バラのナーセリー「バラの家」からコシヒカリの新米が発売!・・・でも、バラとお米にどんな関係が? 理由を知れば、きっと「米ローズ」を食べて「バラの家」を応援したくなりますよ!
9月15日「バラの家」からお米を販売開始!?
▲「バラの家」オリジナル米「米ローズ」 米袋ph出展/バラの家公式
とても面白いニュースが飛び込んできました。あの「バラの家」からお米が発売されたというのです。
「バラの家」といえば、今や日本一の販売量を誇るバラ苗のナーセリーです。しかも国内外のバラの新品種コンクールで数々の受賞歴があるバラの育種家・木村卓功(きむら・たくのり)さんが代表を務める会社でもあります。
そんな日本を代表するバラのナーセリーからコシヒカリの新米が発売されたのです。名付けて「米(まい)ローズ」!
令和6年産「米ローズ」5kg入り3500円
米袋にバラの花がデザインされているのが斬新!値段はちょっと高いかな?でも米不足が深刻な今日この頃です。米品種はコシヒカリなので味は折り紙付きの「米ローズ」、欲しい方は売り切れる前に急いで入手を!
そもそも、なぜバラのナーセリーが米づくりを?
▲株元や根に醜いコブをつくる「根頭癌腫病」
そもそも、なぜバラのナーセリーが米をつくるのか? これには、近年バラ業界で大問題になっている根頭癌腫病(こんとうがんしゅびょう)が関係しています。
根頭癌腫病は、バラの株元や根に泡立ったような醜いコブをつくる病気です。罹患してすぐにバラが枯れてしまうわけではありませんが、じょじょに生長も花付きも悪くなり、やがて弱らせてしまう原因となる病気です。
根頭癌腫病を引き起こす細菌は「Agrobacterium tumefaciens」(アグロバクテリウム ツメファシエンス)といいます。
かつて20世紀には根頭癌腫病はとても珍しい病気でした。バラ苗1000株に1本出るかどうかというていどの発症率だったそうです。が、現在ではとても増えています。
わたしは昨年、とある店舗でバラ苗を2株購入しましたが、どちらも根頭癌腫病でした。そこで今年の初めに代替品をもらったのですが、代替品2株もやはり根頭癌腫病でした。お店が仕入れているナーセリーの土壌が汚染されていて、ほとんどすべての株が罹患しているのでしょう。
根頭癌腫病を引き起こす「Agrobacterium tumefaciens」(アグロバクテリウム ツメファシエンス)だらけの汚染された土壌は、徹底的な消毒が必要ですが、これはなかなか時間もお金も手間もかかる作業です。なので、そこまで徹底的にできていないナーセリーもあるのが現状です。
田んぼにすることで土から「根頭癌腫病」の病原菌が除去できる!
▲好気性細菌は田んぼで生育することができない
ところでこの「Agrobacterium tumefaciens」(アグロバクテリウム ツメファシエンス)は、好気性細菌です。つまり、生育のために酸素が必要な細菌なのです。
そのため、土壌を水浸しにしてしまえば──たとえば水田にしてしまえば「Agrobacterium tumefaciens」(アグロバクテリウム ツメファシエンス)は生育することができません。
実際いくつかのナーセリーでは稲とバラ苗とを輪作することで、劇的に根頭癌腫病の発生を抑え込んでいます。
「バラの家」でも稲とバラ苗との輪作をしてきましたが、これまでは田んぼは米農家に依頼して米作りをしてもらっていたそうです。しかし米作りの担い手が減少している昨今の事情から、昨年から「バラの家」スタッフで米づくりを始めたという経緯なのだそう。
そして今年できたのが「米ローズ」なのです。
「米(まい)ローズ」購入はこちらから
衛生管理の理由から、通常の商品とは異なった場所から出荷されるため、お米のみで注文してください! 4個まで1梱包で届けてもらえます。
まとめ
今回は「バラの家」からお米が販売されることになった経緯について紹介しました。
一度発症してしまえば根治することができない厄介な病気「根頭癌腫病」を発生させないための取り組みとして、「バラの家」では稲作とバラ苗の輪作を行っています。そしてついに、バラ苗づくりの副産物としての米販売を始めたということです。米不足が深刻な昨今ですから、とてもタイムリーな話題ですね!
木村卓功さんという方は、バラの専門家のなかでもかなりこだわりの強い情熱家だと感じます。今回のニュースからもその情熱は読み取れます。
まだまだ根頭癌腫病は猛威を振るっていますが、いずれ鎮静化してくれることを祈って!「米ローズ」を購入して「バラの家」を応援してみませんか!?
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