9月初旬に根頭癌腫病にかかっていることが分かった「アレゴリー」の根をチェックしてみました。あわよくば、このまま育てようかと思ってたんですが、なかなかすごかったです(== 今回は個人ブログです。


根頭がん腫病が発覚してから5カ月。「アレゴリー」の経過

▲まがまがしい直径4cmの黒いコブが株元に

ランスのデルバール社のバラを育ててみたい! と、昨年5月に「アレゴリー」の新苗を購入しました。秋花が美しいという評判だったので、それを楽しみにそだレポしながら育てていたんですが──。

 

残念ながら9月初旬に根頭癌腫病にかかっているのが発覚しました。根頭癌腫病は夏に活性化するので、秋口にコブが見つかり病気が発覚することが多いです。

 

▲根頭癌腫病でもキレイに花が咲く

 

株元と少し離れたところにあった大小3つの癌腫コブを切り取りそのまま育て、10月下旬にはキレイな秋花が咲きました。

 

根頭癌腫病は、自分のコブをつくるためにバラの養分を奪います。でも、寄生しているバラが枯れたら自分もしんでしまうため、バラを枯らすほどたくさんの養分を奪うことはありません。

 

だから、根頭癌腫病があっても問題なくバラの花を咲かせることができます。

 

ただこの病気、感染するんですよね。ほかの健康なバラに感染するのは、やっぱり困ります。だから、剪定バサミを別にしたり、ほかのバラと隔離して、気を使って育てなければいけなくなります。

 

日常管理がとても面倒になるので、初心者さんには基本、廃棄をオススメします。

 

▲12月初旬。また新たな癌腫コブが・・・

 

その後12月初旬に、株元にまた大きな癌腫コブができていました。

 

既に販売店から代品を送ってもらっているので、この株はもう廃棄するつもりでしたが、それでも「やっぱりダメか~!」と、悲しい気持ちになりましたね。

 

冬の土替えで、根の状態をチェック!

▲1月下旬。枝の状態は悪くない

正月の間に、ほぼすべての冬の土替えを終えた我が家のバラたちですが、癌腫アレゴリーだけまだ手をつけていませんでした。今日はいよいよ、この株の根の状態を確認していきます。

 

株元にしっかり癌腫コブがあるけれど、枝の状態は悪くありません。

 

▲掘り上げた株元の癌腫コブ

 

鉢から抜いてみると、根はかなりしっかり育っていました。

 

が、株元には大きな癌腫コブが2つ。土から出ているコブは黒く、土の下にあるコブは赤茶色。どちらも直径3~4cmの大物です。

 

▲太い根の先に、もれなく癌腫コブ

 

ひげ根の中を探ってみると、太い根の先にもれなく癌腫コブがついているのが分かりました。

 

上の写真は、株元にできた癌腫コブから伸びた太根の先にまた大きな癌腫コブができている様子です。写真の左端には、太根の先に小さい癌腫コブがついているのも確認できます。

 

つまり、台木を畑から掘り起こすときに切った太根の先に癌腫ができているんです。ここから菌が侵入したんですね。

 

▲癌腫の直径は3~4cm

 

大きな癌腫コブは4つありました。それぞれ直径3~4cm。手に持つとこんなサイズ感です。結構大きいですよね! こんなのが4つ、小さいのもいくつかありました。

 

▲株と土は廃棄。鉢と道具は消毒

 

じつはわたしは、根頭癌腫病の株を体内洗浄できるというピーキャットの薬剤「ピキャットクリア」をもっています。

 

▼根頭癌腫病とピキャットクリアについては、こちらをどうぞ

 

これを使って根頭癌腫病を完治させてみようと考えていたんですが・・・。あまりにコブが大きくて、しかもたくさんあったので、気持ちが萎えました(==

 

根頭癌腫病の病原菌(アグロバクテリウム)は、特殊な力をもっていて、寄生主(つまりバラ)の遺伝子を書き換えてしまいます。このため、たとえ体内洗浄でバラから病原菌を取り除いたとしても、癌腫コブを作り続けることがあります。

 

こうなると、はたして体内洗浄したからといって、バラから根頭癌腫病の病原菌がいなくなったかどうか分かりません。一般人には確認のしようがないのだから、いつまでもほかのバラと隔離して剪定バサミを分けて管理しなければいけなくなります。それも面倒です──。

 

ということで結局、株と土は廃棄処分。鉢と支柱、根をほぐすのに使った熊手はハイターで消毒することにしました。

 

ほかの台木を使えばいいんじゃないの?

▲イングリッシュローズの台木ロサ・カニナの花

ラ苗の根頭癌腫病がとても流行しています。応援レポーターのアスタルティさんもORCAさんも、昨年購入したバラに根頭癌腫病にかかっている苗があったそうです。

 

わたしは販売店に相談して代品を送ってもらえましたが、これ、代品を送らなければならない販売店の側からすれば、手間もかかるし収益にも直結します。そもそも根頭癌腫病を出さなければいいんですよね!

 

だから、販売店の担当者さんに聞いたんです。「日本のノバラが根頭癌腫病にかかりやすいというのなら、イングリッシュローズで使われているロサ・カニナやロサ・ラクサを台木にすればいいんじゃないんでしょうか?」と。

 

こたえはこうでした。

 

「イングリッシュローズは台木もイギリスで作っています。日本だと気候が違うから関東でそれらの台木を育てるのは難しいんです」

 

とのこと。

 

だったら信州や北海道で台木を作ればいいんじゃないの? と、思いましたが黙っていました。

 

台木屋さんも古くからの付き合いで、そう簡単に代えることもできないだろうし。イングリッシュローズの台木は日本では初期生長が悪くなるので、枯らす人が増えればそれはそれで代品を送らなければいけなくなるし。そもそも台木って安く仕入れているんだろうから、あまり台木屋さんにムリも言えないだろうし。

 

一方、台木づくりにこだわっているところでは、1年間台木を育てたら2年間田んぼ状にして休ませることで、根頭癌腫病の発生を驚くほど低くしているバラ屋さんもあります。が、こういうバラ屋さんではロイヤリティの関係で、ブランドバラをつくることができません。

 

難しいところですね。

 

▼根頭がん腫病についてくわしくは次の2記事をご覧ください

まとめ

昨年5月に購入した新苗が根頭癌腫病になってからの経過と、土替えで根をチェックしてみて、結局、廃棄処分するまでをまとめました。

 

根頭癌腫病、イヤですよね。わたしのように代品を送ってもらえればまだマシで、「どこにでもある病気ですから、そのまま育てて大丈夫です!」なんて突っぱねられることもあるのだとか・・・。でも、そんなことを言わなければいけない販売店だってイヤなはず。

 

根頭癌腫病の問題は、なんとか改善してほしいです。皆さまはこの冬の植え替えで、根頭癌腫病の株ありましたか?

 

▼「花と緑とあざらし猫」の記事一覧は、こちらからどうぞ

 

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