「ニームオイル」は人体や益虫にも優しい天然成分を利用して害虫の防除ができる資材です。でも、使い方にはコツがあります。わたしの体験をもとに、バラ栽培に効果的な方法を紹介します!


バラ栽培でニームオイルを使う方法をご紹介!


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▲近年ではニームの苗木も販売されている

回の記事では「ニームオイル」とはどんな資材なのか、その特徴や作用について幅広く紹介しました。まだご覧になっていない方は、そちらもどうぞ。

 

 

「ニームオイル」は、農薬の殺虫剤のように害虫を一度で駆除するものではありません。害虫の食欲や成長に影響を与え、害虫の食害を減らしたり、害虫が増えすぎるのを抑制することでバラを守る資材です。

 

そのため、農薬とは違ったアプローチと使い方が必要です。

 

今回のこの記事では、「バラ栽培でニームオイルを使う具体的な方法」について、実際の園芸での使い方を、わたしの経験をふまえて次の6つのポイントで紹介します。

 

1、「ニームオイル」の希釈倍率

2、「ニームオイル」散布にオススメの噴霧器・スポイド

3、具体的な散布方法とコツ

4、効果を上げるための散布頻度

5、散布するタイミング(時間)と効果的な時期

6、「ニームオイル」を使うときの注意点

 

「ニームオイル」をこれから使ってみたい方や、かつて「ニームオイル」を使ってみたけれど上手くいかなかったという方の参考になさってください。

 

*ちなみに、ニームの木を取り扱っている園芸店も増えましたが、ニームの木を植えておけば害虫除けになるわけではありません。葉の煮出し液でもあるていど効果があるようですが、基本的にはニームの種子から採れる「ニームオイル」を散布することで初めて虫よけ効果を発揮します。インドやパキスタンが原産地なので寒さに弱く、最低気温が10~15度くらいになったら室内に避難させることで日本でも栽培できます。すっきりした細い葉で、観葉植物としてもステキですね。

 

バラ栽培での「ニームオイル」の使い方(基本)

▲「ニームオイル」にもさまざまな種類が

ームオイルにはいくつかの商品があります。今わたしが使っているのは、上の写真に写っている2種類です。(ほかにもさまざまな商品があります!)

 

左が「Newアクト・LG」。レモングラスなどのハーブを加えて爽やかな香りがする商品。もともとの「ニームオイル」はニンニクのような少しツンとするニオイがありますが、それをハーブの香りで使いやすくしたものです。

 

右が「ジックニーム」。より植物の生長を阻害しないように植物に悪く働く阻害物質を除去したこだわり商品で、小山内健さんオススメの「ニームオイル」です。中央奥に写っているのは、「ジックニーム」を希釈したハンドスプレー商品。希釈する必要がなく、そのまま使えて便利です。

 

使い方はどちらも同じ。水で希釈してバラの木全体に散布します。

 

1、「ニームオイル」の希釈倍率は、ラベルを確認!


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Newアクト・LG の希釈倍率は800~1500倍。わたしはいつも1000倍で使っています。

 

この商品、100mℓで2000円ていどしますが、1000倍希釈なので、とっても長持ちします。ベランダが爽やかなレモンの香りになるので、使うのが億劫どころか楽しみになりますよ。

 


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「ジックニーム」の希釈倍率は200倍。「ニームオイル」には葉を黄変させるなど、植物に悪く影響する物質が微量含まれているそうですが、この「ジックニーム」はそういう副作用を除去したこだわり商品です。

 

京阪園芸の小山内健さんはじめ、大野耕生さんや有島薫さんもオススメしています。

 

「ジックニーム」は、200mℓ入りで2600円ていどなのですが、こちらの希釈倍率は200倍。「Newアクト・LG」と比較するとややコスパは劣りますが、それでもこれ1本で40ℓ分のニーム液が作れます。十分長持ち!

