横浜イングリッシュガーデンが2018年に開催された「世界バラ会議」コペンハーゲン大会で「優秀庭園賞」を受賞しました。「優秀庭園賞」とはどんな賞なのか、どんな点が評価されての受賞なのかなどを詳しく紹介します。

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「世界バラ会議」で国内8園めの「優秀庭園賞」に横浜イングリッシュガーデン(通称YEG)が選ばれました!

▲横浜イングリッシュガーデンのシンボル、入り口を入ってすぐに現れる大アーチのトンネル

ギリスのロンドンに本拠地を置く「世界バラ会連合」(World Federation of Rose Societiesー省略して「WFRS」と呼ばれる)が3年に一度開催している「世界バラ会議」。2018年にデンマークのコペンハーゲンで開催された世界バラ会議で、「横浜イングリッシュガーデン」(通称YEG)が「優秀庭園賞」(Award of Garden Excellence)を受賞しました。

 

 

世界バラ会議の「優秀庭園賞」は、世界各国のバラ園のなかから「歴史的」「教育的」「視覚的」な観点から、とくに優れたバラ園に贈られる賞です。

 

▼世界バラ会連合の公式サイトのAward of Garden Excellenceのページ

 

「他に類をみない混植ガーデン」「管理水準の高さ」「日本のバラを多く植えていること」「子ども向け教育プログラムの充実」などを高く評価!

▲バラ以外の樹木や宿根草、一年草を組み合わせた混植ガーデンは世界でも珍しい

界バラ会議コペンハーゲン大会の前年2017年11月、世界バラ会連合のケルビン・トリンパー会長とヘルガ・ブリシェ元会長が「横浜イングリッシュガーデン」に視察に訪れました。そのさいの、ケルビン・トリンバー会長のコメントが「横浜イングリッシュガーデン」公式サイトに掲載されていたので引用して紹介します。

 

YEGは6,600㎡と小さな庭園ではあるが、バラだけでなく数多くの花木や宿根草、一年草などが組み合わされた美しいデザインで、オールド・ローズ、つるバラ、シュラブ、各種の四季咲き性のバラや野生種のコレクションは1,800品種を超え、どれも良好な生育をしていて、管理水準が非常に高い。

 

自国品種の保護の観点からも、その中に500種類以上の日本のバラのコレクションが含まれていることはとても素晴らしい。品種プレートは正確に表示されていて、来園者にも分かりやすくなっていてる。

 

また、季節のテーマにあったプログラムや子供向けの教育プログラムを運営している。スタッフやボランティアは仕事に誇りを持っている。YEGはWFRS優秀庭園賞の対象となる基準をみたしている。

 

とくに「世界にも類のないバラと宿根草や樹木などとの混植ガーデンであること」が、高く評価されたと、スーパーバイザーを務める河合伸志さんは話します。横浜イングリッシュガーデンは、前身の「横浜バラクラ・イングリッシュガーデン」の開園が2009年なので歴史としてはまだまだ新しいのですが、「教育的」「視覚的」な面がとくに優れていると認められての受賞のようですね。

 

この受賞をうけて、横浜イングリッシュガーデン運営会社の㈱テレビ神奈川 代表取締役社長 中村 行宏さんは、次のようにコメントしています。

 

この度の優秀庭園賞の受賞、心より嬉しく思います。これからもご来園いただく皆様のご期待に応えられるよう、より充実した庭に仕立てて参ります。横浜イングリッシュガーデンはバラの他にも四季折々の花々で皆様をお迎えしております。ガーデナー一同、お待ち申し上げております。

 

日本では8園めの快挙!

▲狭いガーデンだからこそ、高さを生かした立体的な演出に工夫が凝らされている

秀庭園賞を受賞したガーデンは、コペンハーゲン大会までで世界に64カ所あり、「Rosarium Baden Vienna 」(オーストリア)「Queensland State Rose Garden」(オーストリア)「The Butchart Rose Garden」(カナダ)「Daxing Rose Garden」(中国)「Christchurch Botanic Rose Gardens」(ニュージーランド)「Laura Conyers Smith Rose Garden」(アメリカ)そして「Yokohama English Garden」(日本)の7園が、新たに選ばれました。

 

 

今回受賞した7園のなかでも、横浜イングリッシュガーデンは、最高評価を得ての受賞ときいています。

 

 

過去、優秀庭園賞を受賞したガーデンは、日本に7園あります。いずれも素晴らしいバラ園です。過去に受賞したバラ園を紹介するので、機会があればぜひ足を運んでみてください!

 

 

花フェスタ記念公園(岐阜県可児市)

 

神代植物公園(東京都調布市)

 

京成バラ園(千葉県八千代市)

 

福山市ばら園(広島県福山市)

 

大阪市靭公園バラ園(大阪府大阪市)

 

佐倉草ぶえの丘(千葉県佐倉市)

 

アカオハーブ&ローズガーデン(静岡県熱海市)

 

「日本のバラの育種は、まだまだ世界に通用していない!」横浜イングリッシュガーデンのスーパーバイザー河合伸志さんは語る!

