バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「ソワイユ」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!
「ソワイユ」は、こんなバラ
【予約大苗】バラ苗 ソワイユ (RA淡桃) 国産苗 6号鉢植え品[契約品種]《OS-OS2》 ※3月上旬までのお届け
ソワイユは、京阪園芸の小山内健さん2019年作出のバラです。花名の「ソワイユ」(soyeux)は、フランス語で「シルクのような」という意味。淡いピンクを帯びたオフホワイトの花色が、シルクのようだと名付け親の「New Roses」編集長・玉置一裕さんは感じたようですね。
▲どこかつかみどころのない花形
上の写真は「ばらフェスタ2019」で紹介されていたソワイユです。このバラについて小山内健さんは、トークショウでこう表現していました。頼りなくつかみどころのない、ふんわりした印象の花。葉の色や形、木と葉の大きさやバランスまで考慮した強香のバラ──日本人がバラに求める美を追求して生まれたのが「ソワイユ」なのだとか。
「ソワイユ」発表直後の小山内健さんのトークショウのもようも、良かったらご覧ください。
▼ばらフェスタ2019の詳細レポはこちらから
花径7~8cm。咲き始めはカップ咲き、のちロゼット咲きに。花つき優秀な四季咲き。すっきりしたスズランの香りと甘さをもつ、ダマスクとフルーツの強香。樹高1mていどのシュラブ樹形。
今回育てる「ソワイユ」の環境DATA
愛媛県の日照4~5時間の西向きの犬走の上
昨年の12月にお迎えした大苗
今年の目標/枯らさずに育てる
育てる人/アスタルティ
*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!
2月11日の「ソワイユ」/冬の植え替えと冬剪定後
▲冬剪定後の樹高は17cm 写真提供/アスタルティ
昨年の春、近くの園芸店でバラを購入したときに見かけたのが「ソワイユ」でした。非常に弱々しい苗でしたが、素晴らしい香りの花を咲かせていたのを覚えています。そのうち見かけなくなったので、枯れて処分されてしまったのだろうか──と、残念に思っていました。
やがて晩秋になると、園芸店に再び「ソワイユ」が並びました。やっぱり貧弱な苗でしたが、春に感じた心のトゲが思い出されてお迎えしてみることに。少し経験を積んだ今のわたしなら、失敗しつつも育てられることを信じて。
▲今年はしっかり株を育てることを目標に! 写真提供/アスタルティ
12月にお迎えした後、10号のテラコッタ鉢に植え替えました。植え付け培養土は「わくわくローズソイル」(花ひろば)を使い、「完熟のたい肥」(相原バラ園)を5cmの厚さでマルチング。
寒さには強い品種らしく、1月に入っても青々とした葉をつけていたのを覚えています。
冬剪定は最小限にし、ベーサルシュートが出なくても葉が展開できる仕立てにしました。非常に貧弱な苗ですが、枯れこまずに冬を超えられそうなので、春・夏はすべての蕾を摘んで株を生長させていきます。
2月初旬に寒肥として「ミラクル」(粒状アミノ酸肥料/相原バラ園)と「ユーキリン」(粒状リン酸肥料/相原バラ園)を1:1で混ぜたものをひと掴み、表土に撒いています。
3月6日の「ソワイユ」/再剪定・殺菌剤散布
▲再剪定後の樹高は15cm 写真提供/アスタルティ
関東地方で春一番が吹いたと発表されたころ、四国地方でも暖かい南風が吹き荒れました。あまりの強風で上から落ちてきたものに当たって「ソワイユ」の幹の先端の新芽が落ちてしまいました。
ということで、再剪定を行いました。
元気のある芽まで切り戻し、樹高は15cmまで下がりました。「ソワイユ」は一番生育が遅い組なので、多少切っても問題はありません。
突発的に強風が吹いたときの対策として、念のため鉢と鉢とをくっつけて倒れないようにしました。
この時期の手入れ
2月27日に「マイローズ殺菌スプレー」(住友化学園芸)で、消毒を行いました。生育が遅めなので「芽出し肥」「液肥」は3月下旬~4月初旬で考えています。本格的な消毒作業も、そのころになりそうですね。
3月27日の「ソワイユ」/芽かき済み・ベーサルシュートが発生・薬剤散布・芽出し肥
▲赤い新芽から濃い緑色の若葉が展開 写真提供/アスタルティ
背の低い「ソワイユ」は、週末の強風の影響をほとんど受けずにすみました。樹高が低いと管理が楽ですね~!
