バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「イエライシャン」(夜来香)です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


CONTENTS

「イエライシャン」(夜来香)は、こんなバラ

▲イエライシャン(夜来香) 出展/バラの家

エライシャン(夜来香)は、岐阜県大野町のバラ苗生産者・青木宏達さん2013年発表のバラ。

 

丸弁高芯咲きの艶やかな藤紫色の中大輪花を咲かせるハイブリッド・ティー(HT)系統のバラで、ブルー系の素晴らしい強香が特徴の人気品種です。

 

越後丘陵公園で開催される「国際香りのばら新品種コンクール」の第6回大会(2012年)で、HT系の金賞・国土交通大臣賞・新潟県知事賞の3冠を獲得しました。ちなみに国土交通大臣賞は、すべての部門の金賞を獲得した品種のなかでもっとも得点の高かった品種に贈られる賞で、新潟県知事賞は香り部門の最高得点品種に贈られる賞です。

 

「国際香りのばら新品種コンクール」で「イエライシャン」の香りは「深みのあるブルーローズの香りに爽やかな柑橘系のベルガモットとフルーティな甘さが感じられる明るく洗練された香り」と表現されています。

 

「バラの家」のスコアは 樹勢/普通 ウドンコ病/普通 黒星病/普通 耐陰性/弱い 耐寒性/弱い 耐暑性/強い。

 

トゲが少なく扱いやすい、強香品種なのに花保ちが良いなどの優れた点もあります。

 

品種名は、かつて李香蘭(山口淑子)が歌った中国歌謡「夜来香」とも、中国南部やベトナム原産のつる性植物「夜来香」(ガガイモ科テロスマ属)とも関係なく、作出者の青木宏達さんがこのバラを食卓に飾っておいたところ、夜に起きたとき部屋じゅうに香りが広がっていたというエピソードから名付けられたそう。

 

今回育てる「イエライシャン」(夜来香)の環境DATA

関東の農園/朝~夕方までよく日の当たる環境で、盆栽用の花台に載せて管理

昨年5月に新苗でお迎えして8カ月育てた株

今年の目標/ブルー系のバラでも育ちやすい品種としてわかるようなそだレポにしたいです

育てる人/天女の舞子

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

1月31日の「イエライシャン」/土替え・鉢増し・冬剪定

▲仮剪定状態の株。樹高は36cm 写真提供/天女の舞子

たしは香りのバラ、なかでもブルー香の品種が好きなんですが、数あるブルー香の強香品種のなかでも「イエライシャン」は有名で、ずっと気になっていたバラでした。

 

でも青バラは育てにくい弱い品種が多くて、これまで何株も枯らしてしまったこともあり、新しくお迎えするのは、ちょっとためらっていました。

 

そんななか、SNSでとても良く生長している「イエライシャン」をみかけて、「この品種、青バラなのにすごいな」と感心したのをきっかけに、昨年5月に新苗でお迎えしたという経緯があります。

 

▲6号鉢→8号鉢に植え替え 写真提供/天女の舞子

 

新苗から8カ月育てて、仮剪定してある状態の株を6号鉢→8号のスリット鉢に植え替えします。

 

以前のあまり日当たりの良くない実家の庭から日当たりの良い農園に引っ越してから、やはりバラの生育が良くなっています。しかも「イエライシャン」はしっかり根の張る品種のようなので、青バラとはいえ安心して育てられそうです。

 

▲6号鉢から抜いて根のチェック 写真提供/天女の舞子

 

6号鉢から根鉢を抜いてみると、やはり「イエライシャン」の根はしっかり育っていました。予想よりいい根で、計ってみると長いものは30cm以上ありました。

 

土を落として確認したところ、根頭癌腫病も害虫もナシ。健康です。

 

▲土替え・鉢増し・冬剪定を完了 写真提供/天女の舞子

 

