バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「ガブリエル」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


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「ガブリエル」は、こんなバラ

▲見飽きない美しさの「ガブリエル」 写真提供/ハナたろう

の中心が淡紫に染まる、やや青みを含んだ冴えた白(シルバーパープル)の美しい花色で大人気のバラです。女性らしい感性の繊細な印象のバラを発表し続けている河本純子さん作出。花びらの先がツンと尖る咲き方がとても現代的で、しかも強香品種です。

 

樹勢が強いほうではなく、やや育てにくいところがあるので、鉢栽培で大切に育てたいバラです。

 

今回育てる「ガブリエル」の環境DATA

関東の南向きの庭(陽当たり良好)

 ⇒8月から北側に引っ越し(日照は正午~日没まで)

今年2月に届いた大苗

今年の目標/株の充実。花は咲かせるが数輪程度。(1番花が終わるまでは6号鉢で、順次鉢増し予定)

育てる人/ハナたろう

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

3月中旬の「ガブリエル」/芽吹き

▲ガブリエルの葉が開いてきたところ 写真提供/ハナたろう

ラの家に予約してあったものが2月に到着。届いたとき、すでに芽が立っていました。6号鉢に、バラの家の培養土で植えられています。1番花が終わるまでは、この鉢のまま育てます。

 

3月中旬、葉が広がってきました。やや赤みがかった柔らかい葉で、少しツヤがあります。

 

アブラムシがついていたので殺虫剤「アーリーセーフ」、殺虫・殺菌剤「カダンセーフ」の希釈液を各1回散布。さらに害虫防除のため、株元に「オルトランDX」を散布してあります。

 

4月初旬の「ガブリエル」/摘蕾

▲前回より、だいぶ葉が茂ってきました 写真提供/ハナたろう

吹き苗で迎え、何度か氷点下の朝もあったけれど、今のところとても元気です! 今年は株の充実を目標にしているので、早速つぼみをピンチしました。

 

▲ガブリエルのつぼみをピンチ 写真提供/ハナたろう

 

3月中旬~4月初旬の間に行った手入れ

活力剤/HB ー101の希釈液(2滴/10ℓ)潅水を1度

病虫害対策/サンヨール&スミソン散布(同時散布1回)

 サンヨールはウドンコ病・灰色カビ病対策の殺菌剤

 スミソンはスミチオン(アブラムシなどの殺虫剤)+マラソン(アブラムシやハダニなどの殺虫剤)

中耕と除草/手袋をして土を爪で引っ掻くように崩す程度。土も柔らかいし雑草も若いので、中耕ついでに簡単に抜き取れます。

肥料/有機ペレットを施肥/N:6P:6K:6+微量要素

 

4月20日の「ガブリエル」

▲両サイドのつぼみのみ残して他はピンチしました 写真提供/ハナたろう

真両サイドのつぼみ以外は全てピンチしました。今年は株の充実が目標なので、2輪のみ咲かせます。ここまで、病気が無く順調に育っています。芽掻きをしなかったので枝葉の混み具合が少し気になっています。様子をみながら芽掻きをしていこうと思います。

 

4月上旬からの管理のしかた

水やり/高温のため潅水を毎日するようにしました。

肥料/ツボミが付き始めたので最後の施肥(液肥)。

薬剤散布/対病と『ツボミかじり虫』撃退のため、サプロール&スミソン混合散布。

 STサプロール乳剤は、黒星病とウドンコ病の防除にすぐれた殺菌剤。

 スミソンは、「4月初旬」の項を参照してください。

 

▲「ガブリエル」のつぼみ

 

つぼみの周りの若葉が少しシワシワしているのは、前日に薬剤散布しているため、薬害かもしれません。ハッキリしないので、このまま様子を見ようと思います。

 

5月3日の「ガブリエル」/鉢増し

▲しっかり根が回っているガブリエルの根鉢 写真提供/ハナたろう

ブリエルはつぼみも膨らみ、順調に育っています。つぼみの周りの葉はまだ少しシワがありますが、生育に支障なさそうです。ベイサルシュートも出てきましたよ! 

