購入してすぐの新苗は、蕾を摘んで株を育てます。同じように、大苗でも蕾を摘んだ方が良い結果に! その理由と方法を紹介します。


新苗の最初の春・夏の花はピンチする!

▲新苗は、ヒョロリとした株に1輪の蕾

に販売される日本独自の苗「新苗」は、接ぎ木してから短時間に出荷される小さな苗です。メーカーで長い時間管理する手間がかからず、しかも苗が小さいので輸送コストも抑えられることから安価に購入できるのが魅力です。

 

でも、本来ならまだまだ花を咲かせられるほど育っていない小さな木に蕾をつけている状態なので、最初の年の春~夏花は蕾を摘んでしまうようオススメされます。

 

▲新苗は、鉢増し後に蕾を摘み取る

 

上の写真のように、鉢増ししたら枝先の蕾をピンチしてしまいます。こうして花を咲かせるエネルギーを、少しでも木を育てる方に回すのです。

 

秋まで蕾をピンチし続ければ、もうかなり木が充実してきているので、ようやく秋花から花を咲かせることができます。

 

▼新苗の蕾について詳しくは、こちらをどうぞ!

大苗も、最初の年は春花をピンチする?

▲秋に畑から掘り上げた大苗 写真提供/天女の舞子

苗は、1年間メーカーの畑で育てられた、しっかり木が育った苗です。秋に畑から掘り上げて鉢に植えた状態で販売されます。木は育っているし根も充実しているので、大苗なら次の春に花を咲かせても大丈夫です。

 

でも、欲を言えば大苗でも最初の春の1番花の蕾をピンチで摘んでしまった方が木に優しい管理です。理由は、畑から鉢上げするため秋に根を切り詰めているから。そのダメージがまだ残っているので、1番花の蕾は摘んで、2番花から咲かせた方が木が充実して後々良い結果につながりやすいのです。

 

もう何年も育てている株でも、枝が細い、芽数が少ない、葉が小さいとか色が悪いなど、株の状態が悪いなら、思い切って春の1番花をあきらめてピンチしてしまい、2番花から咲かせるという選択もアリです。

 

▲蕾が小さいうちに、5枚葉の上で手で折る

 

ピンチの方法は、1番花の蕾がまだ小さいうちに、5枚葉の上でポキリと手で折り取ります。上の写真の赤いラインのところなら、指で簡単に折ることができます。

 

蕾を減らすだけでも効果アリ!

▲蕾の数を半分にするだけでも効果アリ

1番花の蕾が小さいうちにピンチすると、他より2週間ほど遅れて花が咲きます。この春先の2週間が株にとって重要な時期で、この後の生長に大きく差がつきます。

 

全部の蕾をピンチするのがもったいなく感じたら、半分に減らすだけでも効果アリです。4つの蕾が出てきたら、2つだけをピンチで取り除くのです。

 

こうすると通常通りに咲くのが2輪、2週間遅れで咲くのが2輪となります。一斉に咲くかんじにはならないけれど、少しずつ長く楽しめます。

 

蕾をすべて摘むのは四季咲き品種だけ!

▲一季咲きのオールドローズ「ジュノー」

だし、すべての蕾をピンチするのは四季咲き品種に限ります。

 

一季咲き品種の蕾をすべて摘んでしまっては、今年の花はもう咲きません。

 

近年多いシュラブ系統のバラも注意してください。四季咲き以外の表記がされている、「返り咲き」「繰り返し咲き」表記の品種の蕾をすべて摘んでしまうと、ほとんど咲かない可能性があります。

 

「一季咲き」「返り咲き」「繰り返し咲き」の品種は、蕾を減らすていどにとどめるといいですね^^ 株の状態に合わせて残す蕾の数を加減してください。

 

まとめ

ソメイヨシノが満開を過ぎるころ、バラに小さな蕾が見えてきます。あと1か月もすれば待望のバラシーズンの始まりです。蕾の膨らみと同時にロザリアンの期待も膨らむこの季節。この大事な蕾をピンチしてしまおうというお話でした。

 

春の1番花のピンチが必要なのは、購入したばかりの新苗、昨年の秋~冬に購入した大苗、調子を崩している株です。春花を咲かせるエネルギーを木を充実させる方に振り分け、良い状態を作ってから咲かせようという作戦です。

 

花を少し我慢してもいいから、丈夫な株をつくりたいという方は、ぜひ試してみてください!

 

 

▼季節ごとのバラの手入れ一覧は、こちらからどうぞ

 

 

cropped-rose1.png
スポンサーリンク