中国にはロサ・キネンシスロサ・ギガンティアという2種類の優れた性質をもつ原種バラがあり、これらを元に古くからバラが栽培されてきました。

このバラがヨーロッパにもたらされた19世紀初頭に作られた、中国原産の原種バラの影響を強く受けた系統チャイナ系統と呼びます。

中国の原種バラの影響を強く受けた品種がチャイナ系統

china map

中国の2つの系統のバラがヨーロッパに画期的な性質をもたらした


コウシンバラ / houroumono

▲ロサ・キネンシス(コウシンバラ)
でも古くからバラが栽培されていました。

中国のバラは、四川省を原産地とする原種ロサ・キネンシスと、雲南省を原産地とする原種ロサ・ギガンティアが関わり、さまざまな品種が作り出されていました。の時代(960~1279年)には洛陽だけで40種類以上のバラが栽培されていたといいます。

プラント・ハンターにより、中国のバラがイギリスに渡ったのは18世紀の終わり~19世紀初頭にかけて。2つの系統の4種類のバラ(フォー・スタッド・ローズ・オブ・チャイナ)がヨーロッパにもたらされました。

 

ロサ・キネンシスの系統のバラ2種類

スレイターズ・クリムソン・チャイナ(ロサ・キネンシス・センパフローレンス)


“Slater’s Crimson China” / mmmavocado

パーソンズ・ピンクチャイナ(ロサ・キネンシス・オールドブラッシュ)

これらにより、四季咲き性木立性(ブッシュ)樹形がもたらされました。

 

ロサ・ギガンティアの系統のバラ2種類

ヒュームズブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ

パークスイエロー・ティー・センティッド・チャイナ

 

これらにより、ティー香花びらの先が反り返る剣弁咲きがもたらされました。さらにパークスイエロー・ティー・センティッド・チャイナはクリーム色の花色なので、このバラにより黄色味を帯びたバラが作り出されるようになりました。

 

中国のバラがヨーロッパに渡った19世紀初頭頃の品種がチャイナ系統

れまで返り咲きするバラといえば、唯一オータム・ダマスクだけが知られていたヨーロッパで、四季咲き性をもつ中国のバラはたいへん歓迎されました。この中国のバラを親として、さまざまな四季咲き性質のバラが生み出されました。

これら中国のバラがもたらされた直後にヨーロッパで作られたバラは、中国のバラの影響を濃く受け継いでいて、チャイナ系統と呼ばれています。

中国のバラの中でもロサ・キネンシスに由来するスレイターズ・クリムソン・チャイナ(ロサ・キネンシス・センパフローレンス)またはパーソンズ・ピンクチャイナ(ロサ・キネンシス・オールドブラッシュ)を親とするバラの系統をチャイナ系統と呼んでいます。

ロサ・ギガンティアに由来するヒュームズブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナまたはパークスイエロー・ティー・センティッド・チャイナを親とするバラの系統はティー系統と呼んで区別しています。

チャイナ系統のバラは、チャイナ・ローズと呼ばれます。

同じ中国のバラの影響を受けたバラでも、ブルボン島で発見された「ローズ・エドワード」オータム・ダマスクロサ・キネンシスの変種パーソンズ・ピンクチャイナの自然交雑と考えられる)を親として交配されたバラの系統は、成り立ちが異なるのでチャイナ系統とは呼ばれません。ローズ・エドワードが発見されたブルボン島の地名にちなんでブルボン系統と呼ばれます。

 

▼ティー系統のバラはこちらをご覧ください。

バラの系統/ティー系統【T】

▼ブルボン系統のバラはこちらをご覧ください。

バラの系統/ブルボン系統【B】

 

 

チャイナ系統は、ハイブリッド・チャイナ系統を経て、やがてハイブリッド・ティー・ローズを生む

季咲き性質をもつチャイナ系統、ノワゼット系統、ブルボン系統のバラに、一季咲きガリカ系統ダマスク系統のバラを交配したのがハイブリッド・チャイナ系統です。

ハイブリッド・チャイナ系統は、ポートランド系統のバラと交配され、ハイブリッド・パーペチュアル系統を生みます。またアメリカでは、ロサ・モスカータパーソンズ・ピンクチャイナを交配させたバラを親にするノワゼット系統が生まれます。さらにブルボン系統ノワゼット系統ロサ・ギガンティア系統のバラを交配させることでティー系統が生まれます。

そしてついに、ハイブリッド・パーペチュアル系統ティー系統を交配することで、完全四季咲きで、大輪1輪咲きモダン・ローズを代表する系統ハイブリッド・ティー・ローズ系統が完成するのです。

チャイナ系統のバラがヨーロッパのバラの育種にどれだけ画期的な効果をもたらしたか、現代バラの成立にどれだけ貢献したかが分かりますね。

 

まとめ

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中国原産のロサ・キネンシスとロサ・ギガンティアは、四季咲き性、木立性樹形、ティー香、剣弁咲きと、それまでのヨーロッパのバラにない性質をもたらしました。とくに四季咲き性は、冬以外何度もバラの花が楽しめるのだから、バラ好きにはたまらないわね。当時のヨーロッパのロザリアンたちは、こぞって目を輝かせたことでしょうね! 

このチャイナ・ローズが、後にハイブリッド・ティー・ローズの最初のバラ「ラ・フランス」を誕生させた大きな要因となったのです。

アルバ系統、ガリカ系統、ダマスク系統、ケンティフォリア系統とモス系統。これらが基本4種のオールド・ローズと呼ばれるのに対して、チャイナ・ローズ以降のオールド・ローズはさまざまに交配が進み複雑な起源をもつオールド・ローズと言えそうね。

 

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