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ロサ・カニナ」は、ヨーロッパに自生する原種バラです。ヨーロッパの苗木の台木として利用されるほど強健で、たくさん成るヒップをお茶に利用したりクラフトに利用したり、利用範囲の広いバラです。


ロサ・カニナ

Rosa canina

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DATA

バラの系統 原種【Sp】
開花のしかた 一季咲き
花径 5cm
花形 一重
香り 微香
樹形 シュラブ樹形 3m
作出情報
交配
備考

ヨーロッパ原産の原種バラ。英名「dog rose」。

ヨーロッパの接ぎ木苗の台木に利用される。

乾燥した実はローズヒップ・ティーに利用される

ロサ・カニナは、ヨーロッパに広く自生する原種バラ

Rosa canina
Rosa canina / onnola

サ・カニナは、ヨーロッパ全土から西アジアにかけて広く自生する原種バラです。

 

以前イギリスを旅行したとき、高速道路脇のあちこちに咲いていたのを覚えています。ヨーロッパでは、どこにでも道端に普通に咲いているバラなんですね。英名では「dog rose」と呼ばれます。

 

淡い桃色の一重咲きの花を咲かせますが、変異種で、白花や、濃い桃色の花も見られます。花びらの中央が、やや白くなる傾向があります。

 

ヨーロッパの原種バラですが、日本の環境にもよく適応します。枝は赤みを帯び、半つる性のシュラブ樹形です。固く太い幹が立つので誘引しなくても自立し、幅2m高さ3mていどの大きな茂みになります。耐寒性があるので寒い地域でもよく育ちます。

 

花言葉

「素朴な愛」「孤独」「才能」「詩」「温かい心」

 

ロサ・カニナはヨーロッパの接ぎ木苗の台木に利用されるバラ

Dog Rose at the Castle Garden (Rosa canina)
Dog Rose at the Castle Garden (Rosa canina) / Melanie Shaw Medical Herbalist

勢が強くヨーロッパの気候に適した原種バラなので、ヨーロッパで作られる接ぎ木苗の台木には、このロサ・カニナが多く使われています。

 

たとえばデビッド・オースティン・ローゼズ社のイギリスから輸入されたイングリッシュ・ローズの苗には、台木にロサ・カニナが使われています。もしもイングリッシュ・ローズの接ぎ木した部分よりも下から芽が出てきたら、それはロサ・カニナの可能性が高いです。

 

ヨーロッパ苗の台木には、ロサ・カニナの他にロサ・ラクサも使われます。ちなみに国産苗の台木にはロサ・ムルティフロラ(ノイバラ)が使われています。海外で作出された品種も、日本で接ぎ木苗が作られていることが多く、その場合の台木はロサ・ムルティフロラです。ロサ・カニナを台木にした苗は、ゆるやかに育ち寒さには強い反面、やや暑さに弱いところがあります。

 

ヒップはローズヒップ・ティーやジャムに利用される

Rosa canina
Rosa canina / mmmavocado

モンの約20倍のビタミンCをはじめ、ビタミンE、カルシウム、鉄分、食物繊維、ベータカロテン、リコピンなどの美容効果が高いといわれている成分が含まれているとして、女性に人気のローズヒップ・ティーには、主に乾燥したロサ・カニナのヒップが使われています。

 

生のヒップを使ったジャムは、お茶にするよりも栄養素を余すところなく食べられます。庭で収穫したヒップでローズヒップ・ティーやジャムを作るなら、無農薬で育ててくださいね!

 

赤い実のついた枝はリースなどのクラフトに利用しても素敵です!

 

口コミとバラ苗の値段の目安

バラ苗販売店からのコメント

花が終わったあとタネを付けると木が弱るので、枝を軽く切り戻しますが、ローズヒップ(実・種)を収穫する場合はそのまま残し、9~11月にかけて収穫します。
開花期は黒点病やうどんこ病などの病気や害虫の発生がしやすいので注意が必要です。梅雨の時期は、うどんこ病の予防対策として、風通しをよくし、予防薬の散布も効果的です。(eーティザーヌ)

 

ロザリアンの口コミ

ロサ・カニナの花はすぐに咲いてあっという間にハラハラ散りますが、次から次へと咲いてくれます^^

花が散った後もそのままにしておくと、やがて実が膨らみ赤く熟してとてもきれいです。原種なので丈夫で病害虫にもやられにくいです。消毒などはしませんから、バラの実をローズヒップ・ティーとして楽しめます。でもこの実が堅くて砕きにくいので、ローズヒップ・ティーではなくリースやブーケに利用しています。

 

バラ苗の値段の目安

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まとめ


ヨーロッパの各地で自生している原種バラ、ロサ・カニナはとても可愛らしい少女のような印象のバラです。日本の気候にもよくなじみ、元気に育ってくれる強健で育てやすい品種です。

 

ロサ・カニナは、ヨーロッパの接ぎ木苗の台木に多く利用されています。輸入苗の接ぎ木部分よりも下から生えた枝に淡いピンク色の一重のバラが咲いたら、それはロサ・カニナかもしれません。

 

熟したロサ・カニナの実の中にある種を乾燥して、ローズヒップ・ティーに利用されます。自家製ローズヒップ・ティーを目指してロサ・カニナを植えた方のブログによると、実を割るのがなかなか大変なのだそう! ローズヒップ・ティーよりも実もの花材としてリースなどに利用したほうが現実的かもしれませんね。

 

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