河津桜で有名な静岡県の河津町にある「河津バガテル公園」を紹介します。他に類を見ない本格的なフランス式整形バラ園は一見の価値あり! ロザリアンなら一度は足を運んでみて!


本物の「フランス式整形バラ庭園」が体験できる貴重なガーデン!

▲左右対称に作られたフランス式整形庭園

ランスはパリ郊外ブローニュの森に隣接する「パリ・バガテル公園」のローズガーデンをそのまま再現した庭園が「河津バガテル公園」。「パリ・バガテル公園」と「河津バガテル公園」は姉妹園となっています。

 

どれだけそっくりかは、こちらをご覧ください。

 

▼「河津バガテル公園」ガーデナーズブログ

 

「河津バガテル公園」には、3ヘクタールの敷地に1100品種、6000株のバラが植えられています。

 

河津バガテル公園の特徴は、「フランス式整形バラ庭園」だということ。フランス式整形庭園では、高低差のない広大な敷地に左右対称の幾何学的な形の花壇をつくります。

 

Versailles
Versailles / Constantine H.

▲ヴェルサイユ宮殿のフランス式整形庭園

 

多くの場合、幾何学的な花壇の外側はツゲの縁取りがされ、その内側に花を配置します。有名なところでは、ヴェルサイユ宮殿の庭園も整形式庭園になっています。

 

そのエッセンスを取り入れた庭は日本にもたくさんありますが、ここ「河津バガテル公園」ほど忠実に大規模に再現しているローズガーデンは唯一無二。

 

パリ市の緑地公園管理局の専門家の指導のもとにつくられた本格的なフランス式整形バラ庭園「河津バガテル公園」は、ロザリアンにゼヒ一度足を運んでほしいバラ園です。

 

▲バガテル公園の空からの写真 出展/河津バガテル公園公式

 

「河津バガテル公園」は、ローズガーデンと多目的施設のオランジュリー、マリーアントワネットのアモー(田舎家)、モネゆかりの睡蓮の池があるエリアへの入場にはチケットが必要ですが、その外にあるフランス広場は入場料なしで利用できます。

 

フランス広場にはカフェやローズショップがあり、こちらの建物や雰囲気もとても素敵です。

 

「河津バガテル公園」のバラ見ごろは?

▲ゆったり咲く河津バガテル公園のバラ

 

春/4月下旬~6月中旬

秋/10月上旬~11月下旬

 

四季咲きの木立ち樹形のバラも多くありますが、パーゴラ仕立て、オベリスク仕立て、ガーランド仕立てなど一季咲きつるバラの仕立てが見事なので、春の方が見ごたえがあります。

 

詳しい開花情報は、公式サイトで確認してください。

 

▼河津バガテル公園公式サイト

春の「河津バガテル公園」をレポートします

あいびーあいびー

春バラの美しい5月20日ごろ。河津バガテル公園を車で訪れました。何度か来ているガーデンですが、いつも本当に美しくて! 大好きなバラ園のひとつです。

▲どっしりしたシャトーゲート

だ木の芽が硬い2月~3月にかけて咲く早咲きの桜・河津桜の並木道が見られる静岡県・河津川の西にある山を少し上ったところに「河津バガテル公園」があります。

 

駐車場に車を止め、入場門(シャトーゲート)を目の当たりにしてまず感じるのが、石造りの重厚感です。

 

ヨーロッパなら当たり前の光景ですが、ここ日本でこれだけしっかりした洋風建築にはめったにお目にかかれない。しかもクリームイエローの建物に青く塗った鉄柵の門。これはパリのバガテル公園のシャトーゲートを再現したものなのだそうで、ものすごくこだわった造りなのが良く分かります。

 

▲円形噴水を囲むフランス広場

 

マロニエの並木道を進むと、18世紀のフランスの街角をイメージした「フランス広場」に到着します。建物はヴェルサイユ宮殿のプチ・トリアノンを再現したもので、とてもおしゃれな雰囲気です。

 

ここにバラショップやカフェがあり、ここまでなら入場料なしでだれでも利用できます。

 

▲多目的スペースとして使われているオランジュリー

 

入場料(フラワーシーズンで大人1000円)を支払いフランス広場から先に進むと、オランジュリーが見えてきます。

 