写真では見えずらいですが、株元からベーサルシュートが発生してきました。ただし、なにかの拍子に取れてしまいそうな、か細い芽なので注意して扱っています。
まだ小さな苗ですが枝が横広がりで、樹形が暴れそうな予感がします。今後、考えて剪定する必要がありそうです。1枝につきひとつの芽を残すように芽かきしました。枝を増やすより、まずは樹高を上げないとね。
この時期の手入れ
3/13 殺菌剤の散布。「STダコニール1000(住友化学園芸)+STサプロール乳剤(住友化学園芸」」。
3/15 芽出し肥の施肥。「ユーキリン(リン酸肥料/相原バラ園)+ミラクル(骨粉肥料/相原バラ園)」を、それぞれ一掴みずつ株の周囲に撒きました。
3/19 ベニカXガード粒剤(住友化学園芸)を株元に10g散布。そろそろ昆虫が増えると予測して、害虫対策メインで使っています。
3/27 殺菌剤+殺虫剤の散布。「殺菌剤/ジマンダイセンフロアブル(ダウ・アグロサイエンス日本)+殺虫剤/コロマイト乳剤(三井化学アグロ)+展着剤/アビオンE(アビオン)」。
強風で飛んできたかもしれないハダニ対策でコロマイト乳剤を使用。ジマンダイセンは、水和剤の方はバラ適用がありますが、フロアブル剤の方はありません。だから使用は推奨しませんが、いろいろ楽だし汚れにくいので使っています。
ちなみに、気温(19度)を計ったうでで、「お昼」に薬剤散布しています。まだ暑くないこの時期は昼に散布しても問題ないので楽。近くに人がいなければの話だけど。
4月10日の「ソワイユ」/ベーサルシュート伸びる・液肥・殺菌殺虫剤散布・アブラムシ対策
▲樹高28cm。まだミニバラより低め 写真提供/アスタルティ
このところの暖かさで葉が展開し始めた「ソワイユ」さん。
ベーサルシュートにアブラムシが発生したので、「ティッシュデトール」してます。・・・前から思っているのだけど、「ソワイユ」は虫に好かれる感じがしてます。
樹高はまだ低めの28cm。でも着実に生長しています。ラベル通りだと、結構高くなるみたいなんですけどね。
▲ベーサルシュートがぐんと伸びて 写真提供/アスタルティ
ベーサルシュートが伸びてきました。今週末にはソフトピンチすることになりそうです。
蕾はまだですが、上がってくればこっちも今週末にピンチかなぁ?
この時期の手入れ
4/3・9 「有機プラス液肥トップワン」(花ごころ)をバラの規定倍率100倍に希釈して株元に散布しました。
4/10 「殺菌剤+殺虫剤」の散布。「殺菌剤/フルピカフロアブル(クミアイ化学工業)」+「殺虫剤/プレオフロアブル(住友化学)」+展着剤/アビオンE(アビオン)」。
樹高が低いので、管理はとっても楽。虫はつくけどね。ちなみに、我が家のバラすべてに病気は発生していません。アブラムシはちまちま取っています。
5月1日の「ソワイユ」/シュートをピンチ・追肥・殺菌剤散布・ベニカXガード散布
▲樹高は40cm。だいぶ高さが出てきました 写真提供/アスタルティ
一番花の蕾を摘んだ後、新たに伸びてきたベーサルシュートとサイドシュートをピンチしました。枝が5本になったので、少し余裕が出てきました。
アブラムシには好かれやすいです。おそらく肥料に使っている油カスが原因でしょうが、油カスのおかげでベーサルシュートが出やすいという利点もあって難しいところ。
2番花の蕾はまだ出ていませんが、どうするかは検討ちゅう。・・・一輪くらい咲かせてもいいのかな?
