ゴールデンウイークに合わせて開催された「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2024」のもようを2回に分けて紹介します。第1回目はバラの展示を中心に! 最新品種のバラが観られます。


日本最大級の園芸イベントが横浜で開催!

▲横浜・みなとみらいで開催

2024年5月3日~6日の日程で、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜で「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2024」が開催されました。

 

横浜市は数年来、花いっぱいの街づくりに力を入れていて、昨年(2023年)は「フラワー&ガーデンショウ横浜2023」と「ローズフェアwith趣味の園芸」という2つのイベントが同時開催されています。

 

さらに2027年には「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」が横浜で開催される予定で、今後も園芸関係のイベントに力が注がれそうです。

 

さまざまな「フラワー」があるなかで、今回は「バラ」に焦点を当てた展示がされました。「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2024」の模様を2回にわたって紹介します。

 

エントランスから続くL字型のウエルカム・ガーデン

▲木箱を組み合わせたエントランスのウォールガーデン

シフィコ横浜のA・Bホールを使って開催された「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2024」の総面積は10,000㎡。広い会場には人気デザイナーのガーデンやフラワーアーティストの展示、最新の鉢バラや切りバラの展示、さらにミニガーデンやハンギングバスケットのコンテスト、体験工房、花屋やさまざまな企業のブース、そしてトークショウなどが開催されるステージと、植物に関するさまざまな体験ができるイベントとなっています。

 

かつて大人気のうちに閉幕した「国際バラとガーデニングショウ」を彷彿とさせる内容です。

 

エントランスはたくさんの木箱を積み上げた中に文字やガーデングッズを配置したウォールガーデンです。全体に抑えた色調で統一されていて、とにかく華やかだった「国際バラとガーデニングショウ」と差別化されています。

 

▲シャビーで大人な味わいのウエルカム・ガーデン

 

エントランスから続くL字型のウエルカム・ガーデンは、たくさんの植物を使いながらも乾いた質感とシャビーな雰囲気でセンスよくまとめられています。

 

手がけたのは植物との暮らしを提案する園芸店「garageガレージ」。ガーデンタイトルは「港町みんなのガーデン」。

 

使い込まれた木や鉢の風合いを大切にしながら観葉植物やサボテン・多肉などを生活に取り入れるgarageらしいガーデンです。

 

▲海風と強烈な日差しが感じられる

 

花はほとんどなく、さまざまなテクスチャーの葉を重ねた小径はどこか海岸近くの露地のよう。海風と強烈な日差しに晒された港町の雰囲気が感じ取れます。

 

わたしが注目したのがコンクリート色のレンガ道。実際に住宅の庭でガーデニングを始めてみると、イングリッシュガーデンでよく使われるレンガ色って、日本の住宅に合わないことが多いと気づかされました。それじゃ何が合うのかというと、コンクリートの無彩色な濃淡を主調にするのがいいのではないかと。

 

そう考えていたところなので、さまざまなコンクリート色が混じり合った味わい深い小径はとても気に入りました。

 

▲緑を主役に、落ち着いた色調の花を挿し色に

 

コンクリート色には、落ち着いた色調の、主張しすぎない花がよくなじみますね。バラだったらどうだろうか? 紫や青系のバラ、茶系など、今流行りのバラなら間違いなく似合うだろうし、これだけ雰囲気のある小径なら、きっと華やかな色のバラだって負けないはず──なんて、いろいろ考えてしまいました。

 

いずれイングリッシュガーデンの模倣ではない、日本独自の花の庭が完成するといいですね^^

 

横浜ローズコレクション

▲現在のトレンドバラ50品種が一堂に

エルカムガーデンを抜けると「横浜ローズコレクション」と題した、各バラのナーセリー自慢の品種が展示されたコーナーにたどり着きます。ここでは最新品種を含む現在のトレンドバラを50品種観ることができます。

 

トレンドのバラということで、青バラ、紫バラ、茶バラと、全体的に落ち着いた花色の品種が多く、しかも草花とも相性の良い小ぶりな花も多くて、本来のバラらしい華やかさは控えめでした。

 

が、緑主体のガーデンに取り入れやすい、狭い庭やベランダのようにごく近くで観賞するのに適した品種が多く、たしかにこれが現在の日本のトレンドバラだと納得させられます。

 

いくつか紹介します。

 

ルクソール(ロサ・オリエンティス)

色の蕾が開くと、ときに紫を帯びる砂色になる不思議な魅力に満ちたバラです。先の尖った宝珠弁の整ったカップ咲きで、花が美しいだけでなく、耐病性も高いロサ・オリエンティスの最新品種のひとつ。

 

房咲きするので花数が多く、香りは薄いけれどその分、花保ちが良く、長く楽しめます。品種名は、数多くの遺跡があるエジプトの古代都市の名称から。

 

ポルトブルー(ロサ・オリエンティス)

界じゅうで唯一日本でのみ追及されている、極力赤みを消した水色系バラの最新品種。青藤色の花色に耐病性の高さと香り(ダマスク系の中香)をあわせもちます。

 

「ポルトブルー」は、フランス語で「青い扉」の意味。これまで育てにくい品種が多かった水色系バラが、初心者でも育てられるバラになる日は近いのではないか? その入り口となるバラという期待を込めたネーミングです。

 

ザ・セレスティアル(ロサ・オリエンティス)

