バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「結愛」(ゆあ)です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「結愛」(ゆあ)は、こんなバラ


結愛(ゆあ)(大苗)7号鉢植え  四季咲き中輪房咲き系(フロリバンダローズ)スプレー咲き バラ苗

らみのある半剣弁の花びらをぎゅっと集めた高芯咲きのバラです。ウエーブがかかったり先が尖ったりする近年流行の花形ではない、古くからのクラシカルなモダンローズの雰囲気があります。

 

写真だけ見ると大輪花のように見えて、じつは花径6cmの中輪咲き。それを枝いっぱいに房咲きさせるフロリバンダ系統のバラです。花つきよく、香りもよく、四季咲き性も良好。

 

樹高1.2mの木立ち樹形で、庭でも鉢でも育てられます。

 

病気耐性、耐寒性、耐陰性が低く、やや手がかかりますが、手をかけた分たくさんの花でしっかり応えてくれるバラです。

 

今回育てる「結愛」の環境DATA

関東の、明るい半日陰

一昨年の秋に購入し、育てている大苗。

今年の目標/樹高が高くなりすぎないように管理する。

育てる人/天女の舞子

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

2月9日の「結愛」/冬剪定・用土替え

▲剪定前の樹高は137cm 写真提供/天女の舞子

れは、一昨年の秋に出かけたイベントで迎えた「結愛」(ゆあ)です。「ラ・フランス」と「結愛」で悩んでいたら京成バラ園ヘッドガーデナーの村上敏さんから、「結愛」の方が花が長もちするとオススメしてもらいました。

 

剪定前は、株元から137cmの樹高があります。まず、これを剪定していきます。

 

▲剪定後の樹高は55cm 写真提供/天女の舞子

 

今年は120cmくらいに抑えたいので、気持ち強めに剪定しました。剪定後の樹高は55cmです。右側の低い方の枝にはあまり良い芽がなく、ちゃんと育つか少し心配です。

 

低い方の枝は鉛筆ていど、高い方の枝はさらに二回り太いサイズがあります。

 

▲結愛の根をチェック! 写真提供/天女の舞子

 

根鉢を崩して根をチェックしたところ、がん腫はなさそうなので、予定通り用土替えをしていきます。鉢も現在の8号から10号にサイズアップします。

 

▲株元に春の花を 写真提供/天女の舞子

 

用土はバラの家「プレミアム培養土」を使って植えこみました。京阪園芸の小山内健さんが、株を傾けて植えるとシュートが出やすいと話してられたので、わざと斜めにしています。

 

株元にはパンジー、ビオラ、ヒヤシンスを寄せ植えしました。

 

最後にリキダス(活力剤)の1000倍液と竹酢液を300倍に希釈した水をかけて用土替えは完了です。

 

3月9日の「結愛」/芽吹き

▲引っかけないよう、支柱に枝を固定 写真提供/天女の舞子

路の側に置いているので、服を引っかけてしまわないよう、支柱を立ててしっかり枝を固定しました。株元は斜めをキープしたまま、枝先は上向きにした感じです。

 

株元に植えた青いヒヤシンスが咲きました。

 

▲結愛の芽吹き 写真提供/天女の舞子

 

背の高い方の枝から芽吹いてきました。低い方の枝も、少ないながら芽吹いてきたのでホッとしています。

 

4月6日の「結愛」/日向に場所移動

▲長い方の主幹は、しっかりした枝葉が茂って 写真提供/天女の舞子

れまで半日陰に置いていたのですが、日向の整理が終わったので今日から日向で管理します。

 

この鉢は長短2本の主幹があるのですが、長い方の主幹の芽がかなり長く伸び、しっかりした葉が茂ってきました。

 

▲短い方の主幹は心配な状態に 写真提供/天女の舞子

 

あまり良い芽がなく心配していた短い方の主幹は、枝が1本枯れ、さらに移動の際に引っかけて芽を落としてしまいました。この先、ちゃんと芽吹いてくれるといいのですが。

 

近くに置いていた株にウドンコ病が出ているので、予防のため、全体にベニカXファインスプレーをかけました。

 

4月20日の「結愛」/発蕾

▲冬剪定から既に40cm伸びている 写真提供/天女の舞子

剪定で55cmに切り詰めた枝から伸びた枝が長くなり、現在の樹高は株元から95cmに達しています。

 

▲小さな蕾を発見! 写真提供/天女の舞子

 

小さな蕾を見つけました。

 

枝先の若葉がウドンコ病で白くなっています。アブラムシも1匹みかけたので、「ベニカXガード」を株元に5g(小さじ1杯)散布しました。

 

▲低い方の主幹が枯れてしまった 写真提供/天女の舞子

 

