横浜港に面する山下公園にあるバラ園は、2017年春の全国都市緑化よこはまフェアの開催に合わせて大規模リニューアルされました。バラと宿根草で彩られた山下公園の「未来のバラ園」を紹介します!
山下公園バラ園が、「未来のバラ園」としてリニューアル!
▲未来のバラ園のアーチは白バラがメイン
山下公園は、横浜港に面した、長さ774mになる細長い公園です。もともとは関東大震災のがれきを埋めて作られた、日本で最初の本格的な臨海公園です。港の見える丘公園や、山手の洋館、外国人墓地、中華街、マリンタワーなどに近く、横浜観光の中心となっています。
山下公園のほぼ中央、氷川丸の前には開園当時から沈床花壇があり、バラや季節の花々が植えられていました。この沈床花壇が、2017年、春に開催された全国都市緑化よこはまフェアに合わせて大規模リニューアルが施され、バラと宿根草いっぱいの美しい公園「未来のバラ園」に生まれ変わりました。
さくっと堪能したい方は動画をどうぞ!
「未来のバラ園」のバラは約190品種、2,650株
▲古くからある株に新しい品種を加えて、未来に受け継がれるバラ園が完成
山下公園には、これまでたくさんのバラが植えられてきました。公園が開園した当時、1930年(昭和5年)に寄贈されたバラなどの、古くから受け継がれている歴史ある品種を中心に育てられ、来園者に親しまれてきた歴史があります。
山下公園の氷川丸前の沈床花壇は、2017年、春の全国都市緑化よこはまフェアの開催に合わせて、既存のバラ約50品種350株に、新しく140品種2300株のバラを加え、合わせて約190品種、2650株のバラと宿根草を組み合わせたバラ園に大規模リニューアルしました。
古いバラを大切に受け継ぎながらも、未来に受け継がれていく新しいスタイルのバラ園をめざして、このバラ園は「未来のバラ園」と名づけられました。山下公園の「未来のバラ園」は、バラを市の花に制定している横浜のシンボルガーデンです。
「未来のバラ園」の3つの見どころを、ご紹介!
見どころ1、アーチやトピアリー、ポールで高低差をつけたデザイン
▲白バラのアーチとトピアリーの足元に広がる紫の花。立体的なデザインと色の対比が印象的
未来のバラ園は、バラのアーチやトピアリーを使って立体的に構成されています。
四角いアーチには数種類の白バラが咲きこぼれ、アーチとアーチの間には、傘を広げたように仕立てられた白バラのトピアリーが並びます。トピアリーの足元には紫色の花が! 白と紫の、色を抑えた整然とした景色は、とてもフォーマルで印象的です。
色を抑えた中心部分と対照的に、周囲の4分割された花壇はとてもカラフルです。周囲にはカラフルな色のポールが立ち並んでいます。
▲使われている白バラ品種が6種類、紹介されている
中心部分に植えられている白バラの品種が看板に記載されています。
バラは、「アルバ・メイディランド」「アルベリック・バルビエ」「淡雪」「新雪」「スノーグース」「つるアイスバーグ」の6種類。一重咲き、八重咲き、ポンポン咲きと、さまざまな表情をもつ白バラたちです。どれも花つきよく育てやすいバラばかりです。
見どころ2、4分割された花壇は色をテーマにデザインされている
白と紫でフォーマルな印象にまとめられた中央部分を取り囲む庭は4分割されています。それぞれ「桃花の庭」「青花の庭」「赤花の庭」「黄花の庭」と、花色をテーマにしたガーデンです。それぞれの庭を代表するバラの紹介と、一緒に植えられている宿根草を紹介するプレートが立てられているので、ご自分の庭造りのよいヒントになりそうですよ!
