TVアニメ「アルプスの少女ハイジ」の世界観を再現したテーマビレッジ「ハイジの村」は、日本一長いバラの回廊をはじめ、バラが美しい観光施設としても知られています。「ハイジの村」をバラ中心に紹介します。


「アルプスの少女ハイジ」の世界観を再現したテーマビレッジ

▲「アルプスの少女ハイジ」のキャラクターがお出迎え 写真提供/天女の舞子

梨県北杜市にある「ハイジの村」は、1974年に放送されたTVアニメ「アルプスの少女ハイジ」の世界観を再現したテーマヴィレッジです。

 

「アルプスの少女ハイジ」は、スイスの女性作家ヨハンナ・シュピリによる、スイスの山岳地帯を舞台にした物語。アニメ作品はヨハンナ・シュピリの原作をもとに、若き日の宮崎駿や高畑勲ら、日本アニメの巨匠たちが制作したTVアニメです。「アルプスの少女ハイジ」のTVアニメは、日本のみならず欧米でも広く親しまれています。

 

▲園内はスイスの雰囲気で統一

 

園内は、物語の舞台となったスイスの雰囲気で統一されています。スイス風の建物が並び、スイス国旗が揺れます。干し草のベッドやおんじの台所があるアルムの山小屋、ゼーゼマン氏の書斎など、アニメの世界に入り込んだかと思わせるスポットがたくさん用意されていて、アニメ好きなら楽しめることうけあい!

 

▲「日本一ネット」認定の「日本一長いバラの回廊」

 

じつは「ハイジの村」は、以前は「山梨県立フラワーセンター」という名称でした。その名残で、「ハイジの村」と名称を変えた今でも園内いたるところに花が豊富です。

 

4月はチューリップ、5~6月は春バラやジャーマンアイリス、6~7月はアジサイやラベンダー、8月はヒマワリ、9月は赤ソバ、10~11月は秋バラ、冬はパンジーやビオラ。

 

とくにバラには力を入れていて、4500本1000種類のバラがあちこちに植えられています。コマツガーデンの後藤みどりさん監修による230mに及ぶ「バラの回廊」はとくに見ごたえがあり、さまざまなジャンルの日本一を掲載する「日本一ネット」で2001年に「日本一長いバラの回廊」として認定されています。

 

花を観るだけでなく、バラ栽培の講習会があったり、さくらんぼ摘みやじゃがいも掘りなどの農業収穫体験も楽しめます。これらは、前身が「フラワーセンター」だったからこそでしょう。

 

▲「ハイジの村」園内地図 写真提供/天女の舞子

 

園内は広く、展望台やレストラン、カフェ、ショップなどが建ち並ぶ入園口付近(デルフリ村)の奥に、さまざまなエリアが点在しています。どのエリアもバラの季節はバラで溢れます。

 

バラの回廊はマップの左側。チューリップやヒマワリなど、季節の草花が見られるパノラマ花壇(マップ中央)や、パノラマ花壇の左上方向にあるナチュラルガーデンも花好きには見逃せません。

 

ハーバリウムやポプリ、ボトルフラワーづくりなど、花を使った手作り体験も充実していて、アニメの世界観だけでなく、さまざまに花が楽しめる観光施設です。

 

「ハイジの村」のバラ見ごろは?

▲首都圏よりやや遅く、長くバラが楽しめる

 

春/5月下旬~7月初旬

秋/10月下旬~11月いっぱい

 

首都圏より見ごろはやや遅く、首都圏のバラがひと段落してから観に出かけてちょうどいいくらいです。まだまだバラが観たいという方や、忙しくてバラのシーズンに出かけられなかったという首都圏の方にはピッタリです。

 

詳しい開花情報は、公式サイトで確認してください。

 

▼「ハイジの村」公式サイト

 

春の「ハイジの村」をレポートします

天女の舞子天女の舞子

応援レポーターの「天女の舞子」です。首都圏のバラが終わってから観に行けるバラスポットとして以前から興味のあった「ハイジの村」を、日帰りバスツアーで訪れました。6月初旬の「ハイジの村」をバラ中心にレポートします。

▲ハイジの村がある場所は、緑豊かな山の斜面

たしが「ハイジの村」を訪れたのは、さくらんぼ狩りや桔梗信玄餅の工場見学など、さまざまな観光施設を巡るバスツアーでした。

 

「ハイジの村」は、茅ヶ岳の山の斜面、天気が良ければ南アルプスや富士山も眺望できる自然豊かな場所にあります。すぐ近くには年間2600時間を超える日照時間が日本一長い地域があり、季節ごとの花が美しい施設とのこと。

