春先~梅雨にかけて悩まされることの多いウドンコ病。これが、キッチンにあるものだけで、魔法のように消せるスプレーがつくれます! その作り方と効果を紹介します。
ウドンコ病はしつこい!
寒暖差の大きい春先から発生し、梅雨明けまでずっとしつこく発生しつづけるウドンコ病。殺菌剤をスプレーしても、なかなか収まりませんよね。とくにベランダはウドンコ病が発生しやすい条件がそろっているので、我が家では毎年ウドンコ病対策に追われてしまいます。
▲ウドンコ病治療薬「カリグリーン」
ウドンコ病治療薬を使えば一発で治るんですが、やはり農薬なので、日常的に使うのは抵抗があります。
散布してすぐ「ウドンコ病が消える!?」しかも「キッチンにあるものだけで!?」
ところが、「ウドンコ病がすぐ消える。無農薬で簡単に治す!」という怪しい(?)タイトルの動画を見つけたんです。それがこちら。
どうやら家庭菜園をしている方向けの動画のようです。使うものは、「重曹」「植物性オイル」「食器用洗剤」だけ。これを水で薄めて散布します。
「うっそぉー!? そんな身近なもので簡単に治療できるなら苦労しないでしょ!」と思いつつ、早速試してみました。
「重曹オイルスプレー」の作り方
▲材料は重曹、植物油、食器用洗剤の3つだけ
今回、紹介するこのスプレー、わたしは「重曹オイルスプレー」と名づけました。まず原液の作り方から紹介します。
用意する材料
重曹
掃除用の重曹(100均にあるものでOK)。わたしはキッチンの片隅にあったケーキ作り用を使いました。
植物性オイル
サラダ油、キャノーラ油、オリーブオイルなど、なんでも。臭いが薄いものをオススメ。
食器用洗剤
展着剤代わりに使います。本物の展着剤を使ってもOK
原液の作り方/植物性オイル100cc+重曹大さじ1/2+食器用洗剤2~3滴
▲計量カップにオイルと重曹、洗剤を入れて混ぜる
計量カップに植物性オイル100ccを入れ、そこに重曹大さじ1/2杯、食器用洗剤2~3滴を加えます。重曹が溶けるまでしっかり混ぜたら原液の完成です。
▲原液100ccが完成
原液をペットボトルに注いで、ラベルを貼っておきます。
今回はお試しなので原液100ccと少量を作りましたが、動画では200ccの作り方が説明されていました。200ccの場合はそれぞれ単純に2倍して「植物性オイル200cc+重曹大さじ1杯+食器用洗剤5~6滴」で作ります。
希釈してスプレー散布/原液小さじ2杯+水200ml(野菜の基準濃度)
▲「重曹オイルスプレー」が完成!
原液小さじ2杯(10cc)+水200mlで希釈すれば「重曹オイルスプレー」の完成。霧吹きのボトルに入れて使います。
今回わたしはこの野菜の基準濃度で散布しましたが、「バラに使う場合は野菜の基準濃度よりも2~3倍に薄めて、一度目立たないところに散布して悪影響がないかしばらく様子をみてください。2~3倍に薄めても効果があります」と、動画主のマロさんからアドバイスをいただきました。
野菜の基準濃度の2倍の薄さにするなら、原液小さじ1杯(5cc)+水200mlですね。3倍なら、さらに水の量を増やしてください。薄い目から試してみてくださいね。
バラ濃度の追記
「バラ濃度こいめ」=原液小さじ1杯(5cc)+水200ml
効果重視なら「バラ濃度こいめ」で。芽や花びらは避けて散布を。芽や花びらには少し影響が出ます。
「バラ濃度うすいめ」=原液小さじ1杯(5cc)+水300ml
安全性重視なら「バラ濃度うすいめ」で。ほぼ悪影響はありませんが、芽や花びらは避けた方が無難です。
▼散布後の影響は、こちらのレポートをご覧ください
「重曹オイルスプレー」を散布! その効果は?
▲ウドンコ病にサッと一吹き!
それでは実際に散布していきます。
▲すぐ分離するので、霧吹きを振りながら散布
散布液は油分がすぐに分離するので、なんどもシャカシャカ振りながら散布します。
▲葉先にウドンコ病を発見!
葉先にウドンコ病がありますね。ここに「重曹オイルスプレー」(野菜の基準濃度)をかけます。
▲ウドンコ病が消えた!?
