イングリッシュローズ」は、近年のガーデンローズ人気をつくったバラです。「イングリッシュローズ」の定義や特徴、人気品種など、まとめて紹介します。

YOUYOU

「イングリッシュローズ」ってよく聞くけど、じつはハッキリ知らなくて。そもそも「イングリッシュローズ」って何?──イギリスのバラ?イギリスで作られたバラっていう意味?


「イングリッシュローズ」はブランド名!

▲イングリッシュローズの「レディエマハミルトン」

ラ苗は、各々の品種名にメーカー名(育種ナーセリー名)をつけて販売されます。たとえば、つるバラの人気品種「ピエールドゥロンサール」はフランスのメイアン社の品種です。育てやすい青バラとして知られる「ノヴァーリス」は、ドイツのコルデス社の品種です。

 

ほとんどは「品種名+メーカー名」で表示されることが多いのですが、洋服のようにブランド名をつけて販売されるケースもあります。たとえば、キムラ企画の木村卓功さん育種のバラは「ロサ・オリエンティス」のブランド名がつけられています。

 

同じように「イングリッシュローズ」も、ブランド名です。イギリスのデビッド・オースチン・ローセズ社(David austin roses)で育種された品種を「イングリッシュローズ」というブランド名で販売しているのです。

 

イギリスにはディクソン(Dickson)やワーナー(Warner)など、ほかにも有名なバラの育種を行うナーセリーがありますが、それらのバラを「イングリッシュローズ」とは呼びません。

 

YOUYOU

ブランド名なの? わたし、イギリスから来たバラが全部「イングリッシュローズ」なのかと思ってたわ。それか、ハイブリッドティー系統なんかと同じように「イングリッシュローズ系統」っていうのがあるのかも知れないとか・・・。ぜんぜん違ってたわね。

あいびーあいびー

「イングリッシュローズ」って、すごく一般的な名称よね。これでよくブランド名として認可されたと思うくらい!たとえばわたしが「日本のバラ」とか「ジャパニーズローズ」というブランド名を商標登録しようとしても難しいと思う。一般名称なので、独占使用を主張できないから、ブランド名として成り立たないです。

 

「イングリッシュローズ」じゃなくて「デビッド・オースチンローズ」ならYOUちゃんのように混乱する人はいなかったと思うんだけどね。

YOUYOU

なるほど。「イングリッシュローズ」は「デビッド・オースチン・ローゼズ社のバラ」つまり「デビッド・オースチンローズ」と同じ意味なのね。

 

▼イングリッシュローズについてさらっと知りたい方はこちらの記事をどうぞ

 

「イングリッシュローズ」の特徴は?

▲イングリッシュローズは、モダンローズの中のシュラブ系統に属する

年のガーデンローズ人気に火をつけたのが、この「イングリッシュローズ」の存在です。イングリッシュローズは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏により創り出されました。

 

「イングリッシュローズ」第1号は、1961年に発表された「コンスタンススプライ」です。

 

1867年にフランスのギヨーにより発表された「ラ・フランス」以前のバラをオールドローズ、「ラ・フランス」以降のバラをモダンローズと定義しているので、「イングリッシュローズ」はモダンローズのひとつ。しかも、かなり新しいバラということができます。

 

系統でいえば「イングリッシュローズ」は、モダンローズの中の「シュラブ系統」に属します。

 

「イングリッシュローズ」は、オールドローズとモダンローズのいいとこ取り

▲オールドローズの「オノリーヌドゥブラバン」(ブルボン系統)

ングリッシュローズは、オールドローズとモダンローズの交配から創り出されました。その結果、オールドローズとモダンローズのいいとこ取りのバラが誕生したのです。

 

オールドローズからは、カップ咲きやロゼット咲きなど優美な印象の花形、芳醇な香り、シュラブ樹形、育てやすい強健さなどを受け継ぎました。一方モダンローズからは、多彩な花色と繰り返し咲く性質を受け継ぎました。

 

YOUYOU

そうそう。昔のバラって、ツンと尖った印象だけど、「イングリッシュローズ」なんかの最近のバラはまるく咲いてすごく優雅な印象よね。しかも香りもいい!