 

こういう説明が聞けるのは、バスツアーのありがたいところですね^^

 

▲春のバラシーズン真っ盛りのバラの回廊

 

入園口すぐのところにあるスイス風の建物が建ち並ぶ場所は「デルフリ村」と呼ばれています。「デルフリ村」は、TVアニメ「アルプスの少女ハイジ」の舞台として描かれていた村。オーストリア国境にほど近いスイス山岳地帯の村「マイエンフェルト」をモデルにしています。

 

園内のバラは、6月初旬でほぼ満開でした! デルフリ村の広場も鉢バラでいっぱいでしたが、村を抜けた先に、日本一長いといわれる230m続くバラの回廊があります。「ハイジの村」一番のバラのスポットです。

 

あるていど花色をまとめて植えてあるので、赤バラの次は白バラ、オレンジのバラ、ピンクのバラと、次つぎに花色を変えながら続く回廊を散歩するのは、とても楽しかったです。

 

▲花真っ盛りのアンジェラ 写真提供/天女の舞子

 

「バラの回廊」は、支柱と支柱の間隔が開いているので回廊の内側にもしっかり光が届き、たくさんの花が咲いていてそれはキレイでした。支柱の間から外の風景が見られるのもいいですね。

 

▲優しい花色のアプリコット~オレンジのバラも満開 写真提供/天女の舞子

 

以前訪れた平成の森は「日本一長いバラのトンネル」で有名ですが、どっちが長いんだろう? と調べてみたら、ハイジの村の「バラの回廊」が230m、平成の森の「バラのトンネル」は340mでした。

 

各分野の日本一を認定し掲載する「日本一ネット」というサイトで、ハイジの村は「日本一長いバラの回廊」として2001年に認定され、平成の森は「日本一長いバラのトンネル」として2016年に認定されています。長さ自体は平成の森の方が長いのですが、ハイジの村のバラの回廊もとてもキレイでした。

 

ローズガーデンとしては、バラの回廊を中心に、その近くに「王様のバラ園」「お妃様のバラ園」と名付けられた場所がありますが、ネームプレートをつけて整備されているわけでもなく、施設全体の敷地面積のわりにはローズガーデンはそう広くありません。

 

バラ大好きなわたしには、少しもったいないような気もしました。

 

▲バラのステージで開催される「世界のバラ展」 写真提供/天女の舞子

 

わたしが訪れたときには、デルフリ村から階段を下ったところにある「バラのステージ」で「世界のバラ展」が開催されていました。それぞれの国で作出されるバラには傾向があり、プラカードに書かれた各国のバラの特徴を読みながら品種を観るのは興味深かったです。

 

たとえばフランスは「色へのこだわりはファッションの都ならでは。とくにピンクに対する色名が豊富。華やかで上品なバラが多い」。

 

イギリスは「枝がたおやかで自然になじみやすいバラが多い。日本と同様に淡い色も好まれる。香りのこだわりはフランスに並ぶ」。

 

ドイツは「曇り空が多いので、レッドやイエローなどはっきりとした色のバラが生み出される。緑化運動が盛んで公共の場に植栽されることもあり、耐病性にすぐれた品種も多い」などなど。

 

▲園内のいたるところにバラが咲く 写真提供/天女の舞子

 

ローズガーデン自体はそんなに充実しているわけではありませんが、園内のあちこちにバラがたくさん咲いています。

 

建物の壁面や、ちょっとしたコーナーにバラが咲いていたり、バラのフォトスポットがあったり。スイス風の景色とバラというまるでヨーロッパに行ったかのような写真が撮れる、写真映えする場所がたくさんありました。トイレに誘引されたつるバラすら絵になりキレイでした!

 

▲デルフリ村の広場に各国のバラ苗がズラリ 写真提供/天女の舞子

 

デルフリ村にはお土産物屋さんなどのショップがいくつもあり、広場でバラ苗を販売していました。

 

大手ナーセリーのバラはもちろん、コマツガーデンやバルニなど中堅どころの品種も充実しています。今回はバスツアーだったので買いませんでしたが、思わず欲しくなってしまう品種もあり、バラ好きなら車で行った方がいいかも知れませんね。

 

ロードトレインやセグウエイもありますが、奥まで散策しようと思えばそれなり広いし、階段や坂もあるので、歩きやすい靴で出かけた方が良さそうです。

 

訪れた人の口コミは?