 

鉢底からヒゲ根が見え始めました。鉢増しのサインです! 購入したときから植わっている6号のプラ鉢から、10号のテラコッタ鉢に鉢増しします。

 

プラ鉢から抜いてみると、しっかりと、いい感じに根が回っています。

 

▲左のプラ鉢から右のテラコッタ鉢へ、鉢増し完了 写真提供/ハナたろう

 

培養土の配合はいつも通りの「赤玉小粒:7 腐葉土:2 籾殻燻炭:1」で『オルトランDX』を混ぜてあります。鉢増しなので根鉢は触らず、周りに培養土を詰める感じにしてから、しっかり水やりして作業は完了です。

 

『少しずつサイズUPして』という圧倒的多数意見をよそにハナたろうは一気に鉢増しです。理由は・・・。

①水はけの良い土を自分でブレンドしているから根腐れの心配をしていない。

②生長期に何度も植え替えするってバラにストレスを与える気がする。

③何度も面倒くさい(本音)。

 

5月11日の「ガブリエル」/つぼみが膨らむ ベイサルシュートを確認

▲ガブリエル開花直前。中心が薄っすら紫に! 写真提供/ハナたろう

ぼみがふっくらして外側から花びらが開いてきました。白地で中央がほんのりとパープルを帯びています。白地の部分は、アイスバーグのような純白ではなくクリーミーな白。これから開くにつれ変わってくるのかも知れません。

 

香りも確認しました。とても上品なブルー香です。

 

▲また一回り生長したガブリエル 写真提供/ハナたろう

 

鉢増ししてからまた一回り生長したように思えます。とても元気に育っています。花の位置で樹高40cmくらいです。

 

枝が細いので、開花したら支柱が必要になりそうです。

 

ガブリエルのシュート

▲ベイサルシュートの発生を確認! 写真提供/ハナたろう

 

写真の左側、株元からベイサルシュートが発生しているのを確認しました。ホッと一安心です。

 

この時期の管理

水やりと、害虫駆除のみ。アブラムシ、シャクトリムシとその卵を*テデトールで駆除しています。日々のパトロールは欠かしません。

 

*テデトール=「手で取る」です。

 

5月12日「ガブリエル」/開花!

▲品よく咲いた「ガブリエル」 写真提供/ハナたろう

いに「ガブリエル」が、開花しました。ごく淡い薄緑からクリーム色がかった白のつぼみがほどけて、芯のパープルがはっきり見えてきました。花色も香りもとても上品なバラです。花径は7cmです。

 

▲「ガブリエル」(左)と「アイスバーグ」(右) 写真提供/ハナたろう

 

ガブリエルの白地は純白ではなく、微妙に黄緑やクリームを感じさせる白です。同じ条件で撮影したアイスバーグと比べるとよく分かると思います。でもつぼみのときはもっとクリームがかった色だったので、咲き進むにつれ、より白くなっていくのかも知れません。

 

5月15日の「ガブリエル」

▲大きく開花した「ガブリエル」 写真提供/ハナたろう

き進むにつれ花色は、全体に青味が乗ってきました。クリームがかっていた白い花びらは、純白を通り越してごく淡い紫を感じさせる硬質な白(シルバーパープル)に。芯の紫色も、咲き始めの淡い藤色から淡い青みの紫へと変化しました。ここまで開くと、花径は10cmになりました。

 

5月17日の「ガブリエル」

▲ピークを過ぎた「ガブリエル」 写真提供/ハナたろう

の紫色が白っぽく退色してきて、どうやら花のピークを越えたようです。そろそろカットして、花瓶に飾ります。「ガブリエル」は、咲き進んでも内側の花びらが芯を隠しているので、シベが見えてくることはなさそうです。

 

▲ベイサル・シュートが長く伸びてきた 写真提供/ハナたろう

 

株の中央にベイサル・シュートが長く生長してきました。長さ40cmまで達しています。ピンチしようにもシュートに葉っぱが少なく、しかもつぼみも上げてしまいました! この撮影の後、つぼみはピンチしました。

>>次のページでは「1番花の切り戻し」から紹介しています。