鉢底石がわりに硬質赤玉土を1層入れ、バラ用培養土「わくわくローズソイル」(苗木部)+根腐れ防止剤のミリオン(ソフト・シリカ)+元肥にマグァンプk(ハイポネックス・ジャパン)大粒を8号鉢基準の半量15gを混ぜて植え付けました。

 

「わくわくローズソイル」には緩効性化成肥料が少し入っているのと、いずれ芽出し肥を与えたいので、元肥は規定量の半分にしました。

 

リキダス(ハイポネックス・ジャパン)1000倍液の水を掛け、最後に植物用水分計「サスティ」(キャビノチェ)を挿して、土替えと鉢増し作業は完了です。

 

▲芽を確認しながら冬剪定 写真提供/天女の舞子

 

もう芽が出ていたので、植え替えと同時に冬剪定をしました。

 

主幹は2本あり、どちらも締まった良い枝で、太さもあります。芽を確認しながら高さ15cmにしっかりカットしました。

 

3月14日の「イエライシャン」/芽出し肥・芽かき・芽薬(ダコサプ)散布

▲若葉が一気に広がってきた「イエライシャン」 写真提供/天女の舞子

3月に入り暖かい日が続いたこともあり、新芽から若葉がどんどん広がってきました。

 

▲芽出し肥&芽かき後 写真提供/天女の舞子

 

少し遅くなりましたが、芽出し肥を与えます。

 

「バイオゴールドセレクション薔薇」(タクト)の追肥用肥料を、8号基準30粒ですが、規定量の半分の15粒入れました。冬の植え替えのときに元肥として規定量の半分の「マグァンプK」を入れてますので、芽出し肥も規定量の半分にしました。

 

続いて芽かき。

 

株の下の方にある弱々しい芽や、混み合いそうな芽を取り除きました。写真左側の主幹が内芽ぎみなので、それと交差しないように芽の向きをみながら作業しました。──少しサッパリしすぎたかな?

 

▲今年から希釈タイプの農薬散布開始! 写真提供/天女の舞子

 

最後に芽薬を。

 

小山内先生オススメの「ダコサプ」(ダコニール+サプロール)に活力剤の「リキダス」(ハイポネックス)も加えた1000倍液をつくって散布します。

 

薬剤散布はこれまでハンドスプレーでやってきましたが、さすがに鉢数も増えたので、今年から希釈タイプの農薬を使います。

 

▲葉裏にもしっかり散布 写真提供/天女の舞子

 

開き始めた若葉の表にも裏にもしっかりかけて、春の病気を予防します。

 

3月25日の「イエライシャン」/発蕾

▲新芽がぐぐっと伸びてきた 写真提供/天女の舞子

年は暖かい春で「イエライシャン」の新芽がぐぐっと伸びだしてきました。

 

▲枝先に蕾が! 写真提供/天女の舞子

 

まだ3月だというのに、枝先に蕾が見えています。すごく早いですね!

 

4月10日の「イエライシャン」/蕾ふくらむ

▲樹高38cm、蕾が3つ 写真提供/天女の舞子

高は38cmほどになり、枝先の蕾がふくらんできました。今のところ蕾は3つ見えていますが、もう1つくらい増えるかもしれません。

 

▲蕾がまるくふくらんで! 写真提供/天女の舞子

 

一番大きな蕾で、今の大きさが3cmくらいあります。

 

今年から希釈タイプの農薬散布を始めたので、練習もかねて10日に1度ペースで散布しています。まつお園芸の「ローテーション薬剤セット」を使っていて、A(オルトラン液剤+トップジンMゾル)、B(ベニカR+サルバトーレME)、C(モスピラン液剤+サプロール乳剤)の混合薬液を順番に散布しています。

 

4月24日・25日の「イエライシャン」/開花・ヨトウガの卵発見!