かけてすぐに──ウドンコ病がなくなりました! まさに消えました。これは驚き! オイルでコーティングされたため、葉が妙にツヤッツヤになっていますが、白い粉状のものはありません。
ウドンコ病がついていたあたりは光合成が阻害されて、少し色が悪くなっているのが分かります。
▲指先でなじませると効果的
ウドンコ病の葉は縮れたようになっているので、散布だけではしっかり付着しない部分が出てくるため、指先でなじませると効果的だと思います。ウドンコ病を触りたくない方は、使い捨て手袋をつけてどうぞ。
散布直後は、少し油臭い臭いがします。
ウドンコ病の発生初期に使えば、予防効果も期待できます。
▲殺菌剤で治療したウドンコ病痕
殺菌剤や農薬で治療したウドンコ病の痕は上の写真のように黒ずみますが、「重曹オイルスプレー」なら黒くなりません。「重曹オイルスプレー」は、安全で使い勝手がいい上に、この点でも優れています。
もちろん、乾いたら白い粉がまた出てくるというようなことも、ありません。
「重曹オイルスプレー」の不安材料
重曹オイルスプレーは、散布してすぐウドンコ病が消える魔法のようなスプレーです。実際に使っている動画主のマロさんは、このスプレーを家庭菜園で毎年使っているそうで、その効果と安全性は検証済み。
今回わたしも驚くような効果の高さを実感したものの、不安材料も少しあります。
1、バラに使った場合の影響は?
マロさんは野菜で使っているため、バラで使った場合の検証がされていません。バラの葉が落ちてしまった! という報告があったそうなので「バラに使う場合は、処方の2~3倍に薄めて使ってください。さらに、目立たない場所で試してみて、数日様子をみてください」と、マロさんご本人から連絡をいただきました。処方の2~3倍に薄めても効果があるそうです。
「バラは高価なものだから~」と、マロさんはとても心配されていました。今回わたしが散布したところをしっかり観察して、また報告しますが、皆さま実際に使う場合は慎重にお願いしますね。
追記
散布後の経過を観察した結果、バラには野菜の基準濃度の2倍希釈(バラ濃度こいめ)、または3倍希釈(バラ濃度うすいめ)が適していると判断しました。
2、日焼けは大丈夫?
葉がオイルコーティングされることで病気の発生を予防する効果が期待できますが、日照時間の長い場所では、とくに盛夏に葉焼けを起こす恐れがあるように思います。ニームオイルでも盛夏に葉焼けを起こすことがあるので、同じように注意が必要かもしれません。
ただし、ウドンコ病自体は梅雨が明ければ自然に収まります。盛夏にウドンコ病対策をする必要はなさそうですが。
3、ツヤツヤ感が少し気になる?
たとえば「ピエールドゥロンサール」などの照り葉は、いくらツヤがあるといっても自然なツヤです。「重曹オイルスプレー」のツヤは、油を塗った人工的なツヤなのでちょっと違和感があります。しばらくすれば落ち着いてくるでしょうが、とても目立つ場所にバラを植えている方は少し気になるかもしれません。
あわせてこちらのページもご覧ください
▼実際の使用経過レポート
▼バラで使う場合の希釈率
マロさんのサイト「ニャハハの家庭菜園-ポタジェと水耕栽培」のご案内
今回参考にさせていただいた動画主のマロさんは、アメーバの公式トップブロガーです。ブログには「重曹オイルスプレー」の作り方以外にも、家庭菜園のさまざまな記事があるので、興味のある方は覗いてみては?
まとめ
今回は、家庭にあるもので効果抜群のウドンコ病予防&治療薬が作れるという話題でした。驚きの効果の高さに「これはすぐに記事にしなければ!」と、使命感にかられました(笑)。
初めて使う場合は、お試しで薄い目から始めてください。マロさんの動画も参考にしてくださいね。(動画タイトルを見て「怪しい」なんて思ってごめんなさい。反省しています)。
読者さまが「重曹オイルスプレー」を使ってみた感想や、注意点など、気づいたことがあれば共有したいので、ぜひコメントをお願いします。
*コメント欄もご覧くださいね^^
▼バラの病虫害対策と農薬の記事はこちらからご覧ください
あいびーさんこんばんは
うどん粉姫(ミミエデン)に困っていたのでさっそく使ってみました。
確かに消えますが2、3日したらまたでます。が、安心安全なので気にせずに使える所が良いです。
あいびーさんが言ってらっしゃった倍に薄めた溶液だったのですが、家のミミでは葉がブワッとした感じになってしまいました。
他のバラにも使ってみましたが、爽とか厚い葉のバラではそうはなっていません。
バラによると思われますので1枚2枚かけてみてから判断されるのが良いと思います。
jillさん、こんにちは。
「重曹オイルスプレー」使用感の情報共有ありがとうございます。
なんと! 2、3日したらまたウドンコ病が出てきましたか!