 

1867年のラ・フランス誕生以降、バラの育種家は、オールドローズになかった剣弁高芯咲きの新しい花形を追い求めました。いかに整った剣弁高芯咲きのバラを生み出すか、いかにそれまでにない新しい花色を生み出すか、いかにかつてないほどくり返し咲く性質のバラにするか、いかに大輪の素晴らしい1輪を咲かせるか──。

 

▲剣弁高芯咲きのモダンローズ「エレガントレディ」

 

こうしてオールドローズに備わっていた優美な花形や芳醇な香り、シュラブ樹形、育てやすさなどは、なおざりにされていったのです。

 

ラ・フランス誕生から約100年がたち、かつては古臭いと思われていたオールドローズの魅力を再発見したのがデビッド・オースチンでした。そして誕生したのが「イングリッシュローズ」だったというわけです。

 

新しくバラに取り組み始めた方には、剣弁高芯咲きの方が昔からある古いバラ(クラシックなバラ)という印象をもつ人が多いです。でもバラの専門家からすると、オールドローズの花形を受け継いだ「イングリッシュローズ」の花形の方がクラシックな印象です。

 

そのためバラのカタログでは、イングリッシュローズのような花形のバラを総じて「クラシックな花形」「クラシカルな印象のバラ」と呼ぶことが多くみられます。

 

YOUYOU

そこも謎だったのよね! わたしは剣弁高芯咲きの方が昔ながらのクラシックなバラで、イングリッシュローズみたいな咲き方のバラが新しいと感じるんだけど、カタログでは逆に表示されているのよ。

あいびーあいびー

ファッションでは流行は繰り返すと言うけれど、バラの世界でも同じことが起こったということね。

 

YOUちゃんをはじめ現代人にとっては剣弁高芯咲きのバラの方が古い印象で、カップ咲きなどオールドローズの花形の方が新しく感じるのね。でもバラの歴史を知っている専門家からすると、オールドローズの花形を受け継いだバラの方がクラシックだと感じるわけよ。

 

今までのモダンローズにないまるく咲く花で、香りや育てやすさも備えていたから、発表以来「イングリッシュローズ」は大人気になったの。次に、「イングリッシュローズ」の特徴をひとつずつ詳しく見ていきましょう。

特徴その1、優美な花形

▲イングリッシュローズの「メアリーローズ」

ールドローズの花形は、モダンローズを代表する花形の「剣弁高芯咲き」と対照的です。花びらが反り返らず、芯が高く巻き上がりません。基本はカップ咲きで、優美、優雅な印象に咲くのが特徴です。

 

オールドローズの花形をさらに完成させたのが「イングリッシュローズ」です。オールドローズにはやや乱れた印象の花形も多いのですが、イングリッシュローズは整った花形をしています。

 

特徴その2、豊かな香り

▲超強香品種として人気の「ジュードジオブスキュア」 写真提供/とらうさぎ

にヨーロッパに自生するバラを交配してつくられたオールドローズは、ほとんどが香り豊かなバラです。しかしモダンローズの育種では、香りは邪魔とされたことから、あまり香りのない品種ばかりになっていきました。

 

「イングリッシュローズ」は、中香~強香の香り高い品種ばかりです。オールドローズに多いダマスク系統の甘い香りの他に、「イングリッシュローズ」に特徴的なややスパイシーなミルラ香をもつ品種もたくさんあります。

 

特徴その3、多彩な花色

▲オールドローズにない黄花品種「グラハムトーマス」

つはオールドローズは、花色のバリエーションがあまりありません。白、赤紫の他はピンクの濃淡ばかりです。一方、モダンローズには赤や黄色、オレンジ色など、オールドローズにない豊富な花色がそろっています。

 

「イングリッシュローズ」は、モダンローズの豊富な花色を受け継いでいます。白やピンクの品種が多いのは確かですが、黒赤のバラや黄色、オレンジ色のバラなど、さまざまな花色の品種があります。

 

特徴その4、シュラブ樹形

▲イングリッシュローズはシュラブ樹形

ュラブ樹形は、枝先が細く、噴水型に枝垂れる樹形です。樹高を抑えて育てれば、木立ち樹形のバラと同じように管理できます。樹高の高くなる品種は、小型(枝の長さ2mていど)のつるバラとして、アーチやフェンスに誘引して仕立てることができます。

 

さまざまな仕立て方ができる反面、その応用範囲の広さが初心者には分かりにくいという面もあります。

 

特徴その5、強健で育てやすい

▲イングリッシュローズの「オリビアローズオースチン」

ールドローズは、ヨーロッパに自生しているバラを交配してつくられています。原種に近いバラばかりなので、オールドローズはヨーロッパではとても育てやすいバラです。その良さを受け継ぎ、「イングリッシュローズ」もヨーロッパの気候にマッチした、強健で育てやすい品種がほとんどです。