▲最初の1輪がゆっくり開花 写真提供/天女の舞子

ず24日の様子から。昼は暖かい日もありますが、朝晩は薄手の長袖では少し肌寒く感じる今日この頃。少し前から咲きそうになっていた「イエライシャン」のこの春最初の1輪が、ゆっくり開花し始めました。

 

樹高は、一番高い蕾の先で45cmほどです。花枝が4本上がり、6つの蕾があります。

 

▲HTらしい巻き上がった花形 写真提供/天女の舞子

 

ここから翌日の25日です。少し開きましたが、やはり開花はゆっくりです。

 

ピンクがかった藤紫の丸弁で、ハイブリッド・ティーらしい花芯が高く巻き上がった花形をしています。

 

▲開きかけのこれくらいの姿が好き 写真提供/天女の舞子

 

花芯が巻き上がる花形は、咲き始めたばかりのこれくらいの花が一番好きです。花径は8cm。全開すればもう少し大きくなりそう。

 

香りは爽やかなブルー香。今のところ中香くらいの強さです。農園に来ていた人に香りをかいでもらったところ、とても良い香りだと喜んでくれました。

 

▲左が「ブルームーンストーン」、右が「イエライシャン」 写真提供/天女の舞子

 

河本バラ園の「ブルームーンストーン」の蕾と比較してみました。花のサイズはこれだけ違いますが、花色は良く似ています。

 

▲ヨトウガの卵がぎっしり・・・ 写真提供/天女の舞子

 

今年から希釈タイプの農薬散布をがんばっているかいあって、今のところバラの葉をキレイに保てていますが、葉裏にこんなものを見つけてしまいました。──どうやらコレ、ヨトウガの卵らしいです。

 

▲いつものローテーション散布に「ゼンターリ」をプラス 写真提供/天女の舞子

 

卵は撮影後に火であぶって処分し、今日の薬剤散布に、アオムシ、ヨトウムシ、ハマキムシなどチョウ目害虫に効果のある「ゼンターリ」を混ぜて散布しました。

 

4月29日・30日の「イエライシャン」/全開して大輪花に

▲全開して花径12cmの大輪花に 写真提供/天女の舞子

花から4日たち「イエライシャン」が全開し、花径12cmの大輪花になりました。花びらの外側から、かなり白っぽく退色してきました。

 

高芯咲きのバラは全開すると花芯が見えてしまうものが多いのですが、「イエライシャン」は内側の花びらにウエーブがかかり花芯を隠しています。

 

▲「イエライシャン」は早咲き品種 写真提供/天女の舞子

 

上の写真は、バラを置いている場所を遠くから撮影したものです。花径12cmあると、これだけ離れてもよく目立ちます。

 

「イエライシャン」は開花が進んでいますが、他のバラはぽつぽつ咲いてきたくらい。我が家のバラのなかでは比較的早咲き品種といえます。

 

▲全開しても花形はゴージャスなまま 写真提供/天女の舞子

 

ここからは翌日30日の様子です。さらに花色の退色が進んで白っぽくなってきました。花びらの先が少し傷んできて、そろそろ咲き終わりでしょうか。

 

ウエーブのかかった花びらが花芯を隠して、花形はゴージャスなままです。

 

▲「イエライシャン」の花の変化 写真提供/天女の舞子

 

ちょうど今ある3輪が「もうすぐ開く蕾→咲き始めた花→咲き終わり」と、花形や花色の変化がよく分かるので並べてみました。

 

5月3日・5日の「イエライシャン」/最初の1輪が散る・後続が開花

▲開花から10日目。最初の1輪が散る 写真提供/天女の舞子

エライシャンの最初の1輪が、昨日の強風で散ったようです。撮影後に切り戻しました。

 

4月24日の開花から散るまで10日。花もちがいいです。

 

▲後続の花が色よく開花 写真提供/天女の舞子

 

後続の花が大きく開いてきました。花びらの縁に不規則な切れ込みが入るので、ゴージャスな印象がします。奥に写っているジギタリスは「キャメロットローズ」。

 

▲左が「ミスティパープル」右が「イエライシャン」 写真提供/天女の舞子

 

ここからは、5月5日のレポートです。同じ河本バラ園の「ミスティパープル」がいい感じにキレイに咲いていたので、花色比較を。

 

「ミスティパープル」はシルバーグレーがかった青紫色で、「イエライシャン」はピンク味の強いライラック色です。香りも少し違うかな?