オランジュリーは18世紀にヨーロッパ貴族が好んで建てた温室で、オレンジや地中海の果樹を冬の間寒さに遭わせないよう管理するための建物。北側を背に、南側には光を取り入れる大きなアーチ型の窓を並べて造られているのが特徴です。

 

ヨーロッパでは、よく観光客用のカフェになっていることが多いのですが、ここは多目的スペースになっていて、講演会や発表会など年間を通してさまざまに利用されています。

 

内部も本格的にていねいに造られたオランジュリーは、ヨーロッパさながらです。

 

▲シンメトリーに造られた本格的フランス式整形バラ園

 

オランジュリーの正面奥にローズガーデンがあります。「河津バガテル公園」のローズガーデンは、本格的なフランス式整形庭園です。

 

フランス式整形庭園とは、平坦な地面に左右対称(シンメトリー)の幾何学的な花壇をつくり、それぞれをツゲの低い生垣で縁取った中に植物が植えられます。ここはローズガーデンなので、植えられる植物のほとんどがバラです。

 

▲「ラベンダーラッシー」の大株

 

「河津バガテル公園」のローズガーデンでは、バラ同士の間隔を広く取ってあるので、どのバラもゆったりと枝を広げ気持ちよさそうに日を浴びています。都心部にあるバラ園では、なかなかここまでゆったり植えることはできないですね。

 

バラは本来こういう樹形に育つのだと、今まで見慣れた剪定で短くカットしたバラとは違った、バラ本来の姿を観ることができます。きっとバラを観る目が変わりますよ!

 

株元に芝生がはってあるので土が見えず、のびのびとしたバラの姿とともに、とても美しい景観を保っています。

 

▲つるバラこぼれ咲くパーゴラの回廊

 

平坦な庭に立体感を出すため、木立ちバラをトピアリー仕立てにしたり、つるバラを巨大なオベリスクに巻いたり、パーゴラの回廊をつくったり、ガーランド仕立てにしたり、さまざまに仕立ての工夫がされています。

 

パーゴラの回廊は長さ約80m。春しか咲かない一季咲きのつるバラが満開の回廊は、溜息ものの美しさです。

 

▲つるバラのガーランド仕立て

 

柱の間にロープを渡してつるバラを誘引する、ガーランド仕立ても見事です。

 

▲上下2段に誘引したガーランド仕立て

 

上下2段のガーランド仕立てになっているところもありました。パーゴラの回廊や上下2段のガーランド仕立てなど、どれもパリのバガテル公園そっくりです。

 

バラの品種も独特です。1960年代に育種された品種など、ヨーロッパの古いバラが多く植えられていて、ほかのバラ園ではなかなか出会えないバラがたくさん見られます。おそらく品種もパリのバガテル公園と同じものをたくさん植えているのでしょう。

 

▲小高い丘に建つ皇后のキオスク

 

ローズガーデンの傍らの小高い丘に「皇后のキオスク」と呼ばれる建物があります。(「キオスク」は、庭園の休憩用の建物の意。東屋とほぼ同義語)。これもパリ・バガテル公園にあるものが忠実に再現されています。

 

ちょうど左右対称に造られた整形式庭園のデザインが一望できる、絶好のヴューポイントです。

 

Parc de Bagatelle
Parc de Bagatelle / sottolestelle

▲パリ・バガテル公園のキオスク

 

ちなみに、こちらは本家パリのバガテル公園の皇后のキオスク。こうして比べてみるとあまりにそっくりで、「河津バガテル公園」の再現性の高さに驚かされますね。

 

▲「モネゆかりの睡蓮」がある池

 

ローズガーデンの隣には、マリーアントワネットのアモー(田舎家)に、「モネゆかりの睡蓮がある池」があります。

 

フランスの印象派を代表する画家クロードモネは、晩年ジヴェルニーの自宅の庭に咲く睡蓮を題材に多くの作品を残しています。その絵に描かれた睡蓮は、じつはパリのバガテル公園の池から提供されたものでした。

 

ここ「河津バガテル公園」に咲く睡蓮も、同じくパリのバガテル公園から寄贈されたもの。だからこの池の睡蓮は「モネゆかりの睡蓮」と呼ばれているのです。花期は5~9月で、白と桃色の花を咲かせます。

 

「バガテル公園」の周りは建物ひとつない緑の山です。山の中腹に造られた小さなフランスは、何度訪れても記憶を上書きするほど華やかで美しい場所でした。

 

訪れた人の口コミは?