 

つまり「ニームオイル」の希釈倍率は商品によりバラつきがあるので、製品ラベルをしっかり確認して使ってください。

 

また、濃くすれば効果が上がるものではなく、逆に葉焼けを招く恐れもあるので、定められた希釈倍率を守って使用してください。

 

2、噴霧器はノズルの長いものがオススメ


マルハチ産業|Maruhachi 蓄圧式噴霧器マイスター2L(ロングロータリーノズル) NO2260

霧器は蓄圧式噴霧器が楽です。もし新しく購入するなら、ノズルの長いタイプを選んでください。バラの木の中にノズルの先を差し入れられるので、葉裏にかけやすく便利です。

 

200mℓていどの小さいハンドスプレーボトルを使ってもいいのですが、なにしろ希釈倍率が高いので、原液をほんの少しスポイドで取るのがちょっと面倒。1ℓくらい作ってしまった方が楽です。作り置きしても、次に使うとき振ってから散布すれば大丈夫。

 


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小さいスポイドもいくつか持っておくと便利です。今回の「ニームオイル」はもちろん、農薬の希釈や、わたしは猫のお薬を希釈するのにも使うので、たくさん用意して、それぞれ使い分けています。「ニーム」とか「猫のくすり」とかマジックで書いています。

 

ダイソーにも10本入り(もっと入っているかも)くらいで売っているので、近所にある方はチェックしてみて。

 

3、「ニームオイル」の散布方法は、葉裏からが基本

▲葉裏を中心に散布

ームオイルを散布するときのポイントは ■葉裏を中心に散布する ■新芽や蕾も逃さずに散布 ■バラにはしっかり濡れるくらい使おう! の3点です。順に紹介します。

 

葉裏を中心に散布する

前回の記事でも書きましたが、「ニームオイル」はアブラムシやコナジラミ、ハダニなどの小さな害虫にとくに効果があります。これらの害虫にニーム液がかかると、虫たちは約7日をかけて餓死してしまいます。

 

バラの大敵、チュウレンジバチ、クシヒゲハバチ、ヨトウムシには効果がないと言われていますが、わたしが使ってみた感覚では、小さいうちなら効果があると感じました。小さいうちとは、体長1.5cmていどまでならです。これより大きく育ったイモムシたちは、まるで平気な顔で歩き回ります。

 

特に重要なのが葉の裏への散布です。アブラムシやハダニなど多くの害虫は葉裏に潜むため、ここに薬液が届かないと効果が出にくくなります。葉裏を中心にバラ全体にかけましょう。噴霧器の長いノズルを生かして、木のなかに上向きにしたノズルを差し込んで散布しましょう。

 

ちなみに、アブラムシ対策はこちらのページで詳しく紹介しています。参考にしてください。

 

新芽や蕾も逃さず散布

アブラムシをはじめ害虫が集まりやすい新芽や、蕾が大好きなアザミウマ。これらは害虫を駆除するというより、その忌避効果で寄せ付けないことを目的に、忘れずかけましょう。

 

新芽も蕾もデリケートな部位ですが、「ニームオイル」がかかっても大丈夫です。ただし、ニーム液の濃度は規定通りに希釈してください。また、花びらにかかると薬害が出る恐れがあるので、花が咲いたら「ニームオイル」がかからないよう注意です。

 

バラにはしっかり濡れるくらい使おう!

「ニームオイル」の散布量は、「葉の表面が軽く塗れるていどで大丈夫」と書かれていることも多いです。が、実際に使ってみると、これでは物足りなく感じました。バラの場合は、しっかり濡れるくらいかけましょう! 多く使うことで薬害が出るということはありません。

 

4、バラの場合、散布頻度は3~4日に1回。害虫が嫌う環境を作ろう!

▲害虫が産卵を嫌がる環境をつくろう!

回の記事にも書きましたが、「ニームオイル」は今いる害虫を駆除するために使うより、その忌避効果で成虫が卵を産み付けにくい環境を保つ「予防効果」がとても優秀です。また、たとえ卵を産み付けられても、孵化したばかりの小さい幼虫のうちに餓死または脱皮を阻害されて小さいままに駆除されることで、害虫が増えるのを防ぎます。

 

多くのサイトでは「ニームオイル」の薬効は7日ていど続くと言われます。つまり1週間に1度の散布でいいということです。

 

が、我が家の場合これでは害虫天国と化してしまいました。害虫が多く発生する3月末以降は3~4日に1回散布することで、かなり虫害を減らすことができました。バラには3~4日に1回をオススメします。

 

「ニームオイル」は雨で流れてしまうので、雨が上がったらまたすぐ散布しましょう。ベランダや軒下など雨の当たらない環境なら、散布しなおす必要はありません。

 

5、「ニームオイル」を散布する時期とタイミング(朝・夕が良い理由)

ニームオイルで茶色くなったバラの葉

▲夏に散布すると葉焼けの原因に!