 

5月28日・6月1日の「イエライシャン」/花後剪定・ベイサルシュートが発生

▲切り戻したところから新芽が旺盛に 写真提供/天女の舞子

つは前回のレポートの後から半月にわたり、あちこちのバラ園を巡る旅に出ていて、バラの手入れも久しぶりです。

 

水やりだけ頼んで旅行に出かけましたが、病虫害の影響はなく、とても健康そうです。春先から、定期的に薬剤散布してきたおかげですね^^

 

1番花の花がらを切り戻したところから、新芽が旺盛に吹いてきています。1輪だけ花がらが残っていましたが、この枝も少し下から新芽が出ているので、新芽のところまで切り戻しました。

 

▲株元から勢いの良いベイサルシュートが発生 写真提供/天女の舞子

 

株元から元気なベイサルシュートが発生しました。大きく育ってほしいです。

 

この時期の手入れ

大型台風が上陸しそうなので、今回の薬剤散布は粒剤の「ベニカXガード」(住友化学園芸)を使いました。

 

春花が終わったので、次に農園に行ったタイミングでお礼肥えをしようと思います。

 

6月8日の「イエライシャン」/シュート処理・2番花の発蕾・お礼肥え

▲ベイサルシュートが増えて主幹4本に 写真提供/天女の舞子

元からさらにもう1本ベイサルシュートが発生して、主幹が4本になりました。

 

新しいベイサルシュートの枝先をピンチ。先に発生したベイサルシュートは既にピンチしてあり、その後伸びた枝先に蕾がついています。

 

▲枝先にしっかりした2番花の蕾 写真提供/天女の舞子

 

枝先に2番花の蕾が上がりました。前回のレポートから約1週間でこんなに伸びるんですね!

 

今年からしっかり日の当たる場所で育てているので、1カ月に1度、追肥しています。「バイオゴールドセレクション・薔薇」(バイオゴールド)を、規定量30粒のところ元肥半分入れてるので15粒まきました。

 

6月18日・19日の「イエライシャン」/2番花が開花

▲雨で傷んだ「イエライシャン」の2番花 写真提供/天女の舞子

エライシャンの2番花が咲き始めました。花径5~6cmの小さな花で、花びらの先が雨で傷んでいます。

 

▲2輪開花、もうすぐ咲きそうな蕾が4つ 写真提供/天女の舞子

 

樹高は60cmほど。咲いている花が2輪、これから咲きそうな蕾が4つ、まだ小さな蕾が1つ。

 

小さな蕾はベイサルシュートの先についたものを見落として、ピンチしそこなった蕾です。これ、どうしようかな? 見つけ次第シュート処理をしてますが、雨が降ると、数日で筍のようにすごい伸びるので、丁度いいタイミングを見逃すことも多いです。

 

▲さらに開いて花径7cmに 写真提供/天女の舞子

 

翌日6月19日の「イエライシャン」の花です。

 

▲淡いながら香りも感じられた2番花 写真提供/天女の舞子

 

昨日よりさらに開いて、花径7cmほどになりました。昨日は目立っていた花びらの雨傷みが、だいぶ目立たなくなりました。今朝は香りも感じられました。

 

7月13日の「イエライシャン」/2番花の花後剪定

▲樹高50cm。葉が多くて元気そう 写真提供/天女の舞子

回のレポートの後、6月下旬~7月上旬にかけて、水やりだけお願いして20日間あまりの長期旅行に出かけていました。

 

