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中近東原産原種バラロサ・フェティダ(Rosa foetida)の八重咲き品種ロサ・フェティダ・ペルシアーナ(ペルシアン・イエロー)を交配の親とするバラがハイブリッド・フェティダ系統です。ロサ・フェティダの鮮やかな黄色を受け継ぎ、黄色やオレンジ色の品種があります。


ハイブリッド・フェティダ系統は、ロサ・フェティダの流れをくむ初期のバラの系統

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▲中近東原産の原種バラ、ロサ・フェティダ(Rosa foetida)

近東原産の原種バラ、ロサ・フェティダ(Rosa foetida)は、他の原種バラにはない鮮やかな黄色のバラです。

 

ハイブリッド・フェティダ系統のバラは、このロサ・フェティダに起源をもつハイブリッド・ティー系統以前のバラのグループです。ただし、ロサ・フェティダはほとんど実のつかない品種のため、ハイブリッド・フェティダ系統の多くは自然交雑種枝替わり品種のようです。

 

ハイブリッド・フェティダ系統は、ロサ・フェティダの黒星病に弱い性質も受け継いでいます。

 

▼原種バラ、ロサ・フェティダについてはこちらをご覧ください。

ハイブリッド・フェティダ系統は、やがて現代バラに黄色の花色をもたらす

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▲ハイブリッド・フェティダ系統のハリソンズ・イエロー

サ・フェティダ枝替わりで発生したのが八重咲き品種ロサ・フェティダ・ペルシアーナ(ペルシアン・イエロー)です。

 

ペルシアン・イエローの人工交配を試みていたフランスの育種家ペルネ・デュシェは、10年以上の試行錯誤の末にようやく1900年、ペルシアン・イエローを親にした初めての黄色系のバラ「ソレイユ・ドール」人工的に生み出すことに成功します。

 

▲黄バラの園芸品種の祖「ソレイユ・ドール」

 

実際はソレイユ・ドールは、ペルシアン・イエローのように鮮やかな黄色ではなく、マットなオレンジ色で四季咲き性もありませんが、このソレイユ・ドールをに次々とモダン・ローズの黄バラが生み出されます。わたしたちが今、目にしているモダン・ローズの黄バラは、元をたどればすべてこのソレイユ・ドールに行き着くのです。

 

ソレイユ・ドールまでがハイブリッド・フェティダ系統に含められています。

 

まとめ

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酸っぱい腐敗臭をもつという、グルジアのカフカース山脈山麓の丘陵地帯を原産地とする原種のバラロサ・フェティダを起源とするバラのグループがハイブリッド・フェティダ系統です。

 

他の原種バラにはない、鮮やかな黄色が美しいのですが、このバラ、実がほとんどつかないバラなのだそう。だからこの黄色い花色を他のバラに受け継がせようとしても、なかなか難しかったようです。

 

その難問をなんとかクリアしたのがフランスの育種家ペルネ・デュシェでした。彼の作出した「ソレイユ・ドール」というオレンジ色のバラのおかげで、現代バラは黄色い花がもたらされたのです。

 

それじゃハイブリッド・フェティダ系統の他の品種はどうやって生まれたのかというと。

 

たとえば写真のハリソンズ・イエローは、アメリカの弁護士ジョージ・ハリソンが、ニューヨークのマンハッタン島の農場で見つけたバラなのだとか。ヨーロッパ原産の原種バラロサ・スピノシッシマとの自然交雑種と考えられているそうです。

 

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