たとえばバラ園を訪れて、その美しさに「自分でもバラを育ててみたい!」と思ったら。つまりこれまで、ただ観て楽しむだけだった人が、自分で育ててみようと考えたときに、まず疑問に思う事柄をQ&A方式で集めてみました。これを読んでさらに興味がわいたなら、ぜひ、実際に育ててみてくださいね!

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Q1、バラを育てるのは難しいの?

A 育てやすい品種を選べばだいじょうぶ!

ラを初めて育てようという人には、一番気になるのがここではないでしょうか。

 

「バラの育て方」だけで丸1冊使って解説している分厚い本がたくさんありますし、当サイトもバラだけで成り立っているようなサイトなわけですから、バラはたくさんの情報がある植物なのが分かりますね。園芸初心者には難しいように感じて、腰が引けてしまうのも無理のないところです。

 

でも、じつはバラって、育てるのがやさしい品種もあれば難しい品種もあるのです。育てやすい品種を選べば、決して難しい植物ではありません。日本に自生しているバラだってあるくらいなのですから!

 

乱暴なことを言ってしまえば、枯らさないことを目標にするなら、育てやすい品種を選んで庭に植え、最初だけ水やりすれば後は放置で大丈夫です。たぶん数年は枯れないと思います。ただし、これではバラを育てる前に思い描いていたように素敵なバラのある庭にはならないでしょう。バラの背が高くなり、花つきも悪く、きっと害虫に葉っぱを食べられてボロボロな姿になってしまうでしょう。

 

もっときれいに、もっと花をたくさん咲かせたい、バラ園みたいに素敵な庭にしたい、病気や害虫を防ぎたい、と、枯らさないだけでなく美しくバラを管理したいと思うなら、それぞれの目的に沿った方法を覚えていく必要があるので、バラの情報は必然的に膨大になっていくのです。

 

枯らさないだけならバラを育てるのはとても簡単です。でも、それ以上を望むなら、それなりに知識が必要ということです。初心者がいきなりバラ園のような庭を作り管理・維持していけるかというと、それは無理です。

 

まずは1本、育てやすいバラを選んで育ててみることからすべては始まります。実際に育てながら、少しずつ知識を積み上げていけばいいのだと思います。

 

Q2、庭がなくてもバラは育てられる?

▲一株でフェンスを華やかに変えてくれるつるバラ「アンジェラ」

A 鉢植えでも育てられます!

ラは、植木鉢で育てることができます。ミニバラなどの小さいサイズのバラはもちろん、通常サイズのバラも鉢植えで育てることができます。我が家ではマンションの狭いベランダで、鉢植えでつるバラを育てています。フェンスいっぱいに咲いてきれいですよ!

 

鉢植えの場合は、きちんと水やりをしなければいけません。そして、できれば毎冬に植え替えもしたいところです。庭に植えるなら水やりは雨水だけでほぼ大丈夫ですし、植え替えも必要ありませんから、それに比べると鉢植えは少し管理が面倒です。

 

鉢植えならではのメリットもあります。バラに発生しやすい病気に「黒点病」というのがあります。一度発生するとまたたくまに広がり、ほとんどの葉が落ちてしまうやっかいな病気です。湿度が高いと発生しやすいので、鉢植えで、あまり雨の当たらない軒下などで育てれば、黒点病の発生を抑えることができます。

 

我が家のベランダで黒点病が発生したことは一度もありません。

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Q3、日陰でもバラは咲かせられる?

▲日陰に強いバラといえばコレ!「ニュー・ドーン」

A 半日陰ならOK! 咲かせられる範囲は意外と広い!

陰といっても、条件はさまざまです。まず、植物を育てる場合によく言われる日照の条件を紹介します。

日向とは

1日に4時間以上、陽があたる場所(ただし、午後3時までの間で)

 

半日陰(明るい日陰)とは

1日に2時間ていど、陽があたる場所(ただし、午後3時までの間で)

または、木漏れ日やレースのカーテン越しに日が射しこむていどの明るさのある場所

 

日陰とは

1日に2時間未満の時間しか陽があたらない場所

 

バラは日向が好きな植物です。できれば日向で育てたいものですが、半日陰でも育てることができます。ただし、半日陰では日向で育てた場合よりも花つきが悪くなります。例えば、日向なら1株に10輪咲くバラを半日陰で育てると、半分の5輪しか咲かない、という感じです。

 

バラの品種の中には、半日陰でもよく咲く品種もあります。有名なところでは、つるバラの「ニュー・ドーン」などは、かなり日照条件が悪くてもしっかり咲いてくれる品種です。

 

