ロンドンに本拠地を置く「世界バラ会連合」(world Federation of Rose Societies)が3年に一度世界各地で開催するバラの祭典「世界バラ会議」では、殿堂入りのバラが選ばれることがよく知られています。が、じつはオールドローズを対象にした「殿堂入り」も選出されています。どんなバラが選ばれているのか、一覧にして紹介します。
殿堂入りのバラには、「モダンローズ」と「オールドローズ」がある!
▲中国からヨーロッパにわたり、後の四季咲きバラの作出に大きな影響を与えた「ロサ・キネンシス・オールド・ブラッシュ」
世界には、さまざまなバラのコンテストがありますが、そのなかで最も権威あるコンテストといえば世界バラ会連合主催で3年に1度開催される「世界バラ会議」で決定される「殿堂入りのバラ」です。
殿堂入りのバラは、1976年の「ピース」から始まり、2018年の「ノックアウト」まで、17品種のモダン・ローズが選ばれています。その審査基準は「世界中のどの環境でも育てやすいこと」「国や性別を超えて誰が見ても美しいと感じること」「たくさんの国で長く愛されていること」です。
これとは別に、1988年からオールド・ローズの殿堂入りも選ばれています。こちらの審査基準は「歴史上、またはその系図が重要なオールド・ローズ」「長年、愛され親しまれてきたオールド・ローズ」と定められています。
オールド・ローズとは? モダン・ローズとは?
▲オールド・ローズとモダン・ローズの分岐点となるバラ「ラ・フランス」
オールド・ローズとモダン・ローズの違いを、簡単に説明しましょう。
オールド・ローズとは、ヨーロッパで古くから栽培されてきたグループ(系統)のバラをさします。
モダン・ローズとは、1867年に作出された「ラ・フランス」以降に作出されたグループ(系統)のバラをさします。
▼さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
殿堂入りのオールド・ローズ(Old Rose Hall of Fame)一覧
バラの品種は既に数万品種もあり、しかも毎年新しいバラが発表されていきます。でも、いくら新しいバラが登場しようとも、大人気のバラが現れようとも、けっして失ってはいけない価値ある品種。それが「殿堂入り」のバラです。
ここでは、殿堂入りのオールド・ローズを全品種、紹介しています。
*下にいくほど古い受賞品種になっています。/アンダーラインのある品種は、詳しい品種紹介のページにリンクしています。
*系統の略記号は以下の通りです。
Sp/野生種
G/ガリカ系統
Ch/チャイナ系統
D/ダマスク系統
N/ノワゼット系統
Pol/ポリアンサ系統
ClT/クライミング・ティー系統
B/ブルボン系統
▼世界バラ連合のサイトはこちらからご覧ください。
まとめ
3年に1度開催される、「世界バラ会議」で選ばれる「殿堂入り」のバラ。殿堂入りのバラは、当初モダン・ローズだけから選ばれていましたが、1988年からはオールド・ローズの「殿堂入り」も選出されています。
2018年のコペンハーゲン大会では、黄モッコウバラ(Rosa banksiae lutea)が「オールド・ローズの殿堂入り」を果たしました。日本でも広く親しまれているバラですよね^^
これまで選ばれてきたオールド・ローズのラインナップを見ていると、「あ、次はあのバラが来そうだな」とか「あのバラがまだ選ばれていなかったなんて!」とか、いろんな思いがよぎります。
後世のバラに強い影響を与えたバラや、今なお第一線で活躍するオールド・ローズの名花ちゅうの名花。見ているだけで楽しくなります^^
▼モダンローズの殿堂入り品種はこちらをご覧ください。