バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「アレゴリー」の【新苗編】です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「アレゴリー」は、こんなバラ

▲クリムゾンレッドの濃厚な花色 出展/デルバール

い赤紫色が印象的な「アレゴリー」は、フランスのデルバール社2015年発表のバラです。

 

減農薬への取り組みが進むヨーロッパにおいて、とくにデルバール社は減農薬栽培が可能な耐病性の高い育てやすい品種の育種に強いこだわりがあります。このため、デルバール社のバラは耐病性が高く、樹勢が強い(言い方を変えるとゴツイ)育てやすいものが多いのが特徴です。

 

「アレゴリー」は、そんなデルバール社のバラの中ではコンパクトサイズで、鉢栽培もしやすい樹高80cmていどの小型シュラブ。花は咲き進むとポンポン咲きになる、花びらの枚数の多いロゼット咲き。シックな深い赤紫色の花と、それを引き立てる明るい緑の葉色のコントラストも美しい。

 

四季咲き性が強く、春から秋までよく返り咲きます。とくに秋の花が美しい。濃厚なダマスクの強香も楽しめます。花径8cmの中大輪・房咲き。

 

「バラの家」のスコアは「樹勢/普通」「ウドンコ病耐性/普通」「黒星病耐性/普通」「耐陰性/弱い」「耐寒性/弱い」「耐暑性/強い」です。デルバール社のバラにしては耐病性がそう高くありませんが、病気のコントロールができれば、問題なく育てられます。

 

今回育てる「アレゴリー」の環境DATA

関東の東向きベランダ(日照3時間ていど)

今年の5月に購入した新苗

今年の目標/ごく一般的な新苗の育て方紹介を目指す

育てる人/あいびー

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

5月25日の「アレゴリー」/新苗の鉢増し

▲鉢増し1. 仮植えポットの新苗と鉢増しする6号鉢

そだレポに新苗編があった方がいいのではないか?」と応援レポーターのアスタルティさんから提案いただき、今回は、ごく一般的な育て方の目安になるようなそだレポを目指します。

 

「アレゴリー」を選んだのは、最近濃い花色が好きなのと、オールドローズの「シャルルドミル」を思わせる花形が魅力的なのともうひとつ、耐病性にこだわった健康優良児なバラ苗の育種に定評のあるデルバールの品種を育ててみたかったから。

 

でも「アレゴリー」はデルバールの中では耐病性が突出して高いわけでもなく、大きくなりがちなデルバールの品種のなかではコンパクトサイズという・・・結果的にデルバールらしさがあまりないバラになってしまいましたが。

 

秋花がとくに美しいらしいので、それを楽しみに育てていこうと思います。

 

「バラの家」から新苗が届いたのでまず鉢増しから。仮植えの3号ちょっと(一辺が10cm四方)の角鉢から、6号のプラスチック鉢に鉢増しします。

 

▲鉢増し2. 主幹3本のガッシリした新苗

 

日本で販売されているデルバール社のバラ苗は、すべて河本バラ園で生産されています。届いた新苗は、ていねいに接ぎ木テープを巻いた、太い主幹の脇に2本の細い主幹が出ている、新苗としてはかなりガッシリした苗でした。

 

接ぎ木部分が外れるのを防ぐため、この接ぎ木テープは、冬の植え替えまで外さずに育てます。

 

▲鉢増し3. 鉢底ネット+鉢底石+培養土少々

 

まず6号鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、鉢底石を1層入れ、さらに培養土を少しかぶせます。

 

今回使うのは「バラの土」(プロトリーフ)です。バラ専用の培養土の多くは元肥なしのことが多いのですが、この培養土は元肥入りでした。元肥入りか元肥なしかは、以降の肥料計画のためにとても重要な情報なので、必ずチェックしましょう。

 

▲鉢増し4. 仮植えポットから苗を抜くための方法

 

「アレゴリー」の新苗は、既にかなり根が張っているらしく、なかなか抜けませんでした。こんなときに使いたいのが金属製のシャベル(移植ゴテ)です。鉢と土の間に差し込み、バラの根鉢が抜けやすくします。

 

▲鉢増し5. 仮植えポットから苗を抜くための方法その2

 

それでもまだ抜けなかったので、鉢の横腹を握り拳で叩いたり、もんだりしました。

 

▲鉢増し6. 仮植えポットから苗を抜くための方法その3

 

最後にバラ苗の株元を人差し指と中指で挟み、鉢ごとひっくり返して仮植え用の角鉢を抜きます。

 

