バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「チョコフィオーレ」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


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「チョコフィオーレ」は、こんなバラ

▲チョコフィオーレ 出展/京成バラ園

米では人気がないけれど日本ではなぜか人気が高い──そんな花色の代表が薄紫と茶系です。「チョコフィオーレ」は、フランスのバラの名門ナーセリー・メイアン社が2004年に発表したミニバラ。

 

茶系のバラのなかでも「これだけ濃いチョコレート色はとても珍しく魅力的」とバラのカタログでは表現されています。ただしネットの画像を見る限り、オレンジ色に見えたり、退色してピンクに見えたりしています。今回のそだレポで、実際にどんな花色に咲いてくれるか楽しみです。

 

チョコ・フィオーレ(Ciocco fiore)は、イタリア語で「チョコレートの花」という意味。おしゃれなネーミングですね^^

 

花径6~7.5cm。四季咲き。香りは微香。樹高0.4~0.8mの直立性木立樹形。

 

バラの家のスコアは「樹勢/普通」「ウドンコ病耐性/普通」「黒星病耐性/弱い」「耐陰性/弱い」「耐寒性/弱い」「耐暑性/普通」。ハダニ対策、黒星病対策が重要そうです。

 

今回育てる「チョコフィオーレ」の環境DATA

和歌山県の北西向きの庭で、鉢の向きは南東向き。(真夏はよく日が差すが、冬は自宅の陰になるので午前中に2時間・午後に1時間だけと季節により差があります)。

今年の2月に届いた接ぎ木大苗(鉢苗)

今年の目標/樹形を小さく、できれば30cmくらいに抑えたいです。

育てる人/ORCA

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

2月11日の「チョコフィオーレ」/冬の植え替え・冬剪定済

▲樹高は20cmていど 写真提供/ORCA

が家の方針として「青バラを集めよう」と決めたので、それ以外のバラは青バラを邪魔せず引き立てる花色をと思い、茶系や白、緑色のミニバラを探しました。茶系のミニバラは品種はあるのになかなか販売されておらず、あちこち探してようやく何品種か集めました。「チョコフィオーレ」は、そのうちのひとつです。

 

この株は京成バラ園の接ぎ木大苗で、2月に入ってから届いたばかり。4.5号鉢に植えられていて、すでに冬の植え替え・冬剪定がされた状態です。説明書きに「植え替えをするなら、今年の1番花が終わってから土を崩さないように鉢増ししてください」とあります。

 

でもね。水やりするたびに空気の泡が出てくるんです・・・いったいどんな培養土なんだろう? 様子を見ながら、植え替えを考えたいと思います。

 

2月27日の「チョコフィオーレ」/追肥(芽出し肥)

▲現在の樹高はぴったり20cm 写真提供/ORCA

高計を作りました。鉢土の高さが18cmなので、そこから上がバラの樹高になります。現在の樹高はぴったり20cmですね。表土にバーク片を敷きました。前回の写真では枝が真っ赤ですが、緑色に変化したようです。

 

▲赤い新芽が伸びだしてきた 写真提供/ORCA

 

「チョコフィオーレ」は、赤い新芽が大きくなってきました。ミニバラは芽吹きが速いですね。

 

芽出し肥として「ばら専用ぼかし肥料」(ザ・ローズショップオリジナル)を鉢の四隅に少しずつ(小さじ半分くらいずつ)埋めました。

 

3月19日の「チョコフィオーレ」/若葉が展開・内芽かき

▲若葉が旺盛に展開 写真提供/ORCA

めいてきて、コンクリートブロックのお日さまが当たるところは、最低気温がだいたい10度、最高気温は今日30度でした。ミニバラは一気に生長しますね。「チョコフィオーレ」が赤みの強い若葉を広げてきました。樹高も前回から10cmほど高くなっています。

 

▲こまめに内芽かき 写真提供/ORCA

 

どんどん芽吹いてくるので、内芽はこまめにカットしています。この小さな鉢で、この先どう樹形をつくっていくか思案中です。

 