 

「イングリッシュローズ」は台木にヨーロッパに自生しているノバラを使っているため、日本でも信州や北海道などヨーロッパに似た冷涼な気候を好み、暑い夏が続く地方がやや苦手です。しかし夏の暑さを上手に管理できさえすれば、「イングリッシュローズ」は日本でもよく芽吹く強健さをもち、たくさんの花を咲かせます。

 

一方、完成された剣弁高芯咲きを追求してきたハイブリッドティー系統のモダンローズには、花は素晴らしいけれど病気耐性が低く樹勢のない育てにくい品種が多くあります。

 

特徴その6、くり返し咲く

▲イングリッシュローズ「リッチフィールドエンジェル」の秋花

とんどのオールドローズは春のみの1季咲きですが、モダンローズは四季咲きします。品種によりけりですが、「イングリッシュローズ」もくり返し咲く性質をもちます。

 

樹高が低い品種ほど四季咲きに近く、大型でつる仕立てにできるような品種ほど1季咲きに近くなります。

 

「イングリッシュローズ」の春以降の花つきは品種や栽培条件によるところが大きく、場合によってはほぼ四季咲きで、場合によってはほぼ1季咲きという曖昧な咲き方をします。

 

YOUYOU

「イングリッシュローズは、オールドローズとモダンローズのいいとこ取り」。確かにそんな感じね!──でも──こういう特徴をもつバラって、イングリッシュローズだけなの? 最近のバラって、だいたいこんな感じじゃない?

近年の新しいバラは多くがイングリッシュローズを親に作出されている

▲カップ咲きの強香品種「夢香」(2007年 京成バラ園)

ングリッシュローズの誕生とその人気から、多くのバラの育種家は「イングリッシュローズ」を交配親に新品種を創るようになってきました。

 

その結果「イングリッシュローズ」と同じような性質──つまり、オールドローズ譲りのクラシックな花形、豊かな香り、多彩な花色、シュラブ樹形、強健で育てやすい、くり返し咲く性質の曖昧さ──をもつ品種がたくさん誕生しました。

 

YOUYOU

なるほど。だから最近のバラの新品種は、イングリッシュローズ風のバラが多いのね。理由が分かったわ。素敵なイングリッシュローズの品種をいくつか教えて!

押さえておきたいイングリッシュローズBest6!

ビッド・オースチン・ロージズ社では、毎年「イングリッシュローズ」の新品種を発表しています。ナーセリーとしては新品種ほど力を入れていますが、ここでは新品種ではなく、イングリッシュローズを知る上で押さえておきたい品種を6つ紹介します。

 

1、コンスタンススプライ


バラ 苗 イングリッシュローズ 【コンスタンス スプライ 一季咲き】 3年生 接ぎ木特大苗 (長尺苗) 薔薇 ローズ バラ の 苗

 

コンスタンススプライは、1961年に作出された記念すべき「イングリッシュローズ」第1号のバラです。枝先が長く3.5mから、ときに5mていどまで伸びるのでつるバラとして仕立てます。

 

花径10cmの、クリアピンクの美しい大輪花はとても豪華です。春のみの1季咲き。ミルラの強香。

 

2、グラハムトーマス


バラ 苗 イングリッシュローズ 【グラハムトーマス 大輪 返り咲き】 2年生 接ぎ木大苗 6リットル 鉢植え 薔薇 ローズ バラ の 苗

 

カナダのバンクーバーで2009年に開催された世界バラ会議で「イングリッシュローズ」がバラの殿堂入りを果たしました。その品種がグラハムトーマスです。

 

グラハムトーマスは長く伸ばせば3mほどのつるバラとして仕立てることも、1.5mまでに短くカットして仕立てることもできます。不規則な返り咲き。濃厚なティーの香りをもちます。

 

3、ジュビリーセレブレーション


バラ 苗 イングリッシュローズ 【ジュビリーセレブレーション 大輪 四季咲き】 2年生 接ぎ木大苗 6リットル 鉢植え 薔薇 ローズ バラ の 苗

 

作出者のデビッド・オースチン氏は、イギリスのエリザベス女王2世に3度バラを捧げています。最初は即位40周年で「ゴールデンセレブレーション」を、2度目は即位50周年で「ジュビリーセレブレーション」を、3度目は即位60周年で「ロイヤルジュビリー」を捧げました。