よほどシッカリ根が張っていたようで、それでもかなり苦労しました。ただひっくり返すだけで簡単に抜ける新苗もあるんですけどね。

 

▲鉢増し7. 仮植えポットから抜いた新苗

 

ようやく抜けました。新苗なのに、ちゃんと根鉢ができています。これだけ根の生育がよければ、この先の株の生長にも期待がもてます。

 

バラの生長期(3月~11月)の植え替えは「鉢増し」といって、この根鉢を崩さずそーっと植え替えます。

 

▲鉢増し8. 6号鉢に苗を入れ、培養土をプラス

 

あらかじめ、鉢底ネット、鉢底石、少量の培養土を入れてあった6号鉢に新苗を入れ、培養土を足します。

 

土の高さは鉢の縁から1cm下になるように。接ぎ木部分は、土の上にくるように調整して植え付けます。

 

▲鉢増し9. プラスした培養土を落ち着かせる

 

上の写真のように割り箸を差したり、指で押さえたり、トントンと鉢で床面を軽く叩いたりして、新しく足した培養土が落ち着くようにします。

 

▲鉢増し10. 枝先の蕾をピンチ

 

続いて枝先の蕾を摘みます。まだ柔らかい枝なので、指でポキリと折り取ることができます。これをバラの専門用語で「ピンチ」と呼びます。

 

新苗はまだ若い株なので春~夏は咲かせず、ずっと「ピンチ」で蕾を取り続けます。花を咲かせるのは秋からです。

 

▲鉢増し11. 事故に備えて支柱立て

 

新苗は、強風や鉢が倒れた拍子に接ぎ口が外れる事故が起きやすいので、万一に備えて支柱を立てておきます。

 

▲鉢増し12. 病虫害予防に「ベニカXガード」

 

病気と害虫予防のため、株元に「ベニカXガード」(住友化学園芸)を5gていど撒きます。(上の写真では水やりの後に薬剤を撒いていますが、水やり前が正解です)。

 

この薬剤は年間4回までしか使えないので、いつ撒いたのか、カレンダーに記入しておきましょう! 次に使うのは、8月下旬~9月初旬です。

 

▲鉢増し13. 鉢底から流れ出るまでたっぷり水やり

 

最後に、たっぷり水やりを。

 

植え替え後の水やりは、とくにたっぷりと。鉢底から水が流れ出るのを確認してから、さらにそれまでと同じ分量をやる感じで水やりします。

 

日当りの良い場所で育てる予定なら、鉢増ししてから2日ほど半日陰で管理し、その後日向に移すといいです。我が家はもともと半日陰なので、場所移動なしで管理します。

 

6月23日の「アレゴリー」/追肥

▲枝葉が増えて茂ってきた

増しから約1カ月たち、樹高が10cm以上伸びて60cmほどになりました。その分、枝葉も増えてきました。

 

追肥として「バットグアノ」(オザックス)を、30gていど株元に撒きました。週に1度、潅水にリキダスを混ぜて与えています。

 

▲蕾は見つけ次第ピンチ

 

枝先に蕾が上がってきたら、その都度ピンチで取り除いています。

 

▲このツブツブした色抜けはハダニ!

 

想定外だったんですが、葉にハダニの兆候があります。ミニバラはハダニがつきやすいけれど、通常サイズのバラはあまりつかないはずなんですが・・・この品種はつくのかな?

 

▲ニームオイルをかけて様子見

 

ハダニの兆候がある葉を取り除き、予防のため葉裏を中心にしっかり葉水がわりのニームオイルスプレーをかけてしばらく様子を見ます。

 

新苗なので、新しいベイサルシュートの2本くらいほしいところですが、今のところ出ていません。細いベイサルシュートが2本最初からありますが、どちらも枝先がブラインドになってしまっていたので、軽く切り戻してあります。この2本は良い枝になりそうにないので、切り取った方がいいかなぁ。

 

▲葉を減らしてスッキリ

 

ハダニのついた葉を取り除き、少しスッキリ。梅雨だし、風通しを確保したと思えば悪くないですね。

 

6月26日の「アレゴリー」/場所移動、暑さ対策

▲左が「アレゴリー」

の1カ月のうちに勢いの良いベイサルシュートが出てほしいので、日当たりのいい南西向きの室外機置場に場所移動しました。12時~日没まで日が当たります。

 