▲世界バラ会議2018コペンハーゲン大会でバラの栄誉殿堂入りを果たした「ノックアウト」

界バラ会議コペンハーゲン大会に出席し、優秀庭園賞の授賞式にも臨んだバラの育種家・河合伸志さん(横浜イングシッシュガーデンのスーパーバイザーを務める)は、世界バラ会議に出席してバラの世界水準の高さを実感したという主旨のコメントを残しています。

今回、群馬県中之条町で整備しているバラ園の開園を前に、ゆっくりと渡欧できず、弾丸ツアーで授賞式に臨んだのですが、その中で参加できた世界のブリーダーのパネルディスカッションから得られた確かなことは、日本のバラの育種はまだまだ世界に通用していない、ということでした。

 

今、世界の育種のベースは耐病性のある品種であることが絶対条件です。花形や花色、香りや株姿、どれをとっても国内的にはすばらしい品種はたくさん生まれています。しかし、そこに耐病性という条件がなければ、日本以外、特に欧米ではまったく通用しない、相手にされないというくらいの状況があります。その耐病性のハードルも、EU圏内での薬剤規制等もあって、かなり高いものです。

 

今回、殿堂入りしたバラ‘ノックアウト’にしても、日本ではあまり人気はありませんが、ヨーロッパではよく利用されています。何故か? それは病気に強いからです。日本は気候のせいもありますが、やはり私が育種した品種にしても、耐病性のなさ、特に黒星病への弱さを認めざるを得ません。こんなところが、いまだにバラの栽培は難しいと、一般の方々が思う理由にもなっています。

 

しかし、日本の育種ではそこが最優先課題になっていないように思います。これからは、これまでの育種の方向に高い耐病性を交えた改良が必須です。そうしないと世界のバラの潮流から日本は取り残されてしまい、ガラパゴス化してしまうのではないかと、私自身に言い聞かせています。

 

ヨーロッパでは一般家庭での農薬の使用が厳しく制限されるようになり、それに伴い耐病性の高い品種の開発が急がれているとききます。日本ではまだそういった規制がないので、耐病性よりも見た目の美しさを追求するところがあります。

 

 

河合伸志さんがバラの育種家だということを考えると、日本だけでしか通用しないバラを育種するよりも、世界で認められるバラを育種していきたいという気持ちはより切実だと思います。

 

 

もっと気軽に育てられるバラが増えると嬉しいので、ぜひワールドワイドな視点での育種をすすめていただきたいと思います^^

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「横浜イングリッシュガーデン」は、横浜から1駅。気軽に行ける距離にある充実した都会のガーデン

▲川の近くなので高い建物があまり見えず、ここが都会だと忘れてしまいそう

ラ園は行き来に時間のかかる場所にあることが多いのですが、「横浜イングリッシュガーデン」は、横浜駅から相鉄線で1駅の「平沼橋」駅下車、徒歩10分の場所にあります。横浜駅から無料送迎バスも出ていて、気軽に行けるところが魅力です。

 

 

敷地面積は6600㎡とあまり広くありませんが、立体的な見せ方を多く取り入れ、バラ以外の宿根草や樹木を密植した素晴らしいガーデンです。植物を密植するととうぜん手入れが大変になりますが、横浜イングリッシュガーデンは、きめ細かい管理でいつ訪れても美しく保たれています。

 

 

後日、受賞イベントを予定しているそうですよ! 

 

まとめ

わたしの地元・横浜にある「横浜イングリッシュガーデン」は、バラを主体に樹木や多くの草花を組み合わせて素敵なデザインに仕上げているガーデンです。1800品種もあるバラの季節はもちろん圧巻の美しさなのですが、約300品種が植えられているアジサイと同時に咲くバラの2番花の季節も素敵です。秋バラのシーズンにはたくさんのコスモスが咲きます。

 

 

バラの少ないシーズンに訪れたときには、園内のあちこちに隠れた小さな妖精の置物を探すイベントを行っていました。いつ訪れても楽しめるように、バラ以外の植物やイベントにも気を配っているのですね。

 

 

自宅の近くなのもあって何度も訪れている「横浜イングリッシュガーデン」が、なんと「世界バラ会議」で「優秀庭園賞」を受賞しました! 事前視察に訪れた世界バラ会連合の会長は、バラと他の樹木や草花が混植されていることに驚いたそうです。しかも、植物の管理状態はバツグン。ここが特に高く評価されたポイントなのだとか!

 

 

横浜イングリッシュガーデンは、横浜駅から相鉄線で1駅の平沼橋駅から徒歩10分。横浜駅から無料の送迎バスも運行している、気軽に行きやすいガーデンです。愛らしいバラたちに会いに、気持ちのリフレッシュに、ガーデンデザインのヒントをつかみに。ぜひ、足を運んでみてくださいね!

 

▼横浜イングリッシュガーデンについて詳しくは、こちらをご覧ください。

 

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