2番花はもう終わっています。他のバラは暑さで葉っぱが落ちてるのも多いのですが、「イエライシャン」の葉っぱは他よりも元気そうです。

 

▲灰茶色に擬態した「ホソオビアシブトクチバ」の幼虫 写真提供/天女の舞子

 

2本発生したベイサルシュートのうち1本が枝先から枯れてしまいました。その枯れたところに「ホソオビアシブトクチバ」の幼虫が枯れ枝色に擬態して隠れていました。

 

半月以上、薬剤散布していないので、さすがにこの手のイモムシをちょくちょく見かけます。見つけ次第、駆除しています。バッタも増えてきました。

 

▲2番花の花後剪定しました 写真提供/天女の舞子

 

樹高50cmあったものを半分の25cmまで切り戻しました。

 

イモムシのいた枝は先が枯れてしまったので10cm弱ていどしかありませんが、夏場はいろいろ不安なので保険として残しました。このまま枯れるようなら、そのときに切ろうと思います。

 

最後に、水やりついでに「ハイポネックス顆粒」を溶かした液肥、「リキダス」「ストレスブロック」(ともにハイポネックス)を与えました。

 

7月27日の「イエライシャン」/コガネムシ幼虫対策

▲葉が茂り、新芽も出てきた 写真提供/天女の舞子

回の切り戻しから少し伸びて樹高は30cmほど。葉っぱが繁ってきて、新芽もいくつか出てきました。急激な暑さで少し心配していましたが、夏場でもみんなわさわさと元気な緑色の葉っぱを繁らせてます。

 

コガネムシの幼虫対策に、土に撒くタイプの薬剤「ベニカXガード」(住友化学園芸)を規定量散布しました。5月下旬に続いて今年2回目です。

 

8月14日の「イエライシャン」/夏花の蕾をピンチ

▲一段と葉が茂ってきた 写真提供/天女の舞子

風被害が出ていないか心配で農園に様子を観に行きましたが、大きな影響はなくホッとしました。

 

前回のレポートよりまた一段と葉が茂っています。雨の当たる場所で管理していますが、薬剤散布の効果か、花台に載せているおかげか、黒星病は見当たりません。

 

▲貧弱な夏の花 写真提供/天女の舞子

 

夏花が1輪咲いていましたが、雨と暑さで傷んで散っていました。全開した状態で花径は5.5cm。花びらの枚数がすくなく花色も白っぽいので、咲かせてもあまりキレイではなさそうです。

 

この花と蕾を合わせて7個ピンチで取り除きました。

 

9月14日の「イエライシャン」/秋剪定

▲秋剪定前。高さ38cm×幅40cmほど 写真提供/天女の舞子

日は、秋剪定をしていきます。まず剪定前の状態から。高さ38cm×幅40cmほど。台風のせいか、葉っぱが少し傷んでいます。

 

▲秋剪定後。高さ30cm×幅35cm 写真提供/天女の舞子

 

剪定後は高さ30cm×幅35cmにしました。

 

ついでに枝の整理を。新しい芽が出てこない枝を切りました。中央の古い枝も切った方がいいかと悩んだ末に残しました。この枝のせいで込み合っているのですが、これを切ると主幹2本になってしまうので冬まで残すことにしました。

 

芽吹きを良くするため「バイオゴールドセレクション・薔薇」(タクト)を規定量30粒のところ、2年間効果のある元肥が入っているので半量の15粒撒きました。さらに水やりの水に「ストレスブロック」「ハイポネックス顆粒」(ともにハイポネックス)を混ぜて潅水しました。

 

10月8日の「イエライシャン」/秋花の発蕾・害虫発生!