ームオイルの散布開始時期は、啓蟄を迎えた3月初旬から。ちょうどこの頃からバラの葉が展開しはじめます。と同時に害虫も動き出すので、4日に1回ていどの散布から始めましょう。

 

3月下旬ともなれば、害虫たちの動きは活発です。飛来する成虫たちをシャットアウトするため、忘れずしっかりかけましょう。イメージとしては、ニームのバリアを張る感じです。

 

バラが開花したら、花は避けて木全体にしっかりかけましょう。

 

バラの開花時期の5月中旬ごろは、かなり暑くなる日もあります。朝や夕方散布を心掛けましょう。

 

「ニームオイル」は油なので、高温期に使うとバラの葉が焼けてしまう原因になります。最高気温が25度を超えるようになったら要注意。早朝や夕方散布ならまだ乗り切れそうですが、最高気温30度を超えてきたら、もう使うのはストップしましょう。上の写真のように、葉焼けしてしまいます。

 

夏を過ぎ、また涼しくなってきたら。最高気温25度くらいといえば10月初旬ごろでしょうか。年によりかなりバラつきがありますが、この頃からまた早朝・夕方の散布を再開します。

 

「ニームオイル」を使う目的は「予防」と「環境保全」

▲「ニームオイル」のバリアを張ろう!(なんか猫みたいになってしまったw)

こまで何度も書いてきたように、「ニームオイル」が本当に効果を発揮するのは「予防」と「環境保全」を目的とした使い方をするときです。発生してしまった害虫を駆除する力はあまり強くありません。そもそも害虫が寄ってこない、害虫が嫌がる環境を維持することが、「ニームオイル」の力を発揮させる使い方なのです。

 

そのためには、害虫が動き始めると同時に散布を開始し、しっかり3~4日間隔で継続散布することが大事です。そう、「ニームオイル」のバリアでバラをしっかりガードするのです!

 

それでも害虫が発生してしまったら・・・

▲ここまで大きく育ったイモムシでは「ニームオイル」は効果なし

くら「ニームオイル」の散布を頑張っても、ときに大きなイモムシに遭遇することがあります。大きく育ってしまった害虫は、もう「ニームオイル」では太刀打ちできません。そんなときは、どうするか?

 

無農薬にこだわりたいなら、どうぞ「テデトール」(手で取る)で物理駆除を。低農薬、減農薬でいいなら、迷わずハンドスプレーでシュッと駆除してください。

 

「ニームオイル」を使うときの注意点(葉焼け・高温時など)

▲3月初旬。バラが芽吹いてきたら散布開始

ームオイルは、使い方にコツがあります。それを知らずに上手く使えなかった方も多いのでは? じつはわたしもその一人。ここで「ニームオイル」をバラに使うときのコツと注意点をおさらいがてらまとめます。

 

1、「ニームオイル」は予防目的で使う。3月初旬、バラが芽吹いてきたら害虫が来る前に散布開始!

 

2、「ニームオイル」の散布間隔は基本4日間隔で。「ニームオイル」のバリアを逃れて大きく育ってしまった害虫をみつけたら、3日間隔くらいでしっかり防除。「ニームオイル」は希釈率を守っていれば3日に1回の散布でも薬害は出ませんでした。

 

3、「ニームオイル」は油なので、高温時に使うと葉焼けの原因になります。これを避けるため、早朝か夕方の散布を心掛け、最高気温30度を超える日が出てきたら散布をストップします。

 

4、どうしても「ニームオイル」だけでは予防できないときもあります。そんなときは、素直に農薬または物理駆除で対処しましょう。

 

5、「ニームオイル」に敏感なバラ品種もあるそうなので、初めて使う場合は、一部の葉に散布して24時間様子を見ると良いそうです。我が家で薬害の出た品種はなかったので、だいたい大丈夫だと思いますが、念のため。