我が家のバラは、スプレーしてすぐに消滅して、それ以来、再発していません。
ミミエデン、よほどウドンコ病がひどかったのでしょうか。
きなりのすもも さんのレポートにもありましたが、厚い葉の場合は
悪影響なく、すっきりキレイになるようですね。
確かに品種によるところが大きいようですね。
jillさんのおっしゃるように、1枚2枚かけてみて、様子をみてから判断した方が良さそうですね。
情報共有のフィィードバックとても嬉しいです。
ありがとうございました^^
あいびー
おぉ!! なんとお手軽な物で出来てしまうんですね。オイルの為か白い粉のようなのも消えるとは。あの白いのは病気が治っても。そのままです。。。ってどこかで見たもので。進行が収まれば。うどんこ病は終了とか書かれていたような。。。 たしかに薬剤は気をつけないといけませんね。 早朝か夕方の涼しくなってから。葉が薬剤で日焼けをおこしてダメになるそうです。
ORCAさん、こんにちは。
重曹オイルスプレーはすごくよく効きます。でも、やっぱり若葉には強く当たってしまうので、濃度を薄くして「バラ濃度薄いめ」で使った方がいいと思います。その場合は、白い跡が残りがちです。今日更新したわたしのブログ記事をご覧ください。うちのアンジェラがすごいことになってるんですよ><。 でもまぁ、しっかりした大人の葉になったら「バラ濃度濃いめ」ですっきりキレイに白いものを全部取ってしまおうと思っています^^ 濃度に気をつけながら使ってみてください^^
あいびー
はじめまして、こんばんは*゚
今年は新芽の出る時期に雨が続いたせいなのか、うどんこ病に悩まされています。。バラももちろん、ビオラやパンジーまでうどんこ病になっています…。
うどんこ病対策を色々調べてるうちにコチラに辿り着きました。早速重曹オイルを作って、明日試してみます!ありがとうございますm(*_ _)m
はなこさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
今年はウドンコ病ひどいですねー!
ビオラやパンジーまでとは。
それはお困りでしょうね。
「重曹オイルスプレー」は、バラについては少し検証していますが、
ビオラやパンジーには使ったことがないので、大丈夫かなぁ。
少し心配ですが。
うまく効果がでますように!
あいびー
一昨日。初めて作りました(笑 今年は昨年にあった強健種ではなく青系のバラたち。。。 さらにヒョロ苗さんのミニバラたち。。。 とんでもないうどんこ病に黒星病。。。 頭がクラクラしたわ。あとハダニ。。。 鉢もたくさんあるので1Lのスプレーが1回で無くなるんですよね~ で。一昨日。作りました。ってか男の一人暮らしで、病気もあり自炊もしていないので。。。 オリーブオイルの小さなボトルと掃除用の重曹。それとダインはあった(笑 生花店経験もあるので。あ。これ無理。と思ったら気軽に処分出来ますので。グランブルーとヒョロ苗さんの一部は処分しました。 てか。害虫駆除の薬も散布してるのに。。。 周りは森なので仕方ないけどね。。。 何のイモムシか知らないけど。。。 何種類かいます。。。 ニョロニョロ系は苦手なのでピンセットでつまんで水耕へ流してますけど。 一昨日の夜に散布したのに雨。。。 ま、この金額で出来るなら素敵ですよね! 雨は明日も予報なので。雨上がりに再度。散布しようと思ってます。
ORCAさん、こんにちは。
青バラ、茶バラ、ミニバラと・・・。
ORCA家のバラたちはどれも耐病性の低い育てにくいものが増えましたね。
バラの鉢も多いので、本来なら薄めて散布するタイプの農薬を
使いたいところですよね。
毎度、ハンドスプレー農薬使っていたらお財布が大変!
我が家はマンションなので農薬が使いにくい環境だし、
ベニカXガードとニームオイルをベースに使っています。
どうしても駆除できない虫や、大発生した虫にはほかのものも使いますが。
ニームオイルについては、そのうち記事にしますね。
重曹オイルスプレーは、ウドンコ病の治療薬として効果が高いんですが
おそらく黒星病にも効くと思います。
我が家は黒星病が発生しない環境なので、確認できてないんですけどね。
もちろんコスパも抜群です^^
ただし、これは「治療薬」であって、「予防薬」ではないんですね。
だから、予防目的でほかの殺菌剤の散布は必要だと思います。
まぁ・・・いくら予防薬まいても我が家でウドンコ病を予防できた
ためしはナイんですけどね(==
どんな農薬も、効く害虫と効かない害虫があって。
ORCAさんのバラについている害虫がナニか分からないと
対策もたてにくいと思います。
まず敵を知ることから始めてくださいな。
あいびー
はじめまして、私はクレマチス(ろうぐち)でしつこいうどん粉病に手を焼いていまして、葉を全部とってみたり、効くと言われる薬剤散布しましたが直ぐうどん粉が出て困っていました。毎日 雑巾で拭いたりもしましたがこの記事を見て重曹オイルスプレーをしてみましたら実に効果テキメンでした。まだ2日めですがしっかり様子を観察してみます。良い記事ありがとうございました。
なつの海さん、コメントをありがとうございます。
クレマチスにウドンコ病ですか!
我が家にはヴィチセラ系クレマチスがありますが、ウドンコ病になったことがないので
クレマチスもウドンコ病になると知りませんでした!
重曹オイルスプレーでキレイになったとのことで、お役に立てて良かったです^^
薄い葉や花にかけるときには、念のため濃度を薄くつくってくださいね^^
ホント、市販の薬剤散布より効果テキメンなんですよね~!
あいびー