▲秋剪定から20cm伸びた 写真提供/天女の舞子

回の秋剪定のレポートから20日あまりたち、30cmだった樹高が50cmほどになりました。幅は変わらず35cmです。

 

▲「イエライシャン」の秋花の蕾 写真提供/天女の舞子

 

一番高い枝先に秋花の蕾がつきました。確実に蕾と分かるのは今のところこれ一つですが、この先まだ2~3個は蕾になりそうです。

 

▲なにかの卵 写真提供/天女の舞子

 

残暑厳しい間はあまり見かけなかったのに、涼しくなってからいろいろな害虫を見かけるようになりました。先日はオオタバコガの卵を見つけたし、今日のこれは何の卵でしょう??? 孵化した幼虫に葉っぱが食害されていますが、小さい内に駆除されたようです。

 

▲チュウレンジハバチの産卵 写真提供/天女の舞子

 

チュウレンジハバチもしょっちゅうやってきて枝に産卵しています。

 

先週「ベニカXガード」(住友化学園芸)を散布しているし、薄めるタイプの薬剤散布も定期的に行っているので大きな被害はありませんが、秋の害虫の多さに驚いています。

 

10月16日の「イエライシャン」/蕾がガク割れ

▲早い蕾はもうすぐ咲きそう 写真提供/天女の舞子

エライシャンの秋花は、ガク割れして一番に咲きそうな蕾がひとつ、ほかにも3つの蕾があります。夏の暑さで根が傷むバラが多いので、秋は根を育てるのが大事と言われますが、この鉢の根はたぶんしっかり生長していると思います。

 

他のバラでは、早咲きの品種から秋花が咲き始めています。

 

▲ロングノズルで薬剤散布が効果的に! 写真提供/天女の舞子

 

害虫が多いので、しっかり薬剤散布しています。

 

先月末に蓄圧式噴霧器にとりつけるロングノズルを購入しました。株の中までノズルを差し込めるし、葉の裏側にかけることもできるので、薬剤散布が楽に効果的にできるようになりました。上の写真は9月末の様子です。

 

10月20日・24日の「イエライシャン」/秋花の開花の始まり

▲ガクが下り、開花の始まり! 写真提供/天女の舞子

ず10月20日の様子から。「イエライシャン」の秋花の最初の1輪のガクが下り、花びらがゆっくりほどけてきました。

 

▲HTらしい巻き上がった花形 写真提供/天女の舞子

 

4日後の10月24日には、さらにふっくらとしてきました。HTらしい巻き上がった花形がキレイです。鼻を近づけるとブルーの良い香りがします。

 

10月26日・11月1日の「イエライシャン」/秋花の最初の1輪が開花~咲き終わり

▲満開の一歩手前 写真提供/天女の舞子

10月26日。花の芯がほどけて、まるく咲きました。満開の一歩手前でしょうか。10月下旬のちょうどいいタイミングで咲いてくれました。

 

▲花径9cmの大輪花 写真提供/天女の舞子

 

樹高62cm、幅43cm。9月14日の秋剪定で高さ30cmに剪定したので、それから32cm伸び、ちょうど40日ていどでの開花です。

 

花径は9cm。春花より少し小ぶりですが、花色もキレイに大輪に咲きました。

 

▲咲き終わった「イエライシャン」をアレンジメントに 写真提供/天女の舞子

 

開花から6日たち、花びらの先が傷んできたので切り戻しました。これから咲く秋花の蕾はまだ4つあります。

 

切り戻した「イエライシャン」の秋花を、咲いていたほかの花と一緒に自宅の窓辺に飾りました。黄色いのはダリア、青いクレマチスは「ベルオブウォーキング」、真ん中の少し虫食いのあるのが「ミスティパープル」です。こうして並べると「イエライシャン」は、「ミスティパープル」より赤みが強いのが分かります。

 

あいびーあいびー

青紫のバラとクレマチスに淡い黄色のダリア。花器がダリアと同じ色なので統一感があり、とてもキレイなアレンジメントになっていると思います^^

 