 

「ニームオイル」の現実的な使い方提案

▲「ニームオイル」を安全に効果的に使うにはコツがある

ームオイルは、小さい子どもやペットがいたり、我が家のようにマンションのベランダ栽培だったり、すぐ近くで野菜を育てているという方には、ぜひ使いこなしてほしい資材です。農薬のように重装備して散布する必要がなく、気軽に使えるところも安心・安全な天然資材です。

 

もちろん、これだけでバラの病気や害虫をすべて防除することは難しいです。とくに夏の間は使えないのだから、どうしてもほかの資材や農薬と併用することになります。

 

ここで、「ニームオイル」とほかの資材や農薬を使いながら減農薬でバラを育てるモデルケースを提案します。だいたいのイメージを掴んでください。

 


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3月初旬。バラの芽が動き出したら、病気対策に「BT粒剤」。天然由来の微生物資材で、農薬ではないので、年間何度でも使えます。これ以降、定期的に「BT粒剤」を散布することで、病気を予防します。

 

「BT粒剤」について詳しくは、こちらのページをご覧ください。

 

同時に「ニームオイル」の散布を開始。

 

▲駆除効果の高い農薬は、やはり心強い

 

どうしても害虫が発生してしまったら、手に負えなくなる前に「ベニカXガード」や「ベニカネクストスプレー」などの殺虫剤を散布。これらの薬効は約1カ月。しっかり害虫を駆除してくれます。

 

農薬の薬効が薄れてきたころから、また「ニームオイル」の散布を開始。

 

最高気温が25度以上になり始めたら早朝・夕方の散布を心掛け、30度を超える日がでてきたら「ニームオイル」の使用を中止。

 

これ以降、夏場の害虫対策は農薬を使います。でも、猛暑の夏は虫たちも活動をやめるので、そこまで徹底駆除しなくても大丈夫なことが多いです。

 

8月のお盆シーズンと9月中旬ごろに2回、「ベニカXガード」を使用。土中に潜り込んでいるコガネムシの幼虫を駆除します。コガネムシの幼虫は、「ニームオイル」では対処できません。

 

最高気温が25度ていどになったら、また「ニームオイル」の散布を開始。秋の害虫が寄ってくるのを「ニームオイル」のバリアでガードします。

 

だいたいイメージがつかめましたか? 「ニームオイル」だけで病虫害を防除するのではなく、他の資材を適宜利用しながら、バラの減農薬栽培に役立てるのが現実的な使い方だと思います。参考になさってください。

 

まとめ

今回は「ニームオイル」の使い方について紹介しました。じつはわたし、バラ栽培を始めた当初から「ニームオイル」を使ってきました。でも、正直言って失敗の連続でした。どうしても上手く使えず、放置したこともあります。

 

でも、ようやく上手く使えるようになったので、満を持して「ニームオイル」の記事をつくりました。ニームオイルのバラ栽培での使い方のポイントは、

 

・「予防」目的で「定期的に散布」すること。

・多くのサイトで述べているような7日間隔ではなく、バラの場合は4日間隔で散布すること。3日間隔でもいいと思います。

・軽くかけるのではなく、しっかりかけること。

・気温には敏感になってください。暑くなってきたら、散布は中止です。

・最後に、「ニームオイル」だけで無農薬栽培ができるなんて夢を見ないこと。適宜、他の資材や農薬も使いながら、バラの減農薬栽培を目指してください!

 

これらを意識して使えば、きっと「ニームオイル」の良さに気づくはずです。

 

次の記事では「ニームオイル」を実際にバラ栽培に使ってみた感想を紹介します。ここまで読んでくださったなら、だいたい分かるかな?

 

ニームオイルの記事は3つあります。次の順番でお読みください。

1、「ニームオイル」の基本情報

2、「ニームオイル」の使い方(本記事)

3、「ニームオイル」を実際に使ってみた、わたしの感想

 

 

【バラ栽培いつか無農薬】の記事は記事数が増えるまで、一旦、下記の「病虫害対策」のコーナーに置いてあります。

 

▼バラの病虫害対策と農薬の記事はこちらからご覧ください

 

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