▲芽かきを徹底して枝の太さを維持 写真提供/アスタルティ
ソワイユの欠点として細い枝が大量に出て、結果としてどれも育たず枯れてしまうという現象が起こるみたい。なので芽かきを徹底して、残した枝の太さを維持しています。
・・・というのがわたしの結論なのだけど、実際はどうなのかな~。京阪園芸に聞いてみたくなります。
この時期の手入れ
4/17 「有機プラス液肥トップワン」(花ごころ)をバラの規定倍率100倍に希釈して株元に散布しました。また、ユーキリン(リン酸肥料/相原バラ園)+ミラクル(アミノ酸肥料/相原バラ園)を一掴みずつ追肥として撒きました。
4/23 殺菌剤散布。「STダコニール1000(住友化学園芸)+STサプロール乳剤(住友化学園芸)」。
5/1 「ベニカXガード」(住友化学園芸)を10g、株の周辺に円を描くように撒きました(2回目)。
アブラムシに狙われる度No1のソワイユなので、「ベニカXガード」は効果があるでしょう。
5月27日の「ソワイユ」/開花
▲樹高70cm。枝垂れず上向きに開花 写真提供/アスタルティ
主幹が5本になった「ソワイユ」は、暑くなり始めると生長が早まってきました。ベーサルシュートは何度かピンチして、しっかりした枝に仕上げています。
芽数を減らして、その分、枝を太くする仕立てにしたので、花枝は垂れ下がらず上を向いて咲いています。
▲オールドローズの雰囲気 写真提供/アスタルティ
中央にピンク色の入るクシャクシャとした花が咲きました。
しいて言えばロゼット咲きですが、整いすぎない奔放な咲き方、オールドローズの雰囲気の咲き方と表現した方が当てはまります。花の大きさは7~8cm。
▲香りは極上の強香品種 写真提供/アスタルティ
最初に涼やかなフルーツ香と、バラではない何かの花のような香りを感じた後に、シュッとしたダマスクが強く香ります。トロピカルフルーツのような「ボレロ」の香りに、爽やかさをプラスしたような印象。
香りの強さは「強香」。ローズアロマティークシリーズで一番強い香りだと思います。香りの質は高く、「ボレロ」や「真宙」に匹敵します。・・・その分、虫にも好かれますので防除は必須。
この時期の手入れ
5/4 殺菌剤散布。「殺菌剤/ジマンダイセンフロアブル(ダウ・アグロサイエンス日本)+展着剤/アビオンE(アビオン)」。
5/15 スリップス対策として「ベニカXネクストスプレー」(住友化学園芸)を蕾に吹きかけました。
5/22 「殺菌剤+殺虫剤」の散布。「殺菌剤/フルピカフロアブル(クミアイ化学工業)」+「殺虫剤/プレオフロアブル(住友化学)」+「展着剤/アビオンE(アビオン)」。
「ユーキリン(リン酸肥料/相原バラ園)+ミラクル(アミノ酸肥料/相原バラ園)」を一掴みお礼肥として投入。
5/29 スリップス対策で「ベニカネクストスプレー」(住友化学園芸)を花弁にのみ散布。
「フルボ酸活力液アタックT-1」で希釈液を作り、500mℓ散布しました。また、雨による土壌の酸性化を防ぐため、カニガラ石灰を鉢の周囲に撒いています。
そろそろ梅雨なので、酸性雨対策としてカニガラ石灰を使用しました。土壌の有用微生物の活性を促すことで、癌腫が発生するリスクを減らす目論見もあります。
>>次のページでは「鉢増し」から紹介しています。
作出された方が言うように、フワフワした感じなんですね。本当バラっていろんな花弁や色が凄い品種ですね。春と夏は全ての蕾を取って株を育てるなんて凄い意気込みですね。 僕でさえ1~2本は取ってましたから。でも、枝が太くならないと綺麗な花も咲きませんもんね。ここのどこかのコーナーで鉛筆の太さは最低限必要。 ミニバラなら竹串程度でしたっけ? テラコッタ鉢。いいですよね。僕も初めはテラコッタにする予定でしたが、毎年の土の入れ替えを知って。とりあえずプラ鉢で、株自体が大きくなったら。テラコッタにしようかと。 てか性格上。バラバラになるのが嫌いなので。統一性が欲しいのが本音。 大型のテラコッタは他ので使ってるけど。未使用のもたくさん(苦笑 今回の寒気団で最後っぽいので。いよいよ新芽も一斉に育ち始めるでしょうね。 すると虫。。。ま、毎日。見てるのに。え?!って思います。 僕も今年は株を育てるがメインとなりますので。お互いええ株を育てましょう!!
