バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「鏡花」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「鏡花」は、こんなバラ


鏡花(きょうか)(大苗)7号鉢植え 四季咲き大輪系 F&Gローズ ネオ・モダンシリーズ バラ苗

花は、淡いピンク色のディープカップ咲き。1輪に80枚以上の花びらがぎゅっと詰まったクラシックな花形が魅力的なバラです。花径は約10cm。フルーツにミルラの乗った強香も楽しめます。

 

樹高1.2m。四季咲き。半直立性の木立ち樹形。

 

「鏡花」はF&Gローズブランドのバラ。花枝が長く豪華な花を咲かせる切花向きの花で、しかもガーデンでも育てやすい品種です。

 

品種名は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家・泉鏡花から名づけられました。泉鏡花は怪奇趣味と特有のロマンティシズムが特徴的な作家で、バラの「鏡花」は、泉鏡花が小説に描く女性をイメージしています。

 

「バラの家」のデータによると、四季咲き性と耐暑性は★4、樹勢★3、ウドンコ病耐性★3、黒星病耐性★2、耐陰性と耐寒性が★2。黒星病耐性が低いので軒下など雨の当たらない環境で育てた方が良さそうです。

 

今回育てる「鏡花」の環境DATA

関東の、陽当たりの良い庭

昨年の冬に購入し、一年間鉢で育てた大苗。

今年の目標/昨年の夏に水切れで太い枝を1本枯らしてしまったので、今年は元気に夏越しさせたい。

育てる人/天女の舞子

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

2月1日の「鏡花」/冬剪定・植え替え

▲大苗から1年間育てた「鏡花」 写真提供/天女の舞子

の「鏡花」は、昨年の大苗の福袋で我が家に迎えてちょうど1年たった株です。今回は、大苗から2年目の「鏡花」をレポートします。

 

まず冬剪定と植え替えを行います。剪定前の樹高は80cmです。

 

▲剪定後は半分の樹高40cmに 写真提供/天女の舞子

 

葉を取り除いた後、芽を確認しながら剪定していきます。

 

下の方にあまり良い芽がなく、悩みながら半分の40cmに切りました。左の枝は良い芽がなかったので、細い枝を残しています。右の枝は交差していますが、とりあえずこのままで。

 

▲8号鉢から10号鉢へ 写真提供/天女の舞子

 

8号のスリット鉢から10号鉢(ロゼアポット)に植え替えます。「鏡花」の鉢の中央に、枝の太さの比較になるよう割り箸と鉛筆を並べて立てています。

 

▲がん腫なし! 写真提供/天女の舞子

 

「鏡花」を鉢から出して、根のチェック。一部、塊のようなものがあってがん腫かとあせったのですが、硬くて崩れないのでカルスと判断しました。とりあえず一安心です。

 

▲株元にパンジーとヒヤシンスを 写真提供/天女の舞子

 

もともと入っていた鉢底石をきれいに洗って消毒してから新しい鉢の底に敷き、バラの家の「プレミアム培養土」で植えこみました。元肥はナシです。最後に、株元にパンジー「ドラキュラ」とヒヤシンスを寄せ植えしました。

 

「鏡花」の枝は、横に寝かせ気味にしています。京阪園芸の小山内健さんによると、こうするとシュートが出やすくなるそうです。植え替え後は、リキダス(活力剤)の1000倍液と、竹酢液の300倍液を与えました。

 

こってりした色あいの八重咲きパンジー「ドラキュラ」は、近所の花屋さんが頑張って仕入れてくれたもの。とても個性的なパンジーです。1年草を株元に寄せ植えしておけば、バラの花がない時期も鉢が賑やかでいいですね。

 

3月9日の「鏡花」/芽吹き

▲引っかけないよう、枝を支柱に固定 写真提供/天女の舞子

ンクのヒヤシンスが咲いたので、そちらに目が行ってしまいますが、鏡花が芽吹いてきました。通路の側に置いているので、服にひっかけないよう支柱に枝を固定しています。

 

▲細い芽が立ってきた 写真提供/天女の舞子

 

鏡花の新芽は淡い色の細長い芽です。現在、半日陰に置いているので、その影響もあるかもしれません。

 

4月6日の「鏡花」/日向に場所移動

▲すべての枝から若葉が展開 写真提供/天女の舞子

3本の枝すべてから若葉が展開してきました。

 

これまで半日陰に置いていたのですが、今日から日向に場所移動しました。早いバラは蕾を上げている品種もあるようなので、この株も追いついてほしいと思います。

 

▲葉にウドンコ病の症状が 写真提供/天女の舞子

 

一部の葉に初期のウドンコ病が出ています。全体に「ベニカXファインスプレー」をかけました。

 

