バラの系統/ガリカ系統【G】

      2017/04/16


中世イングランドで起きたバラ戦争で、ランカスター家の記章に描かれた赤バラといわれるのが、ガリカ系統のバラです。ガリカ系統は、ヨーロッパで古くから薬用に、または香料用に育てられてきたロサ・ガリカ(Rosa gallicaを親とする系統のバラです。

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ガリカ系統は、原種のロサ・ガリカを親とするバラ

Rosa gallica var.officinalis
Rosa gallica var.officinalis / col&tasha

▲原種のロサ・ガリカにもっとも近いとされるロサ・ガリカ・オフィキナリス(ロサ・ガリカの枝替わり品種)

ロサ・ガリカは、薬用に香料用に古くから栽培されてきたバラ

サ・ガリカ(Rosa gallicaは、現在のフランス南部地方を中心に自生していた原種です。そのロサ・ガリカを親として交配されたバラの系統をガリカ系統といいます。

原種のロサ・ガリカRosa gallica)は、現存するバラの栽培記録の中では最も古くから栽培されていたバラです。その歴史は古代ローマ時代にまでさかのぼります。古代ローマの博物学者プリニウスが著した百科全書「博物誌」に「燃えるように赤いバラ」と紹介されています。

ロサ・ガリカは現在のフランス南部に自生していたため、フランス南部地方の古い名称「ガリア」を語源とする名称をもちます。ロサ・ガリカが別名「フレンチ・ローズ」と呼ばれるのは、このためです。

ロサ・ガリカには「アポテカリ・ローズ」という別名もあります。「アポテカリ(Apothecary)」はラテン語で「」または「薬屋」を意味します。このことから分かるように、ロサ・ガリカは薬用に、または香料用に広く栽培されていたバラです。

ガリカ系統のバラを総称して「ガリカ・ローズ」と呼んでいます。

 

ロサ・ガリカは赤バラの祖

ロサガリカオフィキナリス

▲ルドゥテが描いたロサ・ガリカ・オフィキナリス「Rosa gallica officinalis」

代ローマの博物学者プリニウスが著書「博物誌」に「燃えるように赤いバラ」と書いているように、ロサ・ガリカは赤バラの祖とされています。ガリカ系統のバラには濃いピンク色や赤、赤紫など、濃い色のバラが多くみられます。

ロサ・ガリカ(Rosa gallica)の変種ロサ・ガリカ・オフィキナリス(Rosa gallica var. officinalisが、もっとも古代のロサ・ガリカに近い品種といわれています。「officinalis」は、「薬効がある」という意味です。

ルドゥテが描いたロサ・ガリカ・オフィキナリスは赤い花色ですが、実際のロサ・ガリカ・オフィキナリスは濃いピンク色です。ほんとうに両者が同じ花なのか、少し不思議に思ってしまいます。

 

ガリカ系統は、花付きがよく香りも楽しめるバラ

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▲ガリカ系統の代表品種「シャルル・ドゥ・ミル」

リカ系統のバラは、赤、赤紫からピンク色の花が多く、咲き方は半八重咲きから丸弁カップ咲き、クオーターロゼット咲きと、オールド・ローズらしい特徴があります。花径は7~8cmの中輪で、春のみの一季咲きです。花付きが良いので、一季咲きでもじゅうぶん楽しめます。

香りを楽しめる品種が多く、ガリカ系統を代表する品種、写真のシャルル・ドゥ・ミルには強い香りがあります。

樹形は、多くはよく枝分かれする1m前後のコンパクトな木立性樹形と紹介されます。しかし、日本で栽培するとより枝先を長く伸ばすので、半つる性のバラのように扱えます。枝が細く柔らかく、誘引しやすいのが特徴です。

ガリカ系統のバラは、ロサ・ガリカゆずりの葉脈の目立つ厚い葉をもちます。

 

ガリカ系統は、オールド・ローズ基本4種のうちのひとつ

ールド・ローズにはさまざまな系統がありますが、ヨーロッパで古くから親しまれてきた代表的な4つの系統を「オールド・ローズの基本4種」と呼んでいます。

アルバ系統

ガリカ系統

ダマスク系統

ケンティフォリア系統とモス系統(モス系統は、ケンティフォリアの変異種です)

の4系統が「オールド・ローズの基本4種」で、ガリカ系統はこのうちのひとつです。オールド・ローズの基本4種は、どれも花が美しいばかりでなく、香りもすばらしいのが特徴です。

 

 

バラ戦争でランカスター家が記章にしたバラ

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▲ランカスター家が記章に用いた赤バラ

世イングランドで起きたバラ戦争(1455~1485年)では、ランカスター家赤バラを記章のモチーフにしており、この赤バラはガリカ・ローズだったといわれています。

ちなみに、ヨーク家が記章にした白バラアルバ系統の祖アルバ・ローズだったといわれています。

▶アルバ系統のバラはこちらをご覧ください。

バラの系統/アルバ系統【G】

 

まとめ

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薬用として、香料用として、古くからヨーロッパで栽培されてきたロサ・ガリカ。赤、ピンク~赤紫までのさまざまな品種があり、ロサ・ガリカは赤バラの祖とされています。

ガリカ系統のバラは多くは花びらの枚数の多い八重咲きで、シャルル・ドゥ・ミルなど、香りの強い品種もあります。花はほとんどが7~8cmの中輪ですが、モダン・ローズとはまったく異なった魅力がありますね。

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