日のスイートチャリオット/開花まであと一息
▲大きな花房が重そうに広がってきた 写真提供/天女の舞子
たくさんの蕾を大きな房咲きにする「スイートリャリオット」の花枝が、重そうに広がってきました。高さは35cm、幅は40cmほどあります。
▲花びらが広がりもうすぐ咲きそう 写真提供/天女の舞子
花びらが少しずつ開き始めました。開花まであと一息!
5月7日の「スイートチャリオット」/春花が開花
▲春花がようやく開花 写真提供/天女の舞子
なかなか開かなかった「スイートチャリオット」が、ようやく下の方から開花しました。
▲濃いローズピンクの大きな房咲き 写真提供/天女の舞子
赤紫に近い濃いローズピンク色で、花径3.5cmほどのロゼット咲きの小花を大きな房に咲かせます。
香りのミニバラということで期待していましたが、頑張ってかいでみてほんのりダマスク+グリーンの香りがするかな? というていどの微香。やはりミニバラに香りは期待できないのかも。
▲濃いピンクのバラで花色比較 写真提供/天女の舞子
ちょうど咲いている濃いピンク色のバラを3種類切って花色を比較してみました。左の上下が「フィネス」。中央の上下が「結愛」、右の上下が「ローズポンパドゥール」。
開きかけの「フィネス」が一番近いでしょうか? 「スイートチャリオット」は、かなり濃い花色です。
5月28日の「スイートチャリオット」/春花の咲き終わり・花後剪定(切り戻し)
▲春花が咲き終わり 写真提供/天女の舞子
じつは前回のレポートの後から半月にわたり、あちこちのバラ園を巡る旅に出ていまして。残念ながら「スイートチャリオット」の満開は観られませんでした。
旅行から戻ってみると、写真のように、もうすっかり春花は終わっていました。
▲花びらが自然に散るタイプ 写真提供/天女の舞子
枯れた花びらがついている花がらも少しありますが、多くは花びらがありません。どうやら花びらが散るタイプの咲き終わりのようです。
▲高さ15cmていどに花後剪定 写真提供/天女の舞子
2番花に向け花後剪定を。高さ15cmくらい幅14cmくらいに切り戻しました。
水やりだけ頼んで旅行に出かけましたが、株元の葉が少し色が悪いけれど病虫害の症状はありません。春先から、薬剤を定期散布してきたおかげですね^^
この時期の手入れ
大型台風が上陸しそうなので、今回の薬剤散布は粒剤の「ベニカXガード」(住友化学園芸)を使いました。
春花が終わったので、次に農園に行ったタイミングでお礼肥えをしようと思います。
追記
この後6月初旬に、お礼肥えの追肥をしました。「バイオゴールドセレクション・薔薇」(バイオゴールド)を規定量15粒のところ、元肥半分入ってるので8粒与えました。
6月15・18日の「スイートチャリオット」/2番花の発蕾
▲1番花の切り戻しから半月後 写真提供/天女の舞子
前回のレポート、5月28日の花後剪定から約半月たち、切り戻した枝先から新芽が上がってきました。
高さ、幅ともに30cmていどあります。
▲2番花の蕾 写真提供/天女の舞子
枝先に2番花の蕾が房状にたくさんついています。
▲3日間でここまでしっかりした蕾に 写真提供/天女の舞子
これは、さらに3日後の6月18日の様子です。蕾がずいぶん、しっかりしてきました。
7月12日の「スイートチャリオット」/2番花の花後剪定
▲2番花は、暑さで咲けなかったもよう 写真提供/天女の舞子
前回6/18のレポートの後、水やりだけお願いして20日間あまりの長期旅行に出ていました。
このため「スイートチャリオット」の2番花は観られないだろうと思っていたのですが、帰ってきて様子を観ると、どうやら暑さで蕾のまま枯れてしまったようです。
▲元気な新芽まで切り戻し 写真提供/天女の舞子
枯れた蕾だけ取っても良かったのですが、主幹の途中から元気な新芽がいくつも出てきているので、新芽のところまで切り戻しました。
一部交差している枝を残そうか悩みましたが、今後の樹形に影響しそうなので、古い枝を切り取りスッキリさせました。高さ幅ともに30cmほどあったものを、高さ20cmほどにコンパクトにしました。
最後に、水やりついでに「ハイポネックス顆粒」を溶かした液肥、「リキダス」「ストレスブロック」(ともにハイポネックス)を与えました。
7月27日の「スイートチャリオット」/新芽が大人の葉に・コガネムシ幼虫対策
▲新芽が大人の葉っぱに成長 写真提供/天女の舞子
新芽が葉っぱになりました。高さも幅もほぼ20cmで変化無しです。
イモムシは減ってきたのか、フンはありますが虫を見かけなくなりました。シオヤアブやアシナガバチを見かけるので、食べてくれてるのかもしれません。
コガネムシの幼虫対策に、土に撒くタイプの薬剤「ベニカXガード」(住友化学園芸)を規定量散布しました。5月下旬に続いて今年2回目です。
8月17日の「スイートチャリオット」/夏花の蕾をピンチ
▲蕾が次つぎ上がる 写真提供/天女の舞子
夏花の小さな蕾をたくさん上げるので、見つけ次第ピンチで取り除いています。ほんとうに小さな蕾で、指でひとつだけ摘まむことができなくて、房ごと取り除いたりしています。