こんばんわ、ORCAさん
全ての蕾を取るというのは、とくに苦労はないですよ。
はっきりいって、とっても楽。
ソワイユに関していうと、株がまだ小さいのでそんなに蕾もつかないでしょうから
楽だけど、ベーサルシュートが出てくれないと今後の目途が立たないので、出ることを祈願してます。
厳密には竹串サイズでも咲くのだけど、品種によりけりかな。
ツルバラだったら、難しいでしょうね。
プラ鉢とテラコッタは、お互い長所短所があるけれど楽に育てるのなら
プラ鉢がおすすめ。
難しいバラを育てて手間もかけられるのならテラコッタですね。
見た目もいいですし。
こんにちは
ソワイユの香りがボレロみたいですし
花が十六夜バラみたいに、まん丸でなくて
どこか欠けた感じで
くしゅくしゅした形の可愛いピンクで可愛いですよね
発表した年のイベントで
実際に見ましたし
作った方から、お話聞いたことあります
最初は弱々しくて
接ぎ木するか悩んでたみたいですが
接ぎ木して成長した花を見て決めたと話してたかな
このあたりはちょっと確認しないとですが
元々強い感じではなかったと話してたと思います
フィネスやアッサンブラージュの方が強い感じかなと思います
特にフィネスは、気がつけば1輪はさいてますし
コンパクトと言っても、細めの枝でもしっかり延びてくれます
(育つ感じから、多分シュラブなのでしょうね)
ガン種
自分も色々な品種の株で遭遇してますが
いくら元気でも夏から急に弱ってく株が弱いイメージですかね
どうやら暑さとか、湿り気が多い環境が好きなウイルスなんだとか読んだ気がします
弱ってきたり、枝が急に枯れ込んだり
たまに、他の健康な株よりやたら元気な株に成長したり
謎が多いですね
一日も早く
ガン種にならない株や確実な治療法や予防法が確立されて欲しいと願うばかりです
某大手のバラ屋さんは
ガン種抵抗のある台木での販売をやめたようで
もう
イングリッシュローズ位しか、ガン種になりにくくなる株の回避策がないようです
使われてるヨーロッパ?の品種の台木は、どうやらガン種になりにくいようです
でも、欲しい品種がイングリッシュローズだけではないですもんね
ガン種が見つかると悲しいし
悩ましい問題ですね
癌が出たんですね。。。 僕はとあるネットショップで購入した青系バラ。2株が見事に癌に。。。 あいぴーさんから申し訳ないけど、処分されるのが一番ですと。。。夏に処分しました。ミニバラを含めたら今でも50鉢。。。アルバイトなので、この秋の花を咲かせたら。半分は処分する予定です。前は冬に土の入れ替えをしてから誰かにもらってもらいましたが。もう、そこまで金銭的に余裕がないので。。。 ベニカXガードを蒔いたら。葉っぱがどんどん落ちていくので。。。 株自体に菌が残っているようです。(メーカーに問い合わせすみ)
天女の舞子さん、コメントをありがとうございます。
ソワイユの香りはスッキリしたしつこくないダマスク系の香りで
とてもいいですね。
わたしも、この香りは大好きです。
ソワイユやカレスは見た目が弱々しくて、「どうしてこんな幹の細い品種を選んだの?」と不思議に思っていたのですが、実際に咲いたところを見てみると納得しました。
ちゃんと、幹の細さを補う個性があるのですね。
フィネス・リヴレス・カレスはどんな季節でもよく咲く薔薇で
おっしゃる通り細い枝からも蕾を出して、ちゃんと咲いてます。
癌腫は気温が高すぎたり、病気になったり、花を咲かせすぎて抵抗力が落ちると
発生しやすくなるみたい。
予防法については、生育のあまりよくない株を選ばないことしか
ない感じはします。
ORCAさん、こんばんわ。
同じショップで買ったバラが2株も癌腫になると、へこみますよね。
わたしも1日ほどがっくりしてやる気がなくなりました。
そだレポしてるソワイユについては、冬までは面倒を見るつもりです。
あんまり状態は良くないので、最終的には処分かなあ…。
アルバイトで50株を世話するのは大変ですね…。
手のかからない数まで減らすのが精神的にも良いですよ。
ベニカXガードで葉が落ちるということは、あまり耐病性の高くない品種だったりします?
アレって、気難しいタイプの薔薇に使うと葉が落ちやすくなる傾向があります。
あぁ。。。ほとんどが青系バラなので弱い品種が多いと思います(苦笑 あいぴーさんからはバラ専用土を全て変えるのは大変だろうから、再生土を使ってみれば?とアドバイスいただきました。枝だけになった物も秋になり新芽が出てきて、どれを処分しようかと考えてたら泣けてきて(笑 やはり一番大切なのはわんこ(スコティッシュテリアのタイ君)なので、この子だけはきちんと育てたいので。 ある程度は処分ですね。ま、ヒョロ苗さんの解体して育てたミニバラの鉢も多いので(笑 今の病気で退職。9月で通院3年になりました。バイトを掛け持ちする体力も年齢的に?病気的に?お医者さんからも長時間の労働は避けてくださいと言われてますので。仕方ないですね。 近所の人からもこの地域はバラは害虫に塩害で止めてしまう人が多いのよ。あなた頑張ってるわね~ 珍しいバラを見せてくれてありがとうと言われるくらい地域的に難しいようです。 蕾も膨らんできてます。すでに咲いたのもありますしね。 頑張ります!