 

ジュビリーセレブレーションは、花びらの底が黄色い温かみのあるピンクの大輪花。樹高1.2mとコンパクトなサイズで、鉢栽培にも向きます。フルーツにティーの強香。

 

4、レディエマハミルトン


バラ 苗 イングリッシュローズ 【レディエマハミルトン 大輪 四季咲き】 2年生 接ぎ木大苗 6リットル 鉢植え 薔薇 ローズ バラ の 苗

 

初心者向きのバラとしてよく登場するのがレディエマハミルトンです。耐陰性はやや低いものの、多くの花を、ほぼ四季咲きと言えるほどよく返り咲きします。

 

樹高は1m前後とコンパクトで、花壇の前面や鉢栽培にも向きます。香りはミルラの強香。

 

▼「レディエマハミルトン」のそだレポはこちらからどうぞ

 

5、ジュードジオブスキュア


バラ 苗 イングリッシュローズ 【ジュード ジ オブスキュア 大輪 四季咲き】 2年生 接ぎ木大苗 6リットル 鉢植え 薔薇 ローズ バラ の 苗

 

ジュードジオブスキュアは、トロピカルフルーツに白ワインをプラスしたような「超」強香品種として、香りのバラを集めている方には外せない名花です。

 

香りはもちろん、杏色の花びらが密に重なった美しいカップ咲きで、完成度の高いバラといえます。

 

1.2mほどのコンパクトサイズに管理することも、枝先を伸ばして2.5~3mのつるバラに仕立てることもできます。くり返しよく咲きます。

 

▼「ジュードジオブスキュア」のそだレポはこちらからどうぞ

 

6、ムンステッド・ウッド


バラ 苗 イングリッシュローズ 【ムンステッドウッド 大輪 四季咲き】 2年生 接ぎ木大苗 6リットル 鉢植え 薔薇 ローズ バラ の 苗

 

淡い花色の多い印象が強い「イングリッシュローズ」には珍しく、紫を含んだシックな黒赤品種です。

 

樹高1m前後のコンパクトなサイズで花壇の前面にも鉢栽培にも向きます。フルーツの強香がとくに素晴らしい。くり返し咲きます。

 

あいびーあいびー

いいところの多いイングリッシュローズには、もうひとつ、特筆すべき優れた点があるの。これは昨今の日本のバラ事情からして外せないメリットだと思うわ。

輸入苗のイングリッシュローズは根頭がん腫病に、ほぼかからない!

▲根頭がん腫病を発症した株は廃棄処分が基本 写真提供/天女の舞子

年、日本でバラの根頭がん腫病が流行しています。バラのナーセリーはどこも根頭がん腫病を出さないようしっかり管理しているはずですが、それでも日本国内に流通している苗の1/10が根頭がん腫病に罹患しているとする報告もあるほどです。

 

日本でつくる苗木は、日本に自生しているノバラ(ロサ・ムルティフロラ)を台木にしています。じつはこのロサ・ムルティフロラは根頭がん腫病にかかりやすいバラです。

 

一方、デビッド・オースチン・ロージズ社で販売しているイングリッシュローズの苗木は、イギリスに自生しているロサ・カニナやロサ・ラクサを台木にしています。これら輸入苗の台木は根頭がん腫病にかかりにくいバラです。

 

つまり「イングリッシュローズ」の輸入苗なら、根頭がん腫病の心配はほとんどありません。

 

▲デビッド・オースチン・ロージズ社のロゴマーク

 

ここで注意したいのが、国産の「イングリッシュローズ」の苗もあるということ。種苗保護期間を過ぎた品種を中心に、日本の台木(ロサ・ムルティフロラ)で接ぎ木した「イングリッシュローズ」も存在します。

 

ロサ・ムルティフロラを台木にしている国産の「イングリッシュローズ」の苗は、いくら「イングリッシュローズ」とはいえ、根頭がん腫病にかかりやすい苗です。

 

根頭がん腫病を避けたいからという理由で「イングリッシュローズ」を選ぶなら、デビッド・オースチン・ロージズ社のロゴマークが入った正規の輸入品を購入しましょう。

 

YOUYOU

ここまで「イングリッシュローズ」のいい点ばかり紹介されてきたけれど、何かイングリッシュローズのデメリットはないの?

イングリッシュローズ誕生が引き起こした問題点

▲春のイングリッシュローズはゴージャス!

