バラの花図鑑/「モッコウバラ」は、抜群の花つき、病虫害に強く、枝はしなやか、トゲがない!

      2017/05/03


キモッコウバラ

Rosa banksiae `Lutea´

DATA

バラの系統 原種【Sp】
開花のしかた 一季咲き、10輪ほどの房咲き
花径 3cm
花形 ロゼット咲き
香り 微香(ただし、白花は中香)
樹形 3~4mのランブラー樹形
作出情報 原種(ただし詳しくは不明)
 備考 極早咲き(4月中・下旬から咲く)

病虫害にほとんどあわず強健で育てやすい

トゲがない

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モッコウバラは4品種。白花と黄花、それぞれに一重咲きと八重咲きがある

The Lady and the Hawk
The Lady and the Hawk / garlandcannon

リーム色がかった優しい黄色の小花を房咲きにする「キモッコウバラ」(黄木香薔薇)は、住宅の庭でよく見かけるつるバラです。見た目があまりバラらしくないところから、バラの一品種と知らない方もいるようです。一般に「モッコウバラ」(木香薔薇)といえば、この黄花の八重咲き品種をさす場合が多いようです。

じつは「モッコウバラ」には黄花と白花があり、それぞれに一重咲きと八重咲きがあります。つまり「モッコウバラ」には4種類あるのです。「モッコウバラ」の基本種は白花の一重咲き品種「ロサ・バンクシアエ・ノルマリス」。バラの世界では、白花品種と区別するために黄花品種の「モッコウバラ」は「キモッコウバラ」と呼び分けます。当サイトでもそれにならい、白花品種を「モッコウバラ」黄花品種を「キモッコウバラ」と区別します

「キモッコウバラ」は、江戸時代に中国から渡来した原種といわれています。しかし野生種が現存しないことから、詳細は不明です。

 

「キモッコウバラ」は、抜群に花つきが良い、極早咲きのバラ

▲庭を囲むフェンスに誘引した「キモッコウバラ」

モッコウバラの特徴は、とにかく抜群に花つきが良いところです。花径3cmの小花を、短い花枝の先に10輪ほど房咲きします。成熟した株では、びっしりと葉がほとんど見えないくらい花が咲きます。

花形は、小さな花びらを100枚ほども重ね合わせたロゼット咲き。黄色といっても淡い優しい印象の色なので、どんな庭にも取り入れやすいバラです。

「キモッコウバラ」のもう一つの特徴が極早咲きだということです。通常のバラは、早咲きでも5月初旬から開花します(関東基準)。が、「キモッコウバラ」は4月中旬から開花するので、飛びぬけて早咲きといえます。

「キモッコウバラ」は漢字で「黄木香薔薇」と書きます。「香」の字が入っていますが、「キモッコウバラ」にはほとんど香りはありません。

「キモッコウバラ」は春のみの一季咲きです。

 

枝がしなやかでトゲがない。しかも病虫害に強い、育てやすいバラ

▲つるりとした「キモッコウバラ」の枝

「キモッコウバラ」は3~4mまで伸びるランブラー樹形です。枝は細くしなやかで、しかもトゲがありません。どんな場所にも誘引しやすい扱いやすさが魅力です。アーチはもちろん、フェンスやトレリス、窓のまわりにも、さまざまな場所に誘引して楽しめます。

「キモッコウバラ」の嬉しい特徴の一つに、病虫害にあまり遭わないということがあげられます。薬剤散布なしでもきれいな状態を保つので、花のない時期の葉の観賞価値も高いといえます。細長い葉はかなり遅くまで茂っています。ただし、栽培環境のあまりよくない場所では、うどん粉病や黒点病に少し注意が必要です。

枝が大きく育つので、育つ場所さえあれば、特別な手入れも必要なく、ガーデン素材としてとても優秀なバラです。

「キモッコウバラ」(ロサ・バンクシアエ・ルテア)は、秋篠宮家の長女・秋篠宮眞子様のお印の花です。

 

「ルテスケンス」は「キモッコウバラ」の枝替わり

Rose Rosa banksiae var. lutescens バラ ロサ・バンクシアエ ルテスケンス
Rose Rosa banksiae var. lutescens バラ ロサ・バンクシアエ ルテスケンス / T.Kiya

「キモッコウバラ」の枝替わりでできた一重咲きの品種は「ロサ・バンクシアエ・ルテスケンス」( Rosa banksiae `lutescens´)です。通称「ルテスケンス」には、少しだけトゲがあります。

 

キモッコウバラの育て方のコツ

ぼ放置状態でも間違いなく咲いてくれる「キモッコウバラ」ですが、育て方には少しコツがあります。

 

株が充実するまで3年ほどかかる

ラは、四季咲き品種なら苗を植えたその年のうちに、一季咲き品種なら遅くとも翌年に開花するものですが、「キモッコウバラ」は株が充実するまで花を咲かせません株が充実するまで3年ほどかかることが多く、苗を植えたのになかなか花が咲かないと首をかしげる方が多いようです。

「キモッコウバラ」の花を早く見たいなら、開花している状態の苗を購入するのが安全です。花の時期に行燈仕立てにされて販売しているのをよく見かけます。

 

剪定は7月中に完了する

常バラの花芽は2月ごろにできますが、「キモッコウバラ」はとても早く、花が咲き終わった後の8~9月には翌年の花芽ができます

これを知らずに通常のバラの管理と同じ要領で、冬に強剪定で枝をバッサリ切り詰めてしまうと、翌年、花が咲きません。「キモッコウバラ」の剪定は、花が咲き終わった後の7月中には済ませたいところです。

ただし、必ず剪定作業をしなければいけないものでもありません。十分に育てられる広さがあるなら剪定する必要はありません。枯れ枝や、あまりに元気が良すぎて全体のバランスを崩してしまうシュートを付け根から切り取り整理するくらいで構いません

 

誘引作業は花芽ができる前か、葉が落ちてから

ゲがなく枝が柔らかい「キモッコウバラ」は誘引しやすいのですが、早いうちに花芽ができるので、あまり雑に誘引すると大切な花芽をポロポロ落としてしまいかねません。花芽がまだ育たない7月までに誘引作業もしてしまうのが理想です。

夏に誘引するのは葉が引っかかってやりにくいようなら、冬、葉が落ちてから誘引しても構いません。その場合は、花芽を落とさないよう慎重な作業が必要です。

次のページでは、白花の「モッコウバラ」や原種モッコウバラについて紹介しています!

 

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