上皇后・美智子さまから皇后・雅子さまへ。バラに託したステキなおもてなしのしかたが受け継がれています。今回は、だれもを笑顔にしてしまう、皇室流の心遣いを2つ紹介します。


日本のおもてなし。誰にも平等に、最高のものを!

春オンライン2019年8月17日に、ちょっとステキな記事があったので、要約してご紹介します。

 

世界各国の賓客を招いての宮中晩さん会。とても華やかですよね! 2019年5月には、即位したばかりの新天皇、皇后に招かれた最初の国賓として来日したトランプ米大統領を迎えての宮中晩さん会がありました。宮中晩さん会のメニューはフランス料理と決まっています。その内容は、

 

1、スープ/コンソメスープ

2、魚料理/ムニエルが多い

3、肉料理/仔羊または牛肉を焼いたもの

4、サラダ

5、富士山型アイスクリーム

6、果物

乾杯用シャンパン

フランス・ブルゴーニュ産の最高級白ワイン

フランス・ボルドー産の最高級赤ワイン

 

というもの。

 

これは、賓客がどこの国の方でもまったく変わらないそうです。トランプ大統領がビーフステーキが大好物ということで肉料理が牛肉になったり、マクロン大統領のときには仔羊になったり、もしくは魚の種類が変わったりすることはあるそうですが、基本的にほとんどいつも同じ。

 

しかもこのメニュー、国賓でない方が賓客でも同じなのだそうです。詳しくは知りませんが、晩さん会に招かれる賓客には、国賓以外にも、公賓、公式実務訪問賓客という訪問形式があるそうで、トランプ米大統領は国賓でしたが、マクロン仏大統領は公式実務訪問賓客という形だったそうです。

 

でも、メニュー内容はどんな場合も同じです。ワインも必ず最高級ワインが用意されます

 

これって、日本以外ではありえないことなのだとか。国と国との関係性や訪問形式により変えるのが当たり前で、相手に合わせてワインのランクや料理の内容が変わるそうなのです。日本の皇室は政治に関与しないという立場から、こういう平等なおもてなしになっているのでしょうが、世界的にみるとこんなことをしている国は日本だけで、とても稀有なことなのだそうです。

 

でもわたしからすると、相手に合わせてランクを変える方が難しいと思うのですが──。ランクを下げられていると感じれば、やはりいい気持ちはしないだろうし、それが外交に反映されれば悪い方に作用することもあり得ます。いつでも最高級を用意するのは少しお金がかかりますが、晩さん会を気持ちよく過ごしていただくには最適な方法だと思います!

 

どの国も同じように最高の内容で遇するというのは、昭和天皇の時代から受け継がれているスタイルです。とても平和で、日本らしい素晴らしいおもてなしだと思います^^

 

国賓の滞在先に、手紙に「プリンセス・ミチコ」の花束を添えて

▲皇太子妃時代の美智子さまに捧げられたバラ「プリンセス・ミチコ」

うひとつ、皇太子妃時代の美智子さまが始められた素敵なおもてなしがあるそうです。

 

海外の国賓が来日した折には必ず、滞在先に自筆の手紙に「プリンセス・ミチコ」の花束を添えて贈られたそうなのです。手紙には、この滞在が楽しいものになりますように、といった内容がしたためられました。このおもてなしは、皇后になられてからも変わらず続けられていたそうです。

 

美智子さまには、皇太子妃時代にイギリスのディクソン社から捧げられたバラ「プリンセス・ミチコ」の他に、皇后になられてから同じくディクソン社から捧げられたバラ「エンプレス・ミチコ」があります。プリンセス・ミチコが鮮やかなオレンジ色の一重咲きなのに対して、「エンプレス・ミチコ」は白っぽいアプリコット色の八重咲きです。

 

美智子さまは「プリンセス・ミチコ」がお気に入りのようで、このバラにまつわるエピソードがいろいろあります。

 

▲雅子さまのお印「ハマナシ」

 

今では雅子さまが同じように海外の国賓の宿泊先に手紙と花束を贈っているのだそうです。心のこもったおもてなしが、美智子さまから雅子さまへと、しっかり受け継がれたのですね。

 

雅子さまのバラといえば、お印の「ハマナシ」がありますね。濃いローズカラーの一重咲きの原種バラです。もうひとつ、1994年(ご成婚の翌年)にイギリスのデビッド・オースチン氏から捧げられたバラ「マサコ」があります。

 

▲デビッド・オースチン氏から捧げられたバラ「マサコ」

 

「マサコ」は、柔らかな淡い桃色の美しいイングリッシュ・ローズですが、このバラは皇太子妃時代の雅子さまに捧げられたもの。すでに皇后となっている雅子さまが、今からおもてなしに使い始めるのはおかしいですよね。

 

かといって、「ハマナシ」は1季咲きのバラなので、いつでも入手できるように準備しておくのは厳しいです。──ということで、雅子さまは特定のバラではなくさまざまな花を組み合わせた「花束」を贈ってられるようです。皇后・雅子さまにふさわしい「エンプレス・マサコ」が作出される日も近そうですね^^ 

 

▲「アカペラ」(HT)

 

「エンプレス・マサコ」は、どんなバラがいいかな~と、ちょっと想像してみました。匂いたつ知性や華やかさをまとう雅子さまには、お印の「ハマナシ」のようなローズカラーの八重咲きバラがステキかなと個人的には思います。

 

手持ちの品種写真から「アカペラ」のようなバラはどうかな~と、選んでみました。ローズを含んだ赤色で、花びらの裏が白。花色の雰囲気に加えて花びらの裏が白いところが誠実な雅子さまのお人柄からいっても、ぴったりじゃないかと感じました。巻き上がった花形もきれいです。みなさんはどんなバラが雅子さまにふさわしいと思いますか?

 

まとめ

ということで。皇室流のおもてなしを2つ紹介しました。どちらも、相手の心をほぐす素敵な心遣いですね。

 

2019年は新天皇が即位された節目の年です。皇室行事が重なることから、マスコミ報道で皇室の話題に触れる機会が多いですね。バラでも皇室ゆかりの品種、海外の王室ゆかりの品種が注目されています。まとめて見られるページを作りたいと──ずっと思っているのですがなかなか・・・。(^^; のんびりお待ちくださいませ!

 

▼文春オンラインの元記事はこちらからご覧ください。

 

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