5月下旬

何度目かの「河津バガテル公園」訪問でした。バラはほぼ満開で、文句なく美しかったです。エントランスからして本格感ただよう重厚な造りの小さなフランス空間は、いつ訪れてもステキです。

 

▲色とりどりに咲くバラの配色センスは抜群!

 

最近のバラ園は、テーマカラーをもうけて花色ごとに魅せる手法が多いのですが、「河津バガテル公園」のローズガーデンは、さまざまな色を組み合わせて配置してあり、どこを撮ってもとてもカラフル。

 

パレットのように色とりどりで、それなのに乱雑に見えることなく。配色センスは抜群です! パリ市の緑地公園管理局の専門家の指導により造られたガーデンなので、配色にもパリのエスプリがいかされているのでしょう!

 

これだけ素敵なガーデンなのに、知名度はイマイチ。じつは「河津バガテル公園」は、最初にオープンしたのが2001年ですが、その後管理者が移行したりいろいろあったようで、あまり効果的な広報ができてこなかったという経緯があります。

 

現在は、オランジュリーを多目的スペースとして貸し出し、年間を通してさまざまなイベントを催すことで活用の幅を広げているところのよう。せっかくのステキなバラ園です。ずっと長く維持し続けていけるよう、応援したいです!

 

首都圏からは日帰り圏内です。ロザリアンにゼヒ足を運んでほしい花園です^^(あいびー)

 

アクセスと施設の案内

アクセス情報

カーナビに「静岡県賀茂郡河津町峰1073」を入力。

 

▼詳しくは Google map をご覧ください。

 

駐車場

無料駐車場アリ

 

公共交通機関

伊豆急行線・河津駅よりバスで10分。「バガテル公園」下車すぐ

 

開園時間と入園料

開園時間

午前9時30分~午後4時30分 

(ただし 12月1日~4月27日は午前9時30分~午後4時)

※最終入園時間は閉園時間の30分前

 

入園料

フラワーシーズン(4/28~6/30・10/1~11/30)

大人/1000円 小中学生/300円

 

サマーシーズン(7/1~9/30)

大人/500円 小中学生/200円

 

ウインターシーズン(12/1~4/27)

大人/300円 小中学生/100円

 

ローズガーデンの最奥「海の見える丘」からは、水平線から上る日の出が見られます。毎年1月1日午前6時~8時は「初日の出観賞会」として無料開放されます。

 

休園日

フラワーシーズン(4月28日~6月30日・10月1日~11月30日)は無休

 

フラワーシーズン以外は木曜日が休園日(ただし 木曜日が祝日の場合は翌日が休園になります)

 

WEBクーポン

公式サイトのクーポンページ提示で割引アリ

 

施設の案内

バラショップ

▲バラの新苗が並ぶバラショップ

 

フランス広場の入り口にある「バラショップ」は、ジュースやジャム、石鹸、バラコーヒーなどのバラ関連商品を扱うお店。春にはバラの新苗も並びます。色鮮やかな黄花品種で香りも良い「伊豆の踊子」がイチオシです。

 

カフェ

▲フランスらしい明るい店内 出展/河津バガテル公園公式

 

フランス広場の奥の方にあるカフェでは、バラのジュースやバラソフトクリーム、カレーやスープなどの軽食がいただけます。ワンコ連れの方はテラス席でどうぞ。

 

温室

▲食用バラ咲く温室

 

エントランス近くにある温室は、自由に見学ができます。わたしが訪れたときには、食用バラが栽培されていました。

 

ペットの入園について

津バガテル公園にはドッグランがあるので、一人2頭まで犬連れで入場することができます。ただし、リードを外していいのはドッグランの中だけ。それ以外の場所では決められたルールを守ってください。

 

利用規約誓約書の記入や、禁止事項や注意事項などの決まり事がたくさんあるので、詳しくは公式サイトで確認してください。

 

「河津バガテル公園」住所

静岡県賀茂郡河津町峰1073

 

「河津バガテル公園」公式サイト

 

*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!

 

▼「バラ園に行こう!」の記事一覧はこちらからどうぞ

 

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