バラについて調べ始めると、まずぶつかるのがバラの系統です。系統の数がたくさんあり、それぞれに特徴が異なるので、一度に覚えるのは至難の業! ここでは、オールド・ローズの系統について紹介します。アンダーバーのある青い文字から、それぞれのページにリンクしています。
ヨーロッパで古くから改良を繰り返してきたオールド・ローズには、たくさんの系統があります。その改良の歴史から、オールド・ローズは2種類に分けることができます。
アルバ系統、ガリカ系統、ダマスク系統、ケンティフォリア系統、そしてケンティフォリア系統の変異種モス系統。この4種の系統(ケンティフォリア系統とモス系統は2つでひとつと数えます)を、オールド・ローズの基本4種と呼びます。
オールド・ローズの基本4種は、オールド・ローズの中でも特に古い時代に作られたバラの品種たちです。
オールド・ローズの基本4種
▶アルバ系統 白バラの祖と言われるロサ・アルバを親に交配されたグループ。
▶ガリカ系統 赤バラの祖とされるロサ・ガリカを親に交配されたグループ。
▶ダマスク系統 バラの香りの代表、ダマスク香をもつロサ・ダマスケナを親とするグループ。
▶ケンティフォリア系統 ロサ・ケンティフォリアを親にした、薄い花びらをたくさん重ねた花形が特徴。
▶モス系統 ガクや花柄に細かい棘のようなものが生えたユニークなグループ。
中国バラの影響を受けた後期のオールド・ローズたち
中国原産の4種類のバラがヨーロッパに渡ったのは、19世紀初頭のことでした。
■ロサ・キネンシスの系統のバラ2種類
スレイターズ・クリムソン・チャイナ(ロサ・キネンシス・センパフローレンス)
パーソンズ・ピンクチャイナ(ロサ・キネンシス・オールドブラッシュ)
これらにより、四季咲き性と木立性(ブッシュ)樹形がもたらされました。
■ロサ・ギガンティアの系統のバラ2種類
ヒュームズブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ
パークスイエロー・ティー・センティッド・チャイナ
これらにより、ティー香と花びらの先が反り返る剣弁咲きがもたらされました。
これらのバラは、ヨーロッパ原産のバラにはない優れた性質をいくつも持っていたので、その後、中国のバラとヨーロッパのバラを交配して、いくつものオールド・ローズの系統が生まれました。
ポートランド系統については中国バラの影響はないのではないかといわれていますが、ここに入れています。
▶ブールソール系統 中国原産のロサ・キネンシスの影響が強く出たグループ。
▶ポートランド系統 クラシカルで愛らしい花形、豊かな香り、少し返り咲く性質がある。
▶ブルボン系統 オールド・ローズの多彩な花形、豊かな香り、返り咲き性質~四季咲き性質も。
▶チャイナ系統とハイブリッド・チャイナ系統 中国原産のバラの四季咲き性や木立性を導入したバラの系統。
▶ノワゼット系統 くり返しよく咲き、品種によってはほぼ四季咲き。アメリカ生まれの系統。
▶ティー系統 ティー香のする四季咲き大輪系統。
▶ハイブリッド・パーペチュアル系統 オールド・ローズ最後の系統。華やかな大輪で返り咲きする。
特に枝先を長く伸ばす、オールド・ローズのつるバラ
オールド・ローズの樹形は、ほとんどがシュラブ樹形です。シュラブ樹形は、枝を2mほどに伸ばすものが多く、枝先は噴水のように下を向きます。枝を誘引してつるバラのように使うこともできますが、これらシュラブ樹形よりもさらに長く枝を伸ばし、何かに誘引しなければ自立することができないランブラー樹形のつるバラがあります。ランブラー樹形のつるバラは、ランブラー系統に分類されます。
▶ランブラー系統 細く柔らかい枝を長く伸ばす、オールド・ローズのつるバラ。
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