ングリッシュローズは優れたところの多いバラです。でも、デメリットとまでは言えませんが、台木が日本の暑い夏が苦手なことと、「イングリッシュローズ」誕生が引き起こした問題が挙げられます。台木についてはまた別のところで説明するので、今回は、「イングリッシュローズ」誕生が引き起こした問題について紹介します。

 

「イングリッシュローズ」の特徴として挙げた6つの性質。「1、オールドローズ譲りのクラシックな花形、2、豊かな香り、3、多彩な花色、4、シュラブ樹形、5、強健で育てやすい、6、くり返し咲く性質の曖昧さ」のうち、4のシュラブ樹形と6のくり返し咲く性質の曖昧さは、専門家の間でとくに問題視されました。それまでのモダンローズにない性質のため、バラの専門家たちもどう対処していいのか困ってしまったのです。

 

専門家が頭を悩ませている間にも、どんどん「イングリッシュローズ」は販売されました。当然ですが、ナーセリーや販売店では品質の良さをアピールします。4の「シュラブ樹形」に関しては分かりにくいので、樹高の低いタイプは「木立性」と表記することが多く、樹高の高いタイプは「つる性」と表記されました。

 

6、の「くり返し咲く性質の曖昧さ」は、環境さえ良ければ年に何度も咲く”可能性”があるのだから「四季咲きと言ってしまっていいだろう!」と判断するナーセリーや販売店が多くあります。

 

今では「シュラブ」という言葉がバラの世界で一般的になりましたが、「シュラブ」を正確に把握している人はまだまだ少数派です。販売店の店員ですら、何割が把握しているでしょう? ナーセリーのタグに「四季咲き」と書いてあれば、当然「これは四季咲き品種です!」と言って販売します。

 

しかし購入した人が実際に育ててみると「四季咲き品種のはずなのに、ほとんど春しか咲かない?」ということが、たくさん起きてしまいました。

 

YOUYOU

それ、わたしも思ったことがあるわ! 四季咲きって書いてあるから、年に何度も咲くと思って購入したのに、ほぼ春しか咲かないバラがあるのよね。わたしの育て方が悪いと思っていたけど、それだけじゃなかったのね!

あいびーあいびー

イングリッシュローズや、イングリッシュローズを親に作出されたバラのくり返し咲く性質は安定していなくて、品種による差もあるし、温度や日照など置かれた環境や誘引の有無、肥料の量などさまざまな要因から咲いたり咲かなかったりするの。この曖昧さが引き起こす混乱は、今でも続いているわね。

まとめ

「イングリッシュローズ」についてまとめて紹介しました。デビッド・オースチン氏の創り出した「イングリッシュローズ」は優れたところの多いバラで、バラの世界に一大センセーションを巻き起こしました。花の美しさや香りの良さ、育てやすさから女性の心を虜にし、バラ栽培やバラを取り入れたイングリッシュガーデンづくりが主婦の人気となりました。

 

今では各国のバラのナーセリーが「イングリッシュローズ」の血筋のバラを発表し、新品種のほとんどが「イングリッシュローズ風」のバラになってしまいました。「イングリッシュローズ」がバラの世界を変えたと言っても過言ではないでしょう。

 

しかし「イングリッシュローズ」の誕生から、それまでモダンローズになかった「シュラブ」という概念のバラが多く登場するようになり、これが原因で混乱が引き起こされました。「シュラブ」は、枝の伸び方や花の咲く周期が曖昧で、定義づけが難しいバラたちです。

 

シュラブ人気と混乱を引き起こしたバラ「イングリッシュローズ」。「シュラブ」について詳しく知ろうと思えば、まず「イングリッシュローズ」について押さえておいてくださいね。

 

YOUYOU

「イングリッシュローズ」について、よく分かったわ。「イングリッシュローズ」は、バラの世界を変えたすごいバラだったのね!「イングリッシュローズ」がなかったら、今こんなにガーデンローズが人気になっていなかったかも知れないのね。

あいびーあいびー

そうね。作出者のデビッド・オースチン氏は2018年に92歳で亡くなったけれど、彼が生み出したバラは世界中で今も花を咲かせ続け、「イングリッシュローズ」を先祖にもつ新品種がどんどん創られ続けています。「イングリッシュローズ」がバラ界に与えた影響は計り知れないわね。

 

▼デビッド・オースチン・ロージズ社の公式サイトはこちらから

 

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