秋にもよく咲くつるバラを実際に探してみよう!──ついに3年目に突入のこの企画、今回もいろいろ見つけましたよ!


秋にもたくさん咲くつるバラが欲しいっ!

▲素晴らしい花つきの「ブラン ピエール ドゥ ロンサール」の春花

った1株に、数十~100輪以上も花を咲かせるつるバラ! 春のつるバラの爆発的な咲き方は、見事なものがありますよね! でも、残念ながらつるバラは春しか咲かない一季咲き品種がほとんどです。でも、できれば秋にもたくさん咲くつるバラが欲しいですよね!

 

品種紹介のカタログには「返り咲き」「くり返し咲き」ときに「四季咲き」と書かれているつるバラもあります。でも・・・どのていど秋に咲くかは、品種紹介では分かりません。秋花の様子を紹介する写真がありませんから。それなら! と、実際に秋のバラ園を訪れて、ほんとうに秋に良く咲いているつるバラを見つけよう! というのがこの企画です。

 

ついに3年目の今回は、あちこち取材に飛び回ってくれている「応援レポーター・天女の舞子さん」に担当してもらいました。

 

「滝の入ローズガーデン」の秋のバラ

天女の舞子天女の舞子

応援レポーターの天女の舞子です。今回は、秋によく咲いているつるバラを探そうということで、春に訪れた「滝の入ローズガーデン」と「伊奈町制施行記念公園」をもう一度訪れました。まず「滝の入ローズガーデン」から、秋のバラ園の様子とともに紹介します。

▲入り口の大アーチは緑一色 写真提供/天女の舞子

い天気に恵まれた秋の一日、「滝の入ローズガーデン」を訪れました。前回、春に訪れたとき、緑の山に抱かれるようにある花いっぱいのローズガーデンはそれは美しかったのですが──。赤と白のつるバラで覆われていた入り口の大アーチは緑一色。花は1輪も咲いていません。

 

▲木立ちバラエリアは華やか 写真提供/天女の舞子

 

園内はアーチやトンネルなど、つるバラを効果的に配しているので、春に比べてしまえばかなり寂しい印象です。でも、木立ちバラをメインにしているコーナーでは、色鮮やかなバラがたくさん咲いていました。

 

▲赤く色づいたバラの実 写真提供/天女の舞子

 

赤い実をつけている株も、いくつもありました。バラの実が観られるのは、秋ならではですよね!

 

▼「滝の入ローズガーデン」の春の様子と見比べてみて!

 

レッド・キャスケード

▲とくに花付きが良くて目立っていた「レッド・キャスケード」 写真提供/天女の舞子

の「滝の入ローズガーデン」で、とくによく咲いていたつるバラは「レッド・キャスケード」です。赤い小輪のつるバラなのですが、背景の緑に映えて、とてもきれいでした。

 

▲小輪ながら整った花形の「レッド・キャスケード」 写真提供/天女の舞子

 

レッド・キャスケード」は、咲き進んでも花形が乱れないらしく、色も形もきれいです。花径は2.5cmと小ぶり。少し調べてみると、系統としては、ミニチュア・クライミングだそうです。「枝垂れさせてもよく咲く」と書かれてありました。たしかに写真でも完全に下向きになっている枝先に咲いていますね。とても使い勝手の良いつるバラのようです。

 

ロサ・オドラータ

▲アーチ仕立ての「ロサ・オドラータ」 写真提供/天女の舞子

サ・オドラータもたくさん咲いていました。このバラ、写真だとどう見てもつるバラですが、調べてみると、じつは木立ち樹形のバラだそうです。よく伸びるのでつるバラのようにも使える品種とのこと。

 

▲アプリコットを含んだ淡いピンクの中輪花 写真提供/天女の舞子

 

ロサ・オドラータ」は、別名「ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センテッド・チャイナ」。原種に近い中国のバラで、病虫害にとても強く、良い香りもあります。春は早咲きで、晩秋までよく咲く、四季咲き品種のバラです。

 

ヘリテージ

▲「ヘリテージ」はイングリッシュローズ 写真提供/天女の舞子

リテージもかなり咲いていました。「ヘリテージ」は、正確には「イングリッシュ・ヘリテージ」という名称で、デビッド・オースチン作出のイングリッシュローズのようです。古い品種で、もうデビッド・オースチン社では廃版になっていますが、種苗法の育成者権はもう切れているので、デビッド・オースチン社以外から購入することはできるそうです。大型になるので、つるバラとして使える品種です。

 

フェリシア

▲柔らかいピンクの花「フェリシア」 写真提供/天女の舞子

ーチと低い位置に誘引してある「フェリシア」も、花数は多くないけれどパラパラと咲いていました。調べてみると、とくに返り咲きの多い品種で、晩秋~初冬まで咲くと書いてあります。優しいかんじの花ですね。

 

ダブリンベイ

▲存在感ある真っ赤なバラ「ダブリンベイ」 写真提供/天女の舞子

ブリンベイは、真っ赤な大輪花が美しいつるバラです。3mくらいまで伸びるそうですが、直立性で、ポールなどに誘引するのに向く品種とのこと。花首が長いので、アーチには向かないそうです。だから「滝の入ローズガーデン」では、こういう仕立て方をしているんですね。

 

プロスペリティ

▲くり返し咲き性質の「プロスペリティ」 写真提供/天女の舞子

ロスペリティは、くり返し咲きする白つるバラとして有名なバラだそうです。寒さや日陰にも強く、丈夫で育てやすいバラとのこと。秋にも、これくらいまとまって咲いていました。

 

あいびーあいびー

「プロスペリティ」は、わたしも以前の記事で紹介しています!