4月3日の「チョコフィオーレ」/発蕾・ベニカXガード散布

▲生育旺盛! 写真提供/ORCA

回のそだレポからさらに10cm以上伸びて、現在の樹高は42cm。販売店からは「鉢増しは1番花が終わってからか、年末で大丈夫」と言われていたけれど、これ・・・本当に大丈夫? 鉢がすごく窮屈に見えるくらい生長しています。

 

▲1番花の蕾が! 写真提供/ORCA

 

枝の先端に蕾がつきました。

 

害虫が心配になってくる時期なので、少し前の3月下旬に「ベニカXガード」(住友化学園芸)を株元に散布しました。

 

4月17日の「チョコフィオーレ」/蕾のガク割れ・ウドンコ病発生

 

▲とてもミニバラとは思えない樹高 写真提供/ORCA

ニバラの「チョコフィオーレ」が一気に生長してきました。樹高は75cm超え。ミニバラとはいえ、大苗だったからかなぁ?

 

▲ガクの間から濃い色の花びらが 写真提供/ORCA

 

早い蕾はガク割れが始まっています。

 

「ベニカXガード」を撒いてあるんですが、少しウドンコ病が出ています。殺菌剤や治療薬を試してみようと思います。

 

4月23日・30日「チョコフィオーレ」/開花・切り戻し

▲最初の1輪は、不思議な色 写真提供/ORCA

ず4月30日の様子から。真っ赤な蕾から、「チョコフィオーレ」の最初の1輪が咲きました。オレンジ色に赤の縁取りの複色で、茶系には見えません。後続の花に期待しましょう。

 

▲渋みのあるオレンジの花 写真提供/ORCA

 

これは4月30日に開花した花です。茶色というよりはオレンジ色に近く、最初の花と同じように縁がやや赤くなっています。オレンジ色に赤みのテラコッタ色の複色という感じ。「チョコフィオーレ」は、花色が固定されていないんでしょうか。花によりかなり色むらがあります。

 

花径は7.5cm。香りは鼻を近づければわかるていどです。花びらの枚数はやや少なく、少し波打ったように咲いています。

 

▲樹高62cm。ミニとは思えないサイズ 写真提供/ORCA

 

ウドンコ病にかかっていて、病葉を取り除いてあります。花芯が見えてきた花や、ウドンコ病で白くなっている小さい蕾は切り戻ししています。

 

樹高は62cm。このサイズだと「ミニバラ」というより「パティオローズ」ですね。

 

5月1日の「チョコフィオーレ」/咲き終わり

▲花色が白っぽく退色 写真提供/ORCA

色が褪せてきたので、この花も切り戻します。とりあえず1番花はすべて終わったので、鉢増しを検討しています。

 

5月15日の「チョコフィオーレ」/鉢増し

▲2番花の蕾が上がり樹高は85cmに 写真提供/ORCA

の1番花が終わりすべて切り戻したのに、もう2番花の蕾がたくさん上がってきています。最初から気になっていましたが、株に対して鉢が小さいですよね。

 

▲鉢底から白根が出ている 写真提供/ORCA

 

鉢底を確認してみると、白根がちょこちょこ顔を出していました。とても生育旺盛な株なので、今日は鉢増しをします。

 

▲根張りよし! 写真提供/ORCA

 

まず2番花の蕾をすべてカットし根鉢の確認を。鉢から抜いてみると根がいい感じに回り、しっかり根鉢ができていました。この根鉢を崩さずに、ひとまわり大きな6号鉢に鉢増しします。

 

「バラno.1」(カネア)の土に、日当たりの良い場所なので水切れ対策に「水のお留守番」(大宮グリーンサービス)を混ぜて植え込みました。

 

▲鉢増し完了 写真提供/ORCA

 

最後にしっかり水やりして鉢増しは完了です。

 

追記

鉢増しの数日後に「ばら専用ぼかし肥料」(ザ・ローズショップオリジナル)を株のまわりに撒きました。

 

5月27日の「チョコフィオーレ」/新芽が伸びる

▲赤い新芽が目立つように 写真提供/ORCA

増しから半月弱がたち、「チョコフィオーレ」の枝先に新芽が伸びてきています。

 

病気と害虫予防に「ベニカXガード」(住友化学園芸)を土に撒きました。

 

>>次のページでは「2番花の蕾をピンチ」から紹介しています。