18世紀の終わり~19世紀初頭にかけて、中国からヨーロッパにもたらされた4種類のバラのうち、ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ、またはパークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナを親とするのがティー系統のバラです。
多くの品種がチャイナ系統よりも大型の花を四季咲きにし、名まえの通りティー香がするのが特徴です。
ティー系統は、中国原産のロサ・ギガンティアの流れを汲むバラを親として交配された
▲ティー系統のバラ「レディ・ヒリンドン」
ロサ・ギガンティアゆずりのティー香が特徴
18世紀の終わりから19世紀初頭にかけて、中国からヨーロッパにもたらされたバラは4種類ありました。四川省を原産地とする原種ロサ・キネンシスの流れをくむバラが2種類、そして、雲南省を原産地とする原種ロサ・ギガンティアの流れをくむバラが2種類です。
これらのうち、雲南省を原産地とする原種ロサ・ギガンティアの流れをくむバラ、ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ、またはパークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナを交配の親とする系統のバラが、ティー系統です。
ロサ・ギガンティアは剣弁とティー香の祖と呼ばれています。その性質を受け継いで、ティー系統のバラはティーの香りがあります。
チャイナ系統よりも大輪で、黄色を帯びた花色もある
ティー系統のバラには、中国からヨーロッパに渡ったロサ・ギガンティアの流れをくむバラ(ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ、またはパークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナ)を片方の親に、もう片方の親にはブルボン系統のバラ、またはノワゼット系統のバラがあります。
系統として、チャイナ系統のバラと近い位置にあるティー系統のバラですが、ティー系統はチャイナ系統よりも花が大きく、黄色味を帯びた色味があります。
パークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナは、一季咲きのクリーム色のつるバラです。つる性と黄色味を帯びる花色は、このパークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナゆずりの性質です。それまでのヨーロッパのバラには黄色を帯びたものはほとんどなかったので、このバラにより花の色味が豊かになりました。
写真のレディ・ヒリンドンは温かみのあるオレンジ色。上品で魅力的な花色ですね。
花形は、オールド・ローズらしいカップ咲きやポンポン咲きのものもあれば、剣弁高芯咲きのものもあり、多彩です。
四季咲きです。
枝が柔らかく、棘の少ない品種が多い
▲レディ・ヒリンドンの枝
同じティー系統でも、交配の親としたのがヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナなのか、それともパークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナなのかで性質の異なる樹形のバラがあります。
ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナは木立性(ブッシュ)樹形で、パークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナはつる性です。つる性を濃く受け継いだ品種は、枝が柔らかく棘が少なく扱いやすいものが多くあります。
枝が赤い色なのもティー系統の特徴です。写真のレディ・ヒリンドンの枝も赤くてきれいです。
枝先を長く伸ばすので、つるバラのように誘引することができる四季咲きの品種もあります。
まとめ
なかでもティー系統で注目されるのがティーの香りとパークス・イエロー・ティー・センティッド・チャイナゆずりの黄色味の花色ね。黄色といっても温かみのあるクリーム色といった色調なので、クリーム色を帯びた白やクリーム色がかったオレンジ色などの上品な色味のバラが作出されました。
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