の尖った花びらをロゼット状に咲かせる「ザ・セレスティアル」。青みがかったシルバーグレーの花色で、房咲きにたわわに咲く姿は、今までにない新規性を感じさせます。

 

ロサ・オリエンティスらしく、そこにさらに耐病性の高さをプラス。育てにくい弱い品種が多かったシルバーグレーのバラが、ぐっと育てやすくなりました。

 

こんぺいとう(河本バラ園)

径3~4cmほどの小さな花を賑やかに房咲きします。花色は春は桜ピンク、夏は緑に縁どられた白。大きく印象を変えるところが面白い。河本バラ園ローズドゥメルスリーの2023年発表品種。

 

会場では白っぽく、春花と夏花の間のような花色でした。

 

希成-きなり-(京成バラ園芸)

ダンローズを代表する剣弁高芯咲きのキリッと巻いた大輪花は、開くとロゼット咲きになり、長く観賞価値を失いません。花色は中央が濃くなるベージュ色。京成バラ園芸の最新品種です。

 

このまま茶花にできそうなシックな佇まいです。

 

レグランビュッフェ(ドリュ)

なり控え目な花色の多い日本のナーセリーに比べ、やはり海外ナーセリーのバラはどれも華やかです。

 

軽やかで透明感あるオレンジ色の花を5輪ほどの房咲きにする「レグランビュッフェ」。花形も軽やかで、ふわりふわりと風にそよいでいるかのようでした。

 

アレキサンドラダビッドニール(デルバール)

みを帯びたモーブピンクの花色の波打つ花びらのロゼット咲き。会場の照明でより青く、美しい発色で輝くようでした。

 

ストロベリーミスト(コルデス)

びらの内側が赤で裏が白のバイカラーの花。コロンと愛らしい花形で房咲きします。ネーミングからして、苺に粉砂糖がふりかかったような、ちょっと美味しそうなバラですね。

 

真夜-まよ-(禅ローズ)

浜に縁の深い河合伸志さん作出の人気品種「真夜」(まよ)は、非常に濃い黒味を帯びたエレガントな赤紫色です。ダマスク系統の強香も楽しめます。

 

トレンドバラを集めたということで、とくに日本のナーセリーのバラは新規性のある渋いツウ好みな品種が多く見られました。熱心なロザリアンには最新品種が見られた満足感があったでしょうし、鉢バラに詳しくない方には、こんな花色のバラがあるのかと驚かれたのではないでしょうか?

 

でも欲を言えば、少し華やかさが足りなかったようにも思えました。

 

日本ばら切り花品評会

▲黒を背景にバラの華やかさが際立つ展示

バラの隣では切りバラの品評会が行われていました。こちらは背景を黒にしたことで花色がハッキリと見え、どの花もとても映えて美しかったです。

 

近年では切りバラと鉢バラの垣根が低くなっています。切り花品種が鉢バラになることも多いので、その期待も含めていくつか紹介します。

 

ベイビーカメレオン

弁が淡い緑色で中がごく淡いピンク色。「ベイビーカメレオン」は、切りバラの人気品種です。花色の美しさとともに、花がとても長保ちすること、さらに咲き進むと全体が緑色になるという花色が変化する特徴をもつ、とてもユニークなバラです。

 

流通量は少ないけれど、すでに鉢バラでも販売されています。

 

シェリーブラン

るでアーティチョークの蕾のような、コロンとした淡緑色のバラです。中央に差したほんのりとしたピンクがとても上品。淡い色の花束に入れると、愛らしさと品の良さを演出できそう。

 

この品種は、鉢バラではまだありません。

 

ミントティー

さにミントのように色鮮やかな緑色のバラです。丸弁高芯咲きの、いかにもバラらしい巻き上がった花形が美しい。

 

京成バラ園芸育種の品種で、バラ苗も販売されています。露地で育てるとここまで緑にはならず、緑の外弁に縁どられた白バラという色合いです。

 

マンゴーリーバ

いオレンジ色がひときわ色鮮やかなバラです。確かに品種名のとおりマンゴーを思わせる濃厚な花色。波状弁がくしゅくしゅと捉えどころのない雰囲気に咲く花形で、その花色と花形から大型のマリーゴールドのように感じました。

 

ここまでハッキリした花色は好みの分かれるところで、バラ苗として販売されることはないかも知れないけれど、存在感の強さはピカイチでした。

 

バラ苗のフラワーショップ

▲最新品種の新苗を実物を見て選べる!

内外のナーセリーのバラ苗を扱うショップもありました。ネットでしか購入できないような最新品種の新苗の取り扱いもあり、多くのお客さんでにぎわっていました。

 

まとめ

今回は、ゴールデンウィークに合わせて開催された「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2024」のもようを紹介しました。

 

このイベントのチラシには大きく「初開催」と書かれています。惜しまれながら閉幕した「国際バラとガーデニングショウ」の後継イベントとして定着してくれるといいですね。

 

今回は、ウエルカムガーデンと鉢バラ・切りバラの展示、バラのフラワーショップを紹介しました。第二回目の次回は、ガーデンデザイナーによるショーガーデン「緑縁」、最新の鉢花・切り花を集めた「ジャパンセレクション」、「ガーデンコンテスト」などのもようを紹介します。

 

どうぞお楽しみに!

 

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