暑さでイモムシが干からびているのを見かけるくらい、今年の夏は暑すぎます。そのせいか、コガネムシの成虫もあまり姿を見ません。道路とかにときどき転がっているので、いるにはいるようなんですが。この暑さは、虫にもかなりこたえているようですね。
暑さも峠を越した感じなので、来月からまた薬剤散布をがんばりたいと思います。
撮影後に「ベニカXガード」(住友化学園芸)を散布。前回から1カ月たっていないので、ちょっと早かったかな? 今年3回目です。水に「ハイポネックス微粉」「リキダス」「ストレスブロック」(すべてハイポネックス)を混ぜて水やりしました。
8月27日の「スイートチャリオット」/引き続き夏花と蕾をピンチ
▲今日もまた、たくさんの蕾! 写真提供/天女の舞子
今日もスイチャリはたくさんの小さな蕾を上げています。花を咲かせてしまっているものもあります。
先日の嵐のときに鉢が棚から落ちたのですが、大きな問題はありませんでした。古い葉がいくつか黄色くなっていますが、状態は悪くなさそうです。
▲花径3cmの夏花とピンチした蕾 写真提供/天女の舞子
蕾と花をすべてピンチしました。花は春花よりやや薄い色のロゼット咲きで、それなりキレイですが花径は3cmほどしかありません。
水に「ハイポネックス微粉」「リキダス」「ストレスブロック」(すべてハイポネックス)を混ぜて水やりしました。
そろそろ肥料を与えて夏剪定をしたいのですが、今週はムリなので来週になるかな?
9月14日の「スイートチャリオット」/秋剪定
▲秋剪定前。高さ・幅ともに25cm 写真提供/天女の舞子
今日は秋剪定をしていきます。秋剪定前は、高さ・幅ともに25cmほどありました。2番花の後の7月に切り戻しているし、株の風通りを良くするために1/3カットすればいいかな。
▲秋剪定後。高さ・幅ともに20cmに 写真提供/天女の舞子
高さ・幅ともに20cmに秋剪定しました。
脇芽を欠いたり、込み入った枝を付け根から2本ほど取り除いたり、勢いの良い枝を短く切り戻したり──。ミニバラはまだ良く分からないところがあるので、いろいろ試行錯誤しながら剪定しました。少しは風通しが良くなったかな?
▲害虫が出没するように 写真提供/天女の舞子
猛暑の頃は見かけなかった害虫を、また見かけるようになってきました。今日は、ヨトウムシが鉢の縁にいるのを見つけました。
芽吹きを良くするため「バイオゴールドセレクション・薔薇」(タクト)を規定量15粒のところ、2年間効果のある元肥が入っているので半量の7粒撒きました。さらに水やりの水に「ストレスブロック」「ハイポネックス顆粒」(ともにハイポネックス)を混ぜて潅水しました。
10月10日の「スイートチャリオット」/新芽伸びる
▲若葉が茂ってきた 写真提供/天女の舞子
前回の9月14日のレポートで秋剪定してから25日ほどたちました。全体に新芽が吹き、若葉が茂ってきました。
サイズは幅・高さともに25cmくらい。葉っぱの分、一回り大きくなりました。
涼しくなり、またバラの生長期になっているので「バイオゴールドセレクション・薔薇」(タクト)を規定量15粒のところ、2年間効果のある元肥が入っているので半量の7粒撒きました。
「スイートチャリオット」ではありませんが、チュウレンジハバチが産卵していたり、何かの卵やカイガラムシなど、害虫をよく見かけます。先週「ベニカXガード粒剤」(住友化学園芸)を撒いているし、定期的に希釈タイプの農薬散布をしているので、害虫被害は少ないです。
10月22日の「スイートチャリオット」/秋花の発蕾
▲樹高38cm。枝先に発蕾 写真提供/天女の舞子
樹高・幅ともに38cmていどになり、少しずつ秋花の蕾が見えてきました。
▲まだまだ小さな蕾 写真提供/天女の舞子
高さ1cmにも満たない、小さな蕾です。
11月1日の「スイートチャリオット」/蕾が増えて房状に
▲房状に蕾が増えて 写真提供/天女の舞子
樹高40cm、幅47cmほどになりました。蕾が増えて、たくさんの房咲きになりそうです。
▲そろそろ開花しそうな蕾 写真提供/天女の舞子
秋花の最初の1輪が、そろそろ開花しそうです。
11月15日の「スイートチャリオット」/秋花の最初の1輪が開花
▲秋花の蕾がたっぷり! 写真提供/天女の舞子
スイートチャリオットは、ようやく秋花の最初の1輪が開花しました。9月14日に秋剪定しているので、それからちょうど2カ月・60日かけての開花です。
現在のサイズは樹高45cm×幅55cm。秋剪定で樹高20cm×幅20cmにカットしているので、それぞれ倍以上に伸びています。
▲かわいらしいロゼット咲きの花 写真提供/天女の舞子
花径は3.5cmほど。くっきりとしたローズカラーのロゼット咲きの花です。残念ながら、香りはありません。
花は小さいけれど、花枝の先に大きな房咲きになっているので、蕾は60輪以上あるでしょうか? これから次々咲いてくれると思います。
12月3日の「スイートチャリオット」/秋花3分咲き
▲樹高23cm×幅63cm。秋花にぎやかに! 写真提供/天女の舞子
12月に入ってから急に寒くなり、畑に霜が立つようになってきました。「スイートチャリオット」の秋花は、順調に開花しています。気温が低いのでゆっくりですが、これで3分咲きていどでしょうか?