▲未来のバラ園は、4つのエリアに色別に分けられている
花色ごとに分けられた、4つのエリアを順番に紹介します。
桃花の庭
▲桃色のバラと草花をメインにした桃花の庭
「桃花の庭」は、桃色の花を中心に、それを生かす植物を組み合わせたガーデンです。左端の純白の大輪バラは「フラウ・カールドルシュキ」。純白の花と色鮮やかな葉が桃色の花たちに優しさと爽やかさを添えています。
▲桃花の庭を構成するバラと草花
プレートには、この庭を代表するバラとして「フラウ・カールドルシュキ」と、バラ以外の植物が記載されています。
バラ以外の草花は、「ジギタリス・アプリコット」「アスチルベ」「クリスマスローズ」「マーガレット」「セイヨウオダマキ」「ツルバキア・シルバーレース」「カンパニュラ・メディウム」「プリムラ・マラコイデス」の8種類です。
青花の庭
▲青花の庭のメインは青バラ「カインダ・ブルー」
「青花の庭」は、「カインダ・ブルー」という2015年に作出された新しい青バラを中心に、さまざまな青や紫色の花をつける宿根草が組み合わされています。上の写真を撮影したときには、「カインダ・ブルー」が咲くには少し早かったようで、ほとんどつぼみでした。左側にかろうじて1輪だけ咲いているのがそうです。
▲青花の庭を構成するバラと草花
プレートには「カインダ・ブルー」などの青バラについての説明と、バラ以外の宿根草が記載されています。
バラ以外の草花は、「アンチューサ」「スカビオサ」「デルフィニウム」「ブルーデージー」「ブルンネラ・ジャックフロスト」「ラベンダー・アボンビュー」「ベロニカ」「セントーレア」の8種類です。
赤花の庭
▲赤~ローズピンクのバラをいかすデザインの赤花の庭
「赤花の庭」には真っ赤なバラや濃いローズカラーのバラも植えられていますが、この庭を代表するバラとして、モダン・ローズの祖「ラ・フランス」が選ばれています。ラ・フランスは赤ではなくピンク色のバラですが、赤花を生かすバラとして取り上げられているようです。
▲赤花の庭を構成するバラと草花
プレートには「ラ・フランス」についての説明と、赤花の庭に植えられている宿根草が記載されています。
バラ以外の草花は、「アスチルベ」「ガウラ」「かおりナデシコ」「カンパニュラ・メディウム」「スイセンノウ」「ヒューケラ・スイートプリンセス」「ペチュニア」「エキナセア」の8種類です。
黄花の庭
▲黄花の庭を代表するバラは「ピース」
「黄花の庭」では、目にも鮮やかなレモンイエローのキンギョソウが咲いていました。この庭を代表するバラとしてピンク色の覆輪をもつクリームイエローのバラ「ピース」が選ばれています。
▲黄花の庭を構成するバラと草花
プレートには「ピース」の説明と、黄花の庭に植えらえている草花の種類が記載されています。
バラ以外の草花は、「ガザニア・シルバー」「マーガレット・コスモス」「ラナンキュラス・ゴールドコイン」「サントリナ」「オステオスペルマム」「ヒューケラ・ライムソルベ」「ゴールデンモップ」「ユリオプス・デオージー」の8種類です。
見どころ3、「未来のバラ園」のネーミングに込めた想い
バラはきれいだけれど、管理が難しい植物と思われがちですが、近年、管理しやすい病虫害に強い品種が次々と作出されています。このバラ園では、新しい管理しやすいバラを多く取り入れ、維持管理がしやすいバラ園を目指して作られました。
「未来のバラ園」というネーミングには、「美しいだけでなく、管理もしやすいこれからのバラ園を作りたい!」という意味が込められているのですね。
春と秋のバラの見頃
春は5月中旬~6月初旬
秋は10月中旬~11月初旬
訪れた人の口コミは?
春
5月中旬に中華街にご飯を食べつついでに寄りました。公園じゅうが美しいバラ園と化していてびっくりしました。様々な種類はもちろんのこと、庭園デザイナーさんのセンスがいいのか、ほぼ完璧なイングリッシュガーデンもありました。港と古いホテルとバラ、日本じゃないみたいでした。無料というのも嬉しいです。
来年はこのバラ園を見るために出かけたいです。
冬
私は横浜市民なので、この公園には時折出かける機会があります。
今回は、真冬の夕暮れでしたが、みなとみらい地区の近代的ビル群、大桟橋、ベイブリッジ、岸壁に浮かんでいる氷川丸、横浜マリンタワー等々、横浜を代表する景観を一望することができました。
又、園内には色とりどりの草花が植えられた庭園もありました。
アクセスと施設の案内
アクセス情報
みなとみらい線 元町・中華街駅出口「4」徒歩3分
JR関内駅南口 徒歩20分
JR石川町駅中華街口 徒歩15分
駐車場情報
山下公園駐車場(最大223台)
料金
平日 30分260円
休日 30分300円
駐車場の営業時間と定休日
24時間・無休
*詳しくは 山下公園駐車場の公式サイト をご覧ください。満車/空車情報もあります。
住所
中区山下町279
開園時間と休園日・入場料
24時間開園
無休
無料
▼歩いていける距離にある「港の見える丘公園」の情報は、こちらからどうぞ!