我が家でバラを育てているのは、北東にふったマンションのベランダです。日照時間は朝から数時間です。ベランダの前のやや離れたところに雑木林があるので、季節により1日に3時間の日照があるかどうかという条件です。ただし、周りに背の高い建物がないので、日照のない時間帯でも真っ暗ではありません。この条件なら、ベストな環境とは言えないまでも問題なくバラを咲かせられます。

 

日陰でバラを咲かせるには、一工夫が必要です。例えば建物に挟まれた、1日じゅう日の射さない狭い通路でもバラが咲くかというと、かなり厳しいです。そんな場所でも、2m以上の高い場所なら日が射すという条件なら、つるバラを大きく育ててから植えつけ、枝先に日が当たるように誘引すれば咲かせられるでしょうね。

 

初めてバラを育てるなら、日向か半日陰の環境があれば十分チャレンジできます!

 

Q4、ファースト・ローズはどんなバラを選べばいい?

▲濃いバラ色が美しいつるバラ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

A つるバラから、育てやすくてたくさん咲く品種を選ぼう!

ァースト・ローズ、つまり初めてバラ育てにチャレンジしようという方が選ぶバラは、多くの人がミニバラを選んでしまいがちです。サイズが小さいから簡単なように思えるし、値段も安いので枯らしてもあまりショックに思わないから、さらにどこの花屋でも手に入るからという理由から、ミニバラを選ぶ方が多いようです。

 

でも、じつはミニバラは、育てるのが難しいバラなのです。多くのミニバラは、育てるのを前提として生産されているのではなく、花が咲いている間だけ楽しむことを前提に生産されているのではないかと、わたしは思っています。つまり、花が咲き終わったらオシマイという使い方をされることを前提に作られていると思うのです。

 

だから、ミニバラを枯らしてしまって、「やっぱりバラを育てるのは難しい」と納得するのは、ちょっともったいない。

 

初めてバラを育てるなら、ミニバラではなく通常サイズのバラを選ぶべきです!

 

通常サイズのバラの中でも、手入れが簡単でたくさんの花が咲くつるバラを選ぶのがいいと思います。ピエール・ドゥ・ロンサール、アンジェラ、カクテル、ニュー・ドーン、スパニッシュ・ビューティー、つるアイスバーグ、レオナルド・ダ・ヴィンチなどが、おすすめ品種です。

 

それぞれの品種紹介は、下記のバラの花図鑑のページを参考にしてください。

▶カクテル

人によってはフロリバンダ系統のバラをファースト・ローズにおすすめする方もいます。

 

つるバラは誘引する場所が必要なので場所が限られること、つるバラが春だけの一季咲きなのに対して、フロリバンダ系統のバラは四季咲きで年に何度も花が楽しめるという理由からでしょう。

 

でも、フロリバンダ系統のバラは剪定が必要になるのがネックだと思います。初めてバラを育てる方にとって、せっかく育った枝を剪定で切ってしまうのは、とても怖いことだと思うのです。そこでわたしは、極力枝をきらずにすむつるバラをファースト・ローズにおすすめします!

 

Q5、無農薬でもバラが育てられる?

▲クシヒゲハバチの幼虫に食べられたバラの葉

A 品種を選び、環境を整え、手間を惜しまなければ、ある程度可能

の咲く木として日本の庭でおなじみのツバキや梅、ツツジなどに比べると、バラはとても病気や害虫に好かれやすい植物です。

 

病気も害虫も大嫌い! 見るのもイヤ! という方は、病虫害の防除のためしっかり農薬散布しなければいけません。

 

病気や害虫も嫌いだけれど、農薬散布なんてもっとイヤ! という方は、病気や害虫被害の出にくい品種を選び、栽培環境を整え、手間を惜しまず手入れすれば、あるていど無農薬でもきれいな状態を保てます。

 

逆に言うと、そこまでしなければ、無農薬でバラをきれいな状態に保つのは難しいということです。

 

でも、農薬といってもさまざまな商品があります。中には初めてでも使いやすいタイプの農薬もありますから、少しの農薬を使い、農薬以外で防除効果のあるものを上手に利用しながら、「ちょっとくらいなら虫にバラの葉をかじられてもいいや!」というくらいの、ゆるい気持ちでバラ育てにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

基本的な農薬については下記のページを参照してください。

 

まとめ

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バラを初めて育てたいと思った方が、最初に疑問に思うことをQ&Aにまとめてみました。

 

「バラは難しい」と言われがちですが、正確には「素人がバラを、プロが管理するバラ園のように良い状態にキープするのは難しい」だと思います。

 

少しの手間を惜しまず、そして少しの害虫被害くらい許せるようなら、ぜひバラを育ててみてください。

 

バラは手をかければかけるほど、きれいな花であなたの期待にせいいっぱい応えてくれますよ!

 

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