1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか、品種ごとの生長のしかたを追いかける「そだレポ」企画です。今回はハイブリッド・ティー系統のバラ「パスカリ」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!


「パスカリ」は、こんなバラ


【予約販売】バラ苗 2年大株苗 パスカリ 大輪 4号鉢 【11月下旬以降、出荷基準に達し次第出荷予定】

スカリは、アイボリーがかった象牙白の半剣弁高芯咲きのバラです。直立する長い花枝と花もちの良さから、長く切花用品種として愛されてきました。

 

花径は10cmていどで、花つきが良い。直立ぎみにスーッと高く伸びる特徴的な樹形をもつ。とくに耐寒性に優れるので、寒冷地にオススメ。香りは微香。

 

ピンクの大輪花で殿堂入りの名花「クイーンエリザベス」の子どもで、「クイーンエリザベス」同様、「パスカリ」も1991年の世界バラ会議で殿堂入りを果たしています。

 

樹高1.5mの木立ち樹形(半横張りタイプ)。四季咲き、ハイブリッド・ティー系統。

 

1963年Lens(ベルギー)作出

 

今回育てる「パスカリ」の環境DATA

関東の南向きの庭(陽当たり良好)

緑枝挿しからちょうど2年の株

今年の目標/今回は挿し木苗なので、挿し木でもしっかり育つということを確信出来るレポートにしたいです。また、秋花を咲かせたいのでそれまでに枝葉をしっかり増やしていきたい。

育てる人/ハナたろう

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

*じつはこの株は、「おそらくキャンディストライプ」だろうということで、「キャンディストライプ」としてそだレポしていました。が、秋花が白かったので「パスカリ」と判明。10月の時点で「パスカリ」に品種名を変更しています。

 

6月1日の「パスカリ」

▲緑枝挿しから2年の株 写真提供/ハナたろう

ょうど2年前の6月に挿し木した苗です。秋花から咲かせたいと思っています。現在、樹高は50cm。5号菊鉢に植えてあります。黒星病にかかっています。

 

▲鉢底から白根がはみだしている 写真提供/ハナたろう

 

鉢底から白根が出てきているので、根も順調に育っているようです。

 

病虫害対策

黒星病にかかっているので、オーソサイド・サンヨール・ゼンターリの混合液を散布しました。

 

6月10日の「パスカリ」/鉢増し

▲8号鉢に鉢増し 写真提供/ハナたろう

5号菊鉢から8号鉢へ鉢増ししました。黒星病の症状は軽く、適切な薬剤散布で進行を抑えられました。

 

▲つぼみをピンチ 写真提供/ハナたろう

 

上の写真は、枝からいきなり蕾がついたものです。蕾だけピンチしましたが、まるでミニバラのような蕾のつけ方ですね。花付きが素晴らしい品種のようです。

 

鉢増しの培養土

鉢増しに使用した培養土は「赤玉小粒6:腐葉土3:籾殻くん炭1にオルトランDXを混入」。

 

病虫害対策

6/6 オーソサイド水和剤(予防剤)・サプロール乳剤(治療剤)・アファーム乳剤(殺虫剤)

6/10 ジマンダイセン水和剤(予防剤)・トリフミン乳剤(治療剤)・スミソン乳剤(殺虫剤)

 

7月7日の「パスカリ」/ベイサルシュートが発生

▲赤い新芽が芽吹く 写真提供/ハナたろう

増しから約1ヵ月。新芽が芽吹いてきました。

 

▲ベイサルシュートが2本 写真提供/ハナたろう

 

株元からベイサルシュートが2本、出てきました。

 

7月30日の「パスカリ」

▲全体に順調だが、日照がほしい感じ 写真提供/ハナたろう

高65cm。ベイサルシュートの先端は、3回ピンチしてあります。全体に順調に育っているようですが、もう少し日照がほしい感じですね。

 

▲小枝をはさんで枝の間隔を広げる 写真提供/ハナたろう

 

2本のベイサルシュート同士の間隔が狭かったので、小枝をはさんで間隔を広げています。

 

9月3日の「パスカリ」/夏剪定

▲ベイサルシュートが生長して主幹3本立ちに 写真提供/ハナたろう

暑にもかかわらず、2本のベイサルシュートが生長してバランスの取れた姿になってきました。この株はHT(ハイブリッド・ティー)系統の大輪品種なので、剪定ではしっかり切っていきます。剪定前の樹高は90cm。

 

▲夏剪定後の樹高は55cm 写真提供/ハナたろう

 

問答無用のしっかり剪定をしました。花を咲かせる枝は鉛筆ていどの太さまで切り詰め、細枝はカットせず光合成用に残しています。剪定後にこれだけ葉っぱが残っていれば、体力的に大輪花2輪ほど咲かせられるでしょう。

 

追肥は与えていません。

 

追肥をしない理由

これまでの経験から、冬の元肥(地植えなら寒肥)だけで十分ではないかと思い始めています。そのため、他の品種も合わせて追肥はしていません。とくに地植えは、寒肥のみでしっかり育ちます。

 

花数は少なくなりますが「樹の体力で咲く」のが自然な姿だと思えます。微量要素は症状が出てから与えればいいかな? という持論に固まりつつあります。

 

それに、肥料を控えれば、ウドンコ病にもかかりにくいです。

 

>>次のページでは「秋花の発蕾」から紹介しています。