6月12日の「サイレントラブ」/鉢増し

▲鉢増し後。樹高は55cm 写真提供/アスタルティ

から抜いてみるとしっかり根が張っていた「サイレント・ラブ」。リッチェルの10号鉢から12号鉢に鉢増しを行いました。

 

枝が多すぎて鉢増しには四苦八苦しました・・・掴むところがなくてね。

 

▲パラパラと返り咲き 写真提供/アスタルティ

 

「サイレント・ラブ」は枝が多いので定期的に咲いています。そのたびに切り戻して樹高はだいぶ低くなりましたので、今のうちにと「ベニカXガード」を撒きました。

 

香りは微香と中香の間くらい。ダマスク系ですっきりとした香りです。

 

この時期の手入れ

5/29 「フルボ酸活力液アタックT-1」(花ごころ)で希釈液を作り、500mℓ散布しました。また、雨による土壌の酸性化を防ぐため、カニガラ石灰を鉢の周囲に撒いています。

 

6/4 鉢増し。土は「バラの培養土」(相原バラ園)を使いました。

 

6/5 「マイローズ殺菌スプレー」(住友化学園芸)を使用。お礼肥としてリン酸肥料の「ユーキリン」とアミノ酸肥料の「ミラクル」(どちらも相原バラ園)を一つかみずつ撒きました。

 

6/12 「ベニカXガード」(住友化学園芸)を10g、鉢の周囲に撒きました。肥料として*「森ぶ源 美育さん」(樹木新理論)を水に溶かして混合液を作り撒いています。

 

「森ぶ源 美育さん」でマンガン・ケイ酸・ホウ素といった成分を補給しました。そろそろ梅雨で肥料を撒きにくくなるため、早い段階でユーキリン&ミラクルを使っています。

 

*「森ぶ源 美育さん」は、樹木内のエネルギーを作り出すために必要な「モリブデン成分の欠乏」に着目する樹木新理論社の製品。水溶性の樹木用ミネラル栄養・肥料製品です。

 

6月20日の「サイレントラブ」/弱小枝の切り取り

▲栄養をサイドシュートに取られて葉色が悪くなっている 写真提供/アスタルティ

ソオビアシブトクチバが少し発生したので虫退治をしている途中、葉の色が悪くなった枝を発見しました。

 

ベーサルシュートが大量に発生した場合、既存の枝に栄養があまりいきませんが、更にこの枝はサイドシュートに栄養を取られて弱ってきたようです。

 

▲弱った枝はサクサク剪定 写真提供/アスタルティ

 

位置的にも日光が当たりにくい場所にある枝なので、付け根から切り取りました。その分サイドシュートに栄養がいくのでヨシとしましょう。

 

切り口には「トップジンMペースト」を塗って癒合を促しています。

 

この時期の手入れ

6/18 殺菌剤+殺虫剤の散布。STダコニール1000(住友化学園芸)+STサプロール乳剤(住友化学園芸)+コロマイト乳剤(三井住友アグロ)。

 

涼しい日に殺菌殺虫剤を散布しました。また、剪定後に「トップジンMペースト」(住友化学園芸)を切り口に塗っています。

 

7月17日の「サイレントラブ」/生育が鈍化

▲樹高55cm。真夏のため葉色はあまり良くない 写真提供/アスタルティ

まちまと摘蕾している「サイレント・ラブ」ですが、このところ調子がよくありません。樹高はパティオローズ並みの55cmに留まっていますし、葉色もあんまり良くない。現状維持でいっぱいいっぱいな感じがヒシヒシとします。

 

ちなみにコガネムシが1匹もしゃもしゃ葉を食べていたので、テデトールしました。1カ月か2カ月に1回くらいの割合で出合います。

 

▲バラの体力以上に主幹が多い? 写真提供/アスタルティ

 

ベーサルシュートに栄養を取られすぎて、樹高が伸びない感じがします。日光も前の場所より当たりにくい場所に移しているので、栄養が足りないのでしょうか。気温は日が当たる時間帯だと34~35度、日陰の時間帯だと31度くらいです。

 

ひとまず、活力剤をあげつつ対策を考えることにします。さてさて、どうしようかな~?