11月13日の「イエライシャン」/今年の秋花、最後の1輪

▲HTらしい凛とした開きかけの姿 写真提供/天女の舞子

年の秋花、最後の1輪が咲き始めました。HTらしい、花芯が高く巻き上がった形をしています。近年のバラは、まるく咲く品種ばかりになってしまいましたが、こういう凛とした花姿もステキだなと思います。

 

従来の高芯咲きのバラは、花が全開して雄しべが見えると急にだらしない印象になってしまう品種が多かったけれど、「イエライシャン」は全開しても内側の花びらがウエーブがかって花芯を隠すので花形が崩れにくく、長く美しい状態を保つところがイイですね。

 

11月21日~28日の「イエライシャン」/最後の1輪の経過(咲き終わりまで)

11月21日/蕾ほどける

▲最後の1輪はかなりの大輪花 写真提供/天女の舞子

のサイズは樹高55cm×幅45cm。最後の1輪がほどけてきました。今の段階で花径10cmちかくあるので、かなり大きな花になりそうです。

 

11月23日/高芯咲きからカップ咲きへ

▲花びらの先が丸まり、カップ咲きっぽく 写真提供/天女の舞子

き進むにつれ花びらの先が丸まり、大きなまるい花になってきました。

 

▲巻き上がっていた花芯がなくなった 写真提供/天女の舞子

 

横からみるとまるでカップ咲きのようです。

 

11月24日/花びらが雨で傷む

▲外弁が雨で傷んで茶色く 写真提供/天女の舞子

き加減はあまり変わっていませんが、外側の傷んでいる花びらが雨で茶色く変色し、弁先がチリチリになってしまいました。

 

11月28日/咲き終わり

▲開花から半月。さすがに咲き終わり 写真提供/天女の舞子

ろそろ花の終わりのようです。咲き始めが11月13日で今回が11月28日なので、花保ちは15日ていどです。

 

12月3日の「イエライシャン」/花がら切り

▲開花から20日。茶色く枯れてきた花 写真提供/天女の舞子

のまま枝に残していた「イエライシャン」の最後の花は開花から20日たち、さすがに枯れてきました。

 

▲花がら切り後の樹高は45cm 写真提供/天女の舞子

 

浅く花がら切りをして、樹高は45cmになりました。蕾はもうないので、あとは冬の植え替えを待つだけです。

 

▲葉っぱの表面が黒くなっている!?

 

元気に見える葉っぱですが、少し異変があります。

 

もう寒くなってきたので薬剤散布をしなかったせいか、葉っぱの上側が黒くなっています。裏側はキレイなんですが・・・これは黒星病なのかな???

 

あいびーあいびー

黒星病・・・かなぁ? ハッキリ分からないけれど、もうしばらくしたら葉摘みするんだし、それまでの間光合成してもらうために残しておけばいいと思います。薬剤散布も必要ナシです!

 

1月30日の「イエライシャン」/冬の植え替え・冬剪定

▲植え替え前の「イエライシャン」 写真提供/天女の舞子

のサイズは、前回のレポートと同じ高さ45cm×幅30cmていど。これから冬の植え替え(土替え)をします。しっかり育ってくれたので、現在の8号スリット鉢から、写真右側の白い10号鉢にサイズアップする予定です。

 

▲目立たないけれど、小さな芽が出ている 写真提供/天女の舞子

 

まず葉むしりを。寒さで赤くなっている枝がありますが、状態は良さそう。まだ目立ちにくいけれど、小さい芽が出ています。

 

▲根鉢の底にびっしり白根が! 写真提供/天女の舞子

 

鉢から抜いてみました。予想はしていたけれど、ここまでしっかり根が張っているとは! 青バラは根が弱いと言われがちなのに! なおさら驚きです。

 

▲根に異変なし 写真提供/天女の舞子

 

根をほぐしてみました。触った感じは根頭癌腫病はなさそうなので、根洗いまではしません。もちろん、コガネムシの幼虫もいません。

 