暑さ対策に、2重鉢にして鉢と鉢の間に土を入れ、マルチングとして株元にモリムラマンネングサの切れ端をばらまきました。2重鉢にしたことで、強風で鉢が倒れるのも防げそうです。

 

本当は梅雨明け前に鉢増しする予定だったんだけど、例年より20日も早く今年はこのまま梅雨明けですね。ん~どうしようかな。

 

7月3日の「アレゴリー」/高温障害・ベイサルシュート発生・鉢増し

▲高温障害で黄色くなった葉

しいベイサルシュートの発生を願って、1週間ほど日当たりの良い南西側の室外機置場に置いていた「アレゴリー」に高温障害が出てきました。

 

葉が黄色くなったり、反り返ったり、波打ったようになったり・・・。「バラの家」のスコアで「耐暑性/強い」だったので大丈夫かな~と思っていたんですが、このところの酷暑はさすがに暑すぎたようです。

 

オイリーなニーム商品をスプレー散布しているので、油分のせいでよけい高温障害が出てしまったのかも。

 

▲待望のベイサルシュートの芽

 

そういえば、前回のレポートの翌日(6月27日)に、最初からある2本の細いベイサルシュートを切り取ったんですが、その少し上にぷっくりとベイサルシュートの新芽が出てきているじゃないですか!

 

これさえ出てくれればムリをさせる必要もないので、北東側のベランダに戻すことにしました。

 

▲根はしっかりしている

 

今日は曇りがちでやや涼しいので、懸案の鉢増しをすることに。6号鉢から抜いてみると、そこそこ根が張っていました。

 

▲8号スリット鉢に鉢増し

 

6号鉢→8号スリット鉢に鉢増ししました。使用培養土は、前回と同じ「バラの土」(プロトリーフ)です。

 

6号鉢に鉢増ししたときに「ベニカXガード」(住友化学園芸)を撒いているので、今回はプラスした土の部分にだけ「ベニカXガード」を追加で撒きました。あらかじめ培養土に混ぜてから鉢増ししても良かったですね。

 

写真撮影の後、支柱立てをしました。

 

▲ハダニのいる下葉をカット

 

株元に近い下の方の葉にハダニがいたので、これを切り取り、葉裏を中心に葉水をかけておきました。ハダニがもっと増えるようなら薬剤を使います。

 

7月27日の「アレゴリー」/ベーサルシュート伸びる

▲樹高55cm、ベーサルシュート40cmに

回のそだレポから25日経過し、この間にベーサルシュートがぐんと伸びました。

 

ベーサルシュートに養分を取られるせいか、それとも高温障害の影響か、主幹の先はあまり動きがなく、葉も通常サイズの半分ほどの小さい葉ばかりです。それでもときどき蕾をつけるので、見つけ次第ピンチで取り除いています。

 

ハダニは、葉水とニームオイルの散布で治まったようです。

 

全体の樹高は株元から55cm。ベーサルシュートは40cmです。

 

▲ベーサルシュートの先を2度目のソフトピンチ

 

ベーサルシュートの先は、蕾を確認次第ピンチ。今日、2度目のソフトピンチをしました。ベーサルシュートは北東側のベランダで育っているので、高温障害なし。ハダニもなしでキレイなもんです。

 

▲1度目のソフトピンチの跡

 

「ベーサルシュートはソフトピンチ(指先で折り取る)をしましょう」と言われますが、これを見ると納得ですよね。1度目のソフトピンチの前の枝と後の枝、一直線につながっています。なんならソフトピンチ後の枝の方が太いくらい!

 

指で折れないくらい硬くなってからハサミで切る(ハードピンチする)と、こんなふうに真っすぐにならないんですよね。

 

この時期の手入れ

2~3日に1回、隣に置いているアジサイがしおれてきたら水やりしています。

 

1週間に1度の頻度で、水やりの水に「液肥」(ハイポネックス)+「リキダス」(ハイポネックスの活力剤)をやや薄い目にして混ぜています。いくら半日陰とはいえさすがに真夏の暑さなので、そろそろ液肥はナシにします。2本目のベーサルシュートは出ないみたいだし。

 

水やり2回に1度の頻度(つまり4~5日に1回)で、「ニームオイル+木酢液+展着剤」をベランダ全体に散布。

 

ヨモギエダシャクの幼虫があちこちで孵化したようなので、「オルトランDX」(住友化学園芸)を株元に散布しました。

 

9月1日の「アレゴリー」/根頭がん腫病! 追肥

▲樹高68cm。調子は良さそう

レゴリーは、もともとあった主幹にあまり変化はありませんが、ベーサルシュートが長く68cmまで伸びました。エネルギーをベーサルシュートに全振りしているようです。

 