 

この時期の手入れ

6/26  殺菌剤+殺虫剤の散布。「殺菌剤/ジマンダイセンフロアブル(ダウ・アグロサイエンス日本)+プレオフロアブル(住友化学)+展着剤/アビオンE(アビオン)」。

 

7/3 殺菌剤の散布。「ベンレート水和剤(住友化学) 」。

 

7/17 殺菌剤+殺ダニ剤の散布。「殺菌剤/ストロビーフロアブル(日本曹達)」+「殺ダニ剤/バロックフロアブル(協友有アグリ株式会社)」。

 

7/3・7/17に活力剤「高濃度フルボ酸活力液 アタックT-1」(花ごころ)を与えました。

7/17 カニガラ石灰を1つかみ撒いています。

 

気温が25度を下回った日があったので、試験的に「ストロビーフロアブル」を使ってみました。バラに薬害が起きる恐れのある殺菌剤ですが、今のところ影響は出ていません。本来は夏には使用しない方がいい殺菌剤ですし、お勧めはできないかな。

 

ハダニが発生しているバラがあったので、葉シャワーで弱らせながらダニに効果のある「バロックフロアブル」をすべてのバラに使用しました。

 

戻り梅雨の模様なので、酸性雨対策でカニガラ石灰を撒いています。

 

8月23日の「サイレントラブ」/夏花と葉焼け

▲8月13日ごろに咲いた花 写真提供/アスタルティ

色くなって葉が落ちたり、葉焼けを起こすので、「サイレント・ラブ」はそれほど夏に強くなさそうです。樹高もあまり伸びず停滞していますが、夏花を少し咲かせて見ました。が・・・。

 

夕立の影響で花が痛んでしまったので、この花は撮影後に切り取ってしまいました。

 

▲8月20日ごろに咲いた花 写真提供/アスタルティ

 

気を取り直して、もう一度咲かせてみた花がこちら。前回よりはキレイに咲いてくれました。

 

樹高もあまり伸びず、横張の樹形なので夏剪定で切り戻すことを前提で進めていきます。

 

この時期の手入れ

7/24 殺菌剤+殺虫剤の散布。「殺菌剤/フルピカフロアブル(クミアイ化学工業)」+「殺虫剤/プレオフロアブル(住友化学)」。

 

8/7、8/14,8/21 液肥と活力剤の散布。「さわやかアミちゃん」(ヤサキ)+「高濃度フルボ酸活力液 アタックT-1」(花ごころ)

 

猛暑のため、薬剤散布はお休みしています。あまり雨が降らないため、病気の発生はありません。夏剪定に向けて、いろいろと準備中です。

 

9月3日・8日・11日の「サイレントラブ」/横張りで奔放なタイプの夏剪定・追肥

▲夏剪定前。樹高60cmで横張の樹形 写真提供/アスタルティ

ず9月3日のレポートから。

 

上は、夏剪定前の画像です。右側のベーサルシュートの勢いが強くて、樹形が右に傾きました。その分片側だけ重くなるので、鉢も右に傾きがちに。

 

なので、夏剪定は左右のバランスをとることに重点を置きました。

 

▲夏剪定後。樹高は60cm→55cmに 写真提供/アスタルティ

 

樹高はほとんど変わっていませんが、右側の枝をバッサリ切りました。あとは、余分な新芽をピンチして樹形を作っていくことにします。

 

台風来襲前だったので、追肥は5日後の9月8日に行いました。

 

さらに9月11日に、そろそろ病気が出てくる気がしたので、殺菌剤も散布してスッキリと。

 

この時期の手入れ

8/27 コガネムシの幼虫対策で殺虫剤を使用。「家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3」(住友化学園芸)。

 

9/3 夏剪定。

 

9/8 追肥。「RSKバラ園バラの肥料」(松栄産業)+ユーキリン(相原バラ園)+ミラクル(相原バラ園)を混ぜて、二握りほど鉢の周囲に撒きました。

 

9/11 殺菌剤の散布。ベンレート水和剤(住友化学)。

 

殺菌剤を撒いた後は、必ずシャワーを浴びています。暑さは和らぎましたが、湿度が高くて汗でビショビショになってますからね。

 

夏の間、西日を避けていましたが、置き場所を西日の当たる場所へ徐々に移動させています。

 

11月27日の「サイレント・ラブ」/秋花と、動きの止まった初冬のバラ

▲11月27日時点の「サイレント・ラブ」 写真提供/アスタルティ

に向けて寒くなり始めた今日この頃。「サイレント・ラブ」は他のバラに先駆けて新芽が出なくなり、動きが止まりました。

 

品種によっては極寒の1月でも咲くバラもあるけれど、「サイレント・ラブ」は気温が低くなると蕾を上げなくなるタイプのようです。

 

▲10月初旬の「サイレント・ラブ」。美しい秋花 写真提供/アスタルティ

 

「サイレント・ラブ」の秋花の見ごろは10月いっぱいでした。花径8~9cmのピンク色のひらひらとした花は美しく、同じ河本バラ園の「ラ・マリエ」に通じるものがあります。

 

香りも爽やかなフルーツ香でしつこくなく、万人に受ける芳香でした。香りの強さは中香くらいでしたね。

 

