バラを育てるために必ず必要なものが土です。でも園芸店にはさまざまな種類の土があって、どれをどう選んでいいのか迷ってしまった経験のある方も多いのでは? この記事は、たくさんの鉢栽培をしている脱・初心者を目指す方向けになります。プロのおすすめ配合例も参考にしてください!

植物を健康に育てたいなら、園芸店で土を購入しよう!

園にも空き地にも庭にも土はあります。どんな土を使ってもそれなり植物は育つのですが、より植物がすくすく育つ条件を備えた「良い土」を求めるなら、園芸店で土を購入した方が確実です。

 

なぜなら、園芸用の「良い土」には、保水性と保肥性、さらに通気性や排水性が求められるからです。肥料分をよく含み、ふかふかで、phが弱酸性であることも必要です。害虫や病原菌が少ない清潔な土であることも重要です。

 

「庭があるから、庭土でバラを植えればいい」というわけには行きません。それではせっかくのバラを丈夫に育てるのは難しいのです。たとえば、わたしの両親の家の庭は砂地でした。庭で貝殻が採れるほどで、おそらく塩分濃度も高かったと思います。このため、花壇にする場所の土をごっそり入れ替えて植物を育てていました。

 

園芸用の「良い土」とは?

は、どんな土が「園芸用の良い土」なのでしょう? 上の項目でさらっと触れたことを、もう一度、箇条書きでおさらいします。

 

1、保水性と保肥性がある──水と肥料分をよく保つ土

2、通気性と排水性がある──水がよく抜け、空気が通りやすい土

3、有機肥料分をたっぷり含んでいる

4、ふかふかの土──根が伸びやすい

5、弱酸性

6、病気や害虫の少ない土

 

とくに1、と2、は矛盾する条件のように思えますが、これらの条件を満たす土を作るためには、「団粒構造」であることが重要です。

 

「団粒構造」と「単粒構造」

▲左:団粒構造の土 右:単粒構造の土

粒構造の土とは、小さな土の粒がいくつもくっつきあって団子のようになっている土です。団子の中に水や肥料を保つことができ、団子同士の間の隙間から余分な水分を排出することができます。この団子同士の隙間に空気をため込むことができるのも根を育てるために有利に働きます。この隙間を通って、根が発達しやすい利点もあります。

 

団粒構造の土は、植物を育てるのに適した土なのです。

 

団子になっていない、細かい粒だけでできている土を「単粒構造」の土といいます。わかりやすい例でいえば、砂が単粒構造の土の代表です。土の粒どうしがバラバラなので水を貯えることができず、水やりするとすぐに抜けてしまう性質があります。もちろん肥料分を蓄えることもできません。粒が細かいので隙間がほとんどなく、ぎっちりと目の詰んだ土で空気を含むことができません。このため根が育つためのスペースもあまりありません。

 

単粒構造の土は、植物を育てるには、あまり適さない土といえます。

 

バラはもちろん、元気な植物を育てたいなら、目指すのは団粒構造で、有機質肥料をたっぷり含んだ、ふかふかで弱酸性の清潔な土です!

 

園芸売り場にある土には3種類ある!

ざバラを育てようとホームセンターに行ってみると、その土の種類の多さにどうしていいか困ってしまった経験は誰にでもあると思います。園芸売り場にある土には、「基本用土」「改良用土」「培養土」の、大きく分けて3種類あるのだと覚えておきましょう。

 

1、基本用土

本用土には、赤玉土、鹿沼土、黒土、川砂などがあります。たとえば赤玉土は保水性、保肥性にすぐれた団粒構造をもつ土です。黒土は保水性、保肥性はあるけれど排水性がなくべちゃべちゃになりやすい土です。それぞれの土がもつ性質を組み合わせて、育てたい植物にぴったりな土をつくるために使われるのが基本用土です。

 

2、改良用土

本用土と混ぜて、さらに高機能な土にするために使われるのが改良用土です。たとえばたい肥は、土に有機質肥料分を与えます。腐葉土は肥料分も含まれますが、土をふかふかにする役割があります。水はけや通気性を良くしたいときには、バーミキュライトやパーライトが使われます。

 

3、培養土

本用土と改良用土をブレンドし、すぐに使えるように調整されているのが「培養土」です。基本用土や改良用土の知識がなくてもよく、たくさんの種類の土をそろえなくてもいいので、手軽に使えて無駄がない、初心者の強い味方です。

 

ただし、たくさんの鉢を育てている方には、ちょっと割高になります。また、バラ以外にもさまざまな植物を育てていて、それぞれの植物に合わせた配合をしたいとか、オリジナルのブレンド土を作りたいという中級者以上の方には、培養土では物足りなく感じるでしょう。

 

基本用土の基礎知識

本用土にはたくさんの種類がありますが、ここではバラ栽培に主に使われる基本用土について紹介します。

 