▲培養土で植え込み、冬剪定 写真提供/天女の舞子

 

予定通り10号鉢に植え替えました。使用培養土は「薔薇の土」(カインズ)。元肥なしの培養土です。これに、根腐れ防止剤の「ミリオン」(ソフトシリカ)と、元肥として「マグァンプK」大粒(ハイポネックス・ジャパン)を10号規定量の半量25gを混ぜています。

 

鉢底に鉢底石代わりの硬質赤玉土を入れ、その上に「ミリオン」と「マグァンプK」を混ぜた培養土で植え込みました。

 

最後に冬剪定を。高さ20cm×幅17cmになりました。

 

あまりいい外芽がなく、けっきょく内芽ぎみで剪定しました。この子の伸びたい方向に出てると思って尊重した結果です──と、なんだか上級者ぶった言い方でごまかしてますが、じつはまだまだスキル不足を痛感しています。

 

こういうのは1年、1年の積み重ねですね。来年はもっと上手く剪定できるといいなと思っています。

 

これで「イエライシャン」のそだレポを終わります。

 

「イエライシャン」を1年育ててみての感想

▲全開しても美しい「イエライシャン」 写真提供/天女の舞子

 

1年間「イエライシャン」を育ててみての感想としてまず評価したいのが、根の生長の良さです。じつは、SNSでとても根が良く張っている「イエライシャン」を見かけて興味をもって育ててみたのですが、本当に根張りが良かったです。

 

わたしはブルーローズが好きで、今までいろいろな品種を育ててきましたが、これだけ安心して、確実に鉢増しできるブルーローズは少ないと思います。ブルーローズなのに普通のバラと同じように育てられる、ブルーローズのハードルを下げてくれる品種だと思います。

 

シュートもまぁまぁ出やすくて、枝も太めで自立するし、そこまで癖もないので、バラを育ててみたい初心者が、教科書通りの栽培や剪定をして、学びながら育てていくにも適した品種だと思います。つまり、初心者さんが初めて育てるブルーローズとしてもオススメできます。

 

わたしがここまで「イエライシャン」を推してしまうのは、自分がこれまでいくつものブルーローズを育てた経験からです。癖のある育ち方をしたり、シュートが出にくかったりと、苦い経験もいくつもありました。「イエライシャン」は、いい意味で予想を裏切ってくれるブルーローズでした。

 

花は大輪で美しく、花保ちが良く、ちゃんとブルーの強香で、トゲが少なく、強健で育てやすい。これだけ育てる人の苦労が少なく恩恵の多い品種は、今後は増えていくでしょうが、現時点では未来を先取りした品種じゃないかと思います。

 

ちょっとべた褒めになってしまいましたが、それくらい育てて良かったと思えるブルーローズでした。

 

あいびーあいびー

1年間ありがとうございました。根張りがいいということは、地上部も丈夫でよく育つという証拠です。ほんとうに、よく育ってくれました。

 

このバラはHTです。HTらしく高芯で咲きますが、開いても雄蕊が見えません。花びらが波打って芯を隠すのです。こうして花形が崩れないので、キレイな状態が長保ちします。さまざまな点から優れたところの多い、良い品種と言えますね^^

育てた人紹介/天女の舞子

あまり植物を育てた経験がなかったので、以前は「バラは難しい」と諦めていました。でも、フラっと行った「国バラ」(国際バラとガーデニングショウ)でバラソムリエの小山内さんに会って。自分が本の内容を理解出来なかった理由がやっとわかりました。それから無事に1シーズン枯らさないで、育てることが出来るようになったばかりの初心者です。まだまだ理解できてない部分もあるので、必要な作業に自信が持てないところもあります。

 

趣味はメダカの飼育(繁殖)です。時々どうでもいいことをTwitterで呟いたり、たまにメダカの動画とかをYouTubeであげたりしています。 埼玉県在住

 

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