この時期の手入れ

10/9 殺菌剤+殺虫剤の散布。STダコニール1000(住友化学園芸)+STサプロール乳剤(住友化学園芸)+コロマイト乳剤(三井住友アグロ)。

 

11/5 殺菌剤+殺虫剤の散布。ジマンダイセンフロアブル(ダウ・アグロサイエンス)+コロマイト乳剤(三井住友アグロ)。

 

11/6 追肥。「RSKバラ園バラの肥料」(松栄産業)+ユーキリン(相原バラ園)+ミラクル(相原バラ園)を混ぜて、2握りほど鉢の周囲に撒きました。

 

私の都合で薬剤散布がまともにできていませんが、病気の発生はありませんでした。けっこう耐病性は高い品種のようです。

 

12月末~1月29日の「サイレント・ラブ」/凍害と立ち枯れ病・冬剪定・寒肥・マルチング

▲葉摘み後。12月の寒波でダメージが 写真提供/アスタルティ

12月に寒波に襲われた「サイレントラブ」。

 

風通しの良い、つまり寒い場所に置いてあったため凍害が発生しました。そのことに気が付かなかったのだけど、葉を取ってみると驚くことに──。

 

▲黒い点々と、立ち枯れかけた枝 写真提供/アスタルティ

 

葉があるていど茂っていたので気が付かなかったのですが、枝に黒い斑点(凍害)ができ、一部の枝は枯れこみ始めていました。

 

枝枯れが進むのを防ぐため、短く冬剪定することに。

 

▲冬剪定後。段ボール箱に収まるよう短くカット 写真提供/アスタルティ

 

枯れ始めた枝は切って、短めに冬剪定を行いました。

 

ベーサルシュートがたくさん生えた分、枝の充実度は完全ではなく、凍害の影響を受けやすかったようです。この後は保温のために、夜間は段ボール箱をかぶせて、雨の当たらない場所に置いています。

 

この時期の手入れ

12月末 冬剪定のために残っている葉を全て取りました。

 

1月4日 冬剪定。切り口に「トップジンMペースト」(日本曹達)を塗りました。

 

年末のお休みを利用して冬剪定を行いました。風が強い日が多かったので、1週間ほどかけて少しづつ葉を取っていき、年末のお休みを利用して冬剪定を行いました。

 

1/29 寒肥・マルチング。「RSKバラ園バラの肥料」(松栄産業)+「完熟のたい肥」(相原バラ園)

 

「サイレント・ラブ」は12号鉢なので、今年は冬の植え替えなしで育てます。1月29日に、強風がおさまったタイミングを見計らって寒肥とマルチングを施しました。

 

「RSKバラ園バラの肥料」を撒いた後に、「完熟のたい肥」(牛糞たい肥)で表土を覆いました(マルチング)。その時に、中耕を行ったり枯れ葉の破片も取り除いています。

 

「完熟のたい肥」は、固くなりがちな土壌の改善と保温効果があります。1月末に予報されていた強風で鉢が倒れる危険性を考慮して、寒波が去ってから行いました。

 

「サイレントラブ」を育ててみての感想

▲淡いピンクの波状弁咲き 写真提供/アスタルティ

 

山ほどベーサルシュートが出てきて大変でしたが、相対的に見て育てやすい品種です。耐病性は古い品種のわりに悪くなく、標準ぐらいの強さがあります

 

今回はベーサルシュートに多くのエネルギーを費やした格好ですが、花も香りも良いので数年たてば立派な株に育つでしょう。

 

虫にはそこそこ好かれますので、殺虫剤は定期的に使用しましょう。雨に当たらなければキレイな花を維持してくれますので、軒下管理の方がお勧めですね。

 

育てた人紹介/アスタルティ

もともとわたしは、花にあまり興味がありませんでした。

 

転機になったのは、コロナが蔓延しはじめた2021年3月ごろ。人ごみを避けて立ち寄った園芸店で、キレイに咲いていたマーガレットを1鉢購入しました。そのマーガレットがあまりにキレイだったので、ほかにも何か──と、4月ごろに園芸店を再訪。そこで出会ったのが売れ残りらしき「リアン・ローズ」というバラでした。ほかのバラ苗は傷んでいるものが多かったのですが、「リアン・ローズ」は病気ひとつなく、元気に枝が伸びていました。

 

そんな健気なバラに元気をもらったわたしは、これも何かの縁と「リアン・ローズ」を購入。「リアン」の意味がフランス語で「絆」ということも知らなかったわたしは、知らず知らずのうちにロザリアンとして歩むことに。

 

「絆」には「しがらみ」や「呪縛」の意味もあります。わたしはバラを育てるというしがらみに囚われつつも、このそだレポで誰かの助けになればいいと考えています。

 

そう。

 

「絆」には「支えあい」や「助け合い」という意味もあるのです。

 

 

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