バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回はオールドローズの「プリンセス・オブ・ウエールズ」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!

「プリンセス オブ ウエールズ」は、こんなバラ

▲1871年イギリスのLaxton Bro.作出の「プリンセス オブ ウエールズ」 写真提供/ハナたろう

つは「プリンセス オブ ウエールズ」という名のバラは2種類あります。

 

まず今回そだレポする「プリンセス オブ ウエールズ」。こちらは1871年イギリスのLaxton Bro.作出の淡いピンク色のバラです。このバラは、ハイブリッド・ティー(HT)系統が確立する以前の大輪バラの代表的系統であるハイブリッド・パーペチュアル(HP)系統のバラです。

 

ハイブリッド・パーペチュアル系統のバラは、1700年代からフランスで栽培されていたポートランド系統や1800年代初頭から知られるブルボン系統のバラに中国バラが交雑した品種。現代バラに移行する直前の後期のオールドローズになります。

 

丸みの強いコロンとした花形や、薄い花びら、艶のないきれいな緑色の葉にオールドローズらしさが見て取れます。バラの香水の原料となっている品種に近いので、ダマスクの素晴らしい香りも堪能できます。

 

樹形や開花習性などは取扱店によりさまざまに表記されているので、今回のそだレポを通して確認していきたいと思います。

 


プリンセス・オブ・ウェールズ(大苗)7号鉢植え バラ苗 四季咲き 中輪

▲1997年ハークネス社作出の「プリンセス オブ ウエールズ」

 

ふたつめの「プリンセス オブ ウエールズ」は、1997年イギリスのハークネス社作出のバラ。

 

中心がうっすらアイボリーがかる品の良いフロリバンダ系(中輪房咲き)の白バラです。故ダイアナ英国皇太子妃に捧げられたバラで、苗木売り上げの一部は、英国肺病基金に寄付されています。

 

バラの品種名としては、こちらの方が有名でしょう。

 

▲1998年Zary.K.W作出の「ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ」

 

さらにややこしいことに、「ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ」というバラもあります。

 

こちらは現在では「エレガントレディ」の名称で呼ばれていますが、発表当時は「ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ」という品種名でした。もちろんこちらも、ダイアナ元妃に捧げられたバラです。

 

今回育てる「プリンセスオブウェールズ」の環境DATA

関東の南向きの庭(陽当たり良好)

2年半前に中苗(新苗を鉢のまま秋まで育てた株)を購入

今年の目標/これまであまり注目していなかったバラですが、どうやら希少品種らしいので今年はしっかりお世話しようと思います。

育てる人/ハナたろう

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

3月24日の「プリンセスオブウェールズ」/若葉が展開

▲現在の樹高は45cm 写真提供/ハナたろう

場の用土替えと有機質肥料(バットグアノ5:油カス5)の施肥は済ませてあります。鉢は10号プラ鉢を使用。剪定は、樹高120cmから45cmに強剪定。細枝もすべて残しています。

 

葉にまったく艶がなく、ノイバラのような雰囲気です。

 

3月29日の「プリンセスオブウエールズ」/発蕾

▲若葉がしっかり展開 写真提供/ハナたろう

のない若葉が、しっかり展開してきました。状態はとても良いです。

 

▲よくみると、小さな蕾が! 写真提供/ハナたろう

 

はやばやと蕾も形成されています。葉が少し白くみえるのは、薬剤散布後に撮影したためです。

 

この時期の手入れ

薬剤散布。

 

オーソサイド80水和剤(幅広い病害の予防)+ポリオキシンAL水和剤(ウドンコ病などの防除)+アファーム乳剤(ヨトウムシ、アザミウマなどの害虫駆除)。

 

展着剤として、今回からアビオンEを混入しています。

 

4月6日の「プリンセスオブウエールズ」

▲さらに葉が茂って! 写真提供/ハナたろう

が茂り、蕾が育ってきました。若葉がアブラムシに吸われて黒ずんでしまった蕾もありますが、開花に影響はないと思います。

 

▲蕾の数は十数輪 写真提供/ハナたろう

 

早いものはガク割れして花びらのピンク色がのぞいています。蕾は十数輪あります。

 

この時期の手入れ

薬剤散布。アブラムシが出てきたので、スミソン乳剤を散布しました。

 

4月24日の「プリンセスオブウエールズ」/蕾ふくらむ

▲整った株姿 写真提供/ハナたろう

花に向けて蕾が膨らんできました。

 

▲まるまると蕾ふくらむ 写真提供/ハナたろう

 

まるまるとした、まるで饅頭(まんじゅう)のような蕾です。30個以上の蕾があり、房咲きになっている枝もあります。開花が待ち遠しいです。

 

4月30日の「プリンセスオブウエールズ」/最初の一輪が開花

▲一番花の最初の一輪が開花 写真提供/ハナたろう

いに饅頭が破裂! 一番花が開花しました。

 

▲花径7cm。淡い上品なピンク色 写真提供/ハナたろう

 

花径7cm。薄いピンクの巻き巻き咲きで、濃厚なダマスクの強香が漂っています。昨夜の嵐の影響はなかったようなので、ホッとしています。

 

どの枝も房咲きになっており、主蕾から順に副蕾が開花してきます。これからしばらく、花も香りも楽しめそうです♪ 

 

5月4日の「プリンセスオブウエールズ」

▲つぎつぎ開花! 写真提供/ハナたろう

径7cmの花がつぎつぎ開花してきました。

 

▲プリンセスの名にぴったりな上品な花 写真提供/ハナたろう

 

上品なラメの入った薄ピンク色で、フルーティーなダマスク香。花も香りも、英国のお姫さまにピッタリな贈り物だったことでしょう。

 

5月16日の「プリンセスオブウエールズ」/満開

▲花枝の先に4~5輪の房咲き 写真提供/ハナたろう

リンセスオブウエールズが満開を迎えました。直立した枝先に、4~5輪ていどの房をつくって咲いています。

 

▲ほぼ球形の花形 写真提供/ハナたろう

 

ふんわりとした淡ピンクの花は、最大限開いてもここまでです。薄いたくさんの花びらがしっかりと詰まっていて、ボーリングするのでは? と、心配になるほどです。

 

花びらが薄いことと花色が淡いことから傷みが目立ちやすく、雨はもちろん夜露ですら花びらの先が茶色くなります。

 

▲房咲きを楽しみたいなら、主蕾は早いめに積んで 写真提供/ハナたろう

 

この品種は、主蕾が散るまで残しておくと、副蕾が茶色く枯れてしまうようです。副蕾をキレイに咲かせたい場合は、開くと同時に主蕾を摘んでしまった方が良さそうです。

 

フロリバンダと同じ処置をすれば、キレイな房咲きを楽しめます。

 

>>つぎのページでは「切り戻し」から紹介しています。