日本のバラ文化をリードする「日本ばら会」について詳しく紹介します。
日本ばら会の発足は1948年。ばらを通じた社会貢献をめざす!
昭和23年(1948年)に、現在の日本ばら会の前身である「新日本バラ会」が発足します。第2次世界大戦の敗戦からわずか3年後のことです。この年、日本で最初のバラ展が銀座の資生堂パーラーで開催されました。
このあたりの経緯は、世界バラ会議で最初に殿堂入りを果たした名花「ピース」の紹介ページに詳しく記載しています。興味のある方はぜひ、目を通してみてください。
▼資生堂パーラーで開催された「第1回バラ展」と「ピース」について詳しくは、こちらをご覧ください。
日本ばら会の公式サイトには、日本ばら会の活動目的が次のように表現されています。
「より多くの皆さまにばらの楽しみを知っていただき、また、ばらを通じた国際親善や文化の向上など、社会への貢献を目指しています」
日本ばら会の名誉総裁に寛仁親王妃信子妃殿下
▲「ピース」
日本ばら会の名誉総裁は寛仁親王妃信子妃殿下。会長は麻生太郎 財務大臣・元総理です。さらに副会長は世界ばら会連合前副会長(極東担当)を務めた長田武雄さん。(2022年5月20日現在)
そうそうたる方々が名を連ねていますね。長きにわたり信頼できる活動を続けてきた、権威ある団体なのがよく分かります。
なんと、会員のなかでも特別に認められた方だけに限りますが、皇室のバラの庭園の手入れをする奉仕活動に参加できるそうです!
日本ばら会・会員12の特典
▲日本ばら会の機関誌「ばらだより」
1、機関誌「ばらだより」が受け取れる
日本ばら会から隔月刊で発行している機関誌「ばらだより」を送付してもらえます。月ごとのバラの手入れのポイントや、各地のばらの催しの案内などが掲載されている冊子です。
2、最新品種のバラ苗が無料で入手できる
送料1000円が必要ですが、他では入手できない最新品種のバラ苗が、「日本ばら会」を通じて無料で入手できます。
3、創作新品種の試作苗が無料で入手できる
全国委員寄付(1口10,000円、1口以上)を行うと、創作新品種の試作苗が苗も送料も無料で入手することができます。委員寄付を行った場合には、2の最新品種のバラ苗の送料も無料になります。
4、提携業者の商品が会員割引で購入できる
5、日本ばら会主催の各種講座や通販の苗購入が会員割引になる
日本ばら会では、初心者向け講座から、資格認定講座、さらに資格認定試験を実施しています。日本ばら会・会員でも非会員でも受講することはできますが、日本ばら会・会員は、受講料が割引になります。
日本ばら会の会員が作出した品種のうち、「国際ばら新品種コンクール」JRC(Japan Rose Concours)、「ぎふ国際ローズコンテスト」、「国際香りのばら新品種コンクール」で入賞した品種を、日本ばら会の公式サイトでネット通販しています。ほとんどの品種が他では入手できないバラばかりです。誰でも購入できますが、日本ばら会の会員は、会員割引で購入できます。
6、皇室などのバラ庭園の手入れの奉仕活動に参加できる
日本ばら会が認めた会員に限りますが、皇室のバラ庭園などの手入れを行う奉仕活動に参加できます。2016年度の皇室奉仕活動は、皇后陛下、皇太子妃殿下、信子妃殿下邸内のバラ園の剪定や雑草取り、薬剤散布などを実施しました。
7、各種部会に参加できる
「育種委員会」や「アンティークローズ部会」などの専門的な各種の部会に参加することができます。
8、バラの展覧会、研究会などに参加できる
会員が自分の庭で育てたバラを展示するバラの展覧会や、さまざまな研究会、講習会に参加することができます。
9、バラ関連の著名人とのサイン会などに参加できる
10、日本ばら会主催のツアーに参加できる
日本国内だけでなく、海外ツアーが募集されることもあります。
11、日本ばら会主催の緑化事業に参加できる
12、「バラ」のことなら、なんでも相談できる
バラの新品種や試作苗など、他では入手できないバラの苗を手に入れられるのは、日本ばら会だけのうれしい特典ですね。1口10,000円の全国委員寄付を行うと、送料が無料になるなどさらなる特典があります。たっぷり栽培できる環境があるなら、ぜひ利用したいですね。
逆に、我が家のように限られたスペースしかなく、あまり新しいバラを迎え入れる余裕がないなら、もちろん寄付なしでも構いません。
日本ばら会主催の講座はいろいろあります。たとえば「バラ栽培入門講座」は、年4回の講座で、受講料が12,000円です。これが会員の場合は8000円に割引になります。
日本ばら会主催の講座と資格
日本ばら会主催の講座
初心者向けからプロ向けまでさまざまな講座があります。開催場所はどれも東京近郊です。誰でも受講することができますが、日本ばら会の会員は、割引価格で受講できます。
バラ栽培入門講座
年4回の初心者向けの講座です。受講料は会員8000円、非会員12,000円。
交配・育種実技
年3回の上級者向けの実践的な講座です。受講料は会員9000円、非会員12,000円。
各種接ぎ木実技
年3回の上級者向けの実践的な講座です。受講料は会員9000円、非会員12,000円。
資格認定講座・補講
日本ばら会が認定する資格認定試験に向けての講座です。
日本ばら会認定の資格
日本ばら会認定の資格は3種類です。一般の人がめざすなら「インストラクター」資格でしょう。「上級指導員」、「審査員補」と、さらに上をめざすこともできます。
インストラクター
バラの品種の系統・分類についての知識をもち、バラの基本的な栽培方法と、農薬の使用方法などの知識を有した者に与えられる資格。受験資格は、日本ばら会の資格認定講座・補講を受講した人、各協賛バラ会長の推薦状のある人、理事の推薦のある人。
上級指導員
バラの栽培技術、バイオテクノロジーの基礎技術、バラの育種と増殖技術、世界史におけるバラの知識、農薬の取り扱いについての技術や知識をもつ者に与えられる資格。受験資格は、インストラクター資格を取得後、2年以上バラの植栽や普及活動をした人。
認定講師
「上級指導員資格」を取得後、3年以上バラ植栽・普及活動を行った人のみが受験できる資格。
▼他の団体の資格については、こちらをご覧ください。
入会申し込み方法
入会申し込みは、日本ばら会の公式サイトからネット申し込みすることができます。
電話やFAXでも申し込みすることができます。
日本ばら会連絡先
▼日本ばら会公式サイト
「入会申し込み」は、サイトの一番下から飛ぶことができます。
まとめ
日本のバラ文化をけん引する日本ばら会についての情報をまとめました。
日本ばら会は、一般のバラ愛好家のすそ野を広げ、バラを通じた国際親善まで、幅広い活動を行っています。特典も多く、会費も良心的です。日本ばら会について、以前のわたしは、何か特別な専門家を対象としたものと思い込んでいたのですが、一般の愛好家に広く開放された団体です。初心者向けの講座もありますので、多くの方に気軽に参加していただきたいですね。
*くわしい情報は、日本ばら会の公式サイトで確認してください。
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