赤玉土

東ローム層で採れる赤土を乾燥させたものが赤玉土です。赤玉土は団粒構造になっていて、保水力、保肥力にすぐれ、どんな植物にも幅広く使うことができます。粒の大きさにより、大粒、中粒、小粒の赤玉土があります。バラ栽培では中粒が使われることが多く、大粒を鉢底石の代わりにすることもあります。

 

赤玉土のデメリットは、使い続けることでどんどん崩れ、細かくなって単粒構造の使いにくい土になってしまうことです。

 

鹿沼土

鹿沼土は、関東ローム層で採れる軽石です。軽石なので中にたくさんの穴をもち、保水力、保肥力にすぐれるという、団粒構造とよく似た性質があります。幅広い植物に使うことができますが、鹿沼土のphは4~5。中性が6.5~7ですから、かなり酸性が強いといえます。その一方で、赤玉土よりも堅いので、なかなか崩れないというメリットがあります。

 

phの関係からバラで使う人は少数派ですが、サツキやツツジにはぴったりです。有機質をほとんど含まないことから、挿し木用の土としてもよく使われます。

 

改良用土の基礎知識

たい肥

機物を微生物で分解してつくられたものがたい肥です。原料には牛ふん、馬ふん、バークなど、さまざまなものが使われます。たい肥は基本用土に有機質肥料分を与え、土が団粒構造になるのを助け、ミミズなどの益虫を増やすことで土中の害虫を抑制するなど、さまざまな効果があります

 

たい肥は必ず完熟しているものを使うこと。完熟しているかどうか怪しい場合は、購入後3~4ヵ月置いてから使います。たい肥は改良用土に分類されることもあれば、有機質肥料に分類されることもあります。

 

腐葉土

ち葉などが、土中のバクテリアやミミズなどにより分解されたものを腐葉土といいます。「土」とついていますが、厳密には土ではありません。腐葉土は、基本用土に有機質肥料分を与え、通気性の良いふかふかの土にする効果があります。保水力と保肥力も向上させます。

 

腐葉土は必ず完熟しているものを使うこと。完熟しているかどうか怪しい場合は、購入後3~4ヵ月置いてから使います。腐葉土は改良用土に分類されることもあれば、有機質肥料に分類されることもあります。

 

くん炭


くん炭 100L

み殻を時間をかけてゆっくり炭化させたものがくん炭です。保水性、保肥性、をアップさせ、土をふかふかにする効果があります。くん炭のphは8~9のアルカリ性です。これを生かして、酸性に傾いた土壌を中和するのに使われます。くん炭が多いと軽くなりすぎるので、全体の1割程度までの使用にします。

 

ピートモス


ピートモス 100L

苔などが堆積してできた、強酸性の土です。土の保水性を良くし、土を柔らかくする効果があります。通常は土壌改良剤として基本用土に混ぜて使いますが、ハンギングバスケットなど軽くつくりたい鉢にはそのまま使われることもあります。

 

ピートモスは乾燥しきってしまうと水を含むまで時間がかかるので、乾かし過ぎないよう水やりには注意が必要です。

 

パーライト


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山岩や珪藻土、真珠岩などを高温で焼いた多孔質の粒がパーライトです。通気性を良くする、軽い土です。これを混ぜるとコガネムシの幼虫が嫌がって入らないという噂もあります。

 

バラのプロがおすすめする土の配合例

っかくバラの土をオリジナルでつくるなら、自分で配合を考えたいところですが、まずはプロのすすめる配合例から試してみては? 手元にある資料本からざっと抽出してみました。

 

1、鈴木満男先生

赤玉土中粒6:赤土1:もみ殻くん炭1:ピートモス2

(赤土が入手できない場合は、赤玉土を崩して使います)

 

2、河合伸志先生

赤玉土小粒7:完熟たい肥または腐葉土3

(赤玉土小粒6:完熟たい肥または腐葉土4でも可)

 

3、小山内健先生

赤玉土(小粒または中粒)5:有機物4(完熟たい肥、ココピート、酸度調整済みピートモスなど):土壌改良剤1(くん炭またはパーライト)

 

4、村田晴夫先生

赤玉土小粒7:有機物3(腐葉土1.5+乾燥牛ふん1.5)

 

培養土の基礎知識

▼培養土については、こちらのページにまとめてあります。

まとめ

培養土ではモノ足りなくなってしまった方向けに、どんな土が良い土か、さらに基本用土と改良用土の基礎知識をまとめました。バラのプロがおすすめする配合例は、ぜひ自力でブレンドする際の参考にしてください。


ここでは基本用土と改良用土を紹介していますが、改良用土でとりあげたたい肥や腐葉土は有機質肥料ともいわれます。別のページで肥料にポイントを絞ってまとめているので、参考になさってください!

 

▼肥料についてはこちらをご覧ください。

 

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