バラは、病気や害虫がつきやすい植物です。バラを病虫害から防ぐためには、農薬の散布が欠かせません。でも、小さい子どもやペットのいる家庭、燐家と接しているマンションのベランダなどでは、できれば農薬の使用は控えたいところです。そこで、ここでは天然由来成分を中心としたマイルドな効き目の商品を紹介します。
天然由来成分の資材で、無農薬・減農薬でバラを育てたい!
わたしたち一般の園芸家は、だいたい農薬が苦手です。虫が死ぬのだから、身体にいいはずはないと思っています。できれば使いたくないというのが本音でしょう。そういった需要を受けて、さまざまな天然由来成分の、農薬代わりに使える資材が販売されています。
多くのロザリアンが、こうした天然由来成分の資材を利用して、無農薬や減農薬でバラを育てています。
ここでは、農薬代わりに使える、天然由来成分の商品を4つピックアップして紹介します。
1、無農薬への道
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無農薬への道は、木酢液にニームオイルとバイオ酵素を配合した商品です。公式サイトでは「植物保護液」と書かれています。
「ニームオイル」とは、ニーム(インドセンダン)の木の実から採れる油です。ニームオイルに含まれるアザディラクチン(Azadirachtin)には、昆虫を寄せ付けない忌避作用や成長阻害作用があります。その一方で、ミミズや脊椎動物には毒性がなく、人体に安全な成分とされています。
「木酢液」とは、木炭や竹炭を焼いたときに出る煙を集めて冷やし、液体にしたものです。木酢液には、酢酸やアルコールなど、さまざまな成分が含まれています。木酢液には昆虫の忌避作用や、殺菌作用があると言われています。
無農薬への道は、ニームオイルと木酢液の昆虫への忌避作用、病気の殺菌作用に加えて、バイオ酵素で植物を丈夫に育てるよう開発された商品です。
使用回数に制限はなく、くり返し使うことができます。ハンディタイプで手軽に扱えるのも魅力です。
2、ローズディフェンス
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通常よりも高濃度のニームオイルを配合した商品です。1000倍希釈して使用します。バラの花につくとうまく開花しないなどの障害がでるので、花にはかからないように注意が必要です。害虫の姿が消え、葉がきれいになったという高評価の口コミが寄せられています。
3、ベニカマイルドスプレー
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感想(1件)
食品成分を使用した野菜やハーブにも使える殺虫殺菌剤です。デンプンで害虫をコーティングして窒息させるという方法の殺虫剤なので、人体にやさしい資材です。
防除効果がある害虫はアブラムシ、コナジラミ、ハダニ
防除効果がある病気は、うどん粉病
使用回数に制限はなく、野菜やハーブを収穫する前日まで使うことができます。残効期間が短いので、1週間に1度の割合で散布します。
4、やさお酢
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やさお酢は、食用酢を主成分とした資材です。有効成分は酢酸で、昆虫の忌避作用やうどん粉病の発生を予防する効果があります。野菜やハーブなどあらゆる植物に、収穫直前まで使うことができます。人体に安全で安心なのですが、オールマイティではありません。公式サイトでは2~3日に1回の散布をすすめています。
防除効果がある害虫は、アブラムシ、コナジラミ、ハダニ
防除効果がある病気は、うどん粉病
これだけですべてをカバーすることはできませんが、使用回数に制限はなく、日常使いに安心できる商品です。
無農薬でも害虫を駆除できるの?
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天然由来成分で人体に安全な商品は嬉しいけれど、効果のほどはどうでしょう?
実際に我が家では「無農薬への道」を使っています。ニームオイルと木酢液という、それぞれ単体でも効果があるとして長く使われてきたものを組み合わせた商品です。定期的な散布で予防効果はありました。また、アブラムシに直接散布することで駆除もできますが、3日ほどくり返し散布する必要があります。1回の効果はそう強くないので、少し面倒です。
わたしは完全無農薬ではなく、減農薬で構わないという考えなので、発生してしまった害虫にはスポット的にベニカXを直接シュッと吹き付けて駆除しています。
天然由来成分の資材を使うときの注意
天然由来成分で害虫の防除ができる資材は、人体にも安全で、農薬を使うときのように完全防備しなくても手軽に使えるところが魅力です。普通の服装で使っても大丈夫です。
ただし、農薬ほど強くはないものの、害虫の駆除効果があることから分かるように、大量に吸い込むのはあまり良くないと思われます。とくに木酢液には、発がん性が指摘されているタールが含まれています。
風上に向かって噴射すると、自分にかかったり吸い込んだりする恐れがあるので注意しましょう。間違って吸い込まないよう、マスクくらいはつけたほうがいいかも知れませんね。わたしは使用後は、念のため石けんで手を洗っています。
天然由来成分の資材には防除効果が認められるものの、けして強くはありません。
農薬なら3週間~1ヵ月近く予防効果があり、害虫駆除は一発で仕留められるのに比べると、天然由来成分の資材は、何度もくり返し使う必要があり、少し面倒な側面もあります。
まとめ
バラをできれば無農薬で育てたいというのは、あらゆるロザリアンの夢です。その動きは生産者でも高まっており、とくに欧米では、街路樹に使えるくらい手のかからない病気や害虫に強いバラが熱心に開発されています。事実、古い品種にくらべて新しく発売された品種は格段に強健で育てやすいものが増えています。この傾向は、今後ますます顕著になっていくことでしょうね。
その一方、「無農薬」という言葉には難しい問題も含まれています。「農薬」というのは、国が定めた安全基準に合格し安全性が確認されたものをいいます。だから農薬を定められた用法で使えば安全性は問題ないのです。一概に農薬=害と恐れる必要はないのです。ただ、希釈率や使用頻度など、守らなければいけない決まりが多いのは確かです。しかも保管にも気を配らなければいけないし、使う側からしてみると、少し厄介ですね。
農薬代わりに使える天然由来成分の資材は、「農薬」として国に届け出られていないものです。本当に安全かどうか、国が試験をしていないものなので、安全性を国が認めたものではありません。つまり一概に「農薬ではない」=安全と、楽観視できるわけでもないと指摘する専門家もいます。
今回、紹介した天然由来成分の資材は、どれも虫の忌避作用や、駆除効果はあるものの、短い間隔でくり返し散布する必要があり、手軽に使える反面、やや面倒なところがあります。
病気や害虫に強いバラを選び、農薬と天然由来成分の資材、それぞれ上手に利用しながら、自分のライフスタイルに合ったバラの育て方をするのが賢い方法かな、と思います。
わたしは農薬の「オルトランDX」と、天然由来成分の資材「ニームオイル」を希釈したものを散布して病気や害虫を防除し、それでも害虫や病気が発生したら「ベニカXファインスプレー」をスポット散布して駆除しています。そして、多少は虫に葉をかじられてもいいやという考えなので、徹底的に薬剤散布するつもりはありません。そこは人それぞれの考え方次第ですね。
▼バラを育てるために必要な基本的な農薬は、こちらをご覧ください。
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