新芽を落としてしまい、心配していた低い方の主幹が枯れてしまいました。そのため1本立ちの株になってしまいましたが、大事に育てようと思います。

 

5月6日の「結愛」/蕾ふくらむ

▲もう少しで咲きそう 写真提供/天女の舞子

が膨らみ、そろそろ咲きそうです。上にあるものから落ちてきたのか、黒いフンがいくつかついていますが、蕾に影響はありません。

 

▲樹高はちょうど1mくらい 写真提供/天女の舞子

 

花枝が長く伸びているので、鉢土からちょうど1mくらいの高さになっています。

 

5月9日の「結愛」/じょじょに開花

▲結愛の春花が開花 写真提供/天女の舞子

愛の花がじょじょに開いてきました。花は小ぶりで、現在の花径が5cm。全開して6cmくらいになるでしょうか。花びらの裏が濃いピンクで、内側が薄いピンク色。少し蛍光色がかってみえます。剣弁高芯咲きの整った花形です。

 

本来はフロリバンダ系統なので房咲きになるはずですが、今回は1輪咲きになりました。甘い、フルーツのような香りがあります。

 

▲キングと結愛 写真提供/天女の舞子

 

花色の比較に、庭に咲いていた濃いピンクのバラ、キングと並べてみました。

 

5月11日の「結愛」/全開

▲結愛、まるく全開に 写真提供/天女の舞子

愛が全開になりました。花径は予想より大きく9cmあります。開くにつれ花びらの反り返りがゆるくなり、全開では半剣弁高芯咲きになりました。

 

ラ・フランスによく似た花形ですが、ラ・フランスより少し濃いめのピンクです。

 

5月17日の「結愛」/咲き終わり

▲咲き終わりまで蕊が見えない 写真提供/天女の舞子

5月17日、開花から9日目。「結愛」の花びらは白っぽく退色し、花びらの先が傷んで、全体に乱れた感じになりました。そろそろ咲き終わりです。花もちは9日ほどで、かなり長い方だと思います。

 

わたしは開ききって蕊が見えるバラがあまり好きではないのですが、「結愛」は咲き終わりでも蕊を見せずに花形をキープしてくれるのでいいですね。

 

花がら切りをしなくても、花の下から新しい花枝が伸びてきて蕾をつけました。(写真左側)

 

5月20日の「結愛」/花がら切り

▲雨で花びらが散ってきた 写真提供/天女の舞子

日来の雨で花びらが散り始めました。さすがに限界のようです。

 

▲2本の花枝それぞれに蕾が 写真提供/天女の舞子

 

花の下から2本の花枝が伸びていて、3つの蕾をつけています。開花は6月になりそうです。

 

上の方の花枝の付け根で、最初の花の花がらを切り取りました。

 

この時期の手入れ

ウドンコ病が出ているのでカリグリーンを使いましたが、また少し出てきています。

 

バラゾウムシがいたので、テデトールで取り除きました。後日、ほかのバラと合わせてベニカXネクストスプレーを散布しました。

 

6月5日の「結愛」

▲嵐で花枝が曲がってしまった 写真提供/天女の舞子

日の嵐で、もうすぐ咲きそうな蕾のついた花枝が曲がってしまいました。緊急措置でテープを巻いて補強していますが、今のところ大丈夫そうです。

 

▲サイドシュートが発生 写真提供/天女の舞子

 

株元から少し上がったあたりからサイドシュートが伸びてきました。上の写真の左側に写っている、赤い葉のついた枝がサイドシュートです。

 

この時期の手入れ

株元に植えていたパンジーの花が終わったので、抜き取り処分しました。

 

6月8日の「結愛」/切り戻し・お礼肥え

▲花が咲くと同時に下の方から新芽が発生 写真提供/天女の舞子

日の嵐で折れ曲がった枝の蕾が開花しました。が、貧弱なとても小さな花なので切り戻しすることにしました。折れ曲がったところの下の方から、さっそく新芽が伸びているので、そこまで切り戻します。

 

最初に咲いた花を切り戻した後の2番花の蕾が上がってきました。サイドシュートの先にも蕾がついています。

 

この時期の手入れ

次から次へと蕾が上がるのでお礼肥えするタイミングに悩みますが、この株は元肥も芽出し肥も与えていないので、ここでお礼肥えすることにしました。

 

「バイオゴールドセレクション薔薇」を、10号鉢の規定量30~50粒のところ15粒を与えました。1本立ちの株なので、控えめにしています。

 

蕾がある状態でお礼肥えすると蕾が枯れることがあるそうなので、今後の様子を観察したいと思います。

 

>>次のページでは「後続の蕾上がる」から紹介しています。