これから咲く蕾は、まだたくさんあります。
樹高23cm×幅63cmていど。花の重さで長い枝が垂れてきました。
▲秋花は、春花より深い色合い 写真提供/天女の舞子
秋花の最初の1輪はロゼット咲きでしたが、寒くなってから咲いた花はカップ咲きになっています。春花と比べて少し赤みが強く、花色が深いようです。
この花は秋剪定してから最初の花なので「秋花」で間違いないのですが、もう12月だし「冬花」と言った方がしっくりきますね。
気温が下がっても蕾をつけるし、ボーリングせず開花するし、寒さに強い印象です。
▲咲き始めの花(左)と咲き終わりの花(右) 写真提供/天女の舞子
秋花の最初の1輪は、花びらがダラリとしてきました。そろそろ咲き終わりです。花色は退色して、やや白っぽくなっています。花保ち半月なので、じゅうぶん長く楽しめています。
12月19日・26日/秋花のその後
▲水やり控えすぎたみたい 写真提供/天女の舞子
まず12月19日の様子から。そろそろ休眠時期ということで、水やりを控えすぎてしまったかも。株元の葉が黄色くなってしまいました。少しカリカリになった花もありますが、新しい花はキレイだし、これから咲く蕾もたくさんあります。
ますます枝が垂れてきて、樹高は20cmほどになりました。
▲1週間後。まだ蕾はあるけれど、咲くかな? 写真提供/天女の舞子
さらに1週間後の12月26日の様子です。まだ蕾はありますが、咲き終わりの花が増えてきました。
▲小さな花なので、花がらを指先でピンチ 写真提供/天女の舞子
寒くなってもよく咲いてくれていますが、そろそろ年末。夜はかなり冷え込むので、ボーリングせずに開くかどうか、という感じです。
花が小さいので、指先で花がらだけピンチして取り除きました。
1月30日の「スイートチャリオット」/冬剪定・冬の植え替え
▲蕾が開く気配がないので、冬剪定と植え替えを 写真提供/天女の舞子
前回のレポートから1カ月たち、花は枯れたけれど蕾はそのまま開きません。これ以上咲くことはないだろうということで、見切りをつけて冬剪定と冬の植え替えをしていきます。
▲幅12cm、高さ10cmていどにしっかり冬剪定 写真提供/天女の舞子
まず冬剪定を。
しっかりした芽を確認しながら幅12cm、高さ10cmていどに冬剪定しました。新しい芽のなさそうな枝があって、切ろうか残そうか悩みましたが、下にベイサルシュートになりそうな芽があったので、思い切って付け根からカットしました。
悩みながら剪定した結果、キレイな放射状にカットできました。でもたぶん、今年も新しいベイサルシュートが発生して込み合ってくると思います。春にまた枝の選別や剪定が必要だと思います。
そだレポをさかのぼってみると、1年前に比べてしっかりした枝が増えました。
▲根は増えたけれど鉢増しは必要なさそう 写真提供/天女の舞子
続いて植え替えをしていきます。まず鉢から抜いて根のチェック──癌腫やコガネムシ幼虫などの異変はなさそうです。
枝だけでなく根もしっかり生長していて、1年前の3倍くらい増えていました。とはいえ鉢増しするほどでもないので、同じ6号鉢に新しい土で植え込みます。
▲冬の植え替え完了 写真提供/天女の舞子
硬質赤玉土を鉢底石がわりに薄く敷いて、そこに培養土で植え込みました。使用培養土は大野耕生さん監修の「薔薇の土」(カインズ)です。肥料成分は入っていません。
この培養土に、元肥「マグァンプk」大粒(ハイポネックス・ジャパン)を規定量の半分だけ(6号規定量の半量5g)と、根腐れ防止剤「ミリオン」(ソフト・シリカ)を混ぜています。
春にはまた、たくさん咲いてくれると思います。
今回で「スイートチャリオット」のそだレポを終わります。
追加レポート/翌年の春花
▲5/19。花枝の先にたくさんの蕾 写真提供/天女の舞子
昨年の春は長期旅行に出かけたため、花のレポートが十分できませんでした。そこで、1年後の春花の様子をレポートします。