6月

茅ヶ岳の麓の斜面にある美しいスポットです。何度か訪れていますが、バラの季節は格別です。長いバラの回廊と斜面に咲き誇る沢山のバラ。世界のバラ展も開催され多くの種類が鑑賞出来ました。

 

スイスを模した建物や石畳の広場、レストランも素敵です。園内ではヤギやウサギも飼われ、大型遊具も揃っているので子供連れにもお奨め。晴れた日は大きな甲斐駒ヶ岳や富士山も望めます。入場料が安いのもありがたいです。

 

8月

ハイジか花が好きならおすすめです。子供とゆっくり回って、ランチを食べて、お茶して、二時間半というところです。

 

子供はハイジの山小屋などを見られてうれしそうでしたし、大人は花を見ながら散策を楽しめます。鯉に餌をやれたり、やぎのアイスを食べると陶器の容器に入っているので持ち帰れたり、ハイジのグッズはかわいくていくつか買ってしまいました。

 

入場料は高くないですが、夏休みでも行列するような混み具合ではなく、ゆったり見られます。花も色々咲いていました。ベンチがあちこちにたくさんあって疲れたらどこでも座れるようになってるのも助かります。子連れにもお取り寄りにも優しい感じ。

 

季節が変わると花が変わるので、また来てみたいと思えました。

 

アクセスと施設の案内

アクセス情報

カーナビに「山梨県北杜市明野町浅尾2471」を入力。

 

中央自動車道韮崎I.C.から車で約15分。

中央自動車道須玉I.C.から車で約10分

 

▼詳しくは Google map をご覧ください。

 

駐車場

無料駐車場アリ

 

公共交通機関

JR中央線韮崎駅から茅ヶ岳・みずがき田園バスで30分

季節運転4月第一土曜日~11/23までの毎日運行

 

JR中央線韮崎駅からタクシーで約20分

 

開園時間と入園料・休園日

開園時間

9時~18時(4月1日~7月31日/8月1日~11月30日)
9時~21時(12月1日~12月31日)
9時~17時(1月2日~3月31日)

 

入園料

4月~10月/大人710円、小中学生360円

3月11日~31日および11月~12月/大人260円、小中学生130円

1月2日~3月10日/無料

 

年間パスポートあり

 

休園日

1月1日と1月~3月末までの火曜(火曜日が祝日の場合開園)

 

施設の案内

「ハイジの村」は規模の大きな観光地のため、温泉付き宿泊施設「クララ館」、挙式ができる教会「花の教会」をはじめ併設施設が多く充実しています。いくつかピックアップして紹介します。

 

レストランボルケーノ

▲スイス風な内装のレストランボルケーノ 出展/ハイジの村公式

 

「ハイジの村」のメインダイニング。スイスの郷土料理「チーズフォンデュ」や、パスタ、オムライスなどが、いただけます。

 

おんじの台所

▲バイキング形式のレストラン「おんじの台所」 写真提供/天女の舞子

 

「おんじの台所」は、団体ツアー客向けのバイキングレストラン。

 

▲あつあつのチーズをとろりとかけて 写真提供/天女の舞子

 

溶かしたチーズを温野菜やソーセージにかける、スイス山岳地帯の名物「ラクレット」などがいただけます。

 

バラの温室

▲大温室ではクラフト体験も 写真提供/天女の舞子

 

写真左手に見える大温室は「バラの温室」。年間を通してさまざまな花が咲いています。ドライフラワークラフトの体験教室もここで行われます。

 

ロードトレイン「ハイジ号」

▲園内をゆっくり周遊する「ハイジ号」 写真提供/天女の舞子

 

定期的に「ハイジの村」を周遊するロードトレイン「ハイジ号」は、途中乗車、途中下車もできて便利。途中から乗るためには、事前にチケットを購入しておく必要があるので注意! 1回300円。

 

ヨーゼフの庭

▲ヨーゼフの庭 出展/ハイジの村公式

 

「ハイジの村」には、愛犬同伴で入ることができ、ドッグラン「ヨーゼフの庭」で遊ばせることができます。利用には「愛犬同伴入園についての同意書」への署名と、1頭につき「エチケットセット」300円が必要です。

 

同伴できる犬種が限られているので、事前に公式サイトで確認してください。

 

「ハイジの村」住所

山梨県北杜市明野町浅尾2471

 

「ハイジの村」公式サイト

 

*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!

 

▼「バラ園に行こう!」の記事一覧はこちらからどうぞ

 

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