インド洋の小さな島レユニオン島は、現在フランスの海外県です。フランスの植民地だった1800年代にこの島で発見された「ローズ・エドワード」を親とするバラがブルボン系統です。
当時、レユニオン島が「ブルボン島」と呼ばれていたことから名づけられた系統名です。
ブルボン系統は、ブルボン島で発見されたバラを親とする系統
▲ブルボン系統を代表する四季咲き品種「スーブニール・ドゥ・ラ・マルメゾン」
ブルボン島で発見された「ローズ・エドワード」がブルボン系統の親
アフリカ大陸の南東に浮かぶマダガスカル島の、さらに東にある小さな島がレユニオン島です。レユニオン島はフランスの海外県です。1800年代、この島はフランスの植民地で、ブルボン島と呼ばれていました。
当時、ブルボン島では「ローズ・エドワード」(Rose Edouard)と呼ばれるバラがたくさん栽培され親しまれていました。
ブルボン島の植物園で園長をしていた植物学者ブレオンは、このバラはオータム・ダマスクとロサ・キネンシスの変種パーソンズ・ピンク・チャイナの自然交雑種だろうと考えました。1819年、ブレオンは、フランス王ルイ・フィリップのバラ園で働く友人ジャックスにこのバラの種を送ります。
ジャックスが育てたローズ・エドワードの苗木を元に、さまざまなバラが作出されました。それが、ブルボン系統のバラです。
ブルボン系統のバラはブルボン・ローズと呼ばれます。
ブルボン系統は四季咲きするオールドローズ
ブルボン系統のバラの最大の特徴は、チャイナ・ローズゆずりの強い返り咲き性や四季咲き性です。
ヨーロッパのバラには珍しく返り咲きする性質をもつことで知られていたオータム・ダマスク(ロサ・ダマスケナ・ビフェラ)を親に作られたポートランド系統のバラが1700年代の終わりに人気を得ていましたが、1800年代初頭に現れたブルボン系統のバラは、より返り咲きの性質が強く、四季咲きの品種もあり、とても人気になりました。
▼オータム・ダマスクについてはダマスク系統のページをご覧ください。
▼ポートランド系統についてはこちらをご覧ください。
優雅な花形とダマスク・ローズゆずりの豊かな香り
ブルボン系統のバラは、整ったカップ咲きの品種が多くあります。ロゼット咲きやクオーター・ロゼット咲きする品種も多く、オールド・ローズの花形をじゅうぶん楽しめる系統のバラです。
バラの画家とも呼ばれるルドゥーテもブルボン・ローズを描いています。
花形だけでなく、ダマスク・ローズゆずりの豊かな香りも魅力です。
樹形は大型のシュラブ樹形が多い
樹形はオールド・ローズの基本樹形のシュラブ樹形が多くあります。ただし、枝先は3mくらいまで伸びる大型になります。広い壁面や、ガゼボに、または大型のオベリスクなどに誘引すると映えます。
バラは、四季咲き性が強くなると枝先の柔らかさは失われ、木立性樹形(ブッシュ樹形)に近くなっていきます。
ブルボン系統のバラの代表的な品種「スーブニール・ドゥ・ラ・マルメゾン」は完全四季咲き性の木立性樹形なので、モダン・ローズのハイブリッド・ティー系統と同じように剪定して管理します。樹高は1mていどです。
まとめ
ポートランド系統の返り咲き性質よりもさらに強く返り咲きし、完全四季咲き性をもつ品種まで作りだしたのがブルボン系統のバラ。もちろん花姿も香りも保たれています。ポートランド系統の病虫害への弱さを克服しているのもあり、とても人気になったのは、うなずけるわね。
ブルボン系統のバラの祖が、なんとインド洋に浮かぶ小さな島で発見されたというのは驚きね。きっと入植した当時のフランス人が、フランス本土から持ち込んだバラが自然交配してできたんでしょうね!
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