昨年の春より株が大きくなり、左右に大きく枝を枝垂れさせています。枝先に大きな房になって咲くので、蕾の状態でもかなり重そう。
▲濃いローズ色のロゼット咲きの小花 写真提供/天女の舞子
小さいけれどよく目立つ、濃いローズ色の花で、花形はロゼット咲き。香りはやはり微妙かな? 枝が枝垂れるので、花台などに載せて、少し高いところに置くと映えそうです。
「スイートチャリオット」のそだレポの感想
▲小花を房咲きする「スイートチャリオット」の春花 写真提供/天女の舞子
今回は、育てるのが難しいと言われるミニバラに初挑戦した「そだレポ」でした。ミニバラでも挿し木苗はとくに難しいときいていたのですが、「スイートチャリオット」の接ぎ木苗が手に入ったのでチャレンジしてみたという感じです。
「スイートチャリオット」の生長は旺盛で、比較的育てやすいバラだと思います。枝は横広がりに育つシュラブ系統の樹形で、たくさんの小花を房咲きにした重さで垂れてくる感じです。
芽もたくさん出るし、株元からたくさんシュートが伸びるので、そのままにすると風通しが悪くなりそうです。芽かきや枝の整理には気を配った方が良い品種だと思いますが、なにしろ芽は小さいし、枝も細いので、指が入らずとてもやりにくかったです。
それでも芽かきと枝の整理をがんばったおかげか、今回の「スイートチャリオット」は目立った病気もなく、元気に育ってくれました。
わたしは香りのバラが好きなので、香りのミニバラとしてよく耳にしていた「スイートチャリオット」にも期待していました。が、残念ながら、香りはほとんど感じられませんでした。
香りは微妙だけれど、良く咲くし花持ちも良く、育てやすいミニバラだと思います。
じつは初めてのミニバラということで、今回とくに気にしたのが土と根です。「スイートチャリオット」は、ミニバラのせいか、普通サイズのバラより根がコンパクトです。
今回わたしは、苗のサイズにしては大きな鉢を使ったので、鉢底石やミリオンを多いめにして、根を気にした育て方をしました。結果的には上手く行ったので、心配な方は根の弱い品種の育て方をするといいと思います。
接ぎ木のミニバラは、ノバラの台木を使っているのでその分挿し木より高さがあるから泥はねも少ないし、根張りもいいです。ミニバラを育てるなら、やはり挿し木より接ぎ木苗の方が育てやすいと思います。
花径3.5cmの小花をたっぷり房咲きする「スイートチャリオット」、香りは少し残念だったけれど、育てやすくて可愛いバラですね^^ ミニバラを育ててみたい初心者さんにもオススメできる品種だと思います。
天女の舞子さんのレポート通り、挿し木苗より接ぎ木苗の方が断然育てやすいです。「スイートチャリオット」の接ぎ木苗は比較的入手しやすいので、気になった方はどうぞチャレンジしてみてください!
育てた人紹介/天女の舞子
あまり植物を育てた経験がなかったので、以前は「バラは難しい」と諦めていました。でも、フラっと行った「国バラ」(国際バラとガーデニングショウ)でバラソムリエの小山内さんに会っ
趣味はメダカの飼育(繁殖)です。時々どうでもいいことをTwitterで呟いたり、たまにメダカの
▼そだレポ検索は、こちらのページを利用してください
これからが楽しみですね~ お日様がガンガン当たる場所。羨ましい~ あ。僕もグリーンアイス1鉢。土の入れ替えしなきゃ!!どうかガンのコブが無いように祈るばかりです。
ORCAさん、こんにちは。
スイートチャリオットはグリーンアイスと同じ作出者のミニバラです。
こちらはミニバラには珍しく中香が楽しめる品種。
グリーンアイス同様にとても人気があるんですよ^^
舞子さんは、ずっと日照のあまり良くない環境だったから
何度も枯らしてしまって苦労されたんです。
今後は今まで以上にバラライフを楽しめそうでいいですよね^^
あいびー