バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回はミニバラの「スイートチャリオット」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「スイートチャリオット」は、こんなバラ

▲スイートチャリオット 出展/バラの家

りのミニバラ「スイートチャリオット」は、1984年、アメリカの育種家ラルフ・ムーア(Ralph S. Moore)作出の品種です。ラルフ・ムーアの代表作「グリーンアイス」とともに「スイートチャリオット」もとても人気の高いミニバラです。

 

人気の理由はミニバラなのに香りがあること。ほとんどのミニバラに香りはありませんが、「スイートチャリオット」にはスパイシーなティ香があります。香りの強さは中香です。

 

花は花径3cmのロゼット咲きで、やや紫味の濃いピンク色。枝先に数輪かたまって房咲きします。

 

「グリーンアイス」同様に、1代前の交配親にロサ・ウクライアナ(テリハノイバラ)などのつるバラが使われているので、通常のミニバラよりもやや大型で、枝がやわらかく枝垂れる性質をもちます。

 

花径3cm。樹高0.3~0.6mの横張りなシュラブ樹形。四季咲き。花つき、花もちが良い。香りはスパイシーなティの中香。バラの家のスコアは「樹勢/普通」「ウドンコ病耐性/普通」「黒星病耐性/普通」「耐陰性/普通」「耐寒性/普通」「耐暑性/強い」。

 

バラの家のスコアからすると、「グリーンアイス」は耐病性も樹勢も「強い」だったので、比較すると「スイートチャリオット」の方が少し落ちるようですが、定期的な薬剤散布ができれば問題なく育てられそうです。

 

今回育てる「スイートチャリオット」の環境DATA

関東の農園/朝~夕方までよく日の当たる環境で、盆栽用の花台に載せて管理

昨年5月に届いた接ぎ木苗

今年の目標/1年間うまく育てること

育てる人/天女の舞子

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

1月17日の「スイートチャリオット」/土替え・鉢増し

▲3号→6号鉢に植え替え 写真提供/天女の舞子

前、挿し木のミニバラで失敗した経験があり、ミニバラには苦手意識があったんですが、昨年5月に「スイートチャリオット」の接ぎ木苗をみつけて、接ぎ木苗なら挿し木苗より難易度が下がるんじゃないかと思いお迎えしました。

 

ミニバラは芳香品種がほとんどありませんが、「スイートチャリオット」は香りがあることも選んだ決めてです。「スイチャリ」という愛称で、多くの方に好まれている品種だというのは知っていたので、いつか育ててみたいと思っていたバラです。

 

とりあえず昨年5月~現在まではなんとか育てられているので、これからの1年も失敗なく育てるのを目標にします。

 

▲3号鉢から根を抜いたところ 写真提供/天女の舞子

 

あらかじめ樹高12cmに冬剪定してある「スイートチャリオット」を、3号鉢→6号鉢にサイズアップして植え替えします。

 

3号鉢から抜いてみると、思ったほど根が張っていませんでした。鉢のサイズアップにはまだ早いかな? という気もしますが、予定通り、6号鉢に植え替えします。

 

▲土替えと鉢増し完了 写真提供/天女の舞子

 

鉢底石として硬質赤玉土を多いめに入れ、バラ用培養土「わくわくローズソイル」(苗木部)+根腐れ防止剤のミリオン(ソフト・シリカ)+元肥にマグァンプk(ハイポネックス・ジャパン)大粒を6号鉢基準の半量5gを混ぜて植え付けました。

 

「スイートチャリオット」の根が思ったほど育っていなかったので、大きな鉢では根腐れするおそれがあると思い、鉢底石を増やしたりミリオンを入れたりして調整しています。

 

「わくわくローズソイル」には緩効性化成肥料が少し入っているのと、いずれ芽出し肥を与えたいので、元肥は規定量の半分にしました。

 

さらに苗の接ぎ木テープを外し、リキダス(ハイポネックス・ジャパン)の1000倍液の水を掛けました。最後に植物用水分計「サスティ」(キャビノチェ)を挿して、土替えと鉢増し作業は完了です。

 

天女の舞子天女の舞子

そういえば、品種名の「スイート」は香りがあるからだと思うんですが、どうして「チャリオット」(古代の戦車)なのか、その由来が分かりません。ご存知の方いらしたら教えてください!

 

2月24日の「スイートチャリオット」/芽吹き

▲「スイートチャリオット」の芽吹き 写真提供/天女の舞子

2月も下旬になり、枝のあちこちから新芽が吹いてきました。

 

3月14日の「スイートチャリオット」/芽出し肥・芽かき・芽薬(ダコサプ)散布

▲旺盛に若葉を広げる「スイートチャリオット」 写真提供/天女の舞子

2月下旬に芽吹いた新芽が開き、7枚葉の若葉が茂ってきました。今日は少し遅くなりましたが芽出し肥を与え、芽かきをして、最後に芽薬の薬剤散布までやります。

 

冬の植え替えで使った培養土「わくわくローズソイル」には緩効性化成肥料が少し入っているのと、元肥を規定量の半分入れているので、芽出し肥も少なめにします。

 

「バイオゴールドセレクション薔薇」(タクト)の追肥用肥料を、6号基準15粒のところ半分の8粒入れました。

 

▲指と比較してこの小ささ! 写真提供/天女の舞子

 

株の中心がかなり込み合っているので芽かきをしたいのですが、とにかく隙間も狭いし芽も小さいので、指が入るか心配なくらいです。

 

▲芽かき完了 写真提供/天女の舞子

 

交差しそうな芽に悩んだり、引っ張った枝が折れ曲がってしまい切り取ったり、悪戦苦闘しながら芽かきを終えました。

 

▲ほかのバラたちと一緒にダコサプ散布 写真提供/天女の舞子

 

最後に芽薬として「ダコサプ」(ダコニール+サプロール)にリキダスを加えた1000倍液を散布しました。今年から希釈するタイプの薬剤散布で、病虫害をしっかり防除していきます。

 

3月25日の「スイートチャリオット」/若葉広がる

▲しっかり若葉が広がって 写真提供/天女の舞子

かき後、7枚葉の若葉がどんどん広がってきました。一緒にそだレポしている「イエライシャン」はもう発蕾していますが、こちらはまだです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

育てた人紹介/天女の舞子

あまり植物を育てた経験がなかったので、以前は「バラは難しい」と諦めていました。でも、フラっと行った「国バラ」(国際バラとガーデニングショウ)でバラソムリエの小山内さんに会って。自分が本の内容を理解出来なかった理由がやっとわかりました。それから無事に1シーズン枯らさないで、育てることが出来るようになったばかりの初心者です。まだまだ理解できてない部分もあるので、必要な作業に自信が持てないところもあります。

 

趣味はメダカの飼育(繁殖)です。時々どうでもいいことをTwitterで呟いたり、たまにメダカの動画とかをYouTubeであげたりしています。 埼玉県在住

 

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