 

「伊奈町制施行記念公園」の秋のバラ

天女の舞子天女の舞子

続いて「伊奈町制施行記念公園」で見つけた秋によく咲いていたつるバラを、秋のバラ園の様子とともに紹介します。

▲場所によっては、春バラと同じくらい華やか! 写真提供/天女の舞子

玉県内最大のバラ園「伊奈町制施行記念公園」のバラ園は、木立ち樹形のバラが多く植えられているので、場所によっては春と同じくらいたくさん咲いているところもあり、とても見ごたえがありました。

 

▲秋の「クイーンエリザベス」 写真提供/天女の舞子

 

秋ならではのポイントとして、春と秋の違いが観られてとても勉強になりました。たとえば、背が高くなりがちだと言われる「クイーンエリザベス」が、本当に見上げるほど高いところに咲いていて、なるほど~と納得です。

 

▲秋の黒バラはさすがに色がきれい! 写真提供/天女の舞子

 

秋にとくに美しくなるといわれる「黒バラ」は、やはりとてもきれいでした。上の写真は「黒真珠」です。遠くから観ると、バラとは思えないほど黒く観えました。

 

▼「伊奈町制施行記念公園」の春の様子と見比べてみて!

 

つるノックアウト

▲秋にまとまって咲く「つるノックアウト」 写真提供/天女の舞子

こからは、秋に咲いていたつるバラを紹介します。「伊奈町制施行記念公園」は日当たりが抜群で管理も良いせいか、秋にも咲いているつるバラは、いくつもありました。どんな感じの咲き方なのか、順番に紹介します。

 

つるノックアウト」は、病気に強く、あまり手がかからずよく咲くバラとして有名なフロリバンダ系統のバラ「ノックアウト」が枝替わりでつるバラになった品種です。カタログでは「秋にもまとまって返り咲きする」と説明されているのですが、なるほどこんな感じで咲くのですね。

 

ラヴィーニア

▲ピンクの四季咲きつるバラ「ラヴィーニア」写真提供/天女の舞子

ーラルピンクの大輪花を房咲きする「ラヴィーニア」です。春以降もよく返り咲く四季咲きつるバラとカタログでは紹介されていますが、木の感じをみるとシュラブ樹形のように観えます。花首が長く、アーチよりもスクリーンの方が映える品種です。

 

バレリーナ

▲右側のピンクの小花が「バレリーナ」 写真提供/天女の舞子

径2.5cmの花を房咲きさせる「バレリーナ」は、春の花つきがとても良い品種です。カタログには「秋にも少し返り咲きします」とあります。秋のバラ園では、たしかに「少し」咲いていました。

 

▲花径2.5cmの愛らしい花 写真提供/天女の舞子

 

バレリーナ」は、花がらを摘まずに置いておけば、秋に実を楽しむことができます。

 

ウルメールムンスター

▲濃い赤花が秋の空に映える「ウルメールムンスター」 写真提供/天女の舞子

や黒みを帯びた濃い赤が美しい「ウルメールムンスター」は、くり返し咲きのつるバラです。秋は、こういうはっきりした色がきれいに観えますね。

 

つるサラバンド

▲一季咲きの「つるサラバンド」 写真提供/天女の舞子

赤の二重咲きのバラ「サラバンド」がつる性になった「つるサラバンド」です。春にはそれはたくさん咲いて賑やかなバラですが、じつはカタログでは一季咲きとされています。このバラ園の日差しと手入れのおかげか、秋にも少し咲いていました。

 

サハラ’98

▲返り咲きする「サハラ’98」 写真提供/天女の舞子

っきりした黄色からオレンジ色に色を変える「サハラ’98」は、よく返り咲きするつるバラです。秋の咲き方はこんな感じです。黄色も秋空に映えますね。

 

イナ姫

▲「伊奈町制施行記念公園」オリジナルのつるバラ「イナ姫」 写真提供/天女の舞子

奈町制施行記念公園オリジナルのつるバラ「イナ姫」も少し咲いていました。柔らかいピンク色でかわいらしい花です。

 

「バラの家」実店舗で見つけた、秋によく咲いているつるバラ

天女の舞子天女の舞子

最後に、「バラの家実店舗」を訪れたときに見つけた、秋に咲いていたつるバラをひとつだけ紹介します!

オデュッセイア

▲オデュッセイアの秋花 写真提供/天女の舞子

がかった深い赤が魅力の「オデュッセイア」の秋花が咲いていました。カタログでは樹高1.6mと表示されていますが、バラの家実店舗の「オデュッセイア」はとても背が高いです。

 

▲高いところでも咲いていた「オデュッセイア」 写真提供/天女の舞子

 

建物の屋根近くまで伸びて、その先でもいくつか咲いていました。枝を伸ばせば、こんなに長くなるんですね! 「オデュッセイア」は、カタログでは「四季咲き」のつるバラです。秋花は、株元と枝先を中心に、こんな感じで咲いていました。

 

まとめ

秋に咲くつるバラの様子を、天女の舞子さんにレポートしてもらいました。品種紹介では「秋にも咲く」「くり返し咲き」「四季咲き」と書かれていても、秋花の様子を紹介する写真が掲載されていないので、どのていど咲くのか分からないのがつるバラです。

 

それを実際に写真に収められて、とても有意義なレポートになったと思います。どうぞ、これからお迎えするバラ選びの参考になさってください!

 

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