4月20日の「鏡花」

▲横張りぎみな樹形に 写真提供/天女の舞子

だ蕾はありませんが、若葉が大きく広がっています。

 

写真左下の枝が、先日来の強風で折れかけたようです。今のところ不安定ながら枯れる様子がないので、このまま見守ります。ウドンコ病はおさまったようです。

 

▲枝が交差したまま生長 写真提供/天女の舞子

 

冬剪定で内芽しかなく交差して伸びている枝も、今のところ問題なく生長しています。どちらか切った方がいいのか、片方がダメになったときのスペアに両方残しておいた方がいいのか悩みます。

 

▲これは芽かきが必要かな? 写真提供/天女の舞子

 

同じ場所からいくつも芽が伸びているところもあります。芽かきが必要かな? とも思いますが、いろいろ自信がなくて取れません。

 

あいびーあいびー

このまま育てると、どちらも細い貧弱な枝になってしまいます。たぶん花も咲かせられません。外向きの、方向がいい芽をひとつ残して、他は落とした方がいいと思いますよ。

5月9日の「鏡花」/発蕾

▲横張り樹形で、現在の樹高は50cm 写真提供/天女の舞子

風で取れかけた枝は、次の嵐で吹き飛ばされてしまいました。枝が変色していたので、もたなかったようです。横張りの樹形で、現在の樹高はだいたい50cmです。

 

一旦治まったように見えたウドンコ病がまた広がってきました。そろそろ治療薬を使います。

 

▲小さな蕾が2つ 写真提供/天女の舞子

 

小さい蕾を2つ見つけました。枝が横に張り出ているので、また強風が吹けば枝が折れかねません。支柱を追加した方がいいかなと思っています。

 

5月20日の「鏡花」/蕾ふくらむ

▲花枝の先に蕾が6輪 写真提供/天女の舞子

3本すべての枝から蕾が上がってきました。全部で6個の蕾が見えますが、ここのところ旺盛に蕾を上げているので、まだ増えるかもしれません。

 

ウドンコ病が発生していたのでカリグリーンで治療しましたが、まだ白いところが少し残っています。

 

今年はテントウムシの幼虫をよく見かけるせいか、アブラムシ被害はほとんどありません。気温が低いためか、ハバチも以前ほど飛んでいません。

 

▲ガクから覗く花びらはオレンジがかった色 写真提供/天女の舞子

 

蕾がまるく膨らみ、ガク割れしてきています。開花は来月になりそうです。この品種はピンク色の花ですが、ガクの間から見える花びらはオレンジがかっています。

 

5月25日の「鏡花」/開花

▲杏ピンクにかわいらしく開花 写真提供/天女の舞子

花が開花しました。6月の開花と思っていましたが、気温が高いせいかあっさり咲きました。鏡花は淡いピンク色の花のはずですが、今年の春は杏ピンクです。

 

花形は、中央の花びらが不規則に乱れた可愛らしいカップ咲き。先日来の雨で外弁の先が少し傷んでいますが、形よく咲きました。花径は7cm。気温が高いので小さいめです。

 

▲つぎつぎ開花 写真提供/天女の舞子

 

つぎつぎ蕾が開花しています。ほかのバラに虫害が出てきているので、株全体にベニカXネクストスプレーを散布しました。

 

5月29日の「鏡花」/順に切り戻し

▲鏡花がつぎつぎ開花 写真提供/天女の舞子

花の蕾がつぎつぎ開花してきています。今年の春は7輪咲くようです。

 

最初の花は、ちょっと触ったら一気に散ってしまいました。花もちは5日ていど。花びらの付け根が弱く、まとまって落ちるタイプのようです。

 

▲咲き始めは杏ピンク 写真提供/天女の舞子

 

これは2日前の開き始めたばかりの鏡花。やはり杏ピンク色です。

 

▲2日後には淡いピンク色に 写真提供/天女の舞子

 

咲き進んで2日後には、オレンジ色が退色して淡いピンク色になりました。ラベルの花色はこちらに近いですね。咲き進んでも花の芯が見えず、きれいな花形を保っています。

 

▲花枝が細いので花の重みでうつむいて咲く 写真提供/天女の舞子

 

蕾は上向きですが、花枝が細くて長いので、開花するにつれうつむき加減になります。

 

咲き終わった花は、15cm切り戻しました。

 

この時期の手入れ

▲株元のパンジーを処分 写真提供/天女の舞子

 

前回の撮影の後、株元に植えてあったパンジーを抜き、減ってしまった土は大野耕生さん監修の「薔薇の土」(カインズホームオリジナル)を追加しました。ヒヤシンスの球根は根が深く入り込んでいるようで、抜けませんでした。

 

>>次のページでは「切り戻し・お礼肥え」から紹介しています。