がくや花柄にびっしりとのようなものが生えている、ユニークな特徴をもつのがモス系統です。

 

ロサ・ケンティフォリアから枝変わりで生じたロサ ケンティフォリア ムスコーサが、最初のモス系統の特徴をもつバラでした。このロサ ケンティフォリア ムスコーサの特徴を受け継ぐバラがモス系統と呼ばれます。

ロサ・ケンティフォリア・ムスコーサの特徴を受け継ぐのがモス系統

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▲「コモン・モス」ロサ・ケンティフォリア・ムスコーサ(Rosa × centifolia ` Muscosa´)

サ・ケンティフォリアから枝変わりで奇妙なバラが生じたのは17世紀の終わりごろだったといわれています。

 

そのバラのがくや花柄びっしりと苔のような、柔らかい棘のようなもので覆われていました。この奇妙な特徴をもつバラは、ロサ・ケンティフォリア・ムスコーサ(Rosa × centifolia ` Muscosa´)と名づけられました。

 

ロサ・ケンティフォリア・ムスコーサ(Rosa × centifolia ` Muscosa´)を親としてのようなものが生えたバラがいくつも作出され、その一連の系統がモス系統と呼ばれています。

 

モス」とは「」の意味です。モス系統の基本となった種として、ロサ・ケンティフォリア・ムスコーサはコモン・モス(commom moss)と呼ばれる場合もあります。

 

モス系統のバラを総称して「モス・ローズ」と呼んでいます。

 

苔のようなものは正確には腺毛(せんもう)です。腺毛とは、植物の表皮に生じる毛のような突起物で、特殊な液体を分泌するもの。たとえば食虫植物消化液を出す毛も腺毛です。

 

 

当時から現代まで変わらぬ人気のバラ

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▲コモン・モスのガクや花柄はびっしりと腺毛で覆われている

サ・ケンティフォリア・ムスコーサ(コモン・モス)は八重咲きで柔らかい桃色の花ですが、モス・ローズには赤に近い濃いバラ色から白まで豊富なグラデーションのピンク色のがあります。

 

モス系統のバラには、ロサ・ケンティフォリアの花形を受け継ぎ、とても花びらの多いオールド・ローズらしい優雅な花形が多くあります。19世紀にはフランスの育種家により、返り咲き性のある品種も作出されました。

 

花姿だけでなく香りも良く18世紀から現代まで変わらぬ人気があるバラです。

 

 

モス系統は、オールド・ローズ基本4種のうちのひとつ

ールド・ローズにはさまざまな系統がありますが、ヨーロッパで古くから親しまれてきた代表的な4つの系統を「オールド・ローズの基本4種」と呼んでいます。

 

アルバ系統

ガリカ系統

ダマスク系統

ケンティフォリア系統とモス系統(モス系統は、ケンティフォリアの変異種です)

 

の4系統が「オールド・ローズの基本4種」で、モス系統は、ケンティフォリア系統の枝変わりなのでケンティフォリア系統と同等と考えられています。オールド・ローズの基本4種は、どれも花が美しいばかりでなく、香りもすばらしいのが特徴です。

 

まとめ

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優雅なケンティフォリア・ローズの花形に、ガクや花柄に苔のような腺毛が生えた姿。これほどユニークなバラは他にありませんね。花だけでなく香りも良く、モダン・ローズにない特徴をいくつも兼ね備えているのがモス系統のバラです。

 

初めてモス・ローズを見たときの驚きは、今でもよく覚えています。優しいだけじゃなく、野性味も併せ持つ独特な存在感に一瞬で魅了されました。庭がもてたらゼヒ1本! 植えてみたいバラね!

 

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