細立ちの枝ぶりですが、状態は良さそうです。ところが──。

 

▲株元にできた黒いがん腫コブ

 

ついに我が家でも根頭がん腫病が発生してしまいました。この株は5月中旬に購入した新苗で、新しい培養土で2度鉢増しをしただけなので、もともと根頭がん腫病にかかっていたのでしょうね・・・。

 

株元に、直径4cmほどの大きな黒いがん腫コブができています。

 

▲裏側には鹿沼土そっくりな色の癌腫が・・・

 

裏側には鹿沼土そっくりな、出来たてのがん腫コブが。こちらは直径2cmほどの大きさです。

 

▲大小2個の癌腫のコブを切除

 

目に見えるところにできた直径2cmと5mmの2つのコブをカッターで取り除き、とりあえずそだレポはこのまま続けます。

 

幸い、まだ一度もハサミを使ったことがない株なので、他のバラに感染していないと思いたい。ただ、枝がこすれて感染することもあるそうで、狭いベランダだし、これは防ぎようがありません。この株はまぁ、いずれ廃棄ですね・・・。

 

今日は小さい方のがん腫コブの切り取りと、夏剪定前の追肥として「IBのチカラ」(花ごころ)を8号鉢の規定量15粒のところ10粒を撒きました。

 

大きな黒いがん腫は、太い根を抱き込んでいるので、切り取れません。しかし、がん腫発覚はやはりショックですね──。

 

9月6日の「アレゴリー」/夏剪定

▲68cm→45cmに夏剪定

頭癌腫病発覚で少し気落ちしてしまいましたが、秋花に向け夏剪定を行います。

 

もともとの樹高が68cmのところ45cmほどに剪定しました。割り箸よりやや細い枝ですが、おそらく大丈夫でしょう。まだ一度も花を観ていないので、秋花を楽しみにしたいです。

 

7月末に「オルトランDX」を撒いているので、もう半月ほどしてからもう一度撒こうと思います。水やり用の水にリキダスを混ぜて与えています。

 

9月27日の「アレゴリー」/秋花の発蕾

▲夏剪定した枝先から新しい花枝が伸び樹高62cmに

頭がん腫病発生のため、販売店に連絡して代品が到着したので、9月10日ごろにがん腫のコブをカッターで切り取りました。その際、直径5mmほどの太根を切りましたが、大きな影響は出ていません。

 

夏剪定から20日ほどたち、「アレゴリー」の枝先から新しい花枝が伸びてきました。やはりベーサルシュートが勢い良く伸びています。ベーサルシュートは、もう少し低く剪定した方が良かったかな?

 

現在の樹高は62cm。

 

▲1cmていどの秋花の蕾

 

花枝の先に1cmほどの小さな蕾がついています。アレゴリーは花びらの多い中大輪花なので、咲くまでもうしばらくかかりそうです。

 

この時期の手入れ

9/10 根頭がん腫病のコブをカッターで切除。切り口に塗布する適当なものがなかったので、善玉菌の塊「カルスNC-R」(リサール酵産)を塗りました。効果は不明ですが、まぁいずれ廃棄株だし・・・と、やや投げやり(^^;

 

9/15 コガネムシの幼虫対策+病虫害対策のため「ベニカXガード」(住友化学園芸)5gを株元に散布。

 

この時期の水やりは3~4日に1度。水やり用の水に、ハイポネックス液肥+リキダス(ともにハイポネックス)をやや薄い目にして与えています。

 

病虫害の発生はないので、薬剤散布はさぼっています。

 

代品到着

▲がん腫発生株と代品

 

手前左側が根頭がん腫病を発症した株。右側奥が代品を8号鉢に鉢増しした株。

 

日向で健康に育った代品は、ベーサルシュートが4本あり、下葉もしっかり茂っていて健康そう。ただし、最初からあった細い2本のベーサルシュートは細いまま上手く育っていませんでした。

 

やはりこの2本の細いベーサルシュートは取り除いて正解だったようです。代品の細いベーサルシュート2本も、付け根からカットしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

育てた人紹介/あいびー

北よりの東向きベランダしかないのに、バラ栽培にはまってしまった主婦。日照不足に悩みながらも、バラ生活楽しんでいます。手間なくよく咲くバラが好き。趣味はバラ園巡り。小説